Lively change





六時間目をサボった京一が、そのまま行方を眩まさなかったのは、なんの気紛れだろうか。
そのまま学校に残っていれば、授業が終わるなり遠野に再び追われるのは明白だと言うのに。

ホームルームを終え、校舎を出た昇降口に京一は立っていた。




「帰らないの?」




姿を見つけた龍麻が訊ねると、京一は判り易く眉間に皺を作った。
その頬が僅かに赤くなって見えるのは、差し込む夕日の所為────だけではない。


龍麻に続いて、葵、小蒔、醍醐、遠野も出て来る。
遠野は京一がいる事に気付くと、真っ先に駆け寄って来た。




「教えなさいよ、京一ッ」
「……まだやってんのか、お前は」
「だって気になるじゃない」
「いい加減にしろって話をしたばっかだろうが」




それで遠野が懲りる訳もない。
これも判りきった事だったので、京一はもう一度溜息を吐くと、遠野から目を逸らして歩き出す。

何処か重い足取りの京一を遠野が追い、その後ろを龍麻達がついて行く。




「これから何処か行くの?」
「別に。帰る」
「何処に帰るの?」
「……なんで其処まで言う必要があんだよ」




胡乱な顔で振り返った京一。
それを見た遠野の眼鏡がキラリと光る。




「やっぱり今から何処か行くんでしょ」
「行かねえっつってんだろ」
「だっていつもだったら、『女優』とか吾妻橋の所とか、ちゃんと場所言うじゃない。ね、緋勇君」




遠野が確信を持って龍麻に言えば、龍麻はこっくりと頷く。
そんな相棒を京一は恨めしげに睨み付けてから、その行為こそが図星なのだと気付く。


京一は確かに『女優』で寝食している事が多いが、毎日ではない。
舎弟達と遊んでいる事もあれば、歌舞伎町の知り合いの所に行っている事もある。
最近は龍麻の住むアパートに来る事も増えていた。

その際、何処に帰るのかと聞いた時、彼は何処に行くかはっきりと口にしていた。
決めていない時は「決めていない」と言い、“其処まで言う必要があるか”と疑問を呈した事はない。



墓穴を掘った自分に、京一は苦々しく、目敏い遠野を睨む。




「ついて行っていい?」
「却下」
「えー!いいじゃん、ちょっとぐらい!」
「お前のちょっとが信用出来るか!」
「邪魔しないから。ね?」
「ついて来てる時点で邪魔だ」




何処までも辛辣にあしらう京一だが、遠野は一向に引かない。

それを龍麻達は見守っていただけだが、暫くすると、京一の苛立ちがピークに成りつつあるのが判った。
元々短気な京一が此処まで遠野に付き合っている時点で、彼にとっては大譲歩だったのだろう。
今の内に引っ込んでくれ、と言う願いも込めて。




「…止めた方がいいかな、遠野さん」
「止まらないと思うよ。なんかお互いに意地になってる感じがするし」




龍麻の呟きに、小蒔は特に気にした風でもなく言う。




「ふむ。おい京一、行く場所だけでも教えたらどうだ?」
「はぁ?」




醍醐の提案に対して、京一は眉間に皺を寄せ、凶悪な顔で振り返る。
八つ当たりしているのは明らかだったが、醍醐は気に留めなかった。




「何も言わないから、余計に遠野が知りたがるんだろう」
「そーよ!何があるのかとか、何処に行くのかとか、どれか一個でも教えてくれたらいいの」
「………信用なんねェ。火に油だろ、絶対ェ」




とことん疑う京一は、裏を返せば、何があろうと言いたくないと言う意思表明なのだろう。




「…………」
「…………」




京子と遠野の睨み合い。
絶対に言いたくない京一と、絶対に諦めたくない遠野と。

そのまま膠着するかと思われた空気を破ったのは、京一の鞄の中から鳴った電子音だった。




「……携帯?」
「やべ」




京一は携帯電話を持っていなかった筈だが、薄い鞄から鳴っているのは、明らかに呼び出し音だ。
慌てて京一が鞄を開けると、鳴っている携帯電話が取り出される。




「京一、携帯買ったの?」
「押し付けられたんだよ、兄さんに」




そうでなければ、京一が携帯電話を持つ事はまず有り得なかっただろう。
子供の頃から世話になっている人達にだけは、彼も弱い一面があるのだ。


通話ボタンを押して電話に出た京一。
二、三言葉を返すと、「ちゃんと帰る」とだけ言って通話を切った。

電話相手が誰であるのかは、京一の対応を見れば自ずと知れる。
むず痒そうにがしがしと頭を掻く仕草は、この一週間でよく見たものだった。




「『女優』の人達から?」
「ああ。ちゃんと帰って来いって…………げ」




龍麻からの問いに頷いてから、京一は気付く。
隣にいる遠野が笑っている事に。




「あ!逃げた!」
「待てー!」
「くぉら! なんでお前らまで来てんだ!いい加減にしろーッ!!」



























何処に逃げようとも、結局行き着く所は決まっている。
『女優』に帰るようにと言いつけられて、念を押されているので、京一は最終的に其処に行くだろう。
それだけ判っていれば、どれだけ路地を無作為に駆け回ろうとも、最後は合流するのだ。

どうにか振り切ったと思って『女優』のドアを開けてから─────京一はそれに遅まきながら気付いた。




「おかえりなさい、京ちゃん」
「遅かったね、京一」




息を切らせて『女優』に飛び込んだ京一を待っていたのは、アンジー達だけではなかった。
いつの間にか専用メニューの一つとなった、ビッグママの作った苺牛乳を飲んでいる相棒の姿がある。

京一は数秒間停止した後で、カツカツと足音を立てて龍麻に近付くと、がしっとその胸倉を掴む。




「お前、オレの話聞いてたか」
「うん」
「ついて来るなっつったろ」
「うん。だからついて来てはいないよ」




へらりと笑って言った龍麻に、京一の米神に青筋が浮かぶ。


──────妙だとは思ったのだ。
全速力で走っている間、追い駆ける気配があったのは、遠野と小蒔だけだった。

遠野はいつものスクープ欲しさ、小蒔はノリだろう。
それを諌めようと追い駆ける葵と醍醐の声はあったのだが、龍麻の姿はいつの間にか見えなくなっていた。
本気で走れば龍麻ならば追いつかれたかも知れなかったのに。



バタン、と大きな音がして、出入り口のドアが開く。
途中で巻いた遠野達が到着したのだ。




「あッ、緋勇君!」
「早いね」
「京一、此処に来るって判ってたから」
「あ、そっか。そうだったんだ〜。わざわざ追い駆けなくて良かったんだ」




真冬だと言うのに汗だくになっている一同に、龍麻はお疲れ様、と笑いかける。


京一はもう疲弊し切っていた。
怒鳴る気力も、追い出す気力もない。

いつもの場所─────店の真ん中のソファに腰を落とすと、アンジーが隣に座る。




「苺ちゃんから聞いたわ。もう、京ちゃんたら、恥ずかしがっちゃって」
「別にそういうンじゃねェよ……」




テーブルに置いてあったウーロン茶を取って、一気に飲み干す。
恐らく、アンジーかキャメロンかサユリか、誰かのものだったのだろうが、気にする事はない。

葵達もビッグママからウーロン茶を貰い、走り回って渇いた喉を潤した。
一同がほっと一息を吐いて、遠野が龍麻に質問する。




「緋勇君、京一が逃げてた理由聞いたの?」
「うん。アンジーさんが教えてくれた」
「……なんで言うんだよ、兄さん」
「ふふ、いいじゃない。お友達なんだから」




お友達────その言葉に、京一は耳の奥がむず痒くなるのを感じた。
がしがしと頭を掻いて誤魔化すが、顔が僅かに赤くなっている事は否めない。
そんな京一を、アンジー達は微笑ましそうに見詰めている。


龍麻は、空になったグラスをビッグママに返却する。
他のメンバーも飲み干したウーロン茶のグラスをカウンターに戻した。




「今日って、京一の誕生日なんだって」
「そうなの?」
「……アン子、知らなかったの?」




龍麻の言葉に驚いた遠野に、小蒔が首を傾げて問う。
彼女の情報網を持ってすれば、靴下の穴までお見通しだと言うのに、友人の誕生日を知らなかったとは意外だ。




「だって、京一の誕生日を知っている人が誰もいなかったんだもん。本人は教えてくれないし」




クラス担任のマリアなら、生徒名簿等で見た事があるかも知れないが、逐一気にしてはいないだろう。
今日が何の日であるかを問うた所で、一クラス三十人程の教え子の誕生日までは直ぐに思い付くまい。
遠野が今日当たった中で知っている可能性と言ったら、後は岩山たか子だが、彼女もこれはマリアと同じ。

結局、京一の誕生日を知っているのは、公の情報として知っている者を除けば、本人と『女優』の面々だけと言う事だ。


拗ねたように頬を膨らませる遠野。
しばしその顔を見返していたが、ふいっと逸らし、




「この年になってまで、誕生日なんぞで大騒ぎするモンでもねェだろ」
「でも毎日、日付確認してたじゃん。あれって楽しみにしてたんじゃないの〜?」




にやにやとした顔で言う小蒔は、明らかに京一を揶揄っている。
京一はそれに対して─────何かを言いかけて、沈黙する。



楽しみじゃない、とこの場で言うのは、流石に憚られた。
祝ってくれる人達を前にして、幾ら照れ臭さから来るものとは言え、安易に拒否するような言葉は吐けない。

日付を確認していたのは、楽しみだったと言うよりも、忘れてしまうとアンジー達が寂しがるから。
中学生の頃は『女優』に帰る事もせず、誕生日を祝わなかった年もあった。
後日になって戻った時、遅い誕生プレゼントを贈られて、嬉しさと申し訳なさを覚えたものだった。


京一自身は誕生日一つに拘る気はない。
けれど、アンジー達にとっては毎年の楽しみなのだ。



口を噤んだ京一の顔を小蒔が覗き込む。
いつもなら確実に言い返す彼が、悔しそうに歯噛みするのが面白いらしい。

そんな京一をアンジーが肩を叩いて宥める。




「いいじゃない、京ちゃん。今年は皆でお祝いしましょう」
「祝いって……あいつら面白がって追っ駆けてきただけだぜ」
「お祝いぐらいするわよ。そりゃ今は何にも持って来てないけど」




単にタダ飯が食いたいだけだろう、と喉まで出掛かった台詞を飲み込む。
祝うにしろ祝われないにしろ、いつものメンバーで食事をするのは嫌いではない。




「もういい。好きにしろよ」
「うん、そうする」
「ごめんね、京一君……」




律儀に詫びる葵に、京一はひらひらと手を振って「気にするな」のサイン。

祝われるのも照れ臭いし、日付の確認をしていたものだから、楽しみにしていると思われるのも恥ずかしかった。
けれど、逃げ回ったのも、誕生日だと言わなかったのも、途中からは単なる意地だった。
知られてしまったなら、もう気にしても仕方がない。



カチャリと金属の軽い音が聞こえた。
ビッグママが最後のグラスを洗い終えたのだ。

ビッグママがカウンターを出ると、アンジー達も立ち上がり、最後に京一もソファから腰を上げた。




「じゃあ行きましょうか」
「おう」
「何処行くの?」




当たり前のように店を出て行く京一達を、龍麻達も追い駆ける。


店を出ると、木枯らしが龍麻達を叩いた。
ぶるっと身を震わせて京一を見ると、アンジーからダウンジャケットを受け取っている。




「あー!京一、ずるーい!」
「るっせーな、貸さねェぞ」
「……それ、この間テレビでやってた高い奴じゃないの?」
「知らねェよ、兄さん達に押し付けられただけだ」




制服の上にそのまま羽織って、袖を通す。

一人温かそうな京一を、遠野と小蒔が唇を尖らせて見ていた。
そんな二人に意趣返しのつもりだろう、今度は京一がにやにやと笑う。




「寒ィのが嫌なら、とっととおうちに帰ンな」
「イーヤ。絶対帰らないッ」




両腕を摩りながら寒さを誤魔化す二人に、龍麻、葵、醍醐の三人は顔を見合わせて苦笑する。

これが一月の真冬でなければ、もう少し風が弱ければ。
男子陣が制服の上着を貸しても良かったのだが、この時期は流石に辛い。




「美里さんは大丈夫?」
「ええ。ありがとう」
「女の子は無理しちゃダメよ。上着は貸して上げられないけど…途中でコンビニに寄って、ホッカイロを買っていきましょうか」




気遣ってくれるアンジーに、葵がまた礼を言う。
その傍らで、京一のジャケットのフードに小蒔と遠野が手を入れている。




「お前ら離れろ!歩き辛ェ!」
「いいじゃん、それ位」
「そうそう、一人だけ暖かい格好してるんだから」
「首に当たってんだよ、手が!冷てェだろ!」




賑やかな遣り取りに微笑んでいるのは、アンジーだけではない。
キャメロンとサユリは勿論、ビッグママも小さく笑みを浮かべていた。

その後ろをついて行くのが龍麻達だが、彼らは自分達が何処に向かうのかを聞いていなかった。
葵が風除けになってくれているアンジーに質問する。




「あの、これから何処に行くんですか?」
「コニーのお店よ」




それは─────いつもと同じような。

確かにあのラーメン屋は美味しいし、京一が贔屓にしている店だ。
放課後に何処かに食べに行こうと言う話になると、暗黙の了解のように行き先が決まる。
でも、誕生日くらいは他の…少し豪華な所に行っても良いのではないかと、葵は思った。


首を傾げる葵の疑問を察してか、アンジーがくすりと微笑み、




「ごめんなさいね、いつもと代わり映えしなくって」
「あ、いえ、そんな」
「定番なのよ。京ちゃんの誕生日は、コニーのお店でお祝いしましょうって。京ちゃんが十二歳の時からだったかしら」




時には他の店にも行こうかと促した事もあったが、京一は一貫して、コニーの店が良いと言った。
味も美味しいし、店に来るのは常連客ばかりだったから、勝手知ったる場所だったのだ。

多少のワガママなら、お得意様としてコニーも応えてくれる。
誕生日となると尚更で、京一だけはその日一日、夕飯を無料にして貰っていた。
帰り際には唐揚げもテイクアウトするのが、毎年の恒例だと言う。


其処まで聞いて、おや、と今度は龍麻が首を傾げた。




「遠野さん、コニーさんの所にも今日の事聞いてたよね」
「そう言えば……」




京一の知り合いを一通り当たったと言っていた遠野。
連ねた名前の中にコニーも入っていた────と言うより、コニーを通して歌舞伎町の知り合いを一通り調べていた筈。
遠野が今回のことをどう聞いたのかは判らないが、コニーは今日のイベントを知っていた筈だ。




「京ちゃんが人に教えるなって言ってたんじゃないかしら」
「あいつのやりそうな事ですね」




とにかく、自分の事を殆ど知られたがらない京一だ。
アンジーの言っている事が当たっていそうで、醍醐は苦笑する。




「だからいつもアタシ達とコニーだけでお祝いしていたんだけど……今年は随分賑やかになりそうねェ」




しみじみと言ったアンジーの瞳は、小蒔と口ゲンカを始めた京一に向けられている。
その横で、遠野が京一のダウンジャケットのポケットに手を入れて温まっていた。

京一と小蒔の口ゲンカは、真神の面々は勿論、『女優』の従業員達も見慣れたものだった。
刺々しい遣り取りになる事はもう滅多になくなったし、小学生のケンカレベルが精々だ。
あまりにヒートアップすると、葵やアンジーが宥めに行くのが通例になっている。


恐らく、コニーの店でもこの遣り取りは変わるまい。
場所が何処だろうと、如月の店でも二人はよく言い合いをしているから。



じっと京一を見詰めるアンジーの瞳は、柔らかい光で溢れている。
彼女がどれだけ、京一を愛しているのか、傍目にもよく感じ取れた。




「あの、……なんか、ごめんなさい。私達、お邪魔しちゃって」
「あら、いいのよォ。謝らなくていいわ。アタシ達がお礼を言いたい位だもの」




言って微笑むアンジーに、葵は龍麻と顔を見合わせた。




「あの子、子供の時から、周りにはアタシ達しかいなくってね。大人ばっかりだったのよ」
「…中学生の時もそうでしたね。あいつはずっと一人でした」
「同じ年頃の子と一緒にいると思ったら、友達じゃなくて、舎弟でしょう。本人は気にしていなかっただろうけど、アタシはなんだか寂しく思える事もあってね」




親の心子知らず、と言うものか。
京一は友人を持たない事を気にしていなかったし、寧ろ大勢でいる事そのものを嫌う性質だ。


京一の人間関係は、高校生になるまで、かなり閉鎖的だった。
世話になっている『女優』の従業員、桜ヶ丘中央病院の院長・岩山たか子に、剣の師匠と呼べる男。
それ以外は荒事の類で知り合ったもので、親しい訳でもなく、相手が一方的に京一を覚えていると言うものばかり。

毎年の誕生日にコニーの店に集まった時、アンジーは感じていた。
愛する少年の周囲にいるのは、大人ばかりで、彼と同じ時間を過ごせる人間が一人もいなかった事を。


アンジー達の心配は、彼に取っては不要なものだったのかも知れないが、幼少期からの性格は、後天的な性格に影響する。
大人ばかりに囲まれて育った京一は、結果、“友達”や“仲間”と言うものに何処か苦手意識がある。
もう以前ほどの壁はないけれど、今でもまだ、他者との触れ合いに不器用な一面が残っていた。



だからアンジーは、秋の終わりに京一が龍麻達を連れて『女優』に来た時、嬉しかったのだ。
心配してくれる友達、ケンカをする友達─────同じ時間を過ごす仲間が出来たのが判ったから。




「京ちゃんのお誕生日をお祝いしてくれる人が、こんなに沢山出来たんだもの。とっても嬉しいわ」




たった一年。
されど一年。

京一の周囲は目まぐるしく変化して、彼自身の持つ雰囲気が明らかに変わった。
幼い頃から京一を見てきたアンジーには、嬉しさもあるけれど、寂しさ半分でもあるのだろう。
友人達に囲まれて過ごす少年の姿は、彼を見守って来た大人達が待ち望んだ光景とも言えた。



高架道路の下を潜って、いつもの階段を下りて行く。
流石に此処まで来るとじゃれあうのに疲れたか、小蒔も遠野も、京一に絡んではいなかった。
ただ暖かなジャケットは羨ましいので、貸して、貸さない、と言う遣り取りが何度か繰り返されている。

見慣れた店名が掲げられていた筈の看板は、いつの間にか可愛らしい少女趣味のものに変わっていた。
預けた子供にすっかり乗っ取られた形だが、ラーメンの味は相変わらず美味いし、店主も店主で子供とは上手くやっているようだから、放っておいても問題はないだろう。


カラカラと音を立てて、戸が開けられて、




「京チャン、おたんじょーびオメデトー!」
「京ちゃん言うな!」
「何しに来たのよ、アンタ!」
「喧しい!今日はお前は大人しくしてろ、マジで」





毎年恒例だと言う遣り取りに、最近恒例になった遣り取りも加わって。

いつもより多いパーティ客に、店主が少しだけ驚いて。







────────後はいつもよりも賑やかな誕生日パーティが始まった。










……何故うちの京一は誕生日の度に逃げ回ってるんだろうか(爆)。
照れ臭いんですね。ツンデレですから。

京一とアン子の組み合わせが好きなので、どうもこの二人コンビで贔屓にしてますね、私。
便乗して出張るのが小蒔です。二期一話の冒頭の遣り取りとか好きです。


そんな感じで、青春満喫な内容になりました。