堕ちる、熔ける、嗤う。 3-4


 疲労を引き摺って任務に従事する事は少なくないが、これ程までに躯が重かった日はない。

 今日のスコールは、全体指揮と言う形で、後方で訓練の光景を見守っていた。
エルノーイルのような危険な魔物が現れれば動かなければならなかったが、幸いな事に、今日はそうした事態には見舞われなかった。
その為、スコールが野営地から動く必要もなく、伝令を担うゼルや班長役のSeeDからの連絡を待つのみで、一日を終えた。

 一日が終わると、ゼルと班長役を集め、報告会を行うのが通例となっている。
作戦の予定として組まれていた行動と、実際に取った行動、起こった事態等の情報をまとめ、各自の反省と明日への対策を話し合う。
各班で担当するガルバディア兵の動向についても確認を行い、前日と比べてどんな変化があったのか、前日に問題となっていた行動については改善されたか───等々、確認事項は多い。
スコールはその全てを確認し、事前に組まれていた明日の予定を調整し、その内容を紙に書きまとめた。

 報告会を終えると、SeeD達は各人のテントに戻り、明日に備えた準備を済ませてから就寝する。
数名は野営地の見張の為に起きており、四時間毎に交代が義務付けられていた。
スコールは指揮官と言う立場もあり、見張当番からは外されている。
代わりにスコールは、報告会でまとめられた内容を、ガルバディア兵の将校の下に伝えに行く義務があった。

 昼間の様子の事もあってだろう、スコールはゼルに「お前の事だから大丈夫だとは思うけど、ちゃんと休めよ。眠れなくても、横になってるだけで大分違うんだからな」と言われた。
何事に置いても体が資本である事は、スコールも重々承知しているし、ゼルもそれは判っている。
それでも言わずにはいられなかった程に、ゼルの眼から見て、スコールに対する違和感は顕著であったと言う事なのだろう。
────それでも、彼が何も知らず、気付かずにいる事に、スコールは安堵していた。

 人知れず蓄積された疲労と、躯を蝕み続ける感覚に耐えながら、スコールは歩を動かしていた。
気を抜けば覚束なく揺れそうになる足元を、無表情の下で歯を食いしばって、平静を装う。
ガルバディア兵の将校が使っているテントは、ガルバディア陣営の一番奥に設置されている。
其処へ着くまでの道が、短いようで酷く長く感じられて、スコールは辟易していた。

 ようやく辿り着いたテントからは、複数の人間の話声が聞こえた。
スコールはひっそりと細く息を吐いて、努めて無表情を作って幕を潜った。

 テントの中には長テーブルが一つと、パイプ椅子が二つ。
そのパイプ椅子に赤い軍服を着たガルバディア将校がそれぞれ座しており、その内の一人は、訓練が始まった日にスコールを輪姦した将校と、もう一人は今回の訓練作戦で司令官を務める男であった。
青の制服を着た他の兵士達は、防塵シートを敷いた地面に座っている。
打ち合わせや会議とは程遠い雰囲気に、スコールは眉根を寄せた。


「待ってましたよ、指揮官殿」


 ガルバディア司令官が笑みを浮かべて言った。
どうぞ、と促す将校を合図にしたように、地面に好き好きに座っていた兵士達が移動する。
スコールが一歩前に出ると、直ぐに二人の兵士がテントの出入口を塞ぎ、退路を断った。
そんな事をしなくても、スコールが此処から逃げ出す事は出来ないのだが、外から来るかも知れない第三者を妨げられるのは幸いだった。

 にやにやと、下心を隠しもしない男達の視線を感じながら、スコールは司令官の前に立った。


「…今日の訓練の内容について、SeeD達から報告があったものをまとめたものです。明日の予定についても幾つか調整して変更点がありますので、目を通して───」
「ああ、はいはい。確認しておきますよ」


 スコールの言葉を最後まで聞かず、司令官は差し出された紙を取った。
司令官は紙面の内容を眺めるように見詰めた後、興味を失ったようにさっさとテーブル端に投げてしまう。
スコールは眉を潜めたが、言葉は喉奥で飲み込むしかなかった。


「じゃあ、先ずはいつもの奴から」


 そう言って司令官が懐から取り出したのは、無色透明の液体が入った小ビンだ。
それを見るだけで、スコールは喉奥から吐き気が競り上がってくるのが判る。

 小ビンの中身の正体を、スコールは開けずとも知っていた。
否応なく何度も体験させられたその味を、スコールは忘れたくても忘れる事が出来ない。

 差し出されたビンを受け取り、蓋を開けて、躊躇なく口に運んだ。
迷っていても結局は飲ませられるし、その時、まともに口から飲まされるのならマシな方だ。
あらぬ所に与えられた時の事も、スコールは忘れる事が出来ない。
そうした記憶と、目の前の男達に逃げ道を塞がれたスコールは、腹を括る以外に選択肢がなかった。

 100mlもないビンの中身は、煽るように逆様にすれば、あっと言う間になくなった。
本能的な拒絶感から、喉がそれを飲み込む事を拒否していたが、スコールは強引に喉を通させる。
胃袋へとそれが到達してから、じくじくとした熱が腹の奥から生まれるまで、時間はかからなかった。


「……っ…!」


 唇を噛み、腹を押さえて蹲るスコールに、司令官と将校がくつくつと笑う。


「それじゃあ、どうぞ、指揮官殿」


 言って、将校は座っていたパイプ椅子から退いた。
スコールは数秒の間、空席になった椅子を睨んでいたが、後ろから肩を押されて蹈鞴を踏む。
背後の兵士をじろりと睨むが、兵士は唇を弧に歪めたまま、応える様子もなくスコールを見ている。

 スコールは唇を噛んで、SeeD服の詰襟に手をかけた。
前を開いて広げ、肩を落として袖を抜こうとすると、


「待った。今日はそれ、着たままでいいぜ」
「………」


 一人の兵士の言葉に、スコールの眉間の皺が深くなる。
明日も着なければならない───念の為、着替え用に同じ物を用意してはいるが、それらももう酷い有様だ───服だから、汚したくないと言うのがスコールの正直な所だ。
しかし、この場に置いて最底辺にいるスコールに逆らう術はなく、上着はそのまま、腰のベルトへと手を回した。

 バックルを外し、ズボンのフロントを緩めて、足下へと下ろして行く。
日焼けをしない白い脚が露わになって、男達の視線が集まって来るのが判り、スコールは不快感に顔を歪めた。
その傍ら、徐々にスコールの呼気が上がって行き、頬が微かに紅潮を始めている。


(…くそっ…もう、来た……っ)


 腹の奥で燻るように生まれていたものが、神経を伝うようにして、全身へと広がって行く。
零れそうになる篭る呼吸を押し殺そうと、スコールは強く唇を噛んでいた。

 ズボンを下ろし、下着も脱いで行くと、冷やかすような口笛が聞こえた。
まるでストリップ劇場を楽しんでいるかのような観客達に、何度殺意を覚えたか判らない。
大体、男の裸なんて見て何が楽しいんだ、とスコールは思うのだが、彼等にとて男の裸に興味がある訳でもあるまい。
この場に集まった男達が楽しんでいるのは、“伝説のSeeD”“魔女戦争の英雄”と誉めそやされた少年が、言われるがままに痴態を晒している、と言う状況なのだ。
───が、毎夜のように曝け出される、青さの残る少年の痴態に、男達が“雄”として欲望を持っているのも事実であった。

 SeeD服の制服の一つであるブーツの所為で、ズボンと下着を取るのに苦労する。
のろのろとそれを取り去る作業をするスコールの後ろ姿を、男達は無遠慮に眺めていた。
肉の薄い小振りな尻が、ゆらゆらと左右に揺れているのを見て、舌なめずりをする男がいる。

 スコールは、ズボンと下着だけを脱いだ格好で、パイプ椅子に座った。
上半身とブーツはそのままである為、下半身の膝上までが晒された格好だ。
一糸まとわぬ格好にされるよりも、酷く羞恥心が煽られると気付いたのは、何度目の夜だっただろうか。
ジャケットやブーツを脱ぐな、と命令した兵士達は、スコールのそんな胸中に気付いているのかも知れない。
そう思うと、スコールは益々悔しさが募る。

 椅子に座って膝を揃え、下腹部を隠そうとするスコール。
赤らんだ顔を俯かせ、震える唇を噛み、羞恥に耐えるその姿は、男達の支配欲を煽る。


「ほら、指揮官殿。さっさと始めないと、また今夜も寝れないぜ」


 地面に胡坐を掻いて座った司令官に、スコールは下種め、と口の中で吐き捨てた。
日に日に増えて行く凌辱者の中に、本来ならば部下の暴走を如何にしても止めるべき司令官が加わっていた事を知った時、スコールはガルバディア軍と言うものに対して幻滅した。
元々幻想を抱く程、躾の良い軍隊でない事は知っていたつもりだが、カーウェイ大佐のような人物を知っている分、まともな人間もまだいる筈だと思っていたのだ。
しかし実際に目の当たりにしたのは、低俗な連中と何も変わりはしない、欲望塗れの男の姿だった。

 スコールは顔を伏せたまま、ゆっくりと揃えていた膝を放し、両足を左右に開いた。
腹下にかかるジャケットの裾とシャツを持ち上げて、尻を椅子の浅い位置へとずらし、背中を背凭れに預ける。
腰を突き出す格好で、股座をぱっかりと開いたスコールの股間には、医療用ガーゼが貼られている。
中心部を隠したガーゼは、じっとりと湿った痕を残しており、固定の為に貼られたテープが皮膚から浮いていた。


「おいおい、ガーゼ汚れてるぜ」
「仕方ないだろ。時々、剥がれないように“確認”してやったからなあ」
「……っ…!」


 今日の日中、スコールは時間の空きを見付けては、行きずりの兵士達に犯された。
性欲処理と言う露骨な理由は勿論の事、今朝のテントの中で施された前貼りが剥がれないように確認だとか、貼り直してやるだとか、そんな前置きで、スコールは人気のない場所に連れて行かれ、躯を暴かれた。
兵士達は自分の欲望を発散させる事に夢中になり、スコールの躯を散々に汚して、打ち捨てるように立ち去る。
何度そんな繰り返しに遭ったか知れない。

 スコールは脳裏に過ぎる今日の出来事を、頭を振って追い払った。
腹の中で燻るものが、より一層濃くなってしまうのを感じながら、椅子の端を掴んで力を籠める。
ふるふると肩を震わせ、開いた脚の指先がブーツの中で縮こまるのは、寒さの所為なのだと自分に言い聞かせた。
そんなスコールの様子が、兵士達には何かを待ち遠しくしているように見えたのだろう、にやにやと笑いながら将校が言った。


「さあ、指揮官殿。朝から我慢し通しで大変だったでしょう。それ、剥がして良いですよ」


 それ───と将校が指差したのは、スコールの陰部を隠す前貼りだった。
自分で剥がせって言うのか、とスコールは顔を顰めたが、兵士達は見ているだけで動く気はないらしい。

 唇を噛んで、スコールは震える手でガーゼに触れた。
皮膚から剥がれたテープ端を摘まんで、ゆっくりと引っ張る。
ぴり、ぴり、と引っ張られた皮膚が小さな痛みを生んで、スコールは眉を寄せる。


「んっ…ぅっ……」


 ただでさえ敏感な局部の周囲である。
小さな感覚すら鋭敏に反応するようになったスコールの躯となれば、尚の事、その刺激は耐え難いものがあった。

 テープを剥がす手を止めて、詰めていた息を吐く。
はっ、はっ…と短い呼吸を繰り返すスコール。
ガーゼと躯の間に出来た僅かな隙間から、夜の冷気が滑り込んで、スコールはぶるっと躯を震わせた。


「は、う……」
「ほらほら、手が止まってますよ、指揮官様」
「急がないと朝になるぜ」
「……ん、んんっ……!」


 煽る男達の声に、スコールはぎゅうっと瞼を閉じて、再びテープを剥がし始めた。

 空気に触れる感覚が増えて、スコールの太腿が震える。
額からじっとりとした汗が浮かんで、スコールの白い肌がほんのりと赤らんでいた。
羞恥と屈辱で蒼の眦には涙が滲み、敏感な皮膚からの刺激に耐えようと噤んだ唇は微かに震えている。
ぴり、ぴり、とテープを引っ張る度、細い肩がピクン、ピクッ、と跳ねる様が、焦らすように誘うように、男達の劣情を無意識に煽っていた。

 四隅を留めるように貼られたテープの上部分を剥がして、躯から浮いたガーゼを摘まんで引っ張る。
足の付け根に貼られたテープが引っ張られるのを感じて、スコールは息を詰めた。


「んっ、うっ…あ……っ!」


 ぴりっ…と最後に小さな痛みを残し、テープが剥がれる。
薄皮膚がテープに引っ張られて引き攣るのを感じて、スコールは体を震わせた。


「は、あ……あ……」


 ようやく終わった、とスコールの躯から力が抜ける。
だが、事はこれで終わりではない。


「あららぁ、随分と面白い事になってるじゃないか」
「パイパンちんこに……何か入ってるな。今日一日、これでこっそり楽しんでた訳だ?」
「ん…っ、違、うぅ……っ」


 司令官がスコールの足を押さえ、限界まで大きく開かせた。
隠すものを完全に失った秘部は、子供のようにつるりとしており、ペニスも袋も剥き出しになっていた。
ガーゼによる圧迫から解放されたペニスは、形を押さえるものがなくなったにも関わらず天を突いており、表面には薄らと血管が浮いていた。
先端の尿道口には、指一本分の太さのあるものが挿入され、絶えずスコールの躯に熱の違和感を齎している。

 司令官が面白がっていると判る顔つきで、スコールのすっきりとした陰部に手を当てた。
ビクッ、とスコールの躯が震えて、身を隠すように肩を縮こまらせる。


「や…っ、触、らな……っ」
「そうケチくさい事言わんで下さいよ。どうせ弄られたくて堪らなかったんだろ?」
「んんっ……」


 ふるふると首を横に振るスコールだが、司令官は聞いていなかった。
会陰をゴシゴシと指先で擦られて、スコールの足がビクッ、ビクッ、と震える。

 司令官がスコールのペニスを持ち上げ、竿の裏側に指を宛てた。
剃毛されたと言う感触が微かに残る程度の其処を、確認するようにじろじろと見詰める。
肉棒の根本やその周囲、陰嚢の下、更には秘孔口の周囲まで覗き込まれて、スコールは顔を真っ赤にしていた。


「や…う……」
「ケツ穴がヒクヒクしてるぜ。白いの出てんのはザーメンだな」
「今日一日だけでどんだけ咥えたんです?腹ン中、ザーメンで一杯なんじゃないですか」
「うぅうっ……!」


 司令官と将校の詰る言葉に、スコールは唇を噛んで反論を堪えた。
此処で何か言っても、男達の加虐心を煽るだけだと言う事は、嫌と言う程判っている。
大人しくして、彼等の気が済むようにする以外、スコールに選べる道はない。

 足を掴んでいた司令官の手から解放されても、スコールは足を閉じる事は赦されない。
それどころか、「まだか?」「早くしろよ」「いい加減に覚えただろ?」と急かされて、緩慢な動きで両足を地面から浮かせる。
パイプ椅子に体半分を寝そべるように体重を預け、スコールは両脚をM字に開かせた。
決して人目に晒す場所ではない其処を、男達の前に差し出すように突き出して、スコールは右手で自身の雄を緩く握る。

 色の薄い濡れた唇が戦慄いて、吐息を混じらせて紡がれた。


「…い…今から…スコール・レオンハートの、公開、お、…オナニー、ショーを、始め…ます。…皆様、どうぞ……メス、穴、おちんちん、と、…す、スケベな、けつまんこで…感じる、……淫乱、な…雌奴隷の、姿を…ご覧ください…っ……」


 蚊の鳴くような震える声で言ったスコールに、兵士達が拍手を鳴らす。
冷やかす煽る声も、口笛を鳴らす音も、馬鹿にしているのが明らかで、スコールは泣きたい気分だった。

 緩く握った肉棒を上下に扱いて、刺激を与える。
にゅるっ、にゅるっ、と粘着質な感触が手に当たって、気持ち悪くて仕方がなかった。
動き方は手首を上下に動かすだけの単調なものだったが、内側に埋められたものが締め付けられるように、固い感触が尿道の壁に当たるのが判って、スコールの唇から熱の篭った呼気が零れ始める。


「…ふ、うっ…んんっ……」
「声我慢するなよ、面白くないだろ?」
「……く…んぁ……っ」


 喘ぎ啼く自分の声など、好き好んで聞きたくもない。
しかし、男達の命令は絶対である。
スコールは涙を滲ませながら、引き絞っていた唇を開いた。


「はっ…あっ…あぁ…っ……」


 躯を縮こまらせるように、背中を丸めているスコール。
開いた脚がヒクッ、ヒクッ、と戦慄いて、汗の雫が太腿を伝い落ちて行く。

 拙い刺激にも関わらず、スコールのペニスはあっと言う間に膨らんで行った。
右手でペニスの亀頭を、左手で竿の根本に触れて、亀頭の凹みに爪を当てて擦り、竿の根本と陰嚢の間に指を入れて、ぐりぐりと押し擦る。
神経の集中している場所に刺激を与えれば、否応なく躯が反応を示し、唇からは艶を孕んだ声が漏れる。


「あぁっ…!は、ぁんっ……!」
「おい、足ちゃんと広げてろよ。見えねえじゃねえか」
「は、ひっ……」


 縮こまらせていた脚を意識して開けば、其処に視線が集中する。
刺さるように注がれる無遠慮な視線に、スコールは腹の奥の熱がじわじわと温度を増して行くような気がした。

 局部にじっとりとした熱が滲み出してきて、蒸れた感触が指に伝わる。
気持ち悪い、と思う反面、スコールは自身の呼気が上がって行くのを抑えられなかった。
異物を埋められた尿道の奥で、押し留められた熱が競り上がろうと暴れているのが判って、スコールは天井を仰いだ。


「ふぁっ、あっ…!あ、ひ……っ!あぁあ…っ!」


 ペニスを扱く右手の動きが徐々に逸って行き、左手は陰嚢をくにっくにっと揉み遊ぶ。
広げた脚の筋肉が伸縮反応を始め、ぞくぞくとしたものが背中を賭け上がる度、釣られるようにビクッビクッビクッ、と足が跳ねた。

 腹の中に溜まる熱を感じていたスコールだったが、それは幾ら刺激を与えても、先に進んではくれなかった。
進みたくないと言う気持ちと、早く解放されたいと言う衝動に板挟みにされて、スコールはもどかしさに不自由な躯を捩る。
起立したペニスを刺激する傍で、慎ましやかな筈の窄まりが、ヒクヒクといやらしく伸縮を見せている。


「あうっ…あっ、んっ…!ふ、くぅん……っ」
「ちんこ擦ってるだけであんたがイける訳ないだろ。ケツマンコも弄ってみろよ」
「さっきからヒクヒクさせやがって、穿りたくて堪らないんだろ?」
「…違……ん、ん…うぅ……っ」


 否定の言葉など、男達は求めていない。
スコールはひく、と引き攣る喉を押し隠して、陰嚢を揉んでいた手を更に下へと下ろした。

 竿をしゅこしゅこと扱きながら、スコールは秘孔へと指を伸ばした。
触れた其処は、今日だけで何度も貫かれた所為で、閉じる事を忘れたようにだらしなくなっている。
ねっとりとしたものが周囲にまとわりついており、それは秘孔口からもトロトロと溢れ出していた。
人知れず犯された後、処理も碌にされないまま、格好だけを整えて公衆の面前に出なければならなかったのだから当然だ。
───その時の事を思い出して、きゅぅん、と秘奥が切ない感覚に襲われる。


「っは…は……っ……んん……っ!」


 心臓の鼓動に流されるように、逸る呼吸を押し殺して、スコールはアナルに指を押し付けた。
つぷん、と大した抵抗もなく、秘孔は口を開いて、スコールの人差し指を咥え込む。


「あ……ひっ……」


 違和感と、じりじりとした痺れが腰全体に広がるのを感じて、スコールは指先をアナルに入れたまま、いやいやと首を横に振った。


「痛いのか?そんな訳ねえだろ。あんたの指位、根本まで入れたって平気だって」
「やあ……っ」
「今更恥ずかしがる事もないでしょうよ。昨日だって自分でケツマンコずぽずぽしながら、気持ち良さそうにあんあん言ってた癖に」
「うぅうっ…!」


 兵士達の言葉を聞きたくなくて、スコールはふるふると首を横に振った。
出来る事なら耳を塞いでしまったが、両手は性器を苛めるまま、其処から離れようとしなかった。

 ゆっくりとアナルに指を埋めて行けば、案外とスムーズに奥まで入ってしまった。
何度も何度も男達の欲望を咥え込まされている内に、排泄器官である筈の其処が、受け入れる形に作り変えられたのが悔しい。
スコールは、はあ、はあ、と呼気を上げながら、それでも情けない声は出すまいと、喉奥の声帯を閉じるように、咥内に舌で蓋をする。
息苦しさは否めなかったが、自分の恥辱を見て興奮する男達の望まれるがままになるのは嫌だった。

 埋めた指全体に、直腸内の肉の凹凸が感じられる。
指を咥えているだけで、虫が蠢くように纏わりついて来るのが気持ち悪いのに、スコールはこれから其処を自らの意思で刺激しなければならない。
そう思った瞬間、ずくん、としたものが直腸の奥を襲った。


「ひうぅっ…!」


 指を動かした訳でも、身を捩った訳でもないのに、唐突に訪れる、内臓を突き上げられるような感覚。
過去に否応なく似たものを体験した所為で、今では官能のスイッチが入った合図のように思えてしまう。
その考えは強ち間違ってはおらず、衝動が襲った直後から、スコールの呼吸は堪えられない程に逸り始めた。


「はっ、はぁっ、あぁっ…!」
「ようやく効いて来たか?」
「あ、あ、あ…!や、あ……熱……っあぁ…!」


 腹の奥で燻っていた熱が、燃え上がるのを感じて、スコールは天井を仰いだ。
噴き出した汗が紅潮した肌を滑り、熱の篭った狭間からはむわっと濃い匂いが溢れ出す。
緩く握った手の中で、ペニスがピクッピクッと震え、アナルは咥え込んだ指を噛むように絡み取り、きゅうきゅうと締め付けている。


(あ、つ…奥…が……あそこ、の…尻の、奥が…熱いぃぃっ…!)


 むずむずとしたものが尻の奥で疼いているのを感じて、スコールは駄々を捏ねる子供のように頭を振る。
その間にも、指を咥えたアナルはヒクヒクと戦慄き、咥えたものを奥へと強請る。


「ふあ、あっ…あぁ……っ!」


 スコールの指先が、まるで操られるように動き出す。
間接を曲げ、狭い壁を押しながら、尺取虫のように曲げては伸ばしを繰り返して、奥へと進んで行く。


「あっ、あひっ…、あぁっ…!んぁあっ…!」
「急に動き出したけど、どうかしたのか?指揮官様」
「はう、あうっ…!ああっ…!お、奥…奥が…熱くなって…あぁあっ…!」
「やっぱりクスリが効いて来たんだな。指揮官殿は恥ずかしがり屋だから、こう言うモンに頼らないと、素直になれないんですねえ」
「んぁ、あっあ…!く、薬……ひっ、あひっ…!あぁっ、ん!」


 スコールの脳裏に、ビンに入った無色透明な液体が思い起こされる。
全ての始まりとも言える事件から、犯される度に無理やり飲まされた薬は、性的興奮を強制的に引き起こすものだった。
その上、粘膜から吸収すると、刺激に対しても過度な反応を示すようになり、理性と言う砦を呆気なく崩壊させてしまう。
日中の行為で飲まされる事はなかったが、夜になって彼等の奴隷になる時間になると、必ず飲むように命令されていた。
何度か拒否した事もあったが、結局は無理やり飲まされたり、尻やペニスに注ぎ込まれ、スコールはその度に快感に塗り潰されてしまう。
最近は多少の免疫が出て来たのか、効果の発露が遅くなりつつあるが、そんな事は慰めにはならなかった。

 尻の奥で痒みに似たものがじゅくじゅくと疼いている。
それは耐えるには余りにも辛いもので、放って置けば益々強くなって行き、スコールの意識を混濁させる。
スコールはその前になんとかしなければ、と埋めた指を奥へ奥へと突き入れて行く。


「はひっ、ひぃっ…!あく、うぅっ……!」


 指を精一杯に伸ばし、爪先を奥壁に擦り当てる。
奥の窄まった肉壁をコリコリと爪先で引っ掻けば、ビリビリとした快感がスコールの躯を駆け抜けた。


「ふあっあぁっ!あくっ、あふぅうっ…!」
「もっと奥まで入れないと。そんなモンじゃ足りないぜ」
「はぁ、あっ、あっ…!」
「指もう一本入れれば良いんですよ」
「う、う……んんぅっ


 言われるがままに中指を突き入れれば、圧迫感が増して、スコールはくぐもった声を上げる。
息苦しさと一緒に、狭い肉壁を押し広げる快感に、スコールの躯がビクッビクッと跳ねた。


「はっ、はーっ…あっ、ふあ……っ」
「指先広げて」
「あふっ…んぁあっ!はひっ、ひぃっ……
「指曲げて、引っ掻きながら入れて出してってするんだよ。教えたろ?」
「うっ、んっ、んんっ…!」


 言われるがまま、スコールはアナルに咥えた指を前後に動かし、狭い道をにゅぽっにゅぽっと出入りする。
指に擦られた壁が、広がっては閉じ、指が付き入れられる度に爪先で引っ掻くように擦られて、スコールは喉を反らして喘いだ。


「ああっ、あっ、あっ、あ…っ!や、あ…ひっ、あふっ…!」
「すっかりケツマンコで感じるようになったな」
「はひっ、ひっ…!か、感じて、な…んぁっ
「そんな情けねえ声出して、感じてない訳ないだろ。ちんこだってビンビンになってる癖に」
「ち、違…はひっビ、ビンビンに、なんてぇ……っ」
「そういや、さっきからちんこオナニーしてないよな?ちんこオナニーもするって言ったんだから、ちゃんとやれよ」
「い、いやぁ……っ」


 スコールはふるふると頭を振ったが、男達は容赦しなかった。
兵士の一人が手拍子を打ち、「ちーんちん!」等とふざけた煽りでスコールを催促する。


「ほら、ちーんちん、ちーんちん!」
「ちんこオナニー見っせっろっ!」
「ひっ、ひうっ……うぅっ……!」
「ちーんちん、ちーんちん!」


 重なる煽る声に、スコールの蒼い瞳に大粒の涙が滲んだ。
もう止めろ、と泣き顔で訴えても、兵士達は手拍子も煽りも止めようとしない。

 スコールはアナルの指を抜き差ししながら、ペニスへの愛撫を再開させた。
真っ直ぐに天に向かって伸びている竿を、ゴシゴシと上下に扱いて、根本に燻っているものを押し出すように揉む。
尿道口に差し込まれたままのペンが、中で圧迫され、奥まで入れられていたそれが、にゅっ、にゅっ、と映えるように頭を上へ上へと伸ばして行く。


「んっ、あっ…あぁっ、あんぅっ…!」
「指揮官様よぉ、ちんこに何入れてんだ?」
「出して見せて下さいよ」
「ふっ、ふぅっ…そ、んな……うぅっ…」


 其処にあるものが何かなんて、聞かなくても判っているだろうに、兵士達は面白がって催促するばかり。
スコールは堪え切れなくなった涙を零しながら、竿を扱いていた手で亀頭に触れた。
僅かに指先が触れるだけで、びりびりとした快感が奔るのを感じながら、先端に顔を出しているものを摘む。

 指先で摘まんだものを引っ張ろうとすると、それだけで身体中が引き裂かれるような官能が襲った。
やっぱり駄目だ、とスコールは助けを請うように頭を振るが、男達は見ているだけ。
中には、さっさとしろよ、と言わんばかりの眼を向けている者もいる。


「う、ふ……んっ…!」


 スコールは息を詰めて、摘まんだものを上へと引き摺り出す。
じゅるるるっ!と尿道を出口に向かって上って行くものに、スコールはビクッビクッビクッ!と体を痙攣させて悲鳴を上げた。


「あっあぁっああぁぁあぁんっ


 甘ったるい声がテント内に響き渡り、どろどろに濡れ汚れた万年筆が全貌を見せ、兵士達が「おぉーっ!」と歓声のような声を上げる。
更にスコールには、押し込まれ続けていたものが、逃げ出すチャンスを得たかのように一気に上り詰めて行き、


「ひぎっ、あぃっ、いぃっ!イっ、イくっイくっ!出るっ!出るぅうううっ


 がくがくと全身を震わせて、スコールは噴水のように勢いよく射精した。
びゅるるるっ!と放出された蜜液が、SeeD服のジャケットを汚し、スコールの顔まで飛び散る。

 早朝に兵士達の性欲処理の相手をさせられた後、尿道口に万年筆を挿入されて蓋をされた。
それから日中の間に何度も男達の相手をさせられ、前貼りを貼ったまま、頭だけを出したペニスも苛められた。
毎日のように暴かれ、犯されたスコールの躯は、本人の意思を無視して、快感に対し従順になっている。
だと言うのに、今日は異物で射精を妨げられていた所為で、常に其処を張り詰めていながら、一度も解放を赦されなかった。
時には射精なく絶頂を迎える事すらあり、逆流した熱の奔流に苛まれ、長い時間に渡って官能の名残に支配された事もあった。
そんな一日を過ぎて、ようやく与えられた解放の瞬間は、強烈且つ鮮烈なものとなって、スコールの意識を塗り潰す。

 スコールはM字に開き、アナルに指を咥え、摘まみ出したドロドロの万年筆を持ったままの格好で、呆然としていた。
すっかり快感に飲み込まれた瞳が宙を彷徨い、舌を伸ばした唇から、はひっ、はひっ…と発情した動物のような呼吸が漏れている。
蜜液を吐き出したばかりのペニスは、萎える事なく天を突いており、びゅっ、ぴゅぴゅっ、と白濁の飛沫を吹き出し、その度にスコールの躯はビクッ、ビクンッ、と痙攣した。


「あっ、ひっ…はひぃっ…
「盛大にイったな。本当に雌ちんぽ苛められるのがお好きなようで」
「そ、にゃ…こ、と、な……ひぃ……っ


 辛うじて兵士の言葉を否定するスコールであったが、その表情は快感に蕩け、伸ばした舌からはだらしなく涎が垂れている。
まるで説得力がないですよ、と司令官の男が嗤った。


「ほら、また手が止まってますよ、指揮官殿。オナニーショーなんだから、ちゃんと楽しませて下さい」
「う、んん……っ」
「おちんちんももっと弄るんでしょう?その万年筆、あんたのお気に入りのオモチャだもんなぁ」


 にやにやと笑いながら言う男達が何を促しているのか、スコールには嫌でも判ってしまった。
唇を噛んで、彼等の望む通りに従う為、尿道口にもう一度万年筆を宛がう。


「────んんぅぅうぅっ


 にゅぷぷぷぷっ!と万年筆を押し込んで、尿道口を逆様に抉られる快感に、スコールの躯が脚の爪先まで強張る。
ブーツの中で丸めた脚がビクビクと痙攣させながら、アナルが咥えた指を痛いほどに締め付ける。

 パイプ椅子の上で、スコールは陰部全体から広がって来る官能に悶え、全身を強張らせていた。


「あっ…あぁっ…ひぃ、う……っ
「だから止まってるって」
「…ふぁ、んん…っあふぅっ…


 ペニスに万年筆を挿し、アナルに指を咥え、肉壁をひくひくと疼かせて、スコールは身動ぎ一つすら出来なくなっている。
少しでも動けば、ペンが、指が角度を変えて狭い道を抉るだろう。
今でさえ耐え難い快感に苛まれていると言うのに、これ以上の行為など出来る訳がない。


「指揮官殿は焦らし上手ですねぇ」
「は…ひっ…あぅ…っ」
「でも、そのまんまじゃあんたも辛いでしょ。手伝ってあげますよ」


 そう言って腰を上げた司令官は、スコールの背後に立ち、広げた両足を膝裏から掬って持ち上げた。
ぱっかりと大きく開かれた脚の間で、とぷとぷと蜜液を溢れさせながら、異物を咥えているペニスがある。
司令官は、万年筆を摘んだまま動けないスコールの手を掴むと、────ずるぅっ!とそれを出口に向かって引っ張った。


「ひぃぃいいいんっ!」


 尿道を通るペン軸が、集中している無数の神経を万遍なく刺激して、スコールは甲高い悲鳴を上げた。
その反響が消えない内に、司令官はスコールの手を上下に動かし、にゅぽっにゅぽっにゅぽっ、と万年筆を抜き差しする。


「ああっ、あひっ、んぁあっらめ、だめ、ああっやめ、そこっ、らめぇええっ!」
「そこ?其処って何処だよ?」


 司令官はくつくつと笑いながら、スコールの手を動かしている。
更に兵士の一人がスコールに近付き、アナルに指を埋めた手を掴んで、前後に動かし始めた。
ペニスとアナルの穴を、自分の手で、しかし自分の意思とは関係なく攻められ、スコールは涙と涎で汚れた顔を振っていやいやと訴える。


「んひっ、ひぃっ、ああっち、ちんちん、おちんちんんっおちんちんっ、じゅぽじゅぽ、あひぃいっあっ、あふっ、あひっ、んぁあっ
「こうやってぐるぐるっと掻き混ぜてぇ」
「はぎっああっ、あぁああぁっお、おちんちん、だめ、おかひくなるっ!んぁっ、おふっ、ふぉおっけつ、けつまんこもぉっやっ、手、手ぇ離してっ、動かさないでぇっ!」
「あんたがちゃんと出来ないから、手伝ってるんでしょうが」
「はうっはひっ、んひっ、あぁんっやっやっ、あっあっ、あっあぁっだめ、あぁっ、んはぁんっ


 自分の意思と全く関係なく与えられる刺激は、スコールには余りにも強烈過ぎた。
全身を痙攣させ、毛穴と言う毛穴から汗を噴き出させ、スコールは頭を振って悶えている。
兵士達はそんなスコールの姿を面白がり、司令官と兵士は更に激しくスコールの陰部を虐め始めた。

 アナルに指を突き入れた左手の手首を掴まれ、更に奥へと指を押し込まれる。
力を失くした指の先端が、肉壁に爪を引っ掛け、其処をぐりぐりと押し潰していた。
ペニスに突き立てられた万年筆は、キャップの先端まで挿入され、ポケットに留める為のクリップの先が穴の縁にちくちくと刺さる。


「らめっ、だめっ、あひっ、あんっ、あんっおふっ、はうっ、んひぃっお、おちんちん、じゅぽじゅぽしないで、動かさないでぇっ
「だったら自分でちゃんと出来るな?ちんぽオナニー出来るんだな?」
「んっ、するっ、するからぁっ!おちんちん、おなに、自分で、出来ますぅうっ…!」
「じゃあケツマンコはどうだ?」
「ひきっんひっするっ、できるぅっちゃんと、ちゃんとするからぁっ、もうっ、あぁあっ…!ゆるしてぇえ…っ!」


 他人の手で強要される事と、脅しであれ自分の意思で行う事の、どちらがより最低な行為であるのか、そんな事はもうどうでも良かった。
自分の意思とは関係なく与えられる快感は、スコールには余りにも苛烈過ぎて、これ以上は躯が壊れてしまいそうだった。

 将校と兵士の手が離れ、スコールは自らの意思で、陰部を虐める手を動かし始めた。
摘まんだ万年筆が、尿道の奥から入口を何度も何度も出入りしている。
アナルの中では日本の指がバラバラに動いて、奥の媚肉を引っ掻いた。
万年筆を奥から入口へと引っ張ると、ずるるるっ、と射精感に似たものが襲いかかって来て、スコールの細い腰がビクンッビクンッ、と強く跳ねる。


「あぁっ、あぁっ、あぁあーっきてっ、きてるっ、おちんちんんっイくの、ぞくぞくするのっ、くるっ、きてっ……ふぁあぁんっ


 スコールの躯が一際強く張り詰めて、ペニスに浮いた血管が大きくなった。
どくん、どくん、とペニスが脈を打ち、指を咥えたアナルがきゅうきゅうと締め付けられる。
噛み付くようにまとわりつく肉壁を振り切って、スコールは秘奥に指を突き入れた。
途端、ビクッ!ビクッ!とスコールの躯が跳ね、


「んやぁぁぁあっ出るっ出てぇっああっ、だめぇっ、もどってくるぅっ!熱いのっ、中にぃっいぃぃんっ


 吐き出される筈だった熱が、蓋の所為で外に出る事が叶わず、一端上った尿道を逆流してくるのが判る。
イき損ねたスコールの意識は白濁に飲み込まれ、しかし陰部を虐める手は止まらない。
まるで別の意思に操られているかのように、スコールの両手は、ペニスとアナルをそれぞれ攻め続けている。


「あふっ、あぁっ、んぁあっお、おちんちんっひっ、だめ、あぁっ、いやぁっけつまんこが、あぁっ、だめ、とどかなっおく、奥が、むずむずして、はひ、んふぅうんっ


 アナルに突き立てた指で、何度も奥を引っ掻く。
土を掘るように、二本の指が曲げては伸びてを繰り返すが、最奥で疼く場所には一向に届かなかった。
それがスコールには尚の事もどかしく、苦しくて仕方がない。


「あふっ、んぉっ、ああっ、あぁあっ…け、けつまんこぉっもっと、奥、奥ぅっ、はひっ、ああっ……!」


 強過ぎる快感に翻弄される内、スコールの羞恥心と言うものは、何処かへ消えていた。
今の彼の思考を埋め尽くすのは、体の中で燻る熱から解放される事だけだ。