ソラリゼーション
※ペニバンプレイ。


 リノアは、横たわるスコールの躯に重なって、スコールの額にキスをした。
蒼灰色の瞳がようやくリノアを捉えるが、瑪瑙の瞳に映り込んだ彼の表情は、すっかり蕩けてしまっている。
セックスと言う行為自体初めてで、人に触れられる事を苦手としている彼にとって、他者の手によって与えられた初めての快感は、余りにも強烈過ぎたのだ。
直ぐには正気に戻れそうないスコールに、リノアの唇が笑みを浮かべる。


「ちょっと待っててね、スコール」


 そう言うと、リノアはスコールの傍を離れた。
スコールはぼんやりとした瞳で、リノアの動向を追う。

 直ぐにスコールの下に戻って来たリノアの手には、奇妙なものが握られていた。
何かを彷彿とさせる特徴的な形をしたもので、ベルトらしきものが繋がれている。
あれは────とスコールが知識を手繰り寄せる間もなく、リノアはそれを自身の蜜園に宛がって、ベルトを腰に回して金具を止めた。


「…リノ、ア……それは…?」


 まだ茫洋と霞のかかったスコールの問いに、リノアは応えない。
リノアは横たわったスコールの上にもう一度重なると、細い指をスコールの胸に這わせ、頂きの蕾をきゅっと摘む。


「っ……」


 ぴくん、とスコールの肩が小さく跳ねた。
それに気を良くして、リノアはスコールの左右の乳首を両手で摘まむ。


「あっ……!」
「ふふ。感じてるの、可愛いよ、スコール」
「リ、リノア……あっ、あっ…んんっ……!」


 恋人の動向が読めず、困惑した表情を見上げるスコール。
リノアは笑みを浮かべてそれを見下ろしながら、コリコリと乳首を転がして遊ぶ。


「あのね、スコール」
「んっ、あっ……!は、あ…っ!」
「私ね。スコールに、抱きたいって言って貰えて、嬉しかった。スコールになら全部上げていいって思ったし、スコールじゃなきゃ嫌だって思ったし。緊張もしたけど、スコールに触られてる間、すごく嬉しかったんだよ……」
「は、ん……あっ…あぁ……っ!」


 摘まんだ乳首を引っ張られ、かと思うと捏ね繰り回されて、スコールは胸全体にじっとりとした熱が集まるのを感じていた。
リノアの話は聞こえているが、彼女が何を言っているのか、理解する程の意識はない。
それよりも彼女の手に遊ばれている乳首から感じられる刺激の方が、スコールの意識を占拠して止まない。


「でもね。本当はね。私も……」
「はっ、あんっ…♡あ、あっ…♡や……あぁ……っ♡」
「私もスコールのこと、抱きたいの。だってスコール、すごく可愛いんだもん。寝顔とか、仕草とか、全部。それに、おちんちんで感じて、お尻で感じて、イっちゃうスコール…すごくかわいい……っ」
「やあ……あぁっ、あっ…!」


 リノアの言葉に、スコールは自身の痴態をようやく思い出し、ふるふると頭を振る。
しかし乳首を摘まれ、クニクニと捏ねられれば、容易くビクビクと躯が震えてしまう。


「だから……」
「ふ、あっ……!」


 リノアはスコールの乳首から手を放すと、両膝を捕まえて、ぐっと持ち上げた。
スコールは膝裏を押され、躯をくの字に折り畳ませると、呼吸の苦しさに眉根を寄せる───が、それよりも、秘孔口に何か固いものが押し当てられるのを感じて、目を瞠る。


「リノアっ────」


 何を、とスコールが問う余裕はなかった。
リノアがはあっ、と熱の篭った息を吐いたかと思うと、アナルに触れていた硬いものが、肉口を開いて中へと侵入する。


「──────っ!」


 先刻、リノアの指を咥えていた時の非ではない圧迫感に、スコールは目を剥いて声にならない声を上げる。
固く太く、膨らみのあるものが、ぬりゅりゅりゅりゅっ、とスコールの直腸を押し広げて行く。

 リノアの指によって解され、官能の切っ掛けを覚えたばかりのアナルに、突然侵入してきたもの。
痛みと圧迫感を伴ったそれに、スコールはベッドシーツを強く握り締め、蒼の瞳を虚空に彷徨わせる。
そんなスコールにリノアは覆い被さって、スコールの頭を抱き締め、赤ん坊をあやすように濃茶色の髪を撫でる。


「これ、ペニスバンド。知ってる?私でも、スコールを抱く事が出来るんだよ。スコールのこと、気持ち良くしてあげられるの」
「は、あ…っ…あ、あ……っ」
「痛い?…ごめんね。でも、直ぐまた感じさせてあげるから」
「リ、ノア……あ、あっ…!」


 くちっ、とアナルに埋められたものが角度を変えて、スコールの肉壁を押し上げる。
ヒクッ、ヒクッ、と四肢を震わせたスコールの腕が、助けを求めるようにリノアの手を捕まえた。
リノアはスコールの手を握り返して、ペニスバンドを嵌めた腰を動かし始める。

 ぐにっ、ぐにゅっ、ぐりゅっ、と秘奥を突き上げられる衝撃に、スコールの躯がビクッ、ビクッ、と跳ねる。
虚ろな瞳で自身の下肢へと視線を移せば、濃いピンク色をしたものが、リノアの恥丘とスコールのアナルを繋げていた。


「あ、あ…あ、ひっ……んぁあっ…!」
「は、んっ…スコールぅ……んっ、んっ、んっ…!」


 リノアが腰を前後に動かす度、ピンク色がスコールの秘孔口を出ては入ってと繰り返す。
体内では、陰茎を模した張り型が何度も肉壁に引っ掛かり、狭い直腸内の肉ヒダを万遍なく擦っていた。

 女が入れて、男が入れられて───本来なら逆であろう立場に、スコールは抗う事も忘れて、リノアに揺さぶられている。
彼女と繋がっている淫部を見ても、不思議と嫌悪感は沸かなかった。
それよりも、彼女と繋がっている、彼女と一つになっていると言う事実だけで、スコールは充足感に似たものを得ていた。


「は、あ…リノア……リノ、アぁ……っ!」
「ん…はっ、スコール……かわいい……」


 熱に浮かされた声で名を呼ぶスコールに、リノアの唇が笑みを深める。

 リノアは唇をスコールのそれと重ねて、舌を絡め合せた。
ちゅく、ちゅく、と淫音を鳴らしながら、リノアはスコールの咥内を隅々まで堪能する。
スコールの口端から唾液が零れ出すと、リノアは唇を解放して、肌を濡らす唾液を舌で舐め取った。

 リノアはスコールの貌の横に両手を突いて、律動を速めて行く。
ギシギシとベッドのスプリングが軋んだ音を鳴らし、二人の躯はそれに合わせたように上下に跳ねた。


「はあ、あっ…あっ…は、あ……リ、ノア……」
「んっ、待って、ね……もうちょっと……んっ、んっ…!」


 直腸内を角度を変えながら何度も突き上げられて、スコールはもどかしげに腰を揺らす。
リノアはそんなスコールを宥めながら、彼の感じる場所を探して、仕切りに腰を動かした。

 悩ましげに艶の含んだ呼吸を繰り返すスコールの姿に、リノアは自身の秘部がじっとりと湿って行くのを感じた。
スコールに抱かれていた時、彼に触れられていると意識する度、下腹部に熱が蓄えられていくのが判ったが、今もそれと同じ位────若しかしたらそれ以上に、リノアは官能を覚えているかも知れない。
まがい物とは言え、自身の恥丘から生えた雄が、愛しい人の陰部を出入りする度、ああ彼を抱いているのだ、愛しているのだと言う思いが育って行く。

 ペニスバンドを固定したリノアの陰唇から、とろとろと蜜液が溢れ出し、リノアの下肢を濡らして行く。
愛液は更にスコールの股座まで濡らして、まるで彼が濡らしてしまったように見える。
そんな視覚の錯覚に喜びながら、リノアが腰を突き動かした時だった。


「────あぁんっ!」


 ビクン!とスコールの躯が跳ねて、高い声が上がる。
覚えのある反応に、リノアは同じ場所を狙って腰を動かした。
ぐちゅっ、ぐちゅっ、と前立腺を突き上げられて、スコールはベッドシーツを握って喘ぐ。


「ひっ、あっ、あぁっ!あぁ…んぁっ、リノ、アぁっ♡」
「スコール、んっ、はぅ…っ♡うんっ♡」
「あふっ、んっ……リノア、んんっ……♡」


 濡れたスコールの唇に、リノアは己のそれを押し付けた。
スコールの手がリノアの長い黒髪を撫でて、背中を滑る。
抱き寄せるように肩に置かれた手に促されて、リノアはスコールの胸に肌を重ねた。
柔らかな乳房がスコールの胸に押し付けられ、その奥で息づく鼓動を伝えて来る。

 口付けあったまま、リノアの律動は続く。
にゅぷっ、ぐぷっ、と卑猥な音を鳴らしながら、リノアの雄はスコールの中を耕して行く。


「んっ、んっ、んぷっ♡ふ、おふぅっ♡」
「んぁっ、はっ、ん、ふふ……んっ、んっ、」
「はひっ、あっあっ♡ひんっ♡リノア、そこっ…あぁっ♡」


 ぐりゅっ、と前立腺を抉り上げられて、スコールは背を仰け反らせた。
ビクビクと四肢を震わせるスコールの中心部は、二度目の絶頂を迎えられて以来触れられていないのに、すっかり頭を起こしている。

 リノアはスコールの肩を掴んで、ベッドに押さえつけるように体重を乗せ、ずんっ!と一際強く突き上げた。
最奥の壁を打ち上げられたスコールは、白い喉を逸らせて声を上げる。
シーツを握る指先が攣ったように強張って、ピクッピクッと痙攣した。


「あ、は……あっ…あっ……♡」


 それきり律動を止めたリノアだったが、スコールの濡れた唇からは、甘い吐息が止まない。

 蕩け切ったスコールの頬に、リノアの手が滑る。
細く白い手が、紅潮した頬を撫でて、濡れた唇に触れた。


「スコール……ね、後ろ向いて」
「…後、ろ……?」
「うん」


 促すリノアの瞳に見詰められ、スコールは頭の芯が痺れて行くような気がした。
思考する力を失った躯は、リノアに促されるまま、緩慢な動きで起き上がり、体勢を変える。
淫部に埋められたままのペニスが、くにゅぅ……と角度を変えて肉壁を弄るのを感じながら、スコールはベッドに俯せになってリノアに背を向ける。

 リノアの両手がスコールの腰を捉え、持ち上げる。
スコールは四つ這いになって、ペニスバンドに貫かれた秘部を高く掲げた格好になっていた。
雄を咥え込んだアナルがリノアの前に露わになり、ひくひくと伸縮を繰り返す其処に、リノアの指が這う。


「んっ……」
「本で読んだんだけどね。こっちの方が奥まで入るんだって」
「……お、く……?」
「んっ……!」
「…っあぁあ……っ!」


 リノアが腰を進めると、彼女の言う通り、先程よりも深い場所にペニスが埋められて行く。
スコールはシーツに顔を埋め、立てた膝をビクビクと震わせながら、雄の侵入を甘受する。


「あ、ふ……深、いぃ……っ♡」
「ね…?これなら、私も動き易いし…っ」
「あぁっ!」


 ずにゅっ、とペニスが後ろに下がって、媚肉を擦られる感覚に、スコールが声を上げる。
その反響が消えるのを待たず、リノアは再び腰を進めた。
月型に緩く曲線を持つペニスの先端が、肉壁の天井を押し上げるように擦って行くのを感じて、スコールの背が戦慄く。


「はぁああんっ♡」
「ん、ふっ……スコール、もっと気持ちイイの、あげるねっ」
「ひ、はうっ、はぅんっ!あっ、あっ、リノ、アぁっ♡」


 リノアはスコールの腰を捕まえて固定し、休む間もなく腰を前後に動かす。
スコールの尻とリノアの太腿が当たる音がして、行為の激しさを物語る。


「あっ、あっ、リノア、リノっんんっ♡あんっ、激し…あふっ、あぁあっ!」
「スコールのここ、すごい…びしょびしょなの。女の子のおまんこみたいで、かわいい…っ♡」
「やっあっ!あぁっ…!」


 リノアの言葉に、スコールは恥ずかしさで顔から火が出るような気がした。
女のように雄を咥え込んだアナルを、リノアに見られている───そう思うだけで、スコールはぞくぞくとしたものが背中を駆け上って来るのが判る。


「あっ、あっ…♡んっんぁっ、はんっ、ひぃんっ…!」
「んっ、もっと…スコールのおまんこ、もっと気持ち良くしてあげる…っ!」
「はぅ、はうっ、あぅんっ!あっ、リノア、あっ、やぁっ♡深っ、激しいぃんっ♡」


 前立腺の膨らみをぐりゅっぐりゅっと繰り返し突き上げられ、スコールは背を仰け反らせて甘い悲鳴を上げる。
奥壁を打たれる度、媚肉が痙攣してペニスを締め付け、リノアが腰を引く度、引き留めるようにアナルが閉じる。
リノアはペニスバンド越しに伝わる肉の抵抗を感じながら、官能に戦慄くスコールの背に覆い被さる。

 さらりとした黒髪が背中を流れるのを感じて、スコールが肩越しに振り返る。
柔らかく笑んだ瑪瑙と、涙と官能で濡れた蒼灰色が重なり、


「は、あんっんっ♡あ……あぁあんっ!」


 スコールの肌を滑っていたリノアの手が、スコールの乳首をきゅうっと摘む。
左右の乳首をコリコリと転がされて、スコールは逃げを打つように背を捩らせる。


「あっ♡あっ♡や、あぁっ♡リノア、リノアぁんっ♡」
「乳首、気持ち良い?」
「はっ、あっ、あっ♡あんっ、ひぃんっ…!」
「ね、気持ち良い?スコール」


 答えるまで止めない、と言わんばかりに、リノアは執拗に乳首を苛める。
摘まんで引っ張ったかと思うと、乳頭の先端に爪先を当ててくすぐるように擦る。
スコールは答えを嫌がるようにベッドに顔を伏せるが、リノアの手は悪戯を止めない。


「んっ、んっ、んんっ…♡や、あ…あぁ……あひぃいんっ!」


 答えないスコールに焦れたように、リノアが腰を揺さぶる。
ぐちゅっ、ぐちゅんっ、とアナルを突き上げられて、スコールの膝ががくがくと震えた。


「はっ、らめっ、リノア、リノアぁあ…っ♡」
「んっ、ふっ…乳首、気持ちいっ…?」
「ん、あひっ、いいっ…♡乳首っ、リノアぁっ…!きもちぃいい…っ♡」
「ふふっ……やっぱり可愛い、スコールっ」
「あっ、あっ、あぁっ♡乳首、ちくびがぁっ…おかしくなるぅう…っ♡も…引っ張る、な、あぁああんっ♡」


 口ではどんなに愛撫を拒もうとも、スコールの躯は官能に対して従順であった。
リノアの指に乳首を弄ばれ、アナルをペニスバンドで絶えず責められて、スコールの雄からは快感の証拠のように、とろとろと蜜液が溢れ出している。

 リノアは乳首を転がしていた手の片方を下げ、スコールの腹を擽った。
それだけでスコールは快感を感じてしまい、アナルがきゅうと閉じて張り型を締め付け、甘い声を上げる。
下肢から競り昇ってくる快感に溺れるスコールを眺めながら、リノアの手は先走りを零すペニスを握った。


「ひんっ♡」
「痛かった?」


 ビクッ、と身を縮こまらせたスコールに、リノアは問うが、スコールからの返事はない。
はぁ、はぁ、と熱を孕んだ呼吸を繰り返すスコールを見て、大丈夫だね、とリノアは言った。

 リノアはスコールの乳首を摘まみながら、輪を作った手でペニスを扱く。
ぬるぬるとした粘着質な蜜で濡れそぼったスコールのペニスは、リノアが少し刺激を与えただけで、むくむくと質量を増して行く。


「はぅ、あっ、あぅんっ…!リ、リノア…だ、め…あっあっ♡あぁっ♡」
「スコール、直ぐイっちゃいそうだね」
「や、ん、あひっ♡ひぅっ、ひぅうんっ♡」


 リノアが指先でペニスの先端───尿道の穴をぐりぐりと穿ってやると、スコールの腰がビクビクと震える。
スコールは唾液を垂らしながら、弛緩し切った顔を晒し、逃げを打つように腰を振る。
リノアのその動きに合わせて、逃げる腰を追うように、スコールのアナルを突き上げる。


「ああっ、あっ、やぁっ♡ひっ、リノア、もうっ、もうやめぇっ…!」
「ん、ふふ……ほら、乳首、もう一回」
「あぁんっ♡あっあっあっ!や、ひんっ、あはぁんっ…♡」
「スコールってば、どこ触ってもビクビクしちゃって。ビンカンなんだね。可愛い……」


 囁きながら、リノアはスコールの乳首を転がし、ペニスを扱く。
ペニスの根元からカリ首まで、奥底のものを絞り出すように扱かれて、びゅくっ、びゅくっ、と精液が吹き出してシーツを汚す。


「リノア、りのあぁっ…!もう、イくっ…出る、からぁっ…!あぁっ、あっ、あぁあ…っ♡」
「んっ、んんっ!」
「ふあっ、あっ、あふぅううんっ♡」


 リノアはスコールの躯にしがみ付くように覆い被さって、ぴったりと腰を密着させる。
ぐにゅぅっ、と亀頭に最奥の壁を抉られた瞬間、びゅるるるっ!とスコールの雄が弾けた。

 リノアは、自分の腕の中で、ビクッビクッと長く痙攣を引くスコールを見詰めていた。
リノアの腰がぶるりと震えて、ねっとりとしたものが自分の恥丘から溢れ出す。
熱の奔流がゆっくりと躯全体に沁み渡り、消えて行くのを感じて、ああ、イったんだ、と自覚する。

 シーツを握り締め、強張って突っ張っていたスコールの腕から力が抜けて、上半身がベッドに沈む。
リノアの手の中では、果てたばかりのペニスがとろぉ…と蜜液を零している。
その蜜を指先で掬おうとくすぐっていると、「あっ…あっ…」と霞む意識の中でスコールが声を漏らした。

 スコールの躯から完全に力が抜けて、リノアはゆっくりと腰を引いた。
ペニスバンドを咥え込んでいたアナルは、括約筋に未だ若干の抵抗感を残しながら、ディルドーを解放する。
咥えるものを失ったアナルが、ヒクヒクと寂しげに伸縮するのを見て、リノアは精液で汚れた手で穴口に触れる。


「お尻でイっちゃったね、スコール」
「…ふ…あっ……♡触、らな…ぁ…♡」


 入口を指先でくすぐられて、スコールの太腿がピクッ、ピクッ、と跳ねる。
リノアは咽るような匂いをまとわせたスコールの淫部にキスをして、俯せたスコールの隣に並んで横たわる。

 スコールの瞳は熱に溺れたまま、まだ現実に戻って来てはいなかった。
リノアはそんなスコールの胸に身を寄せて、スコールの腕を背中へと誘導させる。
ぴったりと身を寄せた体温を感じながら、リノアはつんと膨らんだスコールの乳首に手を伸ばす。


「スコールの乳首、まだ立ってる……」
「あっ……!」


 きゅっ、と乳首を摘まれて、スコールの口から甘い声が漏れる。
自己主張するように尖ったそれをリノアは舌で舐りながら、ひくん、ひくん、と反応を見せるスコールの姿に笑みを浮かべる。


「やっぱり可愛い。スコールの感じてる顔……」
「んっ…ん、あ…あっ…♡」
「そんな顔見せられたら、止められなくなっちゃうよ」
「リ、ノア……あぁんっ…!」


 ちゅうっ、と乳首を吸われて、スコールはリノアを抱き締めて身悶える。
リノアは耳元で聞こえる艶を孕んだ息遣いに、収まった筈の劣情が再び膨らんで行くのを感じていた。





 普段、自由に外に出る事が難しい二人が、仕事等と言った公的な理由なく外出した理由を、仲間達はそれとなく気付いていた。
二人をよく知る面々からすれば、ようやくか、と言う所もある。
ご丁寧に休暇届と外泊届を重ねて提出した二人を見て、幼馴染の面々は何も言わずに二人を送り出した。
今まで色々と心配と手をかけさせてくれた二人だが、此処まで来てしまえば、後はもう大丈夫だろう、と。

 そして二人が外出した翌朝────スコールとリノアがバラムガーデンに帰って来たのは、正午を迎える前の事。
生徒達の多くが授業を受けている時間に戻って来たのは、やはり、人目を避けての事だろう。

 魔女戦争後に改めて設けた指揮官室に入室した二人を迎えたのは、指揮官の不在を預かっていた、補佐官のキスティスとサイファーだった。


「ああ、スコール、リノア。お帰りなさい」
「……ん」
「ただいまーっ」


 淡泊なスコールの反応と、明るいリノアの声。
いつもと何ら変わらない二人の反応に、取り敢えず、拗れる事はなかったようだと、キスティスはこっそりと口元を緩める。

 スコールはさっさとデスクにつき、リノアはそんなスコールのデスクに寄り掛かっている。
いつものように仕事を始めようとするスコールの下に、指揮官代行を請け負っていたサイファーが溜まった書類を持って向かう。


「帰って来るのが遅ぇんだよ。こんな下らねえモン、俺に押し付けやがって」
「……暇を持て余してるのがあんたじゃなければ、あんたに任せたりしなかった」


 昨日、スコールがガーデンを出て行く時、手が空いていたのはサイファーだけだった。
スコールとてデスクワーク嫌いのサイファーに書類処理を預けるのは不安が否めなかったが、明日・今日中に済ませなければならない物が幾つかあった為、任せる事にしたのだ。

 サイファーの手から受け取った書類をパラパラと捲るスコール。
デスクワーク嫌いとは言え、やる事はきっちり済ませてくれていたようで、特に不備も見当たらない。
サイファーも自分でそれを確認していたのだろう、彼はスコールの「良し」の言葉を待つ事なく、来客用のソファに座る。

 ガチャッ、と指揮官室の扉が開いて、セルフィ、ゼル、アーヴァインが入室する。


「ただいま〜っ。あっ、はんちょー、リノアー、お帰り〜っ」
「お、スコール。いつ戻ったんだ?」
「ああ、本当だ〜。二人とも、お帰り〜」


 三人はスコールとリノアの姿を認めると、嬉しそうに声をかける。
スコールはちらりと視線だけを寄越して、リノアがゼルの問いに「ついさっきだよん」と答えた。

 セルフィが駆け足でリノアの下に駆け寄り、うきうきとした表情でリノアの顔を覗き込む。
じぃっと見詰めるくりくりとした瞳を瑪瑙が見返していると、セルフィは声を潜めてリノアに訊ねた。


「…ね、どうだった?」
「どうって?」


 珍しく声を潜めるセルフィに釣られたように、リノアの声も小さくなる。


「昨日。どんなだった?」
「……!」


 セルフィの言わんとしている事を理解して、リノアの頬にぽっと赤が灯る。
それを見たセルフィが、小さな声で黄色い声を上げた。

 こんな事は野暮な質問である事は、セルフィも判っているつもりだったが、やはり年頃の娘である。
それに、先の戦いからずっと見守って来た二人の、大事な夜だったのだ。
今更拗れる事はないだろうと思いつつも、幼馴染の気難しさを知っている事もあり、単純な好奇心もあり、気にならない訳がない。

 リノアはしばらく赤い顔を誤魔化すように、ぱたぱたと手団扇を仰いでいた。
セルフィはそんなリノアを急かす事なく、じっと彼女の反応を待つ。


「どうって、その。うん……ねっ?」


 赤らんだ顔を綻ばせるリノア。
それ以上は言うまいとしているリノアだったが、取り敢えず幸せらしい、と言う事はセルフィに伝わったようで、「うひゃ〜っ」と興奮混じりの声が漏れる。

 そんな少女達の傍ら、スコールの下にゼルとアーヴァインが集まる。


「ね、ね、スコール。昨日、どうだった?」
「………」


 アーヴァインの明け透けな質問に、スコールの眉間に深い皺が刻まれる。
ゼルは何も言わなかったが、じりじりと聞き耳を立てている辺り、聞きたい事は同じなのだろう。
何も言わないスコールに焦れて、ちょっと位教えてくれよ、とアーヴァインが言う。
アーヴァインにしろゼルにしろ、それぞれ想い人がいる身であるし、野暮と思っても今後の為にも聞きたい事は山ほどあった。

 が、そんな少年少女を諌める声が飛ぶ。
無論、キスティスの声だ。


「セルフィ。早く報告書を書きなさい。いつも時間がかかるんだから」
「は〜い」
「ゼルとアーヴァインも。始末書もあるんでしょ?夕方までに提出しないと減点よ」


 キスティスの言葉に、ゼルとアーヴァインは慌てて自分達のスコールの下から離れる。

 同じ空間にいれば、気になって仕方がないからだろうか。
セルフィ、ゼル、アーヴァインは、寮に戻ってそれぞれ報告書を書き、書き上がったら持って来ると言って指揮官室を後にした。
セルフィはしっかり「後でね〜!」とリノアに言って、興奮を隠せない足取りで廊下を走って行った。

 それから程なく、キスティスとサイファーも指揮官室を出て行った。
キスティスは教員代理として午後の授業の準備、サイファーは一日デスクワークで鈍った身体を動かすつもりらしい。
───内心、彼等も他の幼馴染達と同じ心境であった事は、誰も知らない。

 二人きりになった部屋の中で、デスクに寄り掛かっていたリノアが、書類を眺めるスコールへと近付く。
近くなった気配にスコールが顔を上げると、黒色瑪瑙が自分を見下ろしている。
ふっくらとしたリノアの唇が笑みを浮かべ、二人の顔が近付いて、


「……昨日のこと。皆には内緒、だね?」


 昨晩、二人が繋がった時の事。
どんな形でスコールとリノアの想いが重なり合ったのか、幼馴染達には想像もつかないだろう。
短くはない一夜で、リノアがどんな風にスコールを愛し、どんなに濃密な時間を過ごしていたのかも。

 リノアの指がスコールの頬を滑り、唇に触れる。
つ……と滑るリノアの指の感触に、スコールの瞳にじわりと熱の名残が滲む。


「皆には内緒だけど───また、しようね。スコール……」


 そう言って見詰める少女の瞳に、スコールは逆らえない。
スコールの薄く開いた唇の隙間から、赤い舌が覗いて、少女の指に触れた。





いつか書きたかった♀リノ×♂スコ!そしてペニバンプレイ!
とどのつまり、リノアに喘がされるスコールが書きたかった!!
そんな訳で、童貞喪失より先に処女喪失をしたスコールでした(最低)。

端に女性上位なだけじゃなく、ペニバン突っ込まれた男キャラが喘いでるエロの方が好きです。