(冒頭部分)

青い空が忌々しい。
気分を変えようと思って屋上に来たのは失敗だった。少しは気だるさが取れるかと思ったが、清々しい青を眺めていても一向に気分が良くならない。昼休みにここに来てから、休み終わりのチャイム、授業が始まるチャイムをそのまま聞き流して、動く気にもなれず寝転がっている。やる気がでない。何をする気にもなれない。
このだるさの原因は、火神からのメールだった。
時間は朝に遡る。いつものように朝のおはようメールを火神に送ると、突然着信があった。相手はもちろん火神だった。おいおいメールじゃなくて声が聞きたくなったのか?かわいいじゃないかなんて思いながら俺は受話ボタンを押した。よう火神、と言った俺に、火神はちょっと黙ってから、ごめん青峰、二週間くらい会えなくなる、と言った。
火神によると、今日から二週間誠凛バスケ部総出でお勉強会があるらしい。お互いの得意科目と苦手科目、先輩が後輩に勉強を教え合い、期末テストを乗り切るためなんだそうだ。特別な理由で高校入学した俺と違って、火神はテストの成績次第で部活ができなくなる。火神の頭の出来は俺も知ったところだが、まさかそんなに深刻なものだとは思わなかった。時間はもちろん学校が終わってから夜までみっちり、それも火神宅で。
「って事は……明日の約束も?」
『うん……テスト前に約束入れるなって言われた』
驚いているのに落ち込んでいるような、興奮しているような変な感覚だ。
火神と俺は、学生同士だし学校も違うし、部活もあるし家も遠いから一緒にいられる時間はそう多くない。だからこそ、たまに会える日をずっと心待ちにしている。火神もそうだと思う。
じわじわとショックが襲ってくる。これはきつい。大ショックだ。
「じゃー暫くは声だけだな」
『それも我慢しろって』
「はあ?」
思わず椅子から立ち上がってしまった。ちょっと待て、そこまで束縛するか。
『実は、こないだの小テストをカントクに見られちまって……恋愛ボケする前にやる事やれって怒られた。勉強会の間は、連絡とるの我慢しろって』
ちょっと厳しすぎねえか誠凛のカントク。恋人同士の仲を引き裂くなんて悪の所業だ。約束を不意にされたうえ、この扱いはひどい。
「おっま、火神!お前は俺と連絡とれなくて平気なのかよ!」
『平気なわけねーだろ!でも、点数悪かったのも確かだし、テストでいい点採らなきゃなんねーのも確かだから……バスケできなくなったら嫌だし』
火神の声が、どんどん小さくなっていく。今、すげーヘコんだ顔してんだろうなって分かる。勘違いじゃなく、火神も俺に会いたがってるって伝わってくる。
「会いてえ」
思わず呟いてしまって、電話の向こうの火神がはっと息を呑んだ。
『じゃ、じゃあ、二週間後な!……ごめん、青峰。好き』
ちゅっと可愛いリップ音を立てて、通話は切れてしまった。受話の終わった画面をじっと見ていると、次第に意識が戻ってくる。
その間少しも火神と会えないのか?キスもセックスも触れるのも、会うのも二週間お預けだって言うのか?何度火神に電話を掛けても出る事はなく、メールも返信はこなかった。
こうして俺は、突然火神お預けを食らってしまったのだった。


(性描写部分)

撫でつけている時に少しひっかかる火神の乳首。反応して少し硬くなっているそこに、わざと指をひっかけて、爪で甘く弾く。ローションを塗っているせいで、摘もうとしてもぬるんぬるんと乳首が逃げてしまう。
「あぁっ!あ、あ、そこぉっ……ぬるって、変っ」
わざと指を滑らせていると、火神がひんひんと喘いだ。ぬるぬるになってテカり、つんと上を向いている乳首がすげえ美味そうで、ローションまみれのまましゃぶりつく。
「んーっ……!うぁっ」
確かこのローションは、口に入れても大丈夫だって雑誌に書いてあった。俺の夢にもそれが還元されてんなら、大丈夫だろ。あんな状態になった火神の乳首をしゃぶんなって言う方が無理だ。
変な味はしない。苺の香りが強く鼻につく。
「あ、ん、青峰えっ」
反対側の乳首もしゃぶってやると、火神の手が俺の頭をそっと包んで、指で髪をくしゃっと乱した。これは嫌だ、じゃねえ。もっとして、のポーズだ。乳輪ごと強めにかじろうとしたら、歯が滑って乳首を思い切り噛んでしまった。
「あああっ!」
腹に飛ぶ、温かい何か。火神がイったんだ。火神、乳首だけでイっちまったのか。
「……んな、良かったのかよ、火神」
火神は真っ赤になって、目を潤ませた。良かったんだな。羞恥に震える表情を見て、すげー満たされる。ほんとこいつ、どんどんエロくなっていく。
火神の身体に追加でローションをぶちまけて、俺の掌と火神の腹の上であっためる。それを、今度は下半身に伝わせる。腰、尻を伝って、曲げている足、つま先まで。全てローションを纏わせる。
まるで、火神をコーティングしているみたいだ。楽しい。どんどん火神の身体は粘液だらけになり、薄いピンクに染まっていく。苺の香りに包まれていく。
「う……んっ」
されるがままに気持ちよさそうにしていた火神も、一点に手が触れると顕著に反応した。きゅっと窄まった後孔で、指をぴたっと止める。
「やっぱ、ここか?火神」
「ん、あ、あ……」
尻も一緒に、にゅるにゅるとローションを穴の入り口に塗る。火神の腰が少し揺れはじめた。本能的なおねだりが、可愛い。




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