堕ちる、熔ける、嗤う。 2-5


 ノルマを決めた訳でもなかったが、一人がそれぞれスコールの体内に五回射精した所で、凄惨な宴は終わりを迎えた。
兵士達はテントの中にあったティッシュを使って、汗と精液で汚れた自分のペニスを拭くと、何事もなかったかのように仕舞う。
その足下で、大きく足を広げ、白濁塗れになったスコールには、手を貸す事もしない。

 ぐったりと四肢を投げ出し、地面に倒れたスコールの瞳は、熱に溺れていた。
何度も何度も吐き出したにも関わらず、躯の熱も消えていない。
その熱が、薬が齎したものが未だに継続しているのか否か、今のスコールには判らないし、どうでも良かった。
それよりも、躯の熱が、それが齎す快感が忘れられなくて、スコールは自分の躯を愛撫する手を止められない。


「はっ、はひっ…ひ、んふぅっ…
「おい、まだやってるぜ」
「癖になっちまったんじゃねえの」


 地面に俯せに這い蹲り、股を開いて自分の雄を扱くスコール。
完全に快楽の虜になっているスコールを見て、兵士達がにやりと笑みを浮かべて、スコールの頭を踏み付ける。


「んぐうっ……ひっ、ひっ…はひぃっ…
「そんなにオナニーが気に入ったのか?指揮官様」
「あっ、あっあっ…あふっ…はぅうっ……
「ん?何?」


 頭を踏みつけられたまま、はくはくと唇を開閉させるスコールを見て、兵士が顔を近付ける。
スコールは両手で手淫しながら、兵士達をねだるような瞳で見上げ、


「ひっ、イっ…イ、んんっイくの、イくのぉっ…
「またイくって?」


 断片的なスコールの言葉を掬ってオウム返しする兵士だが、スコールは違う、と小さく紡ぐ。


「イ、イくのぉっ…イくの、来ないのぉ……っ!イってる、のにぃ…きもちいいの、欲しいのにぃいいっ……


 這い蹲り、高く掲げた腰をゆらゆらと揺らし、白濁液塗れの尻を振りながら、スコールは言った。
自身の手で裏筋をくすぐり、先端をぐりぐりと抉られるペニスは、ビクビクと痙攣し、明らかに快感を感じていた。
しかし、先端からは先走りの一滴すら零れる事はなく、スコールは体の奥から尿道口を昇ってくる、あの快感を得る事が出来なくなっていた。

 兵士達が代わる代わるスコールの体内に肉欲を注ぎ込む間に、スコールの精液袋はとっくに空になっていた。
以来、スコールは何度絶頂を迎えても、尿道からの快感を得る事が出来ない。
アナルを掻き回され、ペニスを手淫されて得る快感にもスコールは虜になっていたが、それでも足りない気がしてならない。

 夢中で手淫しているスコールが、尿道からの快感を欲していると知って、兵士達はにんまりと卑しい笑みを浮かべた。


「そりゃ、あれだけ出せばなあ。若くても空っぽになるさ」
「ひっ、ひぃっ…んっ、あふっ、あふぅっ…お、おちんちん…おちんちんん……
「そんなにおちんちんイきが気に入ったのか?ん?指揮官様」


 頭を踏んでいた脚が退いて、代わりに髪を引っ張って持ち上げられ、白濁と土砂に汚れたスコールの貌が露わになった。

 スコールは、求めて止まない快感を欲して、兵士達に縋り、懇願する。


「ん、好き、好きぃ……おちんちんでイくの、好きぃ…おちんちんで、びゅっびゅしてぇ…おちんちんイくの、好きなのぉきもちいぃよおぉ…
「つっても、此処が空っぽじゃあなぁ」


 此処、と言って、スコールの背後に回った男が、スコールの陰嚢袋をぐにゅぐにゅと揉む。
自分で触れている時とは違う刺激に、スコールの躯が歓びに震えた。


「あっあふっ、あふぅんっ…は、早く…おちんちんん…
「さーて、どうしようかな」
「ああっ、あぁあ……お、お願い…お願い、だからぁ……っ、おちんちんイきたいのぉ……っ


 あの快感が欲しい。
内側の熱を放出して、同時に得られる、躯の中を掻き回す激しい悦。
欲しくて欲しくて堪らないのに、どれだけ刺激を貪っても、あの快感がやって来ない。

 無心に快楽をねだるスコールに、将校が顔を近付ける。


「気持ち良くなりたいなら、今から俺達が言う事を繰り返せ」
「はっ…はっ……
「全部ちゃんと言えたら、やり方を教えてやるよ」


 良いな?と確認する声に、スコールはこくこくと首を縦に振った。
最早、自分が何をしているのか、どんな道に転がり落ちようとしているのかも、判らないままで。

 兵士達は、茫洋とした瞳で見詰めるスコールを見下ろして、言った。


「私は、ちんことケツ穴を弄られて感じる変態です」
「…わ、わたしは…あっお、おちんちんと、けつまんこをぉっ、い、いじられてかんじる、へんたい、ですぅ…っ」
「人前でオナニーして気持ち良くなって、イきっぱなしになって気持ち善がってる淫乱です」
「ひ、人前、でぇっ…おなにーしてっきもちよくなってぇ…っい、イき、っぱなしに、なってきもち、よくなる、い、淫乱、ですぅっ
「乳首とちんこイきが大好きで、毎日オナニーしないと駄目なんです」
「ち、ちくびっ!ちくびとぉっ、おちんちんイきが、だいすきでぇっま、毎日っ、おちんちんオナニーしないと、お、おかひくっ、なるんですぅうっ
「オナニーはちんこだけじゃないだろ?ちゃんと言えよ」
「はっ、はひっ…お、おちんちん、オナニーと……けつまんこも、ぐちゅぐちゅして欲しいですっ!けつまんこに、おちんちん入れて、ずぽずぽして欲しいですぅう……乳首コリコリしてぇっでないと、気持ち良いのないと、おかしくなるのぉっおれのからだの中、じゅくじゅくして、熱いのなくならないの、熱くて気持ち良いの欲しいのぉおおっ!」


 言われた言葉を繰り返せば良いだけだったのに、スコールはいつの間にか、自らの欲望を望む言葉を叫んでいた。
自ら仰向けになって足を開き、ゴシゴシと擦り続けるペニスを見せ付けながら、スコールは男達に快楽の先を強請る。

 男達はくつくつと笑う。
笑い声は重なり、大きくなり、スコールの喘ぎ声を塗り潰す程のものとなって、テントの中に木霊する。
明らかな嘲笑を含むその声にも、スコールは意に介する事なく、早く、と兵士達に求めるものを急かした。


「早く、早くぅんっ欲しい、欲しいの、おちんちんイきたいぃい…っ!」
「判った判った。───じゃ、コレだ」


 これ、と言って将校がスコールの前に翳したのは、汚れた万年筆。
兵士達がスコールの尿道を弄ぶ時に使った、スコールの私物。

 呆けた瞳で万年筆を見詰めるスコール。
将校がスコールのペニスを掴み、先端の穴に万年筆のペン尻を宛がうと、にゅぷぷ…と尿道へと挿入される。


「あ゛あぁぁぁあ――――っっ


 尿道の筋を出口から逆さまに押されて行く感覚に、スコールは歓喜の声を上げた。

 来た。
気持ち良いのが来た。
思考がそれ一色に染まって、スコールは腰を浮かせて悶え喘ぐ。


「あがっ、ひ…っ!あぁああっ!来てっ、来てるぅっ!気持ち良いの来るうぅぅぅっ!」


 万年筆を咥え込んだ自分のペニスを見下ろして、スコールは恍惚の表情を浮かべていた。
更に将校がスコールの手を取り、万年筆の蓋を握らせると、ずるるるっ!と引き抜かせて行く。
射精の瞬間とよく似た快感がスコールを襲う。


「ひはぁああっ!や、あぁっ!これっ…これイイのぉお…っ!」
「すっかり尿道責めが気に入ったみたいだな」


 兵士の誰かが呟いて、将校はスコールの手を添えたまま、万年筆をじゅぽっ、ずるっ、ぬぼぉっ、ずりゅっ!とペニスに抜き差しする。
ビクン、ビクン、ビクン、とスコールの躯が絶えず跳ね上がり、抽出のタイミングに合わせるように腰を前後に揺らし始める。

 将校が手を離しても、スコールを襲う快感は止まらなかった。
彼は自らの手で、自分の万年筆をペニスに突き刺し、ずぽずぽと抽出を繰り返す。


「あっ、あっあぁっ!お、おちんちんっおちんちんきもちぃい気持ち良くてっ、おちんちんイってるぅう!」
「精液袋が空だから、今日はもう射精は出来ないだろうが、それなら同じような快感を感じれるだろ?」
「ひんっ、ひんっひんっ感じるっ、感じるぅ…っイってるぅうっ!」
「これでケツマンコだけじゃなくて、ちんぽも立派なメスになったな。メス穴ちんぽ、気持ち良いだろ?」
「んぐっ、イイっ!おちんちんの、メス穴ちんぽぉっ
「明日から俺達の命令に従えば、もっと気持ち良くしてやるぜ。どうだ?淫乱指揮官様?」
「はっ、あっあぁっ、……あっ!」


 夢中でペニスを責めるスコールの手を、兵士が掴んで頭上に持ち上げる。
スコールは万年筆を咥え込んだペニスを揺らしながら、途絶えた快感へのもどかしさに、悩ましい声を漏らす。

 両腕を頭上でまとめられ、持ち上げられたスコールは、膝立ちになって足を開いた。
力の入らない膝ががくがくと震えている。


「あっ…あぁ……いや、やぁ……
「で、どうよ。俺達の命令に従うか?」
「はっ、はひっん、うぅんっ……!」
「ちゃと返事をすれば、続きやっても良いぜ」


 答えなければ、これ以上の快感は赦されない。
ようやく、欲しくて欲しくて堪らなかったものが与えられたのに、燻るものを弄ばせたまま、焦らされている。
快楽の虜囚となったスコールが、それに耐えられる訳もない。

 こくん、とスコールの頭が縦に動いた。
命令に従うと、だから快感の続きを、と熱に溺れた蒼い瞳が兵士達を見上げる。


「き、く…聞く、から……なんでも、なんでも聞くからぁっ」
「約束できるか?破ったら、今日の事もあの写真の事も、全部バラまくぜ」
「んっ、する、約束ぅ…っ、約束するぅっ!するからぁ…っ!」
「じゃあ、ちゃんとお願いしろよ。皆様のおちんぽ奴隷になるから、おちんちん気持ち良くさせて下さいってな」


 囁かれる言葉に、駄目だ、と叫ぶ自分の声が、酷く遠くで霞む。
そんな声で欲望に浚われ、従順になったスコールの意思が戻って来る筈もなく、


「お、お願い…お願いしますぅ…っみ、みなさまの、みなさまのおちんぽぉ…おちんぽ奴隷に、なるから……っお、おちんちん、気持ちイイのゆるしてぇえっ!」


 白い肌を羞恥以上の興奮で赤らめ、細い腰を悩ましくくねらせながら、スコールは叫んだ。

 快感に従属する降伏宣言をしたスコールに、兵士達は掴んでいたスコールの腕を解放する。
自由の身になったスコールは、躊躇わずペニスに突き刺した万年筆を掴み、ぐちゅぐちゅと尿道を掻き回す。


「あーっあーっあひぃいっ!おふっ、はくぅうんっ
「これで明日から、お前は俺達のちんこには逆らえない。ま、もう今から逆らえないと思うけどな」
「んぉっ、あふっ、おぉんっお、おちんちん……ひぃいっ!」
「な、逆らわないよな?逆らわないなら、ちゃんと言えよ」
「は、はいっ、あぁあっさ、逆らいません、み、皆様のおちんちんに、逆らいませんっ!あぁっお、おちんちんに、おちんちんに従いますぅっ!」
「よーしよし」


 子供を褒めるように、ぐしゃぐしゃと将校がスコールの頭を掻き撫ぜる。
髪が掻き乱される感触に、スコールは甘い声を漏らした。

 兵士の一人がポケットから小さな機械を取り出した。
小さな赤いボタンが点滅している。
かち、と兵士がボタンを押すと、ボタンの点滅が消えた。


「奴隷宣言録音完了、と」
「これで言い逃れは出来ないぜ」
「───って、聞いてねえよ」


 自分があられもない姿で、酷い言葉を自ら発信した事で、これから何が起こるのか考える事も出来ないのだろう。
兵士達の不穏な動きを見る事もなく、スコールは自らの手で尿道を虐め続け、竿を扱いてオナニーに夢中になっている。
そんなスコールに、まあ良いじゃないか、邪魔してやるなよ、と将校が言った。


「あっ、あっあひっ……うぅうんっ…!」
「指揮官様は忙しいようだから、今日はこれで撤収だ」
「あーあー、あんなに必死になってオナっちまって。明日の朝、遅れんで下さいよ。指揮官様がいないと作戦訓練が始まらないんだから」


 笑い声を上げながら、兵士達はテントを出て行く。
ほんの少し開いた入口の幔幕の隙間から、透き通った夜の風が滑り込んだが、それも直ぐに据えた匂いに紛れて消えた。

 一人残されたテントの中で、淫らな水音と、快楽に堕落した少年の喘ぎ声だけが反響する。
スコールは、誰もいなくなった事を気にする事もなく、万年筆で尿道を抉り、弄り、じゅぽじゅぽと出し入れを繰り返して、尿道オナニーに夢中になっていた。


「あっ、イくっイってる今ぁっ…!今、イった、イったのぉお…おちんちん、じゅぽじゅぽしてっ、おちんちんイくの、きもちいいよぉお……!」


 万年筆のペン尻が尿道の壁を抉る度、得も言われぬ快感が起こって、スコールは腰全体がびりびりと痺れるのを感じた。
奥に突き立てたペンを引き抜いて行くと、今度は出口へと向かう射精感が高まって、スコールの熱に歪んだ眼に笑みが浮かぶ。


「は、あっ、あう…んっ、あぁっ!お、おちんちん…ん、けつまんこぉ……」


 雄を扱いていたスコールの手が、後ろへと回る。
臀部を弄り、スコールの手が自身の秘孔へ向かう。
何度となく体内へ注ぎ込まれた蜜液がごぽっ、と溢れ出し、臀部の谷間を伝い落ちる。

 スコールは手を口元に持って行くと、たっぷりと舌で舐めしゃぶった。
ちゅぷ、ちゅぷ、と淫音が鳴る。
指全体を唾液で十分に濡らすと、もう一度下肢に手を持って行き、ねっとりとした粘液を纏わりつかせた指が、自身の秘孔口に宛がわれる。
くぷぅっ、と指先を挿入した途端、ぞくぞくとしたものがスコールの背筋を昇った。


「あぁああぁっ…けつまんこ…けつまんこぉっ…らめ、らめなのにぃ…、こんな、こんな所で…感じちゃ…だめなのにぃっ……」


 其処は受け入れる器官ではない。
判っているのに、最奥がヒクヒクと疼いて、挿入した指をもっと、もっとと誘うように肉穴が指に絡み付くのが判る。

 スコールはアナルに突き立てた指を深く埋めて、肉壁を撫でて掻き回した。
競り上がる快感は、ペニスに突き刺したペンで肉棒を虐める事で、更なる快感を生む。

 プライドを捨て、肉欲に堕ちた少年は、完全に意識が途絶えるその時まで、その躯が生む快感を貪り続けていた。



後ろも前も開発されて、奴隷宣言。