野球大戦☆

 とりあえず……爆が言いました。

 「で、結局要約するとどういうルールだ?」
 「は? あんたまさかやったことないとかいうの?!」
 「黙れ下僕。団体競技など足を引っ張られるものに参加した記憶はない!」
 「それただ単に協調性がないってことじゃないの!」
 「ま、まあまあピンクさん落ち着いて下さい。あのですね爆殿。野球というのはこの棒を振って投げられたボールを打つというものらしいです」
 「…………ちょいと待ち…カイ、あんたなんで伝聞形使っとるんや?」
 「あ、いえあの……私も耳にしたことがあるだけで実際は……。なにせ山奥の村ですのでとてもそれほどの子供の数が……」
 「あっはっは〜♪ どシロートがいっぱいだね♪ これじゃあ、あちらさんのが絶対有利なんじゃないの〜?♪」
 「黙れ。何人たりとも俺の前は歩かせん」
 「爆くん〜v さすがだよその唯我独尊っぷり! 僕の胸でだけ素直になっておくれ!」
 「…………………待て、ハヤテ。なにを逃げようとしている」
 「(ヒイ!!)」
 「………わざわざ厄介な人にばらした馬鹿鳥はこちらで処刑しておきますよ、爆くん………」
 「焼き鳥にしておけ。勝利の暁にふるまってやる」
 「爆ー!!! お前が言うと本気でこいつはやるんだよ! 訂正してくれ!!」
 「本当に被害にあいやすいわよねー鳥って」
 「どちらかと言うと遊ばれているだけだが…気づいていないな」
 「ジャンヌもそう思う〜? あれで結構爆ってば照れ屋さんだから素直にかまえないのよねv」
 「じゃあやっぱり僕への冷たい仕打ちも愛故なんだね〜vvv」
 「それはないって言うことも気づかないのよねー」
 「ピンクさん……いくら雹さんでもそんな大岩頭にぶつけられたら動かなくなりますよ」
 「うえ〜んっ! 真っ赤な血が花みたいに地面に咲いてるよ〜っ!」
 「ダルタニアン、GCがそれくらいでいちいち泣いとるんやない!」

 まあとにかく………そんな感じなジバクチームでしたとさ。

 猿野が言いました。

 「へんてこなガキと妙に意気投合しちまってさ。それで練習試合することになっちまったんだよ」
 「ふ〜ん…ねえ兄ちゃん、へんてこなガキってどんな子なの?」
 「ん? そうだなー……髪が逆立ったスーパーサイヤジンの黒髪版で、これっくらいの背丈で、あ、これ髪の分含めてな。そんであー、そうそう! ピンクのボールくらいのジージー鳴く妙な生き物肩に乗せてたぞ!」
 「なんすかその人ーっ!?!?!」
 「っていうかそれ地球上の生き物なの?!」
 「ああいきなり猿野くんが練習試合の相手見つけたからなんて言うからおかしいとは思ったんす! 先輩方だって今日は集まるのに無事に試合終了できるんすか〜?!」
 「試合終了しなきゃしないでオールナイトだ☆」
 「笑顔で断言しないでくださいっす〜」
 「ダメだよ〜こうなったらもう兄ちゃんに付き合わなきゃ。ジタバタしたって仕方ないし。ねえ、司馬くん」
 「………………(こくこく)」
 「しかしガキと言うことは年下ですよね? 一体猿野くん、何歳の子ですか?」
 「………馬鹿猿と気が合うんだ。小猿の集団だろ」
 「ぶっころ!!!」
 「落ち着くっす猿野くん! 僕達も聞きたいっす、ね?!」
 「中学3年くらい? じゃなきゃ僕達と対戦してもかわいそうだよね?」
 「スバガキ……お前中学3年生と並んでみろ。テメーの方が絶対年下だ」
 「そんなことないよ! ちゃんと身長伸びてるんだから! 司馬くんだって追い越しちゃうよ!」
 「いや、それは無理だろ」
 「うわ〜ん! みんなして異口同音ー!!!」
 「そんな四文字熟語知っていたんですか?!」
 「…………辰羅川くん……そこ驚くところじゃないっすよ………」
 「結局話はぐらかされたな」
 「あ、そうっすね。でもああいう態度とるってことは多分…………」
 「小学生、だな…………」

 深く溜め息を吐いた一年生たちは合流する先輩たちをどう誤魔化そうか、それはもう必死で考えていたそうですよ。


 まあ想像以上のすったもんだな騒ぎはありましたが、とりあえず試合が行われましたよ。よくやる気になってくれたものです。仮にも名門野球部が。
 先攻十二支、後攻ジバクチームで。ちなみに野球経験のない爆が普段のコントロール買われてピッチャーやってますv 同じく経験のないカイはキャッチャー。守備うまそうな乱丸使いたくないし、空を守れるハヤテも惜しいし。………ダルタニアンにさせたら逃げちゃいそうだから。
 まあ……妥当かな。
 「お〜い、大丈夫? ちゃんと投げられるのー?」
 「黙れペインティングガキ。避けんと死ぬぞ」
 「…………なんかお猿の兄ちゃん見てるみたいな感じ………」
 ぶつぶつと言っている間の爆、振りかぶって投げました。………ええ、ピンク色の球を。
 「にゃ?」
 不可解そうにボールを見ていた兎丸が……奇妙な手足をつけたそれにぎょっとしてタイミングずれました。掠ったボールがアーチを描いてそのままラインの外へ。ファールか〜とかのんきに見ていた十二支校……甘いです。

 チュドーン!!!!

 「なんだ、今の爆発Ha!?」
 「ジバクくんは当てた場合地面に当たると怒って爆発するぞ」
 「ちょっと待ったーっ! それってうちらも危ないってことやないか?!」
 「GC足るものそれくらいできんでどうする!」
 「それ以前になんで爆発するんすか?!」
 「世の中には不思議な生き物がいるんだね」
   「これもまた修行也」
 「え、お二方、納得されてしまわれるんですか?」
 人外魔境ズにはジバクくんも普通の生き物だったようだよ。流石というか……感覚ずれてるよ。下級生たちの泣きそうな顔見てあげて下さい。
 「じゃあみんな、頑張ろうね。ようは打って捕られなければ被害にあわないよ」
 …………だめだ。笑顔で鬼のようなこといってるし。打っても捕られてしまえば一番穏便なのだが、それはもちろん却下のようだしね!
 話も綺麗にまとまってしまったところで次の打者!ちなみに兎丸はちゃんと打ちました。セカンド近くでの爆発だったのでファーストまでしか進めなかったけど。今のところ被害者0で。
 「まいったとね〜、これじゃあバントは無理たい。どうすっとね」
 困ったように笑って猪里が登場。全然無理って思ってなさそうなんですけど。
 きっちり打ってジバクくんはピッチャーフライ……かと思えば追い風に乗って爆の頭上を越えていく……と多分全員思っていたはず。
 爆がジャンプしてキャッチしなければね☆
 「ちょっと待て! 今のジャンプおかしいだろ!?」
 「なにをいっとる。自分の足をちゃんと使ったジャンプのどこがおかしい」
 「跳躍力がおかしいんだよ!」
 「たかだか2m程度飛べないでGCが務まるか」
 「ぶえ〜ん、僕GCだけどそんな人外魔境にはなれないよー!!」
 「黙らんかい、ダルタニアン!」
 「…………あっちにもまともな人間がいたZe」
 「でも一人だけのようたい」
 「ねえ司馬くん、そんな難しい顔して悩まなくてもあんなのと自分を比較しない方がいいよ?」
 跳躍力にはちょっと自信があったようで。
 さて、お次は………蛇神様ですか?!
 「また妙な奴だな。おいジバクくん、きっちり打ち取れよ!」
 親指グッ☆ 任せろな笑顔が眩しいわv
 …………まああっさり打たれましたけど。
 「馬鹿者!! 潔く打たれとるな!」
 「おっしゃ任せろ爆! 俺にかかればボールなんぞ落とすのはわけないぜ!」
 そう言って空にいたのはもちろんハヤテで、ライセンス通りに風を起こしてジバクくんは落下していったけど………ボールはキャッチしないとなんの意味もありません。
 「なにやってんのさ、ハヤテ! せっかくアウトのチャンスだったのにダメにしちゃったよ♪」
 「は? ボールと落とせばいいんだろ?」
 「………本当に馬鹿ですね…ボールを落とした場合は相手側に有利なんですよ……」
 「ら、乱丸ー!! カバー頼む!!」
 デッドの手もとに藁人形の片鱗を見たハヤテが慌てて叫ぶ。………十二支校のみなさん、もう羽根人間が実際に飛んでいようと驚いてくれるのは子津くらいだよ。ライブとデッドが入れ替わり立ち替わり交代していても気にもしていないよ。大物ぞろい……なのか? アバウトなみんながすごい。
 「………奇怪な野球チーム也」
 そのとおりです。あなたたちも含めてね。
 ジバクくんはそのまま落下落下で………真下の乱丸まで迫っていって………無事キャッチ!  と同時に大爆発。何故?
 「………あいつ、痛かったからって乱丸に八つ当たりしおったな………」

 まあそんなわけでとてもじゃないが野球じゃない代物になりつつも試合はちゃんと進むわけです。
 奇妙な二人がたまたま会って、たまたま意気投合して。
 たまたま……ちょっと相手が気になったから。
 だから始まった野球。これくらいしか教えられるものがなかったから。
 ちっちゃな子供たちのために大きな腕たちは腹を立てながらもちゃんと付き合ってくれるようです。
 それがちょっと嬉しくて、こっそりこっそり二人は笑う。
 お互い結構幸せ者だと思いながら。


 だって。

 面白いんだぞなんて、笑うから。
 やったことないなんて、遠くを見るから。

 伸ばしたくなってしまった。この腕を。

 だからいまは仲間たちの不満も甘んじようか。

 馬鹿なことして気遣ってくれた聡明な人のために。
 大人びた顔で笑う馬鹿な子供のために。




 というわけでミスフルキャラとジバクキャラで野球です。
 どっちが勝つか全く解りません。被害に遭うのは十二支校でしょうが。
 時間ないんでここまででとりあえず終了!
 携帯メールで入っていた蛇神の打った球は乱丸に捕らせました。被害にも遭ってもらいました。
 他にピンクは超能力で捕っちゃうとか、アリババはこっそりランナーのベルトとって転ばしちゃうとか(おそらく被害者は猿野)、デッドが相手ピッチャーに藁人形打ち付けるとか(鹿目だと怖いので犬飼でお願いします)ライブが球威を落とすために唄い始めちゃったりとか。ダルタニアン怖くて結局ボールではなくやってきたランナーにしがみついちゃうとか(オイ)  いろいろ書きたかった部分はありますがもうすぐPC修理に出さなきゃいけないので(数時間ないです)打ち切り。
 すまんな。



■早。めっさ早くに届きました…(汗)だってちょっと前までメールでネタの応酬してたと思ったのにさ!!そのネタがほぼ全て網羅された話が出来上がってきてさらにびっくりさ。
■本文中にタイトルが入ってなかったんで勝手に冒頭に書いちゃった。ゴメンナサイ。このお話。最初は「野球対戦☆」だったのだよね。せせねに直接会った時に「どっちかっつーと野球『大戦』っつうカンジだったねぇ」「あぁー…そうだね」…などという会話を交わした所。いつの間にかタイトル改編されてたよ!流石ですせせね。
■ちなみにコレは私の1/1イラストの返礼に頂きました。