蔦遊び


 弓形に撓る背中を支えるように、蔓が巻き付く。
宙に浮いたまま、地面と平行する姿勢となったレオンを、クラウドは悦の篭った瞳で見下ろしていた。
絶頂の名残のように、ビクッ、ビクッ、と痙攣する男の痴態を見下ろして、己の中心部に熱が集まって行くのを感じながら、クラウドは舌なめずりをする。


「尻の中、ちょっと突いてやっただけでイくなんて思わなかったぞ、レオン。よっぽど溜まってたんだな」
「は、ふ…ふぁ……っ♡」


 クラウドの言葉が、今のレオンには酷く遠かった。
ねっとりとした熱に憑依された躯は、レオンの意思など全く無視して、じくじくとした悦楽に酔い痴れている。
暫く振りの射精と、秘奥に埋められた異物が齎す快感が、レオンの脳を溶かして行く。

 クラウドはレオンの吐き出した精液で汚れた手で、レオンの腹筋を撫でた。
それだけでレオンの躯はヒクヒクと戦慄き、アナルに挿入された蔓を締め付ける。
蔓は締め付けを嫌うようにうねうねと蠢いて、レオンの内壁のあちこちを叩いて暴れた。


「あぐっ、あふっ…はぅんっ♡ふ、ふぅんっ…!」
「大分ノって来たな。レオンのケツまんこ、もっとって言ってる」
「ひっ、あぅうんっ!」


 クラウドの言葉に首を横に振ろうとして、出来なかった。
ぐりゅっ、ぐりゅっ、と蔓が激しくレオンの陰部を掻き回し、レオンの喉からはくぐもった喘ぎ声だけが溢れ出す。

 人間の指とも、雄とも違う、細く長い蔓。
それが入口から最奥までを万遍なく弄り、締め付ける壁の全体をくまなく刺激する。
抉られる度にレオンの躯はビクビクと顕著な反応を返し、一度射精したレオンのペニスは、再び頭を持ち上げようとしている。


「はっ、はふっ、んぅっ!ひ、んっ♡あぅんっ♡」
「気持ち良いだろ?レオン。イイ顔してるからよく判る」


 蔓が伸びて、レオンの頭を持ち上げる。
熱に浮かされた蒼灰色の瞳が、辛うじてクラウドの顔を捉えていた。

 涙を浮かべて見詰めるレオンの表情に、クラウドはくつくつと笑って、自身の下肢を緩める。
ジッパーを下げて取り出したクラウドのペニスは、凶悪な程に大きく膨らんでおり、血管が浮き上がっていた。
背後に異形のハートレスを従え、凶器を突き付ける男の姿に、レオンは言いようのない恐怖を感じて戦慄する。


「は、ぐ…ふぁ、う…おぉ……や、え…」


 くぐもった声で男の名を呼び、懇願するように掠れた声で訴えるレオンだが、陰部に埋まった蔓がぐねぐねと動いて、また甘い悲鳴に飲み込まれる。
ぐちゅぐちゅとアナルの中を激しく捏ね回されて、レオンは四肢を強張らせ、がくがくと膝を震わせていた。

 ぐ、と熱い塊がレオンの秘孔口に宛がわれる。
其処にはまだ蔓が挿入されたままだった。
人の腕程もないが、指よりも僅かに太いそれが入ったままで、凶器を挿入しようとするクラウドに、レオンはやめろ、と目で訴えるが、────ずりゅぅっ!とそれは一息にレオンの陰部を貫いて、最奥へと達した。


「───っんぁぁああああっっ!」


 幾日振りかの雄の熱に、レオンは思わず声を上げた。
仰け反った躯が逃げようとするのを押さえるように、蔓がレオンの四肢を強く縛り、固定する。


「っく……やっぱり、きつい…っ!」
「っあ、あ…ひ、ぃっ…!」


 レオンの狭い秘孔の中で、クラウドの欲望と、異形のハートレスの蔓が肉壁に挟まれて身動きできなくなる。
クラウドは食い千切らんばかりの締め付けに僅かに顔を顰めたが、それも直ぐに笑みに変わる。

 細い蔓が伸びて、レオンの雄に絡み付いた。
何重にも重なるように巻き付いた蔓は、レオンの雄の根本から先端までを丹念に愛撫するように扱き始め、先端で尿道口を抉るようにぐりぐりと刺激する。


「はっ、あっ、あぁっ♡や、あふっ、ふぁあっ♡」


 絶頂を迎えて間もない中心部は、神経が鋭敏になっている。
蔓は蛇のようにレオンの陰茎に巻き付いて、這いずる様に薄皮にぴったりと身を寄せて動いている。
その蔓が少しでも動き、皮を擦るだけで、レオンは強い官能を拾ってしまう。

 ペニスに与えられる刺激に応えるように、レオンのアナルが蠢いて、肉壁が閉じてクラウドの雄と蔓を締め付ける。
みっちりと肉棒に食い込む壁を振り解いて、クラウドは腰を前後に動かし始めた。


「ひ、はっ!あっ、あっ…、あぁっ…!」
「は、くっ、レオンっ……!レオンのケツまんこ、凄い締め付けてる…!」
「んぁ、あっ、あぁっ♡はぐ、ふ…んぐっ、ふぅんっ♡」


 クラウドが腰を叩きつける度、ずんずんと太い肉棒がレオンの肉壁を強く打ち上げる。
その度、レオンは腰からびりびりとした甘い電流が走るのを感じて、力と一緒に思考が抜け落ちて行くのが判る。

 吊り上げられて支えられているレオンの躯は、クラウドの律動に合わせて揺さぶられていた。
そのリズムとは別に、レオンの陰部に埋められたハートレスの蔓が、レオンの内壁をぐにぐにと押し広げる。
最奥を絶え間なく突き上げられながら、道を拡げるように肉壁を抉られて、レオンはくぐもった喘ぎ声をひっきりなしに挙げていた。


「あっ、んぐっ、んぁぅうっ!ひ、ふっ、あふぅっ…!」
「乳首も弄ってやろうか」
「は、ふぅんっ♡」


 蔓がレオンの胸元に延びて、ツンと尖った乳首の根本に巻き付いた。
きゅうっ、と根本を摘むように締め付けられて、ビクン、ビクン、とレオンの躯が跳ねる。


「便利だろ?これなら、あんたの体中、全部気持ち良くしてやれるんだ」
「んっ、んんっ♡あふっ、はふぅっ…!」


 ぐちゅっ、ぐちゅっ、と秘孔を犯されながら、乳首を摘まれ、陰茎を扱かれて、レオンは虚ろな瞳を彷徨わせる。
咥内に潜り込んだ蔓がレオンの舌に絡み付いて、細い先端で舌の肉を擽る。
路地裏の細く暗い空が見えている───此処が外である事すら、レオンは忘れつつあった。

 クラウドはレオンの腰を捕まえると、動かないように固定して、腰の動きを速めて行った。
皮膚のぶつかり合う音が薄暗い路地に反響し、その隙間に、クラウドの昂った呼吸が微かに零れて聞こえる。


「あふっ、あうっ、あぅんっ…!んぐっ、うっ、はぶぅっ…♡ふ、ふあ、はぐんっ♡」


 ずぽずぽとクラウドの雄がレオンの陰部を激しく出入りし、埋められた蔓が肉壁をくまなく擦る。
肉壁の凹凸を網羅するように蔓は執拗に壁を抉り、小さなしこりを見付けると、蔓はしこりを捕まえるようにびたりと肉に噛み付いた。


「ひぐぅうんっ!」


 ビクン、ビクン、とレオンの躯が跳ね、クラウドのペニスを締め付ける。
強く激しいレオンの反応に、クラウドは一瞬息を飲むが、直ぐにその眦に笑みが灯る。

 淫部の中の蔓が、前立腺のしこりを捉え、ぐりぐりと強く押し上げる。
レオンは言葉すら忘れたように、はくはくと口を開きっ放しにしたまま、全身に迸る激しい快感に翻弄されていた。


「はひっ、ひっ…♡ん、ぶ、あうっ、あふっ、はぐぅっ♡ひぐぅうっ♡」
「は、レオン、いいっ…!俺も、もう…!」
「んっ、あふっ、あふぅっ!ら、め、はめぇえ……っ♡」


 レオンの体内で、肉の欲望がどくどくと脈打っている。
熱く固く張り詰めて行く雄の本能に、レオンは弱々しく首を横に振った。
しかし、本能に忠実になった獣が、その程度の呼び掛けて留まる筈もない。

 ゴツゴツと最奥を突き上げられ、性感の塊とも言える前立腺をゴリゴリと擦り上げられて、レオンは背を弓形に撓らせた。
レオンの躯が引き攣り、蠢いていた肉壁が痙攣して、クラウドのペニスを強く締め付ける。
びくん、びくん、と大きく脈打つ肉壁に促されるまま、クラウドは己の体の奥から競り上がる熱をレオンの中へと注ぎ込んだ。


「───はっ、あっ♡あぁぁあ、あっ!?あぶぅぅううんっ!」


 淫穴の奥へと注がれる熱に甘い悲鳴を上げたレオンだったが、その声は直ぐに違う色を混じらせた。

 どくどくと注がれる熱が、一つではない。
クラウドの射精に誘発されたかのように、もう一つ、ねっとりとした濃い液体が注ぎ込まれている。
そして、それと同じ粘液が、レオンの口の中にも吐き出されていた。

 上下の口へと注ぎ込まれる熱い液体に、レオンは動かぬ体を捩った。
足が空を蹴って、掴むもののない頭上手が握り締められ、ビクン、ビクン、と糸繰り人形のように四肢が跳ねる。


「は、がっ…!あ、お……んぶっ、がほっ…!」


 喉奥を詰まらせる粘着質な液体に、レオンは思わず咳き込んだ。
蔓を捻じ込まれた口の隙間から、ごぽっ、と粘液が溢れ出し、レオンの顎を伝い落ちる。
弱々しく頭を振るレオンの頭に蔓が巻き付き、喉を逸らすように持ち上げた。
直線になった食道をどろりとした粘液が落ちて行くのが判って、レオンのくぐもった悲鳴に悲痛な音が混じる。


「んっ、んんっ!んぅうーーーーーっ!」


 クラウドは、そんなレオンの顎を捉えて、溢れ出した粘液を舐め取るように舌を這わす。
喉から唇を艶めかしい舌に撫でられて、レオンはぞくぞくとしたものが背中を奔るのを感じて、未だ射精の続くクラウドの雄を締め付けてしまう。


「レオンのケツまんこ、締め過ぎ。そんなに気持ち良い?」
「はぶっ、んぐぅんっ…♡ひ、が、ふぅうっ……♡」


 違う、と訴えるレオンの言葉を否定するように、アナルの蔓がぐにゅっと動く。


「はふぅっ♡ひ、ふ、…お、ぅ……やぁ……っ」
「ん?何が嫌?」


 目尻に涙を滲ませ、虚ろな瞳で見上げて訴えるレオンに、クラウドは高揚した声で訊ねた。
レオンの口の中に埋められていた蔓がずるりと抜けて、蓋を失ったレオンの口から、ねっとりとした粘液が溢れ出す。
粘液は蔓の先端からぼたぼたと零れ落ちていて、レオンの顔を汚して行く。

 レオンは口端から粘液を垂らしながら、息も絶え絶えに音を紡ぐ。


「な、か……なかに…あつい、の…で、てぇ……♡」
「うん。久しぶりだから、一杯出してやろうと思って」
「はっ、あっ♡あぁっ…あうんっ!」


 ぐんっ、とクラウドが腰を打ち付けると、最奥を突き上げられて、ビクン、とレオンの躯が仰け反る。
同時にレオンのアナルがクラウドの陰茎を強く締め付け、精液が絞り出された。
すると、アナルに埋められていた蔓からびゅくっ!と何かが吹き出して、レオンの内壁を叩く。


「ひっ、ひっ……や、いや…な、あ…でて、るぅ……っ!ちがう、の…出てるぅうう……っ!」
「────ああ、」


 がくがくと四肢を震わせながら、男のものとは違う粘液の感覚に身を震わせるレオンに、クラウドはようやく気付いたようだった。

 クラウドはレオンの陰部に雄を埋めたまま、体を起こした。
雄がぐりっ、ぐりっ、と角度を変えて肉壁を擦る感覚に、レオンの躯が歓喜したように震える。
虚ろな瞳を彷徨わせ、意味のない音を漏らしていたレオンの前に、口の中に入っていた蔓が翳された。


「これ、面白いんだ。俺がイくと、こいつもイく。俺の影だから、やっぱり連動してるらしい」
「ひっ、ひぅっ……♡い、やぁ……」


 クラウドの言葉に、レオンの顔から血の気が引いた。
異形のハートレスの身体から精製されたものが、自分の身体の中に注ぎ込まれている。
異形のハートレスが、ハートレスではなくクラウドの影であり、闇の力で作り出されたものだと言われても、レオンには何の慰めにもならない。

 恐怖したようにカタカタと体を震わせるレオンに、クラウドは顔を近付けると、慰めるように言った。


「そんなに怖がるなよ。別に体に害はない……って事もないか?」
「……!」
「だから怖がるな。命に係わるようなものじゃないから。まあ、ちょっと色々ブッ飛ぶかも知れないが、───あんたなら問題ないさ。いつもより素直になれるだけだから」


 クラウドがそう言った直後、どくり、と何かがレオンの体内で脈を打った。
何、とレオンが目を瞠った直後、熱い塊が胃の中に生まれた。
かと思うと、熱の塊はあっと言う間にレオンの躯中に広がって、じゅくじゅくとした違和感がレオンを襲う。
それは、クラウドに散々開発された躯が覚え込んだ、熱を欲する時の衝動に似ている。

 は、は、とレオンの呼気が上がり、陰部に咥え込んだ男を締め付ける。
呼吸に合せるようにきゅうきゅうと脈打つように締め付けられて、クラウドは自分の欲望がむくむくと蘇るのを感じていた。


「物欲しそうにしてるぞ、レオンのケツまんこ」
「あ、ひ…あぅ……んんっ…!」
「嘘吐いても判る。これはそう言う効果があるらしいからな」


 これ、と言って、クラウドはレオンの口端から溢れている粘液を舐め取る。
舐めたそれを見せ付けるように、クラウドはレオンの前で舌を出して見せた。
赤い肉の上に、唾とは違う白濁色の粘液───まるで精液のような───ものがまとわりついている。


「これ、興奮剤みたいな効果があるんだ」
「そ…んな、もの……なんで、ぇ……っ♡」
「俺があんたで興奮して出るものだから、か?まあ、理屈はどうでも良い。折角だから、あんたも楽しめ。ちなみに、安全性はちゃんと確認したぞ」
「か、確認…って……まさか、街、の…」


 まさか、今まで襲った人達で───と睨むレオンに、いいや、とクラウドは首を横に振る。


「実験台は俺だ。どうなるのかと思って、ちょっと試してみた。それなりに強いから、処理するのが大変だったけど、あんたをオカズにしたら直ぐ抜けた。だからあんたも、気持ち良くなれば、直ぐに治まるさ」
「ば、んぅっ!」


 クラウドはレオンの顎を持ち上げると、唇を重ねた。
粘液塗れのクラウドとレオンの舌が絡み合い、ちゅく、ちゅく、と卑猥な音を鳴らす。
先程、蔓で散々に弄られた舌の上をなぞられて、レオンはビクッビクッと肩を震わせた。

 蔓がレオンの腰に巻き付いて、ゆらゆらと揺さぶり始めた。
抵抗する術を持たないレオンの躯は、促されるままに前後に揺さぶられ咥え込んだペニスが激しく前後に出入りする。
先程吐き出されたばかりの精液と、蔓の粘液が掻き回され、じゅぽっ、ぐぽっ、じゅぽっ、と生々しい音がする。


「はっ、あっ♡あぁっ!い、やぁっ…♡あひっ、はひっ…ひぃいんっ!」


 粘液塗れの肉棒が、それを擦りつけるように、レオンの体内を掻き回す。
摩擦される感覚にレオンの陰部はすっかり蕩け、雄の侵入を悦ぶように、肉棒が付き入れられる度にびりびりと甘い痺れを放っていた。

 頭上で拘束されたレオンの腕には、最早一片の力も残っていない。
彼は躯中に巻き付いた蔓に操られるまま、足を大きく開いて、自身の全てを曝け出している。
ツンと尖った乳首を摘まれ、膨らんだ乳頭の先端をぐりぐりと押し潰され、陰部を男に貫かれ───……それが行われているこの場所は、街の中の路地裏。
二人の傍らには、一口で二人を飲み込める程の大きな口を持った異形のハートレスが佇んでいる。
レオンは、男だけではなく、その異形のハートレスにも犯されているにも関わらず、あられもない声を上げていた。


「や、や…だめ、ひっ♡んぁあっ♡くら、うどぉおっ…!」


 ずちゅっ、ぐちゅっ、ずちゅっ、とクラウドの雄がレオンの陰部を突き上げる度、レオンの唇からは嬌声が溢れ出す。
レオンは口を噤んで音を殺そうとしていたが、陰奥を強く突き上げられると、容易くその壁は崩壊した。
まるで全身が麻痺したように言う事を聞かない。
これも、異形のハートレスが吐き出した、あの正体不明の粘液の所為なのか───と考える事すら、レオンは出来なくなっていた。


「あっ、あっ、あぁっ♡い、やぁっ…!ひっ、くら、クラウド、だめ、だめぇええっ…!あぁあっ♡」


 涙の混じる声で、頭を振って限界を訴えるレオンに、クラウドは腰の動きを激しくする。
ビクッビクッ、と跳ねるレオンの足に蔓が絡み付いて、レオンの足を限界まで開かせる。
隠す物のないレオンの陰茎に巻き付いた蔓が、きゅうきゅうとそれを締め付ける。
その度、レオンはひんっ、ひんっ、と喉を引き攣らせ、アナルに咥え込んだクラウドのペニスを締め付けた。


「やっ、あっ、あっあっ♡らめ、だめっ、クラウドぉっ♡」
「レオン、声でかいぞ。誰か見てるかも知れないんじゃないのか?」「ひっ、はひっ、ひぃんっ♡いや、あっ♡あっ、あーっ、あぁあーっ!」


 クラウドの言葉に、レオンの陰部が反応し、ぎゅうぎゅうとクラウドのペニスに噛み付く。
奥に行く毎に狭くなる内壁の反応に満足しながら、クラウドはレオンの膝を持ち上げて肩に担いだ。

 ずるぅ…とクラウドのペニスが抜けて行く。
同時に、ペニスと同じく埋められたままだった蔓が動き出して、ペニスの逃げ道を作るように穴口を広げる。
ゆっくりと肉壁を擦られる感覚に、レオンはひくっ、ひくっ、と腰を震わせ、もどかしげな悩ましい声を漏らす。


「あ、あ…♡で、るぅ…クラウド、の、ちんぽぉ…っ、でてぇっ…こすれてぇえ……っ♡」


 熱に浮かされたレオンは、自分が何を口走っているのか、判っていなかった。
当然、抜け出て行く陰茎を名残惜しむように、アナルを締め付けてしまっている事も。

 ねっとりとまとわりつく肉壁を堪能しながら、クラウドはゆっくりとペニスを引き抜いて行く。
絡み付いて来る秘部は、まるでもっと、と求めているようで、クラウドの欲望は更に凶暴さを増して行く。
だが、抜けて行く肉棒に、レオンが切なげな声を上げている様を眺めるのも、クラウドは気に入っていた。


「あぅ、あ…ひ…♡クラ、ウ、ドぉ……♡も、だめ…だめぇええ…♡」
「何が駄目なんだ?」
「はっ、あっ…あぁっ…!こすれる、の…だめぇ……っ♡」


 虚ろに視線を彷徨わせ、蕩け切った表情で、掠れた声で訴えるレオン。
それなら、とクラウドは、ペニスのカリの膨らみが穴に引っ掛かった所で、動きを止めた。

 雄の先端だけが挿入された状態に、レオンはふーっ、ふーっ、と荒い鼻息を漏らしていた。
頭上で拘束された腕がもがき、ぎしり、と蔓が軋んだ音を立てる。
蔓に持ち上げられた足がもぞもぞと動いて、宙ぶらりんにされた爪先がひくん、ひくん、と悶えるように不規則に跳ねている。


「あっ…あっ…♡や、あ……こ、んな、のぉ……っ…!」
「嫌って、レオンが擦れるの嫌だって言ったんだろ?」
「は、ぅ……んんぅっ…♡はふっ、あうぅうんっ…♡」


 クラウドが穴口に引っ掛かっているカリを抜こうとすると、ひくん、とレオンの躯が震えて、アナルが閉じてカリ首を締め付ける。
まるで離したくない、と言っているような反応だ。
それこそが、レオンの躯の本音なのだと言う事を、クラウドはよく知っている。

 だが、躯は快感に陥落していても、レオンの理性は強い。
クラウドが散々快楽に堕としてやっても、彼は自分の自我だけは中々手放そうとしなかった。
それを挫いてやろうと、クラウドはあれこれと手を尽くし、レオンの躯を更なる快楽の虜にして行くのだが───今日はいつもとは違う。

 レオンは宙釣りで自由にならない躯を捩らせ、咥えたままの雄の先端を強く締め付けている。
穴口にカリ首を引っ掛けたまま、引く事も進む事も止めた肉棒に、レオンの息が上がって行く。
じゅくじゅくとしたものが淫部の奥から溢れ出して来るのが判って、レオンは喉を逸らして暗闇の空を仰いだ。


「あ、あ…あぁっ…♡だ、め…あひっ、い…♡」
「ちんこが擦れるのは嫌なんだろ?じゃあ、このままで楽しむか?」
「は、う…や……いやぁあ……あっあ…♡」


 ひくん、ひくん、とレオンのアナルの秘孔口が伸縮を繰り返している。
きゅっ、と締まっては緩む穴口の動きを見下ろしながら、クラウドは自分の欲望がどんどん膨らんで行くのを自覚する。

 クラウドは、徐にレオンの反り返った陰茎に触れた。
巻き付かれた蔓に根本を締めつけられているペニスの裏筋に、つぅ、と指を伝わせてみれば、


「あぁあああっ……!」


 レオンの頭が仰け反って、白い喉が露わになる。

 若しもレオンが釣り上げられている状態でなければ、後少し自分の身体に自由があれば、きっと彼は自ら腰を揺らして雄を咥え込んでいた事だろう。
しかし、蔓によって拘束され、宙釣りにされている今、それは叶わない。
レオンは己を支配する男と、自身を拘束する蔓の意思なくして、快楽を貪る事は出来ないのだ。

 はぁ、はぁ、と色付いた呼吸を繰り返していたレオンの唇が、微かに震えてようやく動き、


「う、ごい、て……」
「ん?」
「っはっ…はや、く…はやくぅ、ぅう……っ♡」


 レオンは自由にならない躯を捩りながら、熱に溺れた瞳で、支配者である男を見上げ、


「クラウドの、ちんぽぉ……っ♡動いて、いれてぇえっ…!俺のなかっ、いれて、かきまわし、て───ぇええええんっ♡」


 レオンが最後まで言い終わるのを待たずに、ずぢゅんっ!とクラウドの雄がレオンの秘奥を突き上げた。
不意の快感に、レオンは甲高い喘ぎ声を上げて、背中を弓形に撓らせる。

 クラウドはレオンの躯を抱き起して、引き締まった腰を捕まえ、腰を大きくグラインドさせる。
先端から根本まで、深く繰り返される抽出に、レオンはひっきりなしにあられもない声を上げて啼き喘ぐ。


「あひっ、はひっ、あぁあんっ♡クラ、くらうどっ、くらうどぉおっ♡クラウドのおちんぽぉっ♡」
「俺のちんぽ、気持ちいいか?レオン」
「んぁっ、あっ♡いっ♡いぃっ♡きもちいぃっ♡クラウドの、クラウドのちんぽぉっ♡きもちいぃのおぉっ♡」


 いつもなら絶対に、余程快楽に貶めてからでなければ口にしないであろう、猥俗な言葉を躊躇なく吐くレオンに、クラウドの口がにんまりと弧を描く。
最早今の彼の頭には、此処が街の中であるとか、二人の背後にいる異形のハートレスだとか、異常な環境の事は露とも残っていないに違いない。
今のレオンは、与えられる快感に堕ち果てた一匹の雌でしかない。

 クラウドはレオンの躯を抱き寄せた。
ずぷぅっ、と深くなる挿入に、レオンが歓喜の声を上げる。
蔓に巻き付かれて、ぷっくりと膨らんでいるように見える乳首に吸い付けば、ビクッビクッとレオンの躯が跳ねて、クラウドの雄を締め付ける。


「ら、めっ♡ちくびぃいっ…♡すっちゃだめぇえっ♡」
「んぶ、ちゅっ。んぢゅっ、んはっ…」
「あふっ、はぐっ♡はぅうんっ♡おちんぽ、ちくびぃっ♡も、だめ、だめぇええっ!」


 ビクッビクッビクッ、とレオンの躯が激しく痙攣して、二人の腹の間で、レオンの雄が弾けた。
びゅるるっ、と吐き出されたレオンの精子が、クラウドの服とレオンの腹を汚す。


「そうだ、こっちも可愛がってやらないと」
「ひ、ひっ…あぁあっ!や、あっ、ひぃっ♡」


 レオンの雄に絡み付いていた蔓が動き出し、ごしごしとペニスを扱く。
同時に蔓の先端が尿道口を弄り、づぷりっ、と穴の中へと入り込んだ。
尿道口を逆さまに昇って行く蔓に、レオンは目を見開いて、甘い悲鳴を上げる。


「やあっ、やぁあっ!クラウドっ、らめっ、ひゃめぇっ♡ちんぽっ…、ちんぽの中ぁあっ…!ぞくぞくしてっ、へんっ、へんになるぅうっ!」
「良いじゃないか、此処も気持ち良くなれ。って言わなくても、結構気持ち良くなってるみたいだが」
「はへっ、ひぇっ…♡そ、にゃ…はぅうんっ!」


 クラウドの言葉に弱々しく首を横に振ろうとするレオンだったが、尿道の中をぐりぐりと弄られ、肉棒でアナルの中を掻き回されて、反論の言葉を奪われる。
更にツンと尖った乳首を吸われれば、躯中が痺れたように甘い電流に襲われて、頭の芯から蕩けて行く。


「あぁ、あっあっ♡あっ♡ひぃんっ♡らめ、らめぇっ♡くら、うどぉっ…!」
「そうだ。此処も気持ち良くしてやる」
「は、はっ、……んぐぅっ!」


 これ以上何処を弄られるのかと思っていたら、蔓がレオンの口に再度侵入してきた。
口を限界まで開くほどではないが、指二本分はありそうな蔓だ。

 蔓はレオンの舌に絡み付くと、舌腹の表面をその先端でゆっくりと撫でた。
ぞくぞくとしたものが口の中から生まれるのを感じて、レオンは舌を引っ込めようとするが、叶わない。
それ所か、舌を口の中から引き摺り出すように引っ張り出される。
蔓はレオンの舌をクラウドに見せ付けながら、唾液を掬い取りつつ、レオンの舌の表面を万遍なく撫でる。
かと思うと、蔓は口の中へとまた潜り込み、上壁や頬肉を弄って遊んでいた。


「あっ、あっ、あはぁっ…♡は、め…らめぇえ…♡くりゃ、う、ろぉ……っ♡」
「乳首とケツまんこは、完全に覚えたし。ちんこの穴も嫌いじゃないみたいだからな。口の中も性感帯にしてやる」
「や、ふ…あふっ、はあぁっ…♡は、あぁあんっ!」


 口の中の快感に意識を浚われていたレオンだったが、乳首を吸われ、陰部を突き上げられて、思わず身を反らせた。


「あふっ、あうっ、あふぅんっ♡くらっ、くらうろぉっ…♡らめ、ひっ、おちんぽっ、ふかいぃっ♡」
「んぢゅっ……、奥まで、掻き回して欲しかったんだろ?」
「はっ、あんっ、あぁあっ♡奥、おくぅっ…!おちんぽぉお…っ♡もっと、もっとぉ…!あぁああっ♡」


 求めるレオンの声に応えるように、クラウドの律動が激しくなって行く。
ずちゅっ、ぐちゅっ、ぐぷっ、ずちゅっ!と淫猥な音を立てながら、秘奥を掻き回される度、レオンは歓喜の声を上げながら、もっと、と繰り返す。

 どくん、どくん、とクラウドの雄が脈を打つ。
高まる劣情に、クラウドが息を詰めると、それを感じ取ったのか、レオンの躯がその先を促すように反応し、肉壁が陰茎にぴったりと絡み付く。
まざまざと肉欲を感じさせる締め付けに、クラウドはレオンの躯を抱き締めて、ずぐんっ、と雄を根本まで一気に付き入れた。


「はひっ、あっ、あぁあああっ!出るっ、出へりゅぅうっ!クラウドのちんぽっ、せーえきぃっ♡違うのもぉおおっ♡また、またでてりゅぅううっ♡♡」


 クラウドの一物から吐き出された濃い精液が、レオンの直腸を満たして行くと同時に、レオンのアナルと口を弄っていた蔓からも、どろりとした粘液が吐き出された。
それを受け止めるレオンには、先刻の抵抗感など微塵もなく、どくどくと注がれて行く雄の欲望をうっとりとした表情で受け止める。

 搾り取るように締め付ける肉壁の圧迫に逆らわず、クラウドはありったけの劣情をレオンの体内へと注ぎ込んだ。
熱いものが己の中を満たして行くのが判るのだろう、どろりとした蜜液が吐き出される度に、宙釣りにされたレオンの躯がビクン、ビクン、と痙攣する。

 自身の熱を吐き出し切って、クラウドがゆっくりと一物を抜くと、ぽっかりと雄の形に開いたレオンの秘孔口から、白濁色の液が溢れ出して、床に液だまりを作った。
その穴口の上で、レオンのペニスが痛い程に膨らみ、反り返っている。


「あ、う……っひ…♡あぁっ……♡」


 ひくっ、ひくっ、と蔓に拘束された四肢を震わせながら、レオンは悩ましげな声を漏らす。
こぷ、こぷ、と蜜液が溢れ出す度、レオンの秘孔口が伸縮していた。
レオンの乳首を摘んだ蔓が、きゅうっ、と締め付ける。
だらしなく開かれたレオンの口の中にも、蔓は未だ悪戯を施していて、レオンの躯はひくひくと小さく震え続けていた。

 虚ろな瞳を彷徨わせ、動かない躯を不自由に捩らせるレオンを見下ろして、クラウドはうっそりと笑う。


「物欲しそうだな、レオン」


 つ、とクラウドの指がレオンの雄の裏筋を辿る。
ひくん、とレオンの躯が震えて、熱の篭った吐息が漏れた。

 クラウドの背後に佇んでいた異形のハートレスが、するすると新たな蔓を伸ばして行く。
蔓に巻き付かれ、勃ちあがった乳首の先端を、蔓の先がくすぐるように掠める。


「あっ…♡あっ…♡や、あ……♡」
「レオン、もっと乳首弄って欲しい?ケツまんこ、もっとちんこ欲しい?」


 問い掛けかけながら、クラウドはレオンの陰部に指を宛がった。
つぷっ、と挿入してやれば、レオンの躯がヒクヒクと震え、待ち侘びていたようにクラウドの指に穴口が吸い付く。


「は、う…♡クラ、ウ、ドぉ……♡」


 蔓に舌をなぞられ、ぞくぞくとしたものが背中を伝うのを感じながら、レオンは熱を孕んだ瞳で、男を見上げた。
碧眼に凶暴な光を宿したクラウド。
その背後にいる異形のハートレスが、目の前の男と同じように笑うのを見て、レオンは自分の身体が高揚を覚えた事を自覚していた。





無性にMなレオンさんを啼かせたくなったので。
あと触手モノまだ書いてなかったなと思って、クラウドにモルボルもどきを召喚させてみた。

エロはご都合主義です!!!