学生だからって、毎日会えるわけじゃない。学校があるし、部活もある。俺と火神んちは歩いて行ける距離じゃないし、学校帰りに行くにしても会って話せるのはほんの少しだけだったりもする。だから土日休日のオフがかぶった時なんかはすげー貴重なわけで、なるべく、こう、恋人らしくしたいわけだ、俺としては。
今日はそのかぶったオフで、当然俺は火神の家に泊まりに来た。当然イチャイチャしてえもんだろ。当然ベタベタしてえもんだろ。
「青峰、このバッシュよくね?」
「んー」
気のない返事をしてしまったが、しょうがない。なぜなら、火神が俺を家に迎え入れてからずっと、キスどころか触ってきてもくれないからだ。
いつもなら、会えない時間を埋めるように玄関の鍵を締めてからキスをして、抱き合って、なんならそっからなだれ込む事だって多いのに。火神の腕が俺の首にかけられるのを待っていた俺に、なにやってんだよ、入れよって言ったんだぜ、こいつ。なにやってんだよはねーだろ。
で、そのまんま通されて、火神は雑誌となかよしこよし、俺はそんな火神をソファでごろごろしながら眺めてるわけだ。
「だよなあ、でも金ねーしなぁ……」
俺の気のない返事なんて気にも留めてない様子で、雑誌から目を放さない火神。
俺って火神のただのダチだったっけ。違うよな、恋人でもあるんだよな。これおかしくね?
「おいかが」
「あ!新色出てるぞコレ!」
明らかに今遮られた。という事は、素でやってるわけじゃない。こいつなりの何か算段があって、こうやって俺を避けてるわけだ。
メラっと、俺の胸に火が着く。やってやろうじゃねーか。こうなったからには、絶対にお前に根を上げさせてやる。俺に勝てると思ってんのかよ、火神。
「んー?どれだ、見せろよ」
「!」
ソファから降りて、火神を俺の脚の間に挟むようにして座る。腕を回して、背中にぴったりと密着してやった。ぴくっと反応したのに内心ニヤつきながら、火神の手元の雑誌を見る。
「ほ、ほら、コレ、っ」
「おー、いいじゃん。でもやっぱたけーな」
息が耳にかかるように返事しながら、手で腰を撫で回す。なるべくゆっくり、エロい事するぞって感じで。案の定火神の声が上擦ってきてて、それがゾクゾクするほど楽しい。愛撫っていうより、セクハラって感じだ。こらえてる感じの声が、余計そう思わせる。
「ぁんっ」
服の上から乳首に指を引っかけると、明らかに火神からあえぎ声が漏れた。勝った、と思いつつも、まだ許してやる気はない。今度は盛り上がった胸筋ごと鷲掴んで揉んでやる。あー、くっついてっし俺が勃起してんのもバレてるよなあ。まあいいか。
「おい、雑誌落ちるぞ火神。どうした?」
「んぅ、青峰、やっ……!」
「一緒に雑誌見てるだけだろ?何が嫌なんだよ」
真っ赤になりながら耐えてる火神がかわいくて、赤く染まった耳にキスした。耳の裏を舐めると、ついに火神の手に持っていた雑誌が落ちた。
「あぁっ」
「人の事避けやがって。お前だってエロい事したいんだろ」
「さ、避けてたわけじゃ、ねえって、あ、くっ」
服の中に手を入れて、ツンと立った乳首を摘む。
「じゃあなんだったんだよ、露骨なんだよお前。今更気分じゃなかったとか言うなよ」
「ちがぁっあ!お前、胸、やめろぉっ……話せね、あ、ぁんっ」
きゅうきゅう引っ張ったりつぶすようにこねたりするのをやめないから、胸が弱い火神はどうしても喘いでしまうみたいだった。仕方なく手を止めてやる。
「だって、なんか……ケンタイキとか、言うやつ」
「はあ?」
「いつもいつも同じ事してると、だんだん飽きてくるって……だから、たまにはそういう事しない日が、いるって聞いて」
それでこいつ、いつもの出会い頭のキスもしなかったし、抱き合いもしなかったし、よそよそしかったわけか。
倦怠期とか、俺たちまだ一年も付き合ってねーんだから当分こないと思うんだけど。てか、お前となら一生来ない自信だってある。俺が火神にどんだけベタ惚れてんのか、こいつは知らないんだな。
「あのな火神」
「でも……ほんとだった」
「あ?」
足をもじもじさせながら、伺うようにこっちを向く火神。
「なんか、今日の触り方……焦らされて、エロくて……やばい」
くるっと振り向いた火神を、ソファに放り投げてやった。倒れ込んだ身体に覆い被さって、顎を掴んで、むちゃくちゃにキスする。お預け食らったせいで加減ができなくて、火神の口から唾液が溢れるほどぐちゃぐちゃに舐め回した。
「んむ、うう、うぅーっ!ん、んっ」
エロくてやばいのはお前だ馬鹿野郎。
本当にこいつは、簡単に俺をけだものにする。火神を貪る事で頭が埋め尽くされて、理性なんて焼き切れてしまう。
唇を離して垂れた唾液を舐めとったあと、火神の服をめくりあげて、赤く染まった乳首をじゅうっと吸う。
「す、吸いすぎぃっ……うあっ」
両方の乳首を交互にちゅうちゅう吸いつつ、空いた手で火神のベルトを外し、ズボンを下着ごと引き下ろす。少し腫れてしまった乳首を舐めてから、今度は足の間に顔を埋めた。乳首の次は、ここを食べたい。勃起している性器にしゃぶりつく。
「あああっ!あ、やぁーっ」
火神がぎゅうぎゅう俺の顔を太股で締め付けてくるけれど、気持ちよくて力が入らないのか抵抗のうちに入っていない。全体を口に含んだ後、竿に舌をぺっとりくっつけて舐め上げてから、先を吸う。火神の先走りの味が口の中に広がって、美味くもないのにもっとほしいと思う。
「あくぅっ!ん、んぅうっ、で、出るっ……うあっ!」
亀頭を唇で柔らかく食んでいたら、火神がぶるぶると震えて達した。溢れ出る精液をこぼさないように口に含んでいく。飲み込みたい気持ちもあるが、今は堪える。
「あ、おみねえ……」
きもちー事にトロトロの赤が、潤んでこっちを見つめている。染まった頬も美味しそうで、味を確かめたい。
エロに屈服した火神、たまんねー。いや、俺に屈服してんのか。溺れてるってやつだな。
もう抵抗なんてしなくなった足を持ち上げて、ぐいっと広げる。尻が上を向くようにして、親指でほんのり染まっている後孔を広げた。
そこに、さっき火神が出した精液を、俺の唾液と混じらせて落としていく。
「ふぅうっ」
火照った中に冷たかったのか、火神が身を震わせた。
口の中のものを全て流し終えてから、一気に指を三本入れて、初めからずぼずぼと出し入れする。
「ふあ、あ、ああっ!あ、んんっ」
スムーズにピストンするな、やっぱり。それでもしっかり指を締め付け、うねる中に、俺も待ちきれなくなってくる。このあったかくてとろけた中にぶちこんで、腰を振りたい。膨れた前立腺に、亀頭の柔らかい所を擦りつけたい。
少し焦れつつ、指を引き抜く。汚れた手のままガチャガチャとベルトを外し、きつく仕舞っていた性器を飛び出させる。パンツ、濡れちまってんな。
「入れんぞ、火神ィ」
「ん……早くぅ」
太股を抑えて一気に奥までブチ込むと、ぱんっと肌と肌がぶつかって音を立てた。性器全部を食われ、むにゅむにゅと味見されるこの感触。何回やったって飽きる事なく、脳天突き抜けるほど気持ちいい。
「おっ……、やっぱ、すげー」
「あぁうっ……あ、あ!青峰、青峰ぇっ!」
あとは、思うまま腰を振るだけだ。入れる時は中を抉るように、抜く時は中に入ってんのを教えるように。そうすると、火神の後孔は逃がすまいといやらしく絡んでくる。ほんとにこいつのここは、もう性器になってしまったんじゃないのか。
じゅぷっじゅぷっと粘着質な音が鳴る。外まで聞こえてるんじゃないかと思うほどだ。
「あ、うあ、あーっ!あ、あひ、ひあああっ」
もう恥なんか捨ててしまった顔でぐちゃぐちゃに喘ぐ火神。そうだ、お前は俺に屈服してろ。そうすれば、どこまでも気持ちよくしてやる。俺だけに抱かれて、幸せになればいい。
「おらっ!……イイだろ、火神っ」
「あうっ、い、いい、いいよぉ、青峰、あ、ああっ」
「飽きるかよ、こんな身体っ!いつまでだって抱かせろ、俺のもんだ!」
「うぐっ!う、うん、うんっ、ん、んくぅっ」
ぽろぽろ涙をこぼしながら、揺れる身体で必死で頷くのを見て、胸がぶわっと満たされていく。分かったか、火神。
まあ久々だったし、きっつきつの中にそろそろ俺も限界だ。中におもいっきり注いで、俺をしっかり分からせてやる。
「おっ……らあ、中出しして、やるよっ……うお、おっ……!」
「あああっ……!あ、ああー……っ!」
ビュグっとのたうちながら射精する性器をしっかりねじ込んで、包み込まれた肉に注ぐ。それをまた絞り取るように中がうねるので、望み通り全部残さないように種付けてやった。
「あ、あぅ、あ……ん?」
「終わりなわけねーだろ、一回で」
「え……お、俺、無理だ、休んでからっ……ああぅ!」
腰を引こうとする火神の腰を掴んで、一気にギリギリまでずるっと抜く。がくんと崩れた身体を、今度はうつ伏せにしてやった。
「ひ、ひああ、青峰いやだぁっ……」
亀頭だけが栓をするように埋まっているのがたまらないのか、入り口がひゅくひゅくと収縮する。なんだ、お前だってまだ足りてねーじゃん。
どんっとまた後孔に奥まで性器を打ち付けてやった。
「んおおっ!おおっ、あ、あう!も、や、やああっ!あーっ!」
さっき出した精液をどぷどぷ溢れさせながら、塗り付けるようにしてゴリゴリ中を擦ってやる。濡れたせいで滑りがよくなって、すげー奥まで入ってる気がする。火神の性器は早いうちに射精を放棄して、トロトロと先走りなのかよくわからないものをたれ流していた。
「あうっ、あお、あおみね、やだあ、もうイけな、イけないんだよぉっ」
「それがすっげ、イイんだろ?俺もっ、いいぜっ……!」
ああ、またすぐ出てしまいそうだ。
俺を避けた責任は、ココでしっかり取ってもらうからな。覚悟しろよ、火神。
そんな感じで抜かずの三回が終わってから、火神は俺の事を怒るどころかずっと抱きしめて離れなかった。セックスというより襲いかかってくるようなギャップに興奮したものの、いつもの青峰じゃない気がして、自分も飛んでしまって怖かった、だそうだ。火神マジ可愛いくね?
20130113
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