「よっ……と」
 ウイルスが俺の顔の横に手を付いて、膝を立てる。
 ズボンのジッパーを下ろして、硬くなったそれを取り出した。胸の上にぽたぽたと先走りが落ちて、それにさえ感じてしまいそうになる。

「蒼葉さんの乳首、だいぶ大きくなりましたね」
「んうっ」
「ふふ」

 喉の奥で笑った後、ぴたっと熱い亀頭を乳首に宛がわれた。そのままぐっと腰をスライドされて、性器が乳首を潰しながらずるんと胸の上を滑る。

「うあ!」
「ん、気持ち、いい……」
「い、あっ!んんっ」

 亀頭で乳首を弾きながら腰を揺すられると、胸まですぐにぬるぬるになった。すべりがよくなって、ウイルスの腰の動きが早くなる。熱をもった性器のせいで火傷してしまったんじゃないかと思うほど、そこが熱い。ぷっくりと主張しているのを示されるように、亀頭でぐりぐりと弄くられる。

「ひ!い、いた、いたぁっ」
「蒼葉さんの乳首が、引っかかって……擦ってくれてるっ」
「うああっ」

 突きたてた性器を押し付けるみたいにされると、尿道口に乳首が埋まる。唇や舌とは違う感触に、痛いほどに感じて辛い。ひりひりして痛いのに、それが先走りに温められて擦られるのが気持ちいい。必死で首を振ったって、そんなの抵抗にさえならなかった。
 真っ赤になった胸が腫れて、乳輪までぷくっと赤く染まっていた。淫らに鳴ってしまったそこを見て、つくりかえられてしまった身体に、熱の中で絶望する。
 もう戻れないほどに、性欲の中に堕落してしまっている。堕落、させられてしまった。

「やってるな」
「トリップ」

 ドアが開く音にさえ気づかなかった。トリップがベッドに登ってくる。また、触られてしまう。もう身体のキャパシティは越えてしまっているのに。ぐいっと膝を持ち上げられて、与えられるであろう快楽が怖くて、目が潤む。

「も、もういやぁ」
「なんで、蒼葉。俺も気持ちよくして」
「大丈夫ですよ。変わらずここは、擦ってあげますから」

 慣らされてもいないのにひくつくそこへ、トリップが一気に腰を進める。中の肉を押し広げるみたいな挿入に、喉がひきつって息もできない。

「ひ、いっ……!」

 そこからはもう、地獄みたいな快楽に落とされた。ウイルスは腰の速さを緩める事無く性器で胸を攻め立てて、性感帯になってしまった腸内をめちゃくちゃに犯される。理性をばりばりと音を立てて食べられているみたいだ。羞恥も何もなく、気が変になったみたいに喘ぐことしかできない。上半身も下半身も、ぐちゃぐちゃぬちゅぬちゅと粘着質な音がうるさい。聴覚まで的確に、侵されて行く。

「あっ!い、あぁ!」
「上も下も、すごい音」
「エッチな蒼葉さん」

 ちゅっと頬にキスをされて、胸の上に熱い精液が散らされる。それと同時に、中にもどくどくと注がれた。もうこの二人の精液を受け入れていないところなんて、どこにもないんじゃないか。思考が空ろで、自分が今どうなっているのかも分からない。性器の熱が収まっているので、多分自分もいったんだろう。

「あ……」
「俺達の精液で汚れてる蒼葉さん、たまらないですね」
「よし、もう一回っと」

 また自分の中に挿入された性器の硬さを感じながら、投げ出した自分の腕を、ただ見つめた。






20121220

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