クリアは、キャンディか何かを食べているみたいなフェラチオをする。いかにもその、口に含んでいるそれが美味しいみたいにしゃぶって、頬張って、吸い付かれる。愛撫というにはめちゃくちゃなそれがおかしくなりそうなくらい気持ちよくて、クリアに口でされるとすぐにいってしまうのが恥ずかしい。
 そんな訳で今日もクリアは嬉しそうに俺のズボンのボタンを外して、ジッパーを下ろしている。ニコニコしながら自分のものが取り出される絵はどうもミスマッチで、なんだか頭を抱えたくなる。
 先ほどのキスで少し反応しているそこをじっと見た後、犬みたいにぱくっと咥えられる。温かくて生ぬるい口の中に入れられて、思わず少し腰が跳ねる。そのまま、裏筋をべろんと舐め上げられた。

「はぁっ……」

 くりくりと舌先で血管をいじりながら先端まで辿った後、唇でちゅうっと亀頭を吸い上げながら指で根元を痛くない程度の力で揉まれる。両手の中指が陰毛を掻き回して、その後弱く爪を立てられる。こいつ、これ全部計算でやっているんだろうか。
 監察しながら愛撫されているといつもよりずっと興奮する。案の定もういきそうで、見ている余裕がなくなってきた。あ、尿道口を舌先でこじられる。それやばい。気持ちいい。

「蒼葉さん、どうしたんですか?早い」

 クリアの顔を見ると、別に他意もなく疑問に思ったから聞いただけ、という顔をしていた。こいつの事だから本当にそうなんだろう。だからそんな恥ずかしいことをさらっと言えるんだ。俺のを越えた先にある顔がきょとんとしていて、なんだかむっとする。

「そんなの、クリアがっ……」
「はい!僕が?」
「クリア、が……」

 フェラがうまいから、なんて言えない。そんな事を言ったら、顔から発火して死んでしまう。今でさえ恥ずかしくてたまらないのに。
 頭を抱えたい気持ちになって視線を彷徨わせていると、ぎゅうっと性器の根元を絞られた。ぎゃっと思わず声が出る。

「い!く、クリア!」
「蒼葉さんが教えてくれるまで、いかせてあげません」

にや、と笑った顔が、こっちを見ながら亀頭を嘗め回す。いつものニコニコした綺麗な笑顔とは違う。とんでもない悪人の笑顔。いつのまにそんな悪い顔を覚えたんだ。そんな顔みたことないぞ!
射精しそうだった性器をせき止められて、性器の中で精液が暴れてるみたいに痛い。もどかしい、早くいきたい。俺をここまでしたのはクリアなのに、今はクリアに射精を止められている。しかもクリアは、根元を強く握ったまま、愛撫を再開しはじめた。

「い、あ!やだ、やめろ、クリア!」
「蒼葉さん、僕が?僕が、なんですか?」

 教えて、と屈んだクリアが耳に吹き込んで、身体が震える。こんなのひどい、生殺しだ。いつも優しくて、俺の事を考えてくれているクリアにこんな事をされるなんて。とにかく、早く、精液を出してしまいたい。
 俺の中の理性の天秤は、クリアが先端を爪で引っ掻いた刺激で遂に傾いてしまった。

「く、クリアの、クリアのフェラが……気持ちいい、からぁ!」
「嬉しいです、蒼葉さん」

 開放されてすぐはむっと先端を咥えられて、そのままクリアの口の中に射精する。すごく気持ちよくて、身体がびくびくと軽く痙攣した。クリアの喉がごくごくと上下するのを見ながら、止められない精液を出し続ける。
 長い射精が終わると、クリアが口を離して、唇をぺろっと舐めた。

「クリアの、ばか……」
「ごめんなさい、だって蒼葉さんが可愛くて」

 意地悪しちゃいました、なんて。
 そんな可愛い顔で言ったって、許してやらないんだからな。

クリアのそのフェラテクが全てネットの受け売りで、その飲み込みの速さと器用さで色んな事を試そうとしているのを知って俺が青ざめるのは、数日後の話になる。




20121217

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