夢幻の鳥籠




色は匂へど 散りぬるを

我が世誰そ 常ならむ

有為の奥山 今日越えて

浅き夢見じ 酔ひもせず




[彼岸の蝶]より、太夫の京一。

周りがどんなに鮮やかな色を宿しても、どんなに綺麗な着物を着飾っても、それは単なるお飾りでしかない。
彼自身は何者にも興味がなく、記憶を手繰って思い出さなければならないような出来事もなく。
死ぬ理由がないから生きているだけの、空っぽの“生”。


ひたすら病む一方で、全くデレる要素が見当たらない設定です……