ヒュプノシス・ステート


 気持ち良い、と自分で言った瞬間に、理性の箍が壊れたのだろうか。
スコールはビクッ、ビクッ、と体を痙攣させながら、熱に溺れた顔で呆然と宙を見詰めている。
はー、はー、と荒い呼吸を零す唇は開いたまま、唾液塗れの舌が覗き、泣き虫な象徴から零れ落ちる蜜でまた汚れて行った。
アナルはきゅうきゅうとバッツの指を締め付けながら、もっと欲しい、と言いたげに奥へと誘おうと動いている。


「あ…ふ……♡あぁ……♡」
「スコールのおまんこ、可愛いなあ。もっと頂戴っておねだりしてる」
「あふ……ば…っつ……ぅ……♡」


 バッツの言葉を、スコールはもう否定しなかった。
ゆっくりと指を引き抜いて行くと、いやいやとするように肉が絡み付いて離れない。
その中でくるりと指が円を描けば、細腰がビクッと弾んで蕩けた声が漏れた。

 我儘に求める肉を無視して、指を抜く。
最後の最後まで離すまいと貪欲だった肉穴は、咥えるものを失うと、直ぐにヒクヒクと卑しい形で雄を求め始めた。
膝を抱える手が可愛そうな程に震えているのを見付けて、バッツはそれを解くようにと手首を掴んで誘導した。
察したのかは判らないが、腕の力も限界だったのか、スコールの手はするりと膝裏から解けてしまい、ようやくスコールの足はベッドへと落ちた。

 バッツはスコールの太腿を押して、足をぱっかりと大きく開かせた。
待ち遠しさで血管を浮かせた一物を、いやらしい動きを見せている穴口に宛がい、ずりずりと擦り付ける。


「はっ、はんっ♡はう、ああっ…♡」


 尻穴を何度も往復する竿に、スコールもゆらゆらと腰を揺らした。
竿の動きに従い、挿入口を差し出すように尻を振って、雄を其処に欲しがっている。

 バッツは夢中で腰を振っているスコールに覆い被さり、喘ぐ唇にキスをした。
最初の頃に恥ずかしがって嫌がっていた事も忘れて、スコールは自ら口を開いてバッツを招き入れ、舌を絡めて貪り合う。
絡めた舌をバッツが啜ると、スコールはビクビクと体を痙攣させ、蜜壺からじゅわりと愛液が溢れ出すのが判った。


「んぁ…ば、っひゅ……♡ばっつぅ……♡」
「はっ…はあ……なあ、スコール。スコール、聞いてる?」
「あふ、あっあっ♡乳首…あぁ……っ♡」


 コリコリと乳首を捏ねながら名前を呼ぶバッツに、スコールは応える余裕もない。
喘ぎながら視線だけはなんとかバッツへと向けると、凶暴な色を宿した瞳と交わった。


「バッ、ツ……?」


 なに、とスコールが拙い舌で訊ねると、バッツはペニスを穴口のすぐ横にぐりぐりと押しつけながら囁いた。


「なあ、スコール。実はさ、おれ、スコールを孕ませる事が出来るんだって言ったら、信じる?」
「…ふあ、あ……?」


 熱と快感で蕩けた蒼が、ぼんやりとバッツを見上げる。
何を言っているんだ、と動かない舌で問うスコールに、バッツは秘孔に先端を宛がい、ぬぷ……っ、と先端だけを挿入させた。


「はひぃんっ♡あっ、ああ…っ!お、ちんぽ……んぁあっ♡」
「スコール。スコールの此処はおまんこだろ?」
「はひっ、ひぃっ♡ち、ちが…お、ひり……あふんっ♡」


 ぬぽっ、とペニスが抜けて、スコールの体がビクンッと跳ねた。
欲しかったものが貰えたと思ったら、また喪失感に苛まれ、スコールは意味のない声を漏らしながら、燻る熱にもどかしそうに体を捩る。


「スコール」
「はっ、はっ、あっ……ああぁ……っ!」


 息を切らせているスコールを見下ろしながら、またバッツはスコールの中に入った。
亀頭首までも入らない、本当に先端だけの挿入に、スコールは腰を上下に揺らしてもっと奥まで、と強請る。
しかしバッツはスコールの腰を捕まえて動きを封じ、それ以上の快感を遮ってしまった。


「やあ……バッツぅ……っ!」
「スコール。スコールの此処、なに?」
「あっ♡あんっ♡やっ、抜いちゃ…あっ♡入ってぇっ♡ひんっ♡抜いちゃだめぇっ♡」


 にゅぷ、にゅぽっ、にゅぷ、にゅぽっ、とバッツは何度も先端を挿入しては抜く。
蜜壺はとっくにバッツを迎え入れる準備を整えているのに、バッツは意地悪くスコールを焦らし続けた。
孔が肉棒に吸い付いては抜かれ、抜かれては吸い付いて、その刺激にスコールの体と頭が追い付かなくなって行く。

 抜かないで、とスコールの脚がバッツの腰に絡み付いて縋る。
するとバッツは、挿入するのをぱたりと止めて、スコールの肉穴に竿を宛がうだけで止まってしまった。
どくどくと脈を打っている雄の感触だけを押し付けられて、スコールは秘奥が切なさで啼き出してしまう。


「やああ……バッツぅう……っ♡いれ、入れて……もう…入れてぇえっ……!」
「じゃあ教えて。スコールのここ、なんだっけ?」


 スコールの秘部に、ぐっとバッツの股間が押し付けられる。
精液を溜め込んでいるであろう陰嚢の仄かに固い感触に、その中身を欲しがるスコールの躰が戦慄いた。


「…お……ん、……」
「ん?」
「んんぅっ♡」


 消え入りそうな声で答えたスコールだったが、バッツは許してくれなかった。
何、と窄めた双眸に見詰められ、スコールははくはくと可哀想な程に息を喘がせながら、もう一度答える。


「…お…おまんこ……おまんこぉ……っ♡」
「スコールの此処はおまんこなんだ?」
「おまんこ…おまんこぉ♡バッツだけのおまんこなのぉ……っ!」


 雄として屈辱的な事を言わされていると言うのに、その言葉にスコールは興奮した。
宣言するように答えた瞬間、ぞくぞくとした熱が全身に広がって、全ての神経が悦びに震えているのが判る。
全ては、目の前にいる一人の男に満足させて欲しいが為に。


「バッツ、バッツ♡早く…おまんこに入れてぇ…っ♡もう、もうだめぇ……ああぁ……っ!」


 スコールはバッツの首に腕を回し、全身で恋人に縋りながら、必死で彼の愛を求めた。
しかしバッツは、先端を穴口に当てて擦り遊んでいるばかりで、未だに中に入ってくれない。


「やあ…バッツ、いじわるやだぁっ♡ああっ、ああっ…!」
「判ってる、判ってる。でもほら、スコールのここ、おまんこだろ?」
「おまんこ♡おまんこだからぁ♡早く入れてぇえ…っ!」
「おまんこにおちんぽ挿れたら、妊娠しちゃうだろ?」
「ああ…あっ、あ……?」


 夢中でねだるスコールに、バッツは言い聞かせるように柔らかい声で言った。
スコールが虚を突かれた表情でバッツを見上げると、「それでも良い?」と囁く声。


「に、んしん……?んっ、んぁ…っ♡ああ…っ!」
「おまんこにちんぽ挿れて。中出しじゃないとスコールは嫌だろ?おれもスコールに中出ししたい」
「あふ…あっ、あっ…♡ば、っつ……ん♡」
「おれ、スコールに中出ししたい。スコールを孕ませたい。スコールの此処はおまんこになったから、妊娠させられるよ」
「んんぁ…っ♡あっ、あう…?んん……っ♡」


 喘ぐ唇をちろちろと舌先でくすぐりながら囁くバッツ。
スコールはその声を聴きながら、腹の奥が熱を求めて疼くのを感じていた。


「バ…ッツ……バッツ、ぅ……♡」
「挿れて良い?妊娠させて良い?」
「や……あ……」


 ぐりぐりと穴口にペニスを押し付けられ、身体をヒクヒクと震わせながら、スコールは辛うじて首を横に振った。
だめ、と言う反応に、バッツは眉尻を下げる。


「駄目?なんで?スコールのおまんこは、おれのちんぽいらない?」
「やああっ♡いるっ、いるぅう……っ!バッツのちんぽぉ…っ!」
「でも嫌なんだろ?」


 卑しく口を開けている穴からペニスの先端を離すと、スコールは子供のように駄々を捏ねる。
体は雄を欲している、でも駄目、と言う矛盾したスコールの反応に、バッツがその理由を尋ねると、


「にん、しん…にんしんは…ああっ♡だめぇ…っ」
「なんで?」
「はっ、はんっ…♡そんな…そんなの、したら……んっ♡お、おれ、たたかえ、なく…なるぅ……っ♡」
「あー。そっか。うん、そうだなぁ」
「は……ああ……っ♡」
「腹に赤ん坊がいたんじゃ、ガンブレードなんて使えないもんな」
「んぁ……あう…ああ……っ♡」


 この世界に召喚されている以上、どんな状態であれ状況であれ、戦闘は起こり得る。
だと言うのに、妊娠して赤ん坊を抱えた状態で生活など出来るだろうか。
況してや生死もかかった戦闘に、まだ生まれてもいない命を抱えて出撃など出来る筈もない。
だから駄目、と泣き出しそうな顔で訴えるスコールに、バッツは喉奥で漏れそうになる愉悦を押し隠した。

 駄目だとスコールは言ったけれど、彼の躰はバッツを欲して已まない。
その欲望はバッツの熱を感じて分け与えられて、腹の奥底まで満たされなければ、決して消えないものだ。
それをスコール自身も判っているのだろう。
駄目だと言ったその口で、スコールは必死に恋人の名を呼んでいる。


「バッツ、バッツ…んっ♡バッツぅう……ああぁ……っ♡」
「スコール。スコール、ホントのこと言って」
「あふ…あっ、ほん、と……?あぁ……っ♡」


 触れそうな程に近い距離で囁くバッツに、スコールはぼんやりとした瞳を向ける。
もう幾らも思考能力が残っていない様子のスコールに、可愛いなあ、とバッツはその眦にキスをした。


「スコール、本当に妊娠したくない?」
「や…あ……」
「おれに妊娠させられるのは嫌?」
「…あ……うぅん……っ♡」
「本当のこと言って。スコールの本当の気持ち」


 言いながら、バッツはペニスをスコールの菊穴に宛がう。
指でたっぷりと解されている其処から、とろりとした蜜が溢れ出していた。
最早すっかり膣穴と化した其処は、直ぐ其処に雄の存在がある事を悟ると、本能に従うように吸い付こうとする。


「嫌ならちゃんと止めるよ」
「あ…あ……♡」
「おれ、スコールが嫌がることはしたくないから。だから本当のこと言って欲しいな」


 繰り返されるバッツの問いかけに、スコールは泣き出しそうな顔を浮かべている。
開いては閉じる唇は、彼の葛藤を表していた。
欲しい、でも、でも欲しい、でも、と言葉以上にお喋りな瞳が、彼の心中を具に映し出している。

 バッツの指で準備を施された膣穴が、与えられる筈だったものを求めて疼いている。
腹の奥が、内臓ごと熱くなっているような気がして、スコールは我慢できずに体を捩った。
くねくねと淫らに踊る細い肢体を見下ろして、バッツは鼻息が荒くなるのを辛うじて堪えている。

 バッツの腕に絡んでいる腕に力が籠る。
震える唇が開いて、喘ぐ吐息とともにスコールは言った。


「…した…い……バッツ……♡バッツの、ちんぽで……おれのおまんこ…っ♡にんしん…っ、したいぃ……っ!」


 詰まりそうな声を精一杯に吐き出した、掠れかけたその言葉が、理性も柵も投げ捨てたスコールの本当の気持ち。
それを耳にした瞬間、バッツは至高の幸福と優越を得た。

 言ってしまった、と何処か泣きそうな顔で、スコールはあえかな吐息を漏らしている。
バッツはそんなスコールの唇を捕まえて、深く深く口付けた。
角度を変えて奥まで舌を伸ばし、スコールのそれを捉えて、唾液を塗し絡ませて愛撫する。
スコールは喉まで痺れるような快感に襲われて、虚ろな瞳を彷徨わせながら、愛しい人からのキスに溺れていた。


「ん、ん、んぅ…っ♡ん、ふ♡うぅうんんんんっ♡」


 息が出来ないままのスコールを、強烈な快感と圧迫感が襲う。
ずっとスコールが欲しくて欲しくて堪らなかったものが、ようやく与えられたのだ。
自分のものとは比べものにならない程、大きく逞しく膨らんだペニスが、スコールの狭い直腸を一杯に広げている。
その感触を読み取った瞬間、スコールの躰がビクンッ、ビクンッ!と大きく波打ち、バッツの腹に白濁液が飛び散った。


「〜〜〜〜〜〜っっ♡♡」


 がくがくと全身を大きく痙攣させながら、スコールは絶頂していた。
息が出来ない、声も出せないままで、唸り声に似たくぐもった喘ぎ音が漏れている。
余りの快感に体が逃げを打っているが、バッツはそれを覆い被さり抱き締めて閉じ込めた。
逃げ場を失った体は頭の天辺から足の爪先まで快感電流に支配され、スコールの意識がチカチカと明滅する。

 雄を加えた淫壺が、ぎゅうっ、ぎゅうううっ、と目一杯にバッツを締め付けていた。
噛み付かんばかりの締め付けは僅かに痛みも与えていたが、バッツは構わずに奥の奥まで象徴を挿入する。
アナルの締め付けは肉が抵抗を見せているようにも思えるが、十分に解された上、意地悪にも焦らされている間に濡れそぼっている所為で、バッツはすんなりと全てを納める事が出来た。

 亀頭がぐりっとスコールの奥壁を圧す。
スコールの躰は絶頂による緊張で強張った格好のまま、元に戻らない。
バッツはそんなスコールの唇をようやく解放して、涙と汗と涎でぐちょぐちょになった恋人の顔を覗き込んだ。


「挿れただけでイっちゃった?」
「あ……♡は……♡あ……♡」


 バッツの声にスコールは応えない。
彼は痺れた赤い舌を覗かせて、虚ろな瞳を彷徨わせるしか出来なかった。

 バッツがゆっくりと腰を引くと、ぬるぅう……と艶めかしい感触を帯びながらペニスが媚肉が擦って行く。
果てたばかりで敏感な躰にはそれだけでも堪らない拷問で、スコールは仰け反りながら快感に喘いだ。


「あ、ああ…っ♡こす、れ…るぅ…っ♡んぁあ……っ♡」
「スコールのおまんこ、すごく蕩けてる。妊娠したがってる」
「はひ…っひ♡ああ……っ!」


 雄を迎える器となった其処が、また奥にバッツを欲しがっている。
ヒクンヒクンと小刻みに震える媚肉が、肉竿に絡み付いて離れようとしない。

 バッツはスコールの両の手首を捕まえて、顔の横でベッドに縫うように押さえ付けた。
そのまま腰を激しく前後に動かせば、パンッ!パンッ!パンッ!と肌のぶつかり合う音が響いて、スコールの秘奥がバッツの雄で何度も突き上げられる。


「あひっ♡あんっ♡んぁっ♡ああっ♡」
「はあ、スコール、スコール…っ!スコール、おまんこ嬉しい?」
「んぁ、あっ、ああんっ♡あっ、ひぃっ!ああっ、ああぁっ♡」
「おれのちんぽで、おまんこズポズポされるの、気持ち良い?なあ、スコール、教えて、なあ」


 絶えずスコールの躰を突き上げ、揺さぶりながら、バッツは触れそうな程に顔を近付けて問いかける。
スコールは奥壁をゴツゴツとノックされるのを感じながら、蕩けた顔でバッツの問いに答えるべく、必死で口を動かした。


「バ、ッツ、バッツ♡ああっ♡うれ、ひ、うれひぃっ♡バッツの、ちんぽで、ああっ♡おれのおまんこ、ずぽずぽっ、されるのっ♡きもひいいぃっ♡」
「おれも嬉しい。スコールのおまんこ、凄く締め付けて来て、気持ち良くてっ、嬉しいっ」
「あふっ、あっ、ああっ!バッツ、んっひぃんっ♡はげし、ひっあっ♡」
「スコール、スコールっ!妊娠させる、させるからな。スコールのおまんこに一杯出して、孕ませるからっ」
「あっ、待っ♡まて、まって、はひっ、ひぃいっ♡」


 更にバッツの律動が激しくなり、押し潰さんばかりの勢いで、バッツはスコールを攻め立てた。
濡れそぼった肉壺の中で、太いペニスが何度も奥壁を突き上げる。
躰の芯まで犯さんとばかりに深く濃厚になって行くまぐわいは、獣の交尾にも似ていて、スコールは自分が孕まされようとしているのだと理解した。


「まって、まってぇっ♡にんしっ、だめ、だめなのにぃっ♡」
「駄目なの?さっき妊娠したいって言っただろ?な?良いだろ?」
「だめ、あっ♡ああっ♡にんしんっ、したらぁっ♡たたかえないっ、ああっ、そんなの、あひぃっ♡そんなのぉおんっ♡」
「大丈夫、スコールが妊娠したら、スコールも赤ん坊も、おれがちゃんと守るから。だから大丈夫、な?」


 囁くバッツの言葉に、スコールはふるふると首を横に振る。
戦う事が何よりも自分の矜持であるスコールにとって、それを取り上げられるのは受け入れ難い事なのだ。

 けれど、スコールの膣内はバッツの雄を締め付けて離さず、もっと欲しいと貪欲に誘う。


「あっ、あっ、バッツ、まって♡おまんこまってぇっ♡」
「待てない。スコールも良いんだろ?おまんこは正直だぞ。おれのちんぽで妊娠したいっておねだりしてる!」
「んぁっ、あひっ♡バッツ♡大きい♡ばっつのおっきなちんぽぉっ♡おれの、おれのおまんこっ♡いっぱいになってぇっ♡」
「うん、一杯出さなきゃ。一杯出して、スコールのおまんこ、妊娠させるから…っ!」
「はふっ、あふっ、ああっ!奥に届いて、あっ、あっ、あぁぁっ♡」


 ずんっ!と強く突き上げた瞬間、スコールの喉から甲高い声が上がる。
弱点を捉えたペニスが、何度も同じ場所をゴツゴツと抉ると、スコールは腰を前後左右に振って、淫靡な踊りを見せてくれた。


「そこ、はひっ、んひぃっ♡ばっつ、あ、そこ、そこぉっ♡」
「はっ、はっ、はっ…!スコール、はあっ、おれ、もう出そう…っ!」
「あっ、あっ、や♡中っ、中はぁっ♡」


 胎内で大きく膨らんだバッツのペニスが、今にも弾けんばかりに脈を打っている。
その感触に気付いて、スコールは慌てて頭を振るが、秘孔を貫く雄肉が出て行ってくれる筈もなく、それ所か一層深い場所で繋がらんと、バッツは早い律動でスコールを追い詰めていく。


「んぁっ、中、中に出しちゃっ♡ああっ、にんしんするっ、にんしんしちゃううぅっ♡」
「良いだろ?スコール。ちゃんと守るから。ずっと大事にするからっ」
「あっあっ、あっああっ♡まって、バッツ、ま、あ♡あ♡あ♡あ♡」


 息も吐く暇がない程、早いリズムで打ち上げられる快感に、スコールは為す術もなく喘ぐばかり。
中は駄目、とそれだけはと切願するように、回らない舌で繰り返すスコールだったが、バッツはくつりと笑いながら、スコールの奥深くにペニスを穿ち、


「あふぅううっ♡」
「スコール、スコール、本当に駄目?本当に中出しやだ?」
「あひっ、あんっ♡あっ♡やあっ♡つかっ、ないでっ♡ずんずんって、おくっ、おくぅっ♡あたまヘンになるぅっ♡」
「止める?スコール、中出しやめる?おまんこやめる?」


 ずる、とバッツがペニスを抜こうとすると、何よりも正直な躰が真っ先にそれを引き留めようと吸い付いた。
バッツはそんな肉穴の壁をぐっと圧してやった後、また腰を引く。
柔らかく滑りを帯びた肉壺は、その締め付けだけではバッツを止める事が出来ない。
ぬるるぅっ、と大きなそれが失われて行く感触に、まだそれが半分は残っているにも関わらず、スコールはバッツに縋り付いた。


「やあぁっ♡ぬいちゃ、抜いちゃやっ、ぬかないでぇっ♡バッツのちんぽっ♡おまんこやめちゃやだぁっ♡」


 きゅううっ、とまだ胎内に残っている肉竿を目一杯締め付けて、スコールはバッツを求める。
追い詰められてようやく素直になったスコールに、可愛い、と囁いて、バッツはまたペニスを一番奥まで突き入れた。


「んひぃいいんっ♡は、はひっ……ああ…っ、あっ、あっ♡あっ♡」


 直ぐにバッツの律動は再開され、先と全く同じ早さでピストン攻めをする。
奥の行き止まり、更にその奥を目指してずんずんと突き上げられて、スコールは体の奥から熱いものが膨れ上がるのを感じていた。


「あっ、あっ、だめ…ああっ♡バッツ、そこ、そこ…おぉっ♡」
「ここ?ここがスコールの妊娠するとこ?」
「おふっ、おっ♡んひぅうっ♡バ、バッツ、バ、んぁあっ♡」


 ごちゅっ、ごちゅんっ、と何度も強く抉られて、スコールは背中を仰け反らせた。
雄を加えた秘孔から、だらだらと卑猥な匂いを撒き散らす蜜が溢れ出し、スコールの尻を濡らして行く。


「じゃあっ、ここに…っ!ここに出すぞっ、スコールっ!」
「ふぁ、あ、あっ♡ああっ♡だめ、だめぇっ♡中にっ、そこにっ、そこに出したらっ♡妊娠するうぅううっ♡♡」


 ぶんぶんと頭を振って、駄目だと訴えながら、スコールは離れないでとバッツにしがみつく。
首に抱き着き、腰に足を絡めて、アナルはペニスをぎゅうぎゅうと締め付けて離さない。
全身でバッツの存在を、その子種を欲しがる姿に、バッツの興奮は最高潮に達していた。


「ううっ!スコール……っ、ああああっ!」
「はあっ、ああっ♡ああぁんっ♡出てるっ、中にぃっ♡おまんこの中でぇっ♡バッツのせーし出てるぅうううっ♡」


 バッツはスコールの躰をベッドに沈めるように押さえ付けて、スコールの胎内の一番奥に向けて射精した。
びゅるるるるっ!と放水するように一気に吐き出された精子が、スコールの胎内を満たして行く。

 どくんっ、どくんっ、と脈を打ちながら、バッツはスコールの中を己の熱で染めていく。
スコールはビクビクと体を震わせながら、雄の支配を受け入れるしかなかった。
そうしている事が、スコールにとって何よりの至福でもある。
その証拠のように、スコールの貌は愉悦と幸福に満ちて、彼の象徴もとくとくと涙を流して喜んでいた。


「は…あ…っ♡なか…に……だ、めって…いった…のにぃ……♡」
「はっ…はっ……そんな事言って…おまんこ、まだ離してくれないの、誰だっけ?」
「あふぅう……っ♡」


 汗を滲ませながらバッツが問えば、スコールは切ない表情を浮かべて、秘孔の中にあるものを締め付ける。


「はふ…あふ…っ♡おなか…あつ、ひぃ……♡」
「スコール、妊娠した?」
「んぁ……わ、から…な……あひっ♡」


 熱に溺れてぼんやりとした顔で答えていたスコールだったが、中に納まっているものに、ぐりゅっ、と奥を掻き回されて悲鳴を上げる。
ひくっ、ひくっ、と薄い腹が震えている。
バッツは其処に掌を当てて、ゆっくりと撫でながら囁いた。


「もっと一杯中出ししなきゃ。スコールの子宮、おれで一杯にしてあげる」
「は…はふっ……♡し、きゅ……あ…っ」
「ここにあるだろ?スコールの子宮」


 すり、と腹を撫でてやると、ひくんとスコールの躰が震えた。
そんなのある訳が────と言う言葉は、スコールの頭の中には浮かんでいない。
其処に子宮があるとバッツが言うのなら、きっとあるのだと、そんな事まで考えてしまう位に、スコールはバッツの色に染まっていた。

 バッツは力の入らないスコールの脚を掬い上げ、両肩に乗せた。
そのままバッツがスコールの上に覆い被さり、上から押し潰すように腰を振る。
ぐちゅっ、ぶちゅっ、じゅぷっ、と淫らな音を立てながら、バッツの太いペニスがスコールの肉壺を掻き回した。


「ああっ、バッツ、バッツぅ……っ!奥、おくっ、きてぇ…ああっ♡」
「奥が良い?もっと奥に中出ししても良い?」
「はっ、だめ、あっ、だめなのにぃっ♡妊娠、しちゃっ♡バッツのちんぽで、ああっ、お、おれのおまんこ、いっぱい、いっぱい中出ししてっ♡妊娠させてっ、ほしいっ、のぉおっ♡」


 妊娠は駄目と繰り返すのは、殆ど口だけのものになっていた。
言葉とは裏腹に、スコールの躰はバッツと言う雄を欲しがり、彼が与える全てを受け止めたくて堪らない。
雌の膣孔になった媚肉はバッツを包み込むように絡み付き、律動に合わせて緩み締まりと健気なものであった。

 バッツは一番奥まで腰を押し進めて、行き当たった奥壁を亀頭でぐりぐりと抉って苛めた。
スコールは声にならない声を上げて、ビクビクと四肢を強張らせて果てを見る。
バッツは蕩け切った恋人をあやすようにキスをして、彼を妊娠させるべく高みへと昇って行った。




 綺麗に整え直した褥で眠るスコールは、深い夢の中にいる。
きっと今の彼は、この瞬間に部屋の中まで敵襲があったとしても、目覚める事はないだろう。
それ程彼は疲労困憊しているのだ。

 スコールを其処まで疲弊させた張本人であるバッツも、今日は聊か疲れていた。
性交の後なのだから当然ではあるのだが、常以上に張り切ってしまった事は否定できない。
それもまた、バッツの自業自得ではあるのだが。


(だってなあ。あんなにずーっと効くとは思わなかったんだ)


 すうすうと寝息を立てているスコールの寝顔を隣で眺めながら、バッツは誰かに対して言い訳するように一人ごちた。

 セックスを始める前に、スコールの許可を得て実験させて貰った“操る”力。
思いの外それが浸透したらしいスコールは、セックスの間中、バッツの指示に従ってくれた。
普段ならば口にしないであろう、「気持ち良い」と言う言葉も、嫌がって抵抗するであろうポーズも、全て。
バッツの言う事なら何でも聞く、何でも信じる、と言うような雰囲気すらあって、ついついバッツは調子に乗ってしまった。

 男が妊娠する事なんて、先ず有り得ない。
それはバッツも判り切っている事だから、バッツがスコールを孕ませたいと思っても、彼の性別が変わらない限り無理な話だ。
スコールも当然それは判っているだろうし、普段のセックスで「妊娠させたい」等とバッツが言っても、出来もしない事を、と言う表情で呆れていた。
───にも関わらず、今夜のスコールは、本当にバッツに妊娠させられると思いながらセックスしていた。

 “操る”力の影響の所為だろう、今夜のスコールはいつもよりも意思が弱かった節があった。
熱に溺れて思考能力も低下して、後は愛しい男の声で繰り返し囁かれた言葉が、催眠術のように彼の意識に定着した。
そうして見られたスコールの姿に、バッツは喜びを隠せずにいる。


「スコールは、おれとだったら、妊娠しても良いんだ?」


 バッツはスコールの耳元で囁いた。
スコールは耳朶にかかる吐息がくすぐったいのか、もぞもぞと身動ぎして丸くなる。
そんなスコールの躰を抱き寄せて、バッツの掌がスコールの腹を撫でる。
其処にある臓器に、存在しないものがあるかのように、優しく、ゆっくりと。


「スコールは戦いたいだろうから、今は駄目だけど、でも」
「……んん……」
「おれがスコールを孕ませるのは、良いんだ?」


 眠るスコールはむずがるばかりで、目を覚ます事はない。
代わりに、腹を撫でると、ひくん、とスコールの躰が震える。

 ふあ、とバッツの口から欠伸が漏れた。
流石にそろそろ寝た方が良い、と体が訴えている。
肌身を合わせて伝わる恋人の温もりに心地良さを感じつつ、バッツも眠る為に目を閉じて、


(そういや、スコール、ちゃんと正気に戻ってるかな?)


 “操る”力は、操られている者の意識がない場合、効果を発揮しない。
目を覚ませば効果も消えている事が多かった筈、とバッツは微かな記憶を頼りに思い出していた。
と言う事は、明日になればスコールはいつも通りになっている筈だが────


(もし効果が残ってたら……どうしようかな?)


 悪用しよう等とは思っていない。
いないけれど、可愛い恋人の姿はもっと見たくて、その衝動は抗い難い魅力に満ちていた。





スコールって催眠にかかり難そうでかかり易そう。
特にディシディアの場合、スコールの世界での魔法の仕様もあって、耐性も低そう。ジャンクションで底上げ出来るけど、根本的に造りが違う場合とか特に弱そう。
でもって妊娠する筈もないけど、妊娠する、孕まされると思ってあうあうしてるスコールが見たいと思いまして。
と言う事で、「あやつる」コマンド持ちのジョブマスターにお願いしました。

X原作の「あやつる」はバグが色々あったようですが、私は滅多に使わなかったのでよく知りません。
今回のスコールもそう言うバグを起こしたと言う事で(絶対に違う)。