「蒼葉?」
「この、あばれんぼ」
ぎゅっと性器を掴まれて、思わず腰が浮く。握る力が容赦ない。その力加減はいくら俺でもちょっと怖えぞ。いたた。もっと優しく扱ってくれ、使い物にならなくなる。
「いつも、俺の中であばれやがって」
「あ、あーっと……」
「しかも俺のよりおっきいし……」
暫く握ったまま俺のを睨んだ後、ちゅっと亀頭にキスされた。
「うっ!」
「でも、いつも、きもちいい……れ」
なんか今夢みたいな事言わなかったか?べろ、と亀頭を包み込んで舐められる。蒼葉が俺のを、舐めてる。いつもだったらお願いしてお願いして、ようやくしてくれるのに。しかも、酒のせいもあるんだろうがうっとりした顔で。いとおしむように愛撫してくれる。
ああ、その顔、撮影して一生大事にしまっておきたい。えっちなのはお前だ。こんな役得が待っていたなんて、たまには毎日忙しいのもいいかもしれない。
懸命に裏筋を舌先で辿ってから、陰嚢を咥えてころころと転がされる。竿を唇で咥えられて、はむはむと刺激される。何日も禁欲していた体には、強すぎる快感だ。
いきそうなので蒼葉の顔をどけようとすると、性器を咥えたまま上目遣いでこちらを見ていた。それだけでもう駄目だった。
「うっ……ぁっ」
「んむうっ」
蒼葉の口に射精しながら、快感の波に身をまかせる。久々だからか量が多くて、なかなか止まらない。いけない、蒼葉の口に出してる。止めなきゃなんねえのに、無理だ。蒼葉が俺のを咥えたまま、苦しそうに眉を潜めてごくごくと喉を鳴らす。
飲んでる、俺の精液を。長い射精がやっと止まった頃に、蒼葉の髪をくしゃっと撫でた。
「悪い……苦しくなかったか?」
「んーん……」
どこかうっとりした顔で、口の隅からとろっと白い液が垂れる。なんだその顔、壮絶にいやらしい。いとおしくて、そっとキスをした。
蒼葉が腕をまわして、俺の首を引き寄せる。深く深く舌を絡めながら、こんなキスも久しぶりだな、と思った。最近ずっと、蒼葉が泊まりに来ているのに、蒼葉が寝た後に家に帰って、蒼葉が起きる前に出ていたから。キスをしたのは寝顔だけだった。
お互い夢中になって、キスをする。舌からそのまま溶け合ってしまいそうだ。ぱたん、と蒼葉を布団の上に倒して、思うままに口の中を味わう。いっそ本当にこのまま、一緒になれたらいいのに。
むき出しのまままた硬くなり始めた性器の先に、何か襞が触れた。俺と蒼葉の身体の間を見ると、いつの間にか蒼葉が脚を開いている。じゃあ、先に触れるここは。蒼葉が脚を抱えたまま、尻を浮かせる。粘膜同士が、ちゅん、と音を鳴らす。
「あ、おば」
「紅雀ぅ……、これ、ちょうだい」
ブチィっと頭の中の何かが切れた。
「ひっぃ!」
腰に力を入れると、ずる、と一気に半分まで入り込む。久しぶりの蒼葉の中は柔らかくてきつくて、すごく熱い。もう気を使う余裕もない。ただ蒼葉の中を暴きたいがために、初めから力を込めて腰を振る。
「い、あっ!あ、あっ!ひっ」
「蒼葉、蒼葉……いい、すごくいい、蒼葉っ」
ぐちゅぐちゅと俺の先走りを溢れさせながら出入りするそこを見ながら、腰を打ち付ける。俺と蒼葉の汗で滑ってうまく照準が定められないから、白い膝を抱えて、蒼葉の腰も動かした。ぎゅうっと中が締まる。
蒼葉の嬌声を脳髄に溶かしながら、好きなように貪る。
「あ、紅雀!こうじゃ、あ、はぁあっ」
「蒼葉、可愛い、お前が好きだ蒼葉っ……」
「んむぅ、む、ぅんっ」
腰を振りながら、蒼葉の唇に噛み付く。がむしゃらに舌を絡ませながら、パンパンと腰を振る。蒼葉の喘ぎ声まで、全部俺のものだ。他の誰にも渡さない。このまま頭から全て、食べてしまいたい。
セックスってのは、こんなに野性的で、理性をかなぐりすてて、獣みたいにむさぼるものだっただろうか。蒼葉を前に、綺麗な文句や飾りなんて、いらない。俺とお前がいればいい。お前以外もういらない。
お互いの声が枯れるまで愛し合った。
「おう、おはよう」
「……はよ」
朝飯を作っていると、蒼葉が眼を擦りながら台所に来た。ひどい声だ。昨日の今日で、というよりあの時間だからもう今日の早朝の出来事なのか。
いい気分で卵を割っていると、うぃん、と聞き覚えのある音が聞こえた。蒼葉が蓮を起こしたんだろう。
「おはよー蓮」
『おはよう蒼葉。ひどい声だな』
「うん……」
『昨日言っていた紅雀を盛大に困らせる作戦は成功したか?』
「!!!」
蒼葉がぎぎぎっとこちらを見る。聞いた。確かに聞いたぞ。聞いてなかったと言ってあげたいところだが、ちょっとこれは聞き間違えられない内容だったな。にやっと笑うと、蒼葉の顔がみるみる赤くなっていく。
「蓮お前!!紅雀、今の聞いて!!」
『紅雀ー、ご機嫌じゃねえか』
「ああ、今日はいい事があったからな」
『何を慌てているんだ蒼葉』
20121221
←back to top