何をしてくれるのかとわくわくしながらお風呂の椅子に座っていると、蒼葉さんが自分の身体にボディソープを落として、しゃわしゃわと洗い始めた。まず自分の身体を洗うつもりなんだろうか。蒼葉さんのいい匂いがボディソープに消されていくのが、すこしもったいない。
「じゃあ、い、いくぞ……」
次は僕の身体を洗ってくれるのかな、そんなに気合を入れて。肩に手を置かれたかと思うと、ふわっと泡の感触が、背中全体に広がった。ぴったりくっついたのは、人肌?ひえっと声を出しそうになって口を塞いだ。蒼葉さんが、僕の背中に身体を擦り付けてる。あわあわにした身体で、僕の身体を洗ってくれている。鼻血?嘘だろ、僕は人口生命体だ。
「ん、んっ」
蒼葉さんが悩ましい声を出しながら、ゆすゆすと身体を上下させる。ほんのすこし当たる小さな違和感は、多分乳首だ。立ってるよな、これは。すごい。なんていやらしいんだ、蒼葉さん。
ご奉仕って、相手の為に喜ぶことをしてあげるものだ。だったら蒼葉さんは、僕がこうされたら喜ぶと思って、してくれてるんだよな。そう思うとたまらなくて、抱きしめたくて、青葉さんの身体が一旦離れた隙を狙って振向いた。
「蒼葉さんっ」
「クリア……綺麗に、なった」
お風呂の熱気以外の赤みも含んだ頬で、潤んだ瞳で、そんな事を言われて。
抑えなんてきくはずがなかった。
「ううっ」
「うわぁっ!」
蒼葉さんの腰を掴んでひっくりかえして、窄まったそこに性器を突き立てる。僕のはもう、蒼葉さんのせいでがちがちだ。入れたい、蒼葉さんに入れたい。中で蒼葉さんを感じたい。
「蒼葉さん、ごめんなさい、ごめんなさい……」
「あ、ああっ……!」
にゅぐっと押し入れると、身体があったまってるせいか慣らしていなくても飲み込んでくれた。埋まった亀頭がきゅっと締められる。気持ちいい。もう出てしまいそうだ。
掴むところがなくて彷徨ってる蒼葉さんの手を、バスタブの淵に持っていって掴ませる。蒼葉さんの前は泡だらけなのに、背中はお湯に濡れたままだ。綺麗にしてあげないと。今度は僕が、蒼葉さんを。
そばにあったボディソープを出して手で広げた後、自分の身体に塗りつける。真っ白な背中に舌なめずりをしてから、身体をぴったりと押し付けたまま含ませていた性器を奥まで押し込んだ。
「ああ!うっ」
「んっ……」
さっき蒼葉さんがしてくれたのと同じように蒼葉さんの背中に身体を擦りつけながら、蒼葉さんのアナルを犯す。中は変わらずきゅうっと締め付けてきて、あったかくて気持ちいい。にゅるにゅると滑る僕と蒼葉さんの肌の間で、ボディソープが泡立つ。上も下もよくて、頭がくらくらする。
「うあ、あっ!はぁっ」
蒼葉さんが喘ぐたびに、ぱさぱさと青い髪が揺れる。艶やかな身体が、泡に塗れて僕を誘うから、たまらない。はあ、と閉じていた口を開くと、溜まっていた唾液が蒼葉さんの背中に落ちた。
いけない、汚れてしまう。もっと綺麗にしなくちゃ。さっきよりも早く身体をスライドさせて、腰を打ち付ける。
「あ、蒼葉さん、蒼葉さん」
「ひっ!く、クリアぁ……んあっ!」
湯気の立ち上るお風呂で、湯船にも入っていないのに、のぼせそうになりながら愛し合った。
「ごめんなさい、蒼葉さん」
誘ってきたのは蒼葉さんだけど、蒼葉さんが本当にのぼせたのに気づかなかったのは、いけなかったなあ。ぐったりした蒼葉さんに僕のお気に入りのパジャマを着せて、部屋に運んでベッドに下ろす。頬の赤みと身体の火照りが引いてない。まだ具合が悪いのかな。
頬を触ると、蒼葉さんが僕の手に手を重ねた。
「クリア……」
「気が付きましたか?大丈夫ですか、お水持ってきますね」
「うん……ごめんな」
どうして蒼葉さんが謝るんだろう。悪いのは僕なのに。ご奉仕なんて言葉に有頂天になって、無茶してしまった。ちょっとくらいお叱りを喰らうのだって、覚悟していたんだけれど。
「僕が悪かったんです、どうして蒼葉さんが謝るんですか」
「ご、ご奉仕だって言ったのに……俺まで、よくなっちまって、のぼせちゃって……」
胸の奥が、きゅーんとした。蒼葉さん、これ以上僕を夢中にしてどうするんですか。ただでさえ貴方に夢中で、僕は大変なんです。好きです好きです好きですって想いを込めながらひたすら顔中にキスを落とすと、蒼葉さんはくすぐったそうに笑った。
いつか本当に、僕が旦那さんで、貴方が奥さんで、二人で幸せに暮らせる日が来るといいな。
「可愛いご奉仕、ありがとうございました」
20121230
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