アフロディージア


 こんな場所で、何故、こんなにも欲情しているのか。
それを考えると、やはり、バッツが調合した薬の事が浮かぶ。
バッツは平然としているし、クラウドが異常を訴えなかった事を鑑みるに、やはり、スコールだけが何か拒絶反応を起こしたのかも知れない。
滋養強壮剤を飲み、精力の回復に伴って性欲の回復・増進に繋がるのは、起こり得ない話ではない。


(あんたの…所為だ……っ!)


 一口飲んだ時点で、止めれば良かった。
絆されて半分も飲んでしまって、こんな状態になっている。
その流れを思い出して、スコールは八つ当たり気味に、バッツに責任を押し付けた。

 飴を舐めるように、スコールは何度もバッツの舌を舐める。
息苦しいのか、離れようとするバッツの顔を、スコールは抱き締めるように抱えて押し留めた。


「んふっ…んっ…ふぅっ……!」


 スコールは恋人の味を堪能するように、目を閉じて、彼の唇を貪った。
彼がいつもどうやって自分を高めようとするか思い出しながら、記憶をなぞってバッツを愛撫する。

 バッツは、じっとスコールの口付けを甘受していた。
どうした、と聞くでもなく、彼はスコールの好きにさせている。
それがいつものバッツとは違って見えて、スコールは唐突に不安になった。


(俺…何してるんだ……?)


 体の熱に置き去りにされたように、頭の中だけに冷静さが戻って来る。
夢中になってキスをしている自分が酷く恥ずかしい生物に思えて、離れなければ、と思った。

 体の中の熱は、今もまだ続いている。
これの正体が閨で感じるものと同じだと気付いたから、治め方も予想がつく。
無性にバッツの存在が欲しくなったのも、きっとその所為だろう。
だから彼に触れて貰えば、何もかも丸く収まるのだ────が、それを勢いだけで選ぶには些か遅く、スコールはゆっくりとバッツの唇を解放した。

 しかし、離れたと思った直後、バッツがスコールへと唇を重ねる。


「んう……っ!?」


 思いも寄らなかったバッツの行動に、スコールは目を丸くした。
見開かれた蒼灰色に、笑みを浮かべた褐色が映り込む。

 スコールの無防備に開いた唇を、ぬるりと生温かいものが舐める。
それだけで、スコールは背中をぞくぞくとしたものが走るのを感じた。
夜にしか感じる事のない感覚に襲われて、スコールはパニック状態になって、覆い被さる男を押し除けようと手足を暴れさせる。


「んっ、んぅっ…!んんんっ!」


 肩を押し除けようとした腕が捉えられ、背にしていた木の幹に縫い付けられる。
足の上にも体重がかかって、蹴り飛ばすには体に力が入らず、スコールは唇を弄る舌から逃れられなかった。

 緩んだ唇の隙間から、艶めかしいものが中へと滑り込む。
引っ込めようと舌は呆気なく囚われて、じゅるじゅると唾液を絡ませながらしゃぶられた。
ビクッ、ビクッ、とスコールの躯が顕著に跳ねて、体の奥から滲んでいた熱が、一気に全身へと広がっていく。


「んあ、ん、んん……っ、ふぅん……っ!」


 スコールはゆるゆると頭を振って、バッツに離せと訴えたが、バッツは構わずに口の中を愛撫する。
舌の腹を合わせ、ねっちょりと糸を引きながら離れては、また絡め取られて裏側を舌先でくすぐられる。
明らかに情事を意識する動きに、スコールはこのままではまずいと悟ったが、体は言う事を聞いてくれなかった。
それ所か、バッツの舌が何度も歯列の裏側をなぞる度、ぞくぞくとしたものに躯中が支配されて、頭の芯まで熱で染まって行く。

 酸素不足か、息苦しさでスコールの意識がふわふわと浮いて来た頃、バッツはゆっくりと呼吸を解放した。
ちゅる、と絡めた唾液が音を鳴らして、二人の間を銀糸が繋ぐ。


「ふ…は……っ」
「こんな所でスコールからキスしてくれるなんて、珍しいな」


 両腕を掴んでいたバッツの手が離れ、くしゃ、とスコールの髪を撫でる。
それだけで、ぶるっとスコールの躯が震えた。

 スコールの手がバッツの腕を掴み、ぎゅう、と力が込められる。
捕まえるように握る手を見て、バッツはくすりと笑った。
汗ばんだスコールの頬に張り付いた髪を指で払って、頬を撫でてやれば、スコールがもぞもぞと身を捩る。


「バ、ッツ……」
「ん?どした?」
「…さっき、の……っ」


 呼吸をする度に、体の奥の熱が昂って行く気がして、スコールはそれ以上何も言えなかった。
バッツのキスで煽られた躯は、最早スコールの思うようには動けない。
欲しいものを与えて貰えなければ、蜘蛛の糸のようにスコールを雁字搦めにして離さないのだ。

 バッツはスコールの熱を宥めるように、何度も赤らんだ頬を撫でていた。
いつもの激しいスキンシップとは異なり、酷く優しい触れ方が、今のスコールには反って毒だ。
火照った頬には、バッツの指先は少し冷たくて、触れられていると言う事がはっきりと感じ取れてしまう。


「う…んん……っ」
「もう帰るか?おれの所為かも知れないし、背負ってってやるからさ」


 苦しげな声を漏らすスコールに、バッツは労わるように言った。
自分の調合した薬が、スコールにのみ何らかの副作用を齎している可能性を、彼も理解していたようだ。
だが、その副作用が何を引き起こしているのかは、まだ判っていないらしい。

 スコール、とバッツが名前を呼ぶ。
耳元で聞こえた声に、スコールは鼓膜を犯されているような気がした。
そんな場面ではないと思っているのに、躯の反応は抑えられず、中心部がむくむくと頭を持ち上げて行くのが判る。


「っは……バッツ…バッツ…ぅ……っ」
「ん?何?」
「もう…んん…っ、無理……っ」


 直ぐ傍に感じる気配、匂い、体温。
優しく触れる手や、鼓膜を震わす声───何もかもがスコールの熱を煽る。

 スコールはバッツの肩を掴んで引き倒すと、仰向けに転がして、彼の股間に顔を埋めた。
動き易さを重視してか、厚みのない服を好むバッツの中心部を見て、スコールは目を瞠る。
其処は収められているものによって押し上げられ、スコールと同じように、大きくテントを張り出していたのである。


「…あんた…、これ……」
「あー……バレた?」


 赤い顔で見上げるスコールに、バッツは弱り切った顔で笑った。


「そんな場合じゃないって思うんだけどさ。スコール、エロい顔してるから」
「……」
「そんな格好で丸くなってんだもん。キスもエロかったし、セックスしてる時と同じ顔してるんだぞ。そりゃ興奮するって」


 バッツの言葉に、スコールの顔が益々赤くなる。
次いで、自分の所為で彼が“こう”なっていると知って、スコールは熱が昂るのを感じた。
どくん、どくん、と心臓の音が煩くなって、膨らんだ彼の下肢を見て、喉が鳴る。

 する、とバッツの手がスコールの頭を撫でる。
指先がスコールの首筋をくすぐって、髪の襟足を絡め取る。


「おれ、我慢しようと思ってたんだけどさ」
「…は…う……っ」
「スコールもしたいんだろ?」
「……んんっ……」


 項をくすぐる指先に、スコールの躯が微かに戦慄く。
寒さを感じる事は既になく、持て余しているのは熱ばかりだと言うのに、躯の震えが止まらない。
それを齎しているのは直ぐ傍にいる男で、それを納めてくれるのも、彼しかいない。

 スコールはバッツの言葉に返事をしなかった。
言葉と言うものは、スコールにとって酷く扱い辛いものだ。
だからスコールは、返事の代わりに、バッツの下肢に頬を寄せる。
布越しに唇を当ててみれば、その下にある熱の形が判って、スコールの唇から吐息が漏れる。


「バッツ……」


 艶を孕んだ目が、バッツを見上げる。
言わんとしている事を、彼は汲み取っている筈だった。
だから判ってくれるだろうと、スコールは言葉を使わない。

 しかし、バッツは一向にスコールに応えてはくれなかった。
彼がスコールの気持ちを理解している事は、見下ろす彼が薄く笑みを梳いているのを見れば判る。
それなのに、バッツはスコールの髪を遊ぶばかりで、スコールの希望を叶えてくれない。


「バッツ…んっ……」


 バッツの指先が、スコールの項をくすぐるように引っ掻いた。
ビクッ、とスコールの肩が跳ねて、熱の篭った吐息が漏れる。

 バッツの中心部は、刻一刻と膨らんでいるように見えた。
それは間違いではなく、スコールがちらりと彼の顔を見る度、耐えるように唇を引き結んでいるのが判る。
此処まで膨らんでいれば、いつもはスコールが求める間もなく覆い被さって来るのに、今日は一体どうしたのだろう。


(いや…どうかしてるのは、俺の方なんだ……)


 バッツの調合した新薬の所為とは言え、あらぬ場所で発情しているのは、自分の方なのだ。
バッツの膨らみはスコールの行動の所為で、彼自身の責任ではない。

 はふ…、とスコールの口から甘い吐息が漏れる。
バッツの前を緩めて、其処に押し込められていたものを取り出すと、それは酷く大きく成長していた。
薄らと汗を滲ませたペニスに顔を寄せると、むわっと蒸れた匂いがスコールの鼻を突く。
お世辞にも歓迎できるような匂いではない筈なのに、今のスコールにはまるで麻薬のようで、スコールの下半身がずくずくと疼き出した。


「ん…む……」


 濃厚な匂いを振り撒く肉棒に、スコールは舌を伸ばした。
舌先が触れた瞬間、びりびりとしたものが舌に広がった気がして、殺した呼吸が零れる。
漏れ出た吐息が亀頭に触れて、ピクッ、と首を震わせた。


「舐めてくれんの?スコール」
「…あ…むぅ……っ♡」
「お……っ!」


 嬉しそうなバッツの声に、スコールは思い切って顔を寄せ、小さな口でバッツの中心を頬張った。
しかし、亀頭部を含んだだけで、スコールの口の中は一杯になってしまう。


(い…いつも、より……おっき…い……?)


 気の所為かも知れない。
でも、今までにも何度か咥えた事はあったから、経験則から、やっぱり大きい、とスコールは思った。

 全てを含むのは諦めて、スコールは亀頭部にぴちゃぴちゃと舌を這わした。
生々しい厚みのある肉舌が、バッツのペニスを舐めしゃぶり、唾液塗れにして行く。
スコールは自慰行為で汚れた手をペニスに沿えて、太い竿をゴシゴシと扱き始めた。
掌に収まりきらず、竿周りが余っているのを見て、再三ペニスの怒張具合を認識する。


(バッツ…バッツのちんぽ…♡こんなに大きい……っ♡)


 カリ首に舌先をちろちろと当てながら、スコールはうっとりとした表情で、凶器を愛撫していた。
蒼灰色は熱に溺れており、自分がどんなに浅ましい顔をしているのか、彼は判っていない。
無自覚に色香を振り撒き、夢中になってペニスをしゃぶるスコールに、バッツがごくりと喉を鳴らした。

 スコールの首の後ろで遊んでいた指が、シャツの襟から潜り込んで、背中をくすぐる。
汗ばんだ皮膚を撫でる手に、スコールは「んふっ…、」と甘い声を漏らした。
ペニスを口に咥えたまま、もぞもぞと身動ぎしてジャケットを肌蹴させると、バッツの手がファーを引っ張っり、片袖を脱がす。
汗を沁み込ませたシャツが捲り上げられると、背中が外気に晒されたのを感じて、ふるりとスコールの躯が震えた。


「スコール、寒いか?」
「んっ…んん……っ」


 ふるふる、とスコールは首を横に振った。
体温と外気温の差は感じるが、それで凍える程、今のスコールは寒さを感じる余裕がない。
彼が感じているのは、自分の身の内に巣食う劣情と、口の中を一杯に膨らませているペニスから伝わる肉欲だけだ。

 つう、とバッツの指がスコールの背筋を辿る。
ぞわぞわとしたものが背筋を伝うのを感じて、スコールは逃げるように背中を撓らせた。
バッツの手は、スコールの背中を降りて腰骨をくすぐり、尻のラインを這うように撫でた。


「んふっ…ふぅん……っ!」
「スコール、尻振ってるぞ。やらしいなぁ」


 皮膚の上を、触れるか触れないかと言うソフトタッチでくすぐるバッツに、スコールは悩ましく身を捩らせた。
小振りな尻がもじもじと動いて、バッツの手に押し付けられる。
バッツがくすくすと笑って、わしっ、と尻肉を掴んだ。
掌全体を動かし、臀部を弄りながら揉みしだく手に、スコールはペニスを食んだままで喘ぐ。


「んっ、んくっ、んふぅっ…♡」


 甘えるような喘ぎ声を零しながら、スコールはバッツのペニスに縋り付いた。
ちゅう、ちゅう、と啜るように吸うと、ピクッ、とペニスが震える。
とろとろと苦味が口の中に広がるのを感じて、スコールは鼻息を荒くしながら、バッツの鈴口に舌を押し当てた。


「んぷっ、んっ♡ふっ♡」
「んっ…!スコール、そこ…気持ち良いっ」
「んん……っ♡」


 バッツの反応が嬉しくて、スコールは舌先でバッツの尿道口をくにゅくにゅと弄った。
ぶるっとバッツが太腿を震わせたかと思うと、後頭部をバッツの手でぐっと押さえ付けられる。


「んっ、んんっ!んぷぅうううっ♡」


 むくっむくっとペニスが大きく脈を打ったかと思うと、どぷぅっ!と粘着質な液体がスコールの喉奥に叩き付けられた。
濃密な粘液で口の中を一杯にされて、スコールは思わず咽返ったが、後頭部を押さえる手は離れない。
それ所か、バッツはスコールの頭を前後に揺さぶって、ずぽっずぽっとペニスでスコールの咥内を突き上げて来る。


「んっ、んっ、んっ!んっふ、んぷっ♡ふぐぅっ♡」


 喉を突かれる苦しさに、スコールの目尻に大粒の雫が浮かんでいた。
しかし、苦しげな表情とは裏腹に、喉奥から押し出る声は甘さを含んでいて、白い頬も赤く火照っている。
尻を触っていたバッツの手が、徐にスコールの股間を探ると、其処には膨らんで頭を持ち上げたペニスがあった。


「スコール、口の中で射精されて悦んでるぞ」
「んんっ……!ふ、ふぅうんっ!」


 違う、と言いたくても、スコールの声は精液に紛れてしまう。
飲み込めなかった精液が、ペニスを咥えた口端からごぽっと溢れ出して、スコールの顔とバッツの股間をドロドロに汚して行った。


「お……ふ、ぅ……っ♡」


 喉の奥まで、口の中を精液で満たされて、スコールは虚ろな目を彷徨わせながら、ピクピクと四肢を震わせる。


(い…いつも、より…いっぱいで……濃、い……っ♡)


 量も味も、熱も、今までで一番濃いような気がする。
あの薬の所為だろうか。
スコールのような催淫的な効果こそ現れていないものの、バッツも滋養強壮剤を飲んだのだから、可能性は十分に考えられる。

 長い射精がようやく終わって、頭を押さえ付けていた手が離れる。
のろのろとスコールが頭を持ち上げると、ずるぅ、と濡れそぼったペニスがスコールの口から出てきた。
げほっ、と咽た吐息から、濃い精液の匂いと味がして、スコールの頭がくらくらと揺れる。

 半開きのスコールの口から、唾液と精液の混じった糸が垂れていた。
バッツはスコールの頬を撫でると、肩を掴んで引き寄せ、唇を押し当てる。
無防備な口の中にぬるりと舌が侵入して、精液塗れのスコールの舌を絡め取り、にちゃ、ちゅぷ、ぬちゅ、と卑猥な音を立てながらしゃぶる。


「んっ、んぁっ…はっ、ああむ…っ♡」


 蕩けた表情で、スコールはバッツの口付けに応えていた。
甘えるようにしな垂れて寄り掛かるスコールを、バッツの左腕が抱き寄せて、右手はスコールの尻を揉む。
悪戯な手がするすると動いて、双丘の谷間を辿り、つぷっ、と指先が秘孔を潰す。


「んみゅっ♡」


 ビクッ、とスコールの躯が震えたが、アナルがバッツを拒絶する事はなかった。
先に自分の指で弄られたお陰で、其処は余計に熱を持て余しており、バッツの侵入を喜ぶように絡み付き、ぐいぐいと中へ誘おうとする。


「スコール、さっき、自分でケツ穴弄ってた?」
「はっ…はひっ…♡んぁあ……っ!」


 にゅぷうぅ……と、ゆっくりと指が沈んでいくのを感じて、スコールの躯が戦慄く。


「ケツ穴、柔らかくなってるぞ。掻き回したりしてた?」
「ひっ、ひっ♡んんっ…!バ、ッツぅ……っ♡」


 スコールに応える余裕はなかったが、バッツは気にしなかった。
返事がないのを肯定と解釈して、バッツはくつくつと笑いながら、埋めた指を前後に動かし始める。


「あっ♡あっ♡あっ♡あっ♡」


 バッツの指が肉壁を擦る度、スコールはビクッビクッ、ビクッ、と体を震わせて喘ぎ啼く。
縋るものを求めたスコールの腕が、バッツの首に回された。

 バッツはスコールの片足を引き寄せると、木に背中を預けて座る自分の体を跨がせ、向かい合わせにさせた。
スコールは膝立ちになって、バッツに縋り付いており、地面に座っているバッツから見て、丁度スコールの胸が頭の位置に来る。
其処には、たくし上げられたシャツの陰に見え隠れする、ぷっくりと膨らんだ赤い果実が二つ。


「乳首までこんなに膨らませちゃって」
「んぁああっ♡」


 ちゅうううっ!と乳首に吸い付かれて、スコールは堪らず声を上げた。
胸を逃がそうと背中を仰け反らせるも、その背をバッツの腕に抱かれ、逃げ場を失う。

 じゅるっ、ぢゅうっ、とわざとらしく音と立てながら、バッツはスコールの胸を吸った。


「はっ、はひ……っ、んぁっ♡ち、乳首ぃ…っ!バッツ、だめ…乳首はっ、あっ♡あぁ…んんっ♡」
「乳首ダメ?じゃ、こっちがいい?」
「はぅんっ♡あひっ、お、おひり……っ!あっ、あっ、ちゅぽちゅぽだめぇ…っ!」
「どっちもダメなんて、スコールは我儘だなぁ」


 言いながら、バッツはスコールの胸とアナルを同時に攻め始めた。
乳首を啜り、甘く歯を立てて引っ張ったかと思うと、舌先でくすぐるように弄ぶ。
左右の乳首を代わる代わるしゃぶられて、スコールは頭を振った。
逃げを打って腰を捩ると、アナルに埋められた指が激しく動き、ちゅくちゅくと音を立てて肉壁を苛める。
立てた膝から力が抜けて行くのに、突き上げる指の所為で、スコールは腰を落とす事も儘ならなかった。


「んはっ、あっ、はぁんっ!ああっ、やっ、両方…い、一緒に触ったら、ぁああ……っ!」
「お。スコールのちんこ、我慢汁出てるぞ」
「やああ……っ!み、見るな…見たら、んんっ♡はひっ、イ、イっちゃ…あぁあ……っ!」
「見たらイっちゃう?じゃあ見せて貰おっか。スコールのちんこがイくところ」
「やっひっ、あふぅうんっ♡ああっ、ああっ、お、お尻ぃ…っ♡また指入れちゃ……あっ、そんな、激しいのやだぁっ♡」


 アナルに挿入されたバッツの指が二本に増えて、虫が這うような動きでスコールの肉壁を掻き回す。
快感の激しさに逃げを打った腰が揺れるが、バッツには指の動きに合わせて、より激しい快感をねだっているようにしか見えない。

 更にバッツは、スコールの背中を抱いていた腕を解いて、唾液塗れになった乳首を摘んだ。
抓るように強く摘まれて、スコールは痛みに顔を顰めたが、その痛みも直ぐに別のものに変わる。
コネコネと指先で捏ね合わせるように苛められて、敏感になった神経が甘い痺れと混同して脳へ伝達する。


「ああっ♡あはっ♡はぁあん…っ♡らめ、あっ、お、おひりぃっ……♡イく…っ、イくっ♡バッツ、バッツぅうう……っ!」
「お尻弄られないとイけないんだもんな、スコールは。だからほら、一杯イっていいぞ。ちゃんとイけなくて、ずっと苦しかったんだろ?こうやって、ケツまんこぐちょぐちょにされて、思いっきりイきたかったんだろ?」
「ふあ、はっ、あぁ……!来る…来るぅうっ…!け、ケツまんこ…ケツまんこでイくのっ、来るうぅううっ♡」


 ぐちゅうっ、とバッツの指が根本まで深く突き入れられ、奥手前の肉壁を押し潰した。
薄らとしこりを浮かせた其処は前立腺で、散々尻穴を弄られながら、其処への刺激だけは行っていなかった分、スコールを襲った快感はそれまでの比ではなくなっていた。


「んあぁっぁああぁあ――――っ♡」


 頭が真っ白にスパークする程の快感の中で、スコールは絶頂した。
森中に木霊するのではと思う程に大きな声を上げながら、スコールのペニスから蜜が噴き出す。
噴水のように勢いよく放たれた白濁が、バッツの胸に降り注いだ。

 高みに上り詰めた所為で、スコールの躯は全身が強張っていた。
アナルもバッツの指をみっちりと咥えており、きゅうきゅうと締め付けて離そうとしない。
その傍ら、スコールは自分がまだ餓えている事を自覚していた。
前立腺を押し抉られた快感も然る事ながら、もっと、と奥の方でねだっている自分がいるのが判る。


「あ…あ……っ♡」


 それでも、ようやくの絶頂の余韻は大きく、スコールの思考はすっかり茹で上がっていた。
ヒクッ、ヒクッ、と戦慄く躯にバッツがキスをする。
腹をちゅうっと強く吸われて、ぽつりと赤い華が咲いた。

 締め付けを緩めないアナルから、バッツがぬぽっと勢いよく指を抜く。
吸い付いていた肉が引っ張られたのを感じて、ビクンッ、とスコールの躯が震えた。


「あ…あ……♡バ、ッツ…う……♡」
「一杯出たな、スコール。でも、スコールのちんこはまだ勃ったまんまだ」
「んひっ…♡やぁ…ちんぽ…♡引っ張るなぁ……っ♡」


 どろどろになったスコールのペニスを、バッツの手が摘んで、余った皮をクイクイと引っ張って弄ぶ。
神経の集まっている皺を苛められて、スコールは蕩けた泣き顔でバッツに懇願した。


「バッツ…バッツぅ……っ」
「ん?」
「も、もっと…もっとぉ……んんっ♡」


 狂おしげに恋人の名を呼び、ねだりながら、スコールはバッツの唇にキスをした。
ちゅう、とバッツの下唇をしゃぶって、舌を這わす。
今日は甘えたがりだな、とバッツが嬉しそうに言った。

 バッツの手でようやくの絶頂を迎えたスコールだが、躯の奥の熱は一向に収まっていない。
一番深い所に、一番欲しいものが与えられていないからだ、とスコールは思っていた。
スコールの頭の中は、この熱を収める事しか既に考えておらず、その為に恋人に縋るしかない事を悟っている。
それも、指よりももっと太く大きなものが欲しくて堪らない。

 スコールは名残惜しげに糸を垂らしながら、バッツの唇から離れた。
バッツの手は優しい手付きでスコールの躯を撫でており、さわさわとくすぐったい触れ方で、スコールの熱を緩やかに煽っている。
そんなじれったいのじゃ足りない、とスコールはバッツの前に背中を向け、四つ這いになって秘部を差し出した。


「バッツ…もう…もう限界なんだ……」
「限界?何が?」


 判っているだろうに、白々しく問うバッツ。
いつもなら此処でスコールが一睨みするのだが、焦らされ続けて溶かされたスコールは、そんな事を考える間もなく、自らの意思で男を誘う。


「…入れて……バッツの、おおきいの…♡俺の中に……っ♡」
「大きいのって?」


 此処まで来ても焦らすバッツに、スコールは泣き出しそうな顔で、お願いだから、と縋る。


「お、おっきい…、バッツのおっきなちんぽ、入れてぇ……っ!ずっと、ずっと欲しくて…っ♡バッツの、おっきなちんぽで、ケツ穴じゅぽじゅぽされたくてぇ…っ♡ケツまんこ疼くの、止まらないぃい……っ♡」


 四つ這いで足を開き、あらぬ場所を曝け出した上、スコールは指で穴の口を引っ張って広げていた。
指で散々に責められた秘孔は、蕩け切ったような色をして、バッツの熱を今か今かと待ち侘びている。
その直ぐ下で、勃起したまま戻らないペニスがぷらぷらと揺れ、先端からぴゅくっ、ぴゅくっ、と潮を吹くように蜜を滴らせていた。

 自ら恥部をさらけ出し、蕩け切った顔で雄肉をねだるスコールに、バッツは反り返った自分の一物が、更に固さを増すのを感じた。
集まった血がどくどくと脈を打ち、今にも血管が破裂しそうな程だ。


「スコールの方からそんなお願いしてくれるなんてな」
「はっ…あっ…♡バッツ…ばっつぅう……っ♡ああ……っ!」


 ぐり、と秘部に熱いものが押し当てられるのを感じて、スコールの躯が悦びに震える。
広げた秘孔がヒクヒクと疼いて、中の肉が早く早くと急かしていた。
その動きに誘われるように、バッツが宛がったものを押し付けて行けば、ぬぷう……とゆっくりと挿入が始まる。


「ああっ、あぁああ…っ!バッツ…バッツのちんぽぉ…っ!」


 生物の脈動を打ちながら、ゆっくりと侵入してくるものの大きさを感じて、スコールはうっとりとした表情で天を仰ぐ。
バッツはスコールのしなった背中を撫でて、上に覆い被さった。
重みにスコールの膝が震え、半ばまで咥え込んだペニスがきゅうっと締め付けられる。


「はひっ、ひぃっ…!バッツのちんぽ…、いつもよりぃっ、ああっ、大きいぃ…っ♡」
「そりゃあ、俺もアレ飲んじゃったからなあ」


 くすくすと笑う声が告げた言葉を、スコールは聞いていなかった。
スコールは肉ヒダが広げられて行く快感で頭が一杯になっていて、他の事は何一つ判らない。
舌を伸ばし、唾液を垂らしながら、顔を真っ赤にして喘ぐスコールの頭は、快感を追う事以外、何も残していなかった。

 狭い中をゆっくりと這って行くペニスの感触に、スコールは引っ切り無しに声を上げていた。
衝動的な獣の鳴き声にも似た喘ぎは、普段、例えセックスの最中であっても、中々見られるものではない。
それだけ今のスコールは肉欲に溺れていると言う事だ。


「あぁ、あぁあ…!あっひ、ひいぃっ♡バッツ…もっと…もっと奥ぅう……っ!」
「欲張りだなぁ、スコールは。自分で好きなトコ弄ったりもしたんだろ?」


 耳元に息がかかる程の距離で囁くバッツ。
くすぐる吐息と、胸を弄る手が悪戯に乳首を摘まんで、スコールの躯がビクッビクッと跳ねる。


「はひっ、んんっ!だって、あっ、だってぇ♡指じゃ、届かなくてぇ…っ!ちんぽ…バッツのちんぽじゃないと…ケツまんこ、気持ち良くなれないぃんっ♡」


 きゅうっ、と乳首を強く摘むバッツの指に、スコールの躯が震えた。
同時に、ぐぅっ、とペニスが最後の一押しをして、根本まで埋められる。

 明らかに、バッツの一物は、いつもよりも大きくなっていた。
スコールの狭い道は限界まで拓かされ、肉棒と壁の隙間がない程、みっちりと埋まってしまっている。


「あ…♡ひ♡あぁ……っ♡バッツ…バッツのちんぽぉ……俺のケツまんこ、いっぱい…♡」
「気持ち良い?」


 コリッ、とスコールの乳首を爪先で擦りながら、バッツが問う。
スコールはこくこくと頭を縦に振るのが精一杯だった。

 バッツはにんまりと笑うと、スコールの腰を掴んで、ゆっくりとペニスを引き抜いて行く。
にゅるぅううう、と肉壁を舐めながら後退していくペニスに、スコールは悩ましく腰を揺らして寂しがる。


「ああっ、抜けるっ…おちんぽ抜けるぅっ…!」
「嫌か?」
「や…やぁ……抜いちゃやだぁ…っ!まだ、まだむずむずして…気持ち良いの足りないいっ……!」


 いやいやと駄々を捏ねる子供のように頭を振って、スコールは続きを訴える。
土に縋っていた手が、腰を掴むバッツの手を握った。
尻たぶをゆさゆさと揺すりながら、スコールは抜けて行ったペニスをもう一度欲しがり、残った亀頭部分を逃がすまいと、尻穴に力を入れてきゅうきゅうと締め付ける。

 痛い程に食い付いて来るスコールの姿に、バッツは額に汗を滲ませつつ、にんまりと凶暴さを滲ませた顔で笑っていた。
ちょっとした悪戯心と興味、あわよくばいつもよりも積極的な恋人が見れるかもと思ってした事が、こんな結果を連れて来るとは思わなかった。
こんなに乱れてくれるとは、全くの予想外で、少々面を喰らったのも事実。
しかし、自分が思っていた以上に、彼が自分を欲しがってくれているのが嬉しくて、バッツの雄は固くなって行く。

 何度目になるか、朧な意識の中でスコールが名を紡いだ瞬間、バッツは亀頭部を残して抜いたペニスを、一気に中へと打ち付けた。


「ふぐぅんっ♡♡」


 ずんっ!と最奥を突き上げられて、スコールが一瞬白目を剥いた。
ヒクッ、ヒクッ、と痙攣するように震えるスコールの背中を、バッツは愛おしげに一撫でした後、彼の両腕を掴んで後ろ手にまとめて固定して、律動を始める。

 ずちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ、と大きな動きで媚肉を犯されて、スコールは背筋を撓らせて喘ぎ啼く。
獣のようなスタイルで、獣の交尾のようにずんずんと突き上げられて、スコールは唾液を垂らしながら虚空を見上げていた。


「ああっ、んぉっ、はぉんっ♡バ、バッツ…、バッツぅ……っ♡ああっ、らめっ、激ひぃっ♡お、おまんこの奥っ、届いてるぅうっ♡」
「此処に気持ち良いのが欲しかったんだろ?」
「んひっ、あっ、はひぃっ♡ほ、ほしかった…ほしかったのぉ……っ!バッツのちんぽで、んあっ、つ、ついてっ♡ゴツゴツしてっ、欲しくてぇ……っ、ああっ、らめっらめっ♡そこぉっ、ぐりぐりしたらっ、気持ちイイのクるぅうっ♡」


 何度もノックするように打ち上げた奥壁を、ペニスの先端でぐりぐりと抉られる。
下半身から力が抜けて行くのを感じて、スコールは頭を振って強過ぎる快感に身悶えた。

 バッツが腰を進める度に、スコールの躯も前後に揺れる。
スコールの股間の下で、彼のペニスが何度も何度も潮を吹いていた。
触れられている訳でもないのに、秘孔を犯されていると言う事実だけで、スコールのペニスは蜜を噴き出して止まらなくなっている。


「はひっ、ああっ、出るっ、でるぅっ♡お、俺のおちんぽから、せーしでてるうっ♡」
「こーやってケツまんこの奥、ぐりぐりしたら出ちゃうんだよな」
「はうっはうっ♡おふぅうっ♡バ、バッツぅっ、だめ……っ、あああっ♡ふ、太いので、奥、おくきちゃだめぇっ♡」
「おれのちんこで、ケツまんこじゅぽじゅぽしてって言ったのはスコールだろ?ほら、こう言う風にさ」


 バッツは円を描くように腰を動かし、スコールの体も左右に揺さぶる。
ぐちょぐちょと秘部の中で猥雑な音がして、スコールは恥ずかしくて堪らなかった。
しかし、恥ずかしさが気持ち良くもあって、それらに促されるように、スコールはぞくぞくとしたものが躯の奥から外に向かって昇って行こうとしているのを自覚する。


「イ、イくっ、イくぅっ!イくのクるっ♡またっ、またクるぅうっ…!」
「今日のスコールはイきっぱなしだ、なっ!」
「はひっ、んぉ、おおっ♡おうっ、ふぅっ、んんんんっ!」


 ずちゅんっ!と肉棒が一番深い場所に届いて、スコールはぶるぶると四肢を痙攣させながら、何度目か知れない絶頂を迎えた。
びゅくっびゅくっ、びゅるるっ!と吐き出された蜜が弧を描くように飛び散って、草土の上にどろりとした液溜まりを作る。

 ずっと欲しくて堪らなかったもので与えられた絶頂は、長く尾を引いた。
射精は濃いものを一気に放って終わったが、躯の奥の痺れは続き、スコールは射精が終わった後もイき続けていた。
雄を咥えた媚肉も、まだ貪欲に吸い付いて、バッツを離そうとしない。


「はっ…ひっ…♡ああ…♡あっ…あっ…」


 ビクッ、ぶるっ、と何度もスコールの躯が震える。
アナルがヒクヒクと動いて、バッツの肉にみっちりと密着している。
いつもよりも太い雄の質量や、カリ首の凹凸感、血管の感触すらも伝わって来るようで、スコールはうっとりとした表情で、その快感を味わっていた。

 ようやく身体の強張りが解けると、スコールの躯はすっかり弛緩した。
腕を後ろ手に拘束していたバッツの手が解けると、かくん、と辛うじて立てていた膝も力を失い、スコールは俯せで地面に沈んだ。
裸の胸や腹、太腿にチクチクと草の感触があって、それすら余韻を残す躯には甘い毒であった。
その感覚に耐えるように、スコールが唇を噛んで声を殺そうとしていると、


「んっ、んん…ふ……────んほぉんっ♡」


 背後から重いものが覆い被さって、秘孔に埋められた肉棒が、じゅぷうっ!と奥深くまで潜って来た。
穿つような勢いで突き入れられたペニスに、はくはくと口を開閉させている間に、覆い被さったものが律動を再開させる。


「ひっ、あっ、あがっ♡はっ、バ、バッツ♡んはっ、ああっ!」
「んっ、ふっ、んっ!くっ、んんっ!」
「ああっ、ああっ、ああっ!はひっ、ひ…っ、やっ、あ♡動いちゃ……だめっ、だめぇえっ♡」


 余韻と痺れの残る体を、押し潰すように、バッツは背後から覆い被さって攻め立てた。
スコールの陰部を何度も何度も出入りするペニスは、これ以上ない程に大きく膨らんでいて、ピクピクと動く血管を浮かせている。
それが、どくん、どくん、と脈を打ちながら媚肉を撫でるのを感じて、スコールはバッツも限界が近いのだと悟る。
攻め立てが激しいのは当然の事であったが、絶頂の余韻に苛まれた躯には、その激しさは過ぎた快感であった。

 逃げを打つように、力の入らないスコールの足が地面を蹴る。
バッツはそんなスコールを留まらせようと、覆い被さったまま、スコールの躯を抱き締めた。
二人の足が絡み合い、スコールは足を開いた状態で固定され、抜き差しするペニスを迎え入れるように股間を丸出しにさせられる。
其処に尻肉を押し潰す勢いで、バッツは激しく腰を打ち付けていた。


「ば、ばっつ、ばっつぅっ♡らめ、ひっ、んひぃっ♡そ、そんなに、した…らっ♡こわれっ、るぅっ♡」
「大丈夫だって、スコールなら…っ」
「やっだいっ、だいじょうぶじゃないっ♡バッツのちんぽ、ちんぽでおまんこっ♡ケツまんこおかひくなるのぉっ♡」
「もう、ちょい…っ!もうちょいで、イくからっ!おれも出すからっ、スコールの中にっ」
「やめっ、だめ♡今っ、今だめぇ…っ!中に出したらっ、おれ、おれまたっ、またイくううっ!」
「んんんんっ!」
「ふあっあうぅぅうんんっ♡♡」


 スコールの叫ぶ声が、鬱蒼とした森に反響した時、バッツはスコールの体内へと子種を注ぎ込んでいた。
びゅるるるるっ…!と放水でもされたような勢いで、大量の精液が腹の中に流し込まれるのを感じて、スコールの躯が熱を増す。
土草に埋めていたペニスから、びゅるっ!と精液が噴き出したのが判った。

 バッツはスコールに覆い被さり、彼の体を抱き締めたまま、はあ、はあ、と荒い息を繰り返す。
バッツの精液でどろどろに蕩けたスコールの肉壺が、ねっとりとペニスに絡み付いて来る。
媚肉は相変わらずバッツを悦ぶように咥え込んでいたが、当のスコールはと言うと、ぐったりと地面に躯を投げ出していた。


「っは……スコールん中…気持ち良い……」
「ああ…ひ…っ♡バ…ッツぅ…いっぱい……いっぱい出てるぅ…♡んぁっ♡あ、溢れちゃ……♡」
「そりゃ、まだ二回目だし……なっ!」
「んふぅっ♡」


 根本まで深く穿たれていたペニスが、ずるぅっ、と一気に引き抜かれる。
かと思うと、ぬぷんっ!とまた最奥を突き上げた。


「んはっ、あっ、ああっ♡ら、らめって、言ってぇっ♡」
「無理だって。スコールも、まだケツまんこ欲しくてムズムズしてるだろ?」
「ふあっ、あっああっ…!する…してるぅ…っ♡ケツまんこ、んひっ、バッツのちんぽで、じゅぽじゅぽしてほしいよぉお…っ!」


 バッツが律動を再開させて直ぐに、スコールの躯は再び拓いて彼を招き入れていた。
奥を突き上げられ、前立腺を抉られる度、スコールの腹の奥で新しい熱が生まれている。
頭の芯を蕩けかせるその熱に、溺れ切ったスコールが抗える筈もなく、その上バッツに攻め立てられていれば、躯も心も勝てる訳がなかった。

 力の入らないスコールの足を、バッツが持ち上げる。
俯せから半身を起こした状態で、スコールは片足を大きく広げていた。
挿入がより深い場所へ届くようになって、スコールは地面を掻き毟って快感に身を捩らせる。


「んぁっ、あっ、ああ…っ!バッツのちんぽ、まだ、おっきい…っ♡大きくて、太くて、んっ、熱くてぇ…っ♡」
「スコールのちんこも、また大きくなっちゃって。何回もイったのに、まだ足りないのか?」
「あ、ああっ♡やっ、摘まむなぁ…っ!んふっ、ふっ、ふくぅっ♡ああ、奥に来てる…バッツの、バッツのちんぽが、ケツまんこのおくっ、とどいてっ、かきまわひてりゅぅうっ♡」


 のたうつように腰をくねらせながら、スコールは何度目か知れない官能に脳を灼かれて行く。
呂律の回らない声で鳴き喘ぐスコールに、バッツの肉棒がまた膨らみを増した。

 突き上げられる度、上に上にずり上がって行くスコールの腰を、バッツの手が捕まえた。
突き上げると同時に引き寄せられて、バッツのペニスがスコールの奥壁を抉る。
迸る快感電流で、スコールは声を上げる事も出来ず、若い肢体をビクッビクッと痙攣させるしか出来なかった。




 与えられる熱に縋るようにしがみついて、深い口付けに酔い、目の前の雄に抵抗する事を忘れて体を拓いたスコール。
いつ終わるとも知れない淫靡な狂乱に、彼は夢中になっていた。
そんな彼の求める儘に、バッツも甘い果実のような彼の躯を貪り尽くした。

 文字通り、精も根も尽き果てて、スコールは最後には意識を飛ばした。
それはまぐわいが始まってから随分と長い時間が経った後の事で、空は夕暮れと闇色が交じり合う時間になっていた。
流石にこれはやり過ぎたな、とバッツは遅蒔きに悟る。


「あんなに効果があるとは思わなかったんだよなー」


 独り言を呟いて歩くバッツの背に、スコールは背負われている。
力のない躯に意識はなく、恐らく、このまま今日は目覚める事はないだろう。
飲ませた薬の副作用である事は、想像に難くない。

 いつもストイックの塊のようなスコールが、探索中の森の中で自慰を始めていた事を、バッツは知っている。
当然なのだ、全ては彼が仕組んだ事なのだから。
彼に飲ませた薬は、クラウドに教わって作った滋養強壮剤である事に間違いはないのだが、スコールに飲ませた方にだけ、違う成分が混じっている。
体力の回復を促進させる効能の中に、性欲を煽る成分───俗に言う媚薬も混ぜていた。
調合したのはバッツで、自分の勘と経験で配合を組み合わせて作った、新薬である。

 媚薬の効能実験は、自分の身体で済ませており、安全性はきちんと確かめている。
その時、バッツには先のスコールのような顕著な変化は訪れなかった。
自分で何度か慰めれば、ムラムラとした衝動は落ち着いたし、抜いても抜いても治まらないと言う事はなかった。
しかし、滋養剤と混ぜた所為なのか、それとも体質的なものなのか、スコールには非常に強い薬となってしまったようだ。


(ま、そのお陰でスコールから誘ってくれたし。結果オーライで良いか)


 そもそも、バッツが媚薬なんて代物を作り、スコールに服用させたのには、一応の理由がある。
普段、彼は性的な事には酷く後ろ向きで、自分の意思でバッツを誘うと言う事はなかった。
頑なさの割に、彼の躯はとても正直で、蕩けさせると呆気なく堕ちて来てくれるのだが、それはそれとして、バッツは彼の意思で自分を求めて欲しかったのだ。

 結果は上々、特上と言っても良い。
自慰をしているスコールなんて、滅多に見られるものではないだろうし、自分から恥部を曝け出して雄肉をねだる姿も見る事が出来た。
夢中になって縋り付いて来るスコールも可愛かったし、バッツとしては十分な収穫だ。

 その傍ら、薬についてはどうしたものかと頭を悩ませる。


(あんなにエロいスコールが見れるんなら、また使ってみたいけどなぁ。今回の事、薬が原因なのは判ってるだろうから、何か上手い感じに誤魔化さなくちゃな〜。薬はおれも飲んだから、言い訳はし易いと思うんだけど)


 ……自分を背負う男が、そんな不埒な事を考えているとは露知らず、疲れ切った哀れな少年は、すやすやと眠り続けているのだった。




ずっと書きたかったバツスコの媚薬ネタです。
薬の所為で思考力も低下しているので、夢中になったスコールを書けるのが楽しかったです。
懲りずにちょいちょい何かを仕込むバッツに、知らない内に染められて行けば良い。