メイド2−1


 メイドフロアは汚い。あちこちにバナナの皮とか石ころが散らばっている。すべてメイド達が転ぶように仕掛けられている。只でさえドジメイドなのにこういう演出されちゃあ、余計にこっちに危害が及ぶというものだ。

 僕はゴミを片付けながら先に進んだ。脇にバナナの皮を寄せながらメイド達と対決して行った。出会うメイドはすべてドジメイド。紅茶を入れると言ってはワザワザ僕のアソコを狙って熱湯をぶちまけるし何か食べたいと言えばぺ●ングを作ってくれるが必ずメンごと流しにダバーっと捨てるしあまつさえお湯入れる前にソースをぶち込みやがる。転んでは泣く萌えメイドだが気にせずにサクサク倒して行った。

 …まったく、メイド長の顔が見てみたいものだ。きっとドジに輪をかけた最悪のシロモノに違いない。

 そんな事を考えながら歩いていると、ちょっとずつ地響きが近づいて来た。嫌な予感がする。

 「ご主人様〜!!」ドドドドド…。やっぱり…敵が近づいて来るぞ。しかもさっきまでと違う。足音が複数…いよいよ三人バージョンのお出ましか。ドジメイドが三人集まるとどうなるのか…先が思いやられる。

 見ると遠くから目をぐるぐる巻きにしたであろうドジメイド達三人が走って来る。石ころに躓いたりしながら目を回しているのだ。落ち着いて注意深く歩けばいいのに。「あう〜!ご主人様ぁ〜〜〜!!!」「んに゛ゃ〜〜!!(泣」また転んだよ。こいつら学習能力ないな。

 ドジメイド三人の小さなシルエットがどんどん大きくなって、走って来る姿が鮮明になって来た。やっぱり目が渦巻きになってい…
 

 

 なっなんか違うのが混じってるぅぅぅぅ!!!!!

 メイド達(?)はやっとの思いで僕の前に辿り着いた。僕はもう完全に戦意喪失してうなだれてしまっていた。

 「…。」「どないしたん?」「…。」「どーしたん?わろてるん?」「……この中に一人、大阪がおる。…お前やろ!?」「ちゃうねん」
「お前やーーーーーー!!!!!!」

 はあ。。。もういいや。なんか疲れた。ここの女はみんな変だ。

 「…ちよは天才、よみはエロい…。ほんならやー、かおりんって、レズ?」「・・・・はぁ!?」「かおりんて、れず?」「…。」突然何を言い出すんだこの天然ボケ娘は。「…なにがほんならやーなのかは分からんが…レズじゃあないんじゃないかな…。」「ふぅん…」「って、何でそんな事言い出すんだよ。」

 「いや、榊さん女やのにめっちゃ惚れとるやん。やっぱりレズちゃうんかなって。男性教師と手を握り合ったりお揃いのTシャツだったりしただけで死ぬ思いするって、アレは絶対レズやで。」「いや…男性が怖いんじゃなくて教師のあのキャラが怖いだけでしょ…『キムリンって呼んでいーよ』とか言ってるし。」「ふぅん。つまらんなぁ。」

 「お前…彼女に何か恨みでも…?」「あー、私ら、仲悪いねん。」「えっ…そうなの?」「私が転校して早々な、榊さんみたいな女目指すって言うたら、あのクソ女『アンタにはムリ』いいよった。その言葉がグサっと来とんねん。」「…そうはみえないけどなあ…」「その証拠に、そのバレーボール以降、四巻のエンディングまで、私あの女と一言も口きいてへんねん。三年からクラスが別になってざまーみろや。」「そう言えばたしかに大阪とかおりんが仲良くしてるシーンはないな…ちよちゃんの別荘の時も別行動っぽいし…」「そやねん。私ら仲悪いねん。」

 「…。」なんか知られざるあずまんがの裏の人間関係を垣間見たような…。てかボーっとしたキャラなのに…そんな事考えてたんか…そういえば天才少女って結構妬まれやすそうだし…お金持ちだし…ともちゃんにマネされてバカにされたりとか…女の子のいじめって表面には出ない陰湿なものと聞くし…あ゛あ゛あ゛『ほんわかギャグまんが』のクリーンなイメージがぁぁぁ!!

 「なに悩んどるん?」「お前のせいだろ!」どっと疲れが出た。『アンタにはムリ』は正論だよな。。。

 はぁ。。。ドジメイドに加えて天然ボケまで出て来たらもう最強じゃないか。こんな連中と戦うのか。どうしよう…

 「さぁご主人様、ご奉仕致しますですぅ〜」考えてみればこのドジメイド達も天然だよなぁ…これを極めると大阪になるのか。「とりあえずお腹空いてると思って、ぺ●ングにお湯入れて置きましたですー。」「三時間前にな。」「…。食えねえだろ…」「ちゃうねん。」「…。」メイド達との合いの手もバッチリ息が合っている。てか異世界だから腹が減る事はない。食べる楽しみはあるけどな。

 メイド達がジリジリ迫って来る。こっちはあいた口が塞がってない。調子狂わされたままだとバトルにも影響しそうだ。もうこいつらの言葉に耳を傾けずにサクサク倒すしかなさそうだ。なんか変なの混じってるけどさっさとやっつけよう。僕は身構えた。

 ドジメイド対策は…ヘンな小槌は奪って置く事。ドジに起因する予想外の行動に気をつける事。そんな所だが…今回はちょっと(?)敵が違っているからな…そのまま通用するかどうか。とりあえず何故かここに召喚された春日たんをどうするか、だ。コイツの戦闘力は未知数だもんな…あらゆる意味で。

−選択肢−
メイド2−2 大阪をほっといてメイドから倒す
メイド2−3 大阪から倒す
メイド2−4 大阪を追い払う 


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