「お前の悲鳴は心地良い」







痛みに耐えるように、湧き上がる羞恥から逃れようとするように。
必死に歯を噛んで声を殺すのを、何度無理矢理開かせただろうか。

今も、こうして。







「………っぁ……!」







声を上げた方が、肉体的には楽になる。
けれど、そうすれば精神の苦痛は更に増す。

どちらか一つを選べと言われ、少年は迷う事無く、肉体的苦痛を耐える事を選んだ。


体の痛みは、過ぎれば消える。
心の痛みは、いつまでも残る。
一過性のものなら、耐えるのも楽だと。

涙ぐましい努力をして、少年は声を殺す、息を殺す、感情を殺す。
そしてきっと思い続けているのだ、さっさとこんな茶番は終わってしまえと繰り返し繰り返し。



貫いた秘部を、更に奥へと抉る。
痛みにか、それとも在るべきでない快感にか、少年は目を見開いて口を開けた。






「あ…ぅ……! っは……!!」





声を殺し、息を殺せば、酸素が不足する。
生命の危機を感じた本能が、理性に逆らって顔を覗かせる。
死んではならない、息をしろ、と。






「っは……が…ぁ………」






艶とは程遠い呼吸。
生命の危機から逃れようともがく、動物の本能。



早く終われ。
早く終われ。
さっさと終われ。

シーツを握り締める手が、彼のそんな心情を具に表した。


それを判っていながら、行為を止めない。






「て、めェ……いい、加減にッ……っは…!」






睨み付ける眦に、透明な雫が滲んでいる。
舌を這わせて拭い去れば、拒否するように顔を背けられた。
顎を捉えて固定して、執拗に舐め取ってみせる。


腰を打ちつけた。
びくりと若い躯が反応する。







「ひ、ぁ……!!」












短い悲鳴は、まだ艶を含まない。



─────今は、それでいい。













うちの八剣×京一は若干、大抵、無理矢理系です。
ラブラブだったら、八剣がしつこいくらい甘いんじゃないかな…

初の八京拍手がえっち系かい!