四国山脈が見てる

少々肌寒くなってきた秋の午後。
漫画を読み飽きてヒマをしていた徳島は
後ろで本を読んでいた香川にちょっかいを出すことにした。

「なー。なに読んみょん?」
と徳島が香川に纏わりつくと、香川がいやいや答える。

「讃岐弁の本。」
「なんでほんなん読んみょんな」


香川が怪訝そうに答える。
「おもっしょいけん。」
「おもっしょいか?」

「方言と知らずに使ってた言葉とか、
新たな発見ができておもっしょいじゃろ?」
「ほーゆーもんかねぇ?あ、ほうじゃ。」

コレは本を読めないだろうとあきらめた香川が本を閉じて足元に置いた。
何年も付き合ってくるとわかるのだろう。
どうせまたいろいろ聞いて俺おちょくる気やのう、目が輝いとうわ…
と次の会話に身構えた香川は
徳島の意外な行動に呆気に取られた。


徳島は香川を羽交い絞めにすると突然香川の着ている服をまくりはじめた。
「なん?…え、なんするん!」
まくられそうになる服を両手で必死に抑える。

「え?sexの時も方言って出るもんなんかいなーって思って…」
「ほんな疑問もたんでもええけん…って順番がちゃうわ!」

「順番もくそもあるかいだ。」
と苦笑しながら徳島は暴れる香川の手を掴んで自分のベルトで後ろ手でくくる
「ちょお待って、ほんま洒落にならんけん…」




「ひ…」
後ろから首筋に何度もキスをし、舌で舐める。
手は休むことなく服の中をまさぐると何かに引っかかりそれを執拗に攻める。
「あ、なんやろ、コレ。」
「あ…やめ…」

摘んだり擦ったり引っ掻いたり、何度も何度もいじくりまわす。
すると香川の息が荒くなり、中心がふくらんできた。
「ふ…」と小さく震えて足をもじもじさせてきた。

「ん。おまはん、乳首だけで感じたんか。」
「ちが…お願いやけん、やめて…」

涙目で懇願する香川の言葉も無視して、徳島は中心に手をのばし、
ズボンのベルトを器用にはずすと直接、香川の敏感なところを掴んだ。
瞬間、前のめりになった

「!」
まだ未発達な香川のそれは徳島が掴むだけで硬く立ち上がり先端に先走りをにじませはじめた。




徳島は強弱をつけて上下にしごき始めた。
それにあわせて香川はビクビクとはねる。

「ん…あっ…やぁ…」
「いやいや言うてもここは素直やなぁ。」
「おねが…あっ…も…」
香川の息遣いが荒くなってきてがくがくと震えてくる。

「ん、もういくん?いってもええよ…」

「っあ…ぁ…」
あまりの快感に耐え切れなくなった香川はビクンと大きく震え精子を吐き出した。

「…はやいなぁ…もしかして初めてとか…」
「な…なんで、こんなんするんな!」

香川は嗚咽をあげながら泣いて徳島の声をさえぎった。

「俺が嫌いなんやったら言葉で言うたらええんじゃ!
いつも徳島は、お、俺の気持ちや全然わからんと…!」

香川は子供のように泣きながら大阪とか関西とか
わけのわからないことをごちゃごちゃ言い出した。
それをさえぎるよう徳島はつぶやいた。

「嫌いなんちゃうわ…こんなん…好きなやつにしかできん。」
「…え」

徳島は意外な言葉にきょとんとする香川の正面に移動した。

「すまんな。おまはん岡山と付き合いよんやろ?
こんなん言うんもこんなんするんもこれが最後…」

「岡山とは何もないわ…」
「え?ほなけど、おまはん…」

「俺やって徳島は大阪と付き合いようって思って…あ」

香川が「しまった」というような顔をして真っ赤になった。
それを見た徳島は突然「香川!」と大声で叫んで
びっくりした香川をおもいっきりギュウと抱きしめた。


「なん、勘違いか…良かった…って俺と香川は両思い…なんか?」

「お、おま、恥ずかしいこと言うな!
もしほれやったとしても…ち、ちゃんと順番があるやろ!
こ、告白して、両思いになって…つ、付き合ってのぉ…
こんなんはずっと後じゃ…」

言い終わった香川は顔を真っ赤にして俯いた。

そんな香川を愛しく思った徳島は心から自然に出てくる言葉を静かにささやく。
「なぁ。香川?」
「…なんな。」

「好きじゃ。順番変になったけど、付きおうて?」
「…くそぼっこ…遅いわ」
「かーいげないなあ、相変わらず。」

言い終わった二人は
どちらもともなく口を合わせる。


「最後までしていい?」


このあと香川に「ほなけん順番はやいんじゃあ!」って蹴られるんだと思います。
高松はどちらかというと「きん」より「けん」が多いとか。
大阪とか阿波よりの方言に近いと方言の本に書いてあったので、
讃岐弁頑張ったんですが、阿波弁になっていまいました。

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