ふと蒼葉の尻より下、に目をやると、蒼葉のジーンズの合わせ目が少し膨らんでいた。これは、もしかして蒼葉も、気持ちよくなってるのか?

「蒼葉、お前たっ」
「うるさいうるさいばかぁ!誰のせいだ!」

 縋るみたいな蒼葉の声はなげやりだ。俺たちは恋人同士なんだから、そうならそうといえばいいのに。気持ちいい事が、共有できたら最高じゃないか。
 何度も身体を重ねているのに、恥ずかしがって、隠そうとする姿はいとおしい。

「ひゃっ」

蒼葉が頭をぶつけないように少しスライドして、棚からひっぱりだしてから抱き上げる。ベッドに横たえて、そのまま唇にキスをした。

「ん、ん……んっ」

懸命に舌を絡めながら、ジーンズを脱がす。それと一緒に指にひっかけた下着も下ろした。反応している蒼葉の性器を、きゅっと掴む。

「んぁっ!は、あうっ」
「蒼葉……っ」

指に溢れる精液を塗りたくってから、ぬるついた人差し指と中指を蒼葉のアナルにゆっくりと入れた。変わらず中は熱く、柔らかい。俺を待っていてくれてるのだと、錯覚してしまいそうになる。

「蓮っ、はぁっ……」
「どうした蒼葉」
「はや、く……」

説破の詰まったいやらしい顔でそんな事を言われては、断る術もない。急く手でズボンの前を開けて、下着から飛び出た性器を蒼葉のアナルにぐぐっと沈めていく。

「うっ……」
「あ、蓮っ……!」

 少ししか慣らしていないのに、中がいつもより力が抜けている。やはり蒼葉も、俺に尻を揉まれたり嗅がれたりして興奮していたんだろうか。そうだったらいい、と思う。
 尻を触らせてもらって、揉ませてもらって嗅がせてもらって、しかもこうして身体まで許してもらって、俺は幸せ者だ。
 ゆっくり動かしていた腰を、次第に早めていく。蒼葉はこうして、俺の事を身体でも心でも、受け入れてくれる。

「蒼葉、好きだ、好きだ……んっ」
「あ、蓮、蓮っ!」

俺も、と蒼葉が、口だけ動かした。




ベッドの上でぐったりとした蒼葉の頭を撫でていると、なにやら物言いたげにこちらを見ていた。

「どうした?」
「あの、さ……お前も、お尻とか、好きだったりすんの?」
「え?」
「だってお前!あんな、あんなさ、あのっ!」

 さっきまでこっちを向いていたのに、ぼすっと枕に顔を隠してばたばたしはじめた蒼葉に少し笑ってから、ベッドにのぼってそのまま抱きしめる。
あったかいな、蒼葉は。

「大丈夫だ、蒼葉」
「……」
「俺の好きな尻はお前の尻だけだ」
「ばかー!!」





20130203

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