ピクシー1−4

 

 体の大きさが違う。こんな妖精が出て来るのも、ここが魔の世界だからだ。現実世界ではなく精神世界だからだ。僕もいくつかの魔法が使えるが、多分現実世界では使えない物だろう。

 精神世界、精神力…。魔法…。ピクシーを責められる道具…!考え付くのはあれしかない。もし僕の思惑通りなら、用意できる筈。僕は右手のひらを上にして、一心に念じた。綿棒出ろ綿棒出ろ!

 ポフッ。ハエタタキがあらわれた。僕の思惑通りで…はなかった。

 ここは魔法世界。精神世界。ある程度なら念じた通りのでき事を起こせる。世界そのものは『ないと・めあ』の作ったものだけど、僕はそれを夢として見ている。夢である事が分かっているのなら、逆に『ないと・めあ』に抵触しない限りかなりの程度自分の思い通りに操作できる筈。

 コーヒーを飲みたいと思ったら目の前にコーヒーを自由に出せる。思った通りの状態を作り出せる。敵だけは『ないと・めあ』の管轄だから操作できないけど、綿棒を出そうと思ったら自由に出せるんだ。

 後は精神力の問題。具体的に、強く念じる事のできる力。あるいは「できて当然と思う事のできる精神力」だ。HBの鉛筆をベキッとへし折るようにッ!できて当然と思う事が大切なのですじゃウシャーッ!

 …だと思ったのだが、どうも僕の精神力が足りないみたいだった。思い通りの物が出せない。

 もう一度やってみよう。綿棒〜!め〜ん〜ぼ〜う〜〜〜!!!ポフッ。またハエタタキが出てきた。いや違うだろ。「何してんのよ。」「…いや、その…。」…。こうなったら、これを使うしかないなあ。でもなあ。いいや、やってみよう。

 バチィッ!!!!僕は両手にハエタタキを持って、思いっきりピクシーを挟み込んで叩いた!

 「ぴぎゃあ!」

 ピクシーは紙の様に薄くなってヒラヒラと舞った。そのままポフッと草むらに落ちた。風が吹いてどこかに飛んで行った。

 「…。さてと!」僕は立ち上がって、何事もなかったようにその場を立ち去る事にした。いいのかなあ。

 「いい訳ねーだろ!!!」後ろから怒号が。やっぱりピクシーさんご立腹で。「よくもハエ扱いしたわね!これでも食らえ!」「ぐあっ!」

 僕が後ろを振り返る前にお尻に衝撃が走った!怒ったピクシーがもの凄い勢いで飛んで、僕のお尻の穴に両手を突っ込んだのだった。スーパーマンみたいに両手を突き出して飛んで来たのだから刺さるのは両手だ。

 「い、イタタ!ごめんなさい!離して!」「もう怒った!絶対離さないんだから!」「いや、あれはついなりゆきで…」「問答無用!」「っぅ!?」

 僕の下半身全体が鈍く痺れる。じわじわと蠢くこの感触は…、ま、まさか…

 「…この辺が前立腺だね。新しい刺激を教えたげる!」「グゥアアア!」

 ツンとした刺激が強烈な快感に変わった!痛みと快感が入り混じる中で、射精感だけがこみ上げて来る。

 僕は直立不動のまま、ピクシーのGスポット攻撃で骨抜きにされてしまった。あっという間にピクシーに抜かれてしまった。

 「はうう…」「参ったか。」「…参りました。」「じゃ次はドライね。」「ひいい!」

 やっぱり悪い事はしちゃだめだな。とんだ目に遭わされる。

###ゲームオーバー###

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