slave







もういい加減に止めてしまおう

届かないからと、その手を重力に任せて下ろす事は





そんな事しても、いつか限界は来るのだから

全てを壊しても、足りないほどになるのだから



そうなる前に、君を壊そう







獣の牙を隠さずに

























細い四肢をシーツの波に押さえつけて。
その獲物は、どうにか逃れようと足掻く。
けれど、決して離しはしない。

これまで、散々押え付けて来たのだ。
元来、短気な自分が、だ。

この小動物には、知る由もない事であったとしても。




「ペットは大人しく、言う事を聞いてろ」




低い声音で告げ、紫闇で金を射抜けば。
一瞬、脅えたように身を固めた。




「な…ん、だよ……それ……」
「言葉の通りだ、理解できなかったか?」
「意味が判んねえよ!!」




口先だけで喚いていても。
気付けば、唇さえも深く塞がれていた。


邪魔な衣服は全て取り払う。
露にされた血色のいい肌に、舌を這わす。

両腕は頭上で拘束して。
細い脚を、膝が腹につくまでに押し上げて。
その間に自分の身体を割り込ませて。

剥き出しの肉剣を、三蔵は舐めた。
その度、悟空の躯に戦慄が走る。




「い…や……やだっ……っあ…」
「やだって割には、もう溢れてるがな」
「ひっ…ん…! ふぁっ…!」




卑猥な音が暗い室内に響いて。
途切れ途切れに、熱を漏らす呼吸が続く。




「猿の癖に、感じてんのか?」
「や……さんぞ、いやっ……あ、ぅっ!」




カリ、と悟空の肉剣に歯が当たって。
白い愛液が、肉剣を伝う。


三蔵が悟空の谷間から離れて。
それでも、愛液は肉剣を伝い、シーツに落ちる。

悟空の呼吸は、まだ熱を持ったままで。
皮孔がヒクヒクと伸縮している。
汗ばんだ肌は、いつもの子供らしさは無い。




「やっぱ感じてんじゃねえか……欲しいのか?」
「な……っに、がぁ………」
「ここに、太いモンを、だよ」
「あ、っんぁ!!」




下肢に指を埋め込んでやれば。
内壁はその指を食い込ませ、離さない。




「いや…あ……! さんぞ……っ」
「ほら、どうなんだ? この淫乱猿」
「やっ、ああっ! は、ひぁあんっ!!」




下肢に埋め込ませたままの指で、掻き混ぜる。

悟空の口からは、引っ切り無しに喘ぎが漏れて。
ばたばたと自由な脚が動いても、三蔵は止めようとせずに。

それどころか、まるで面白そうにしていた。




「いや、やぁあっ! やめっ、ぬいてぇっ!」
「締め付けといてよく言うぜ」
「ああぁあぁっ!!」




卑猥な音と、喘ぎと叫びと。
時折、男の小さな笑みが聞こえてくる。
狂気を秘めた、男の笑みが。

その声を、悟空は時折耳にして。
こんなのは、自分の知る人じゃないと。




「上の口は正直じゃねえが……下の方は、素直みてえだな」




指を咥えて離さずに。
まるで最奥へと誘っているようだと。
三蔵の言葉に、悟空は首を横に振る。

行き成り、深く口付けられた。
悟空が狼狽した隙に、生温いものが侵入する。
それは悟空の口内で、生物の様に蠢く。




「っは…ぁ……ふ、ん…」




歯茎をなぞられて、舌を絡められて。
逃げようとすれば、捕われてしまう。
抗うだけ、きっと無駄なのだろうけど。

堕ちたらもう、戻れない気がするから。




「ん……ぅ…っ!」




口付けたまま、秘部に埋まった指が動いて。
声さえ、上げることは出来なかった。


全てを奪い尽くすように、口付けて。
なのに、熱を持って何処か優しくして。
お願いだから、止めて欲しい。

自分の知ってる彼と、錯覚してしまうから。


ようやく唇を解放されると。
どちらのものとも判らない、銀糸があって。
名残惜しそうに、一瞬だけ光った。

悟空の瞳は、もう熱に浮かされて。
下肢に施された愛撫と。
激しくて甘い口付けに酔ってしまって。

まだ、堕ちていないとしても。




「キスだけでイきそうか?」




イく、という言葉の意味が、悟空には判らない。
情事も、その事の意味さえ、知らない。
三蔵がこの8年間、教えもしなかったから。

教えれば、押さえが利かないから。
こんな子供相手に、性欲を掻き立てられる。




「もう此処も立ってるしな……」




くちゅ、と卑猥な音がする。


指を引き抜くと、悟空の躯が震えた。
僅かに残った理性の色は、頼りなくて。
深い紫闇だけに、捕われる。

両腕を縛っていた戒めを解くと。
無意識なのか、三蔵の首に腕を回す。




「さ……ん、ぞぉ……」
「……なんだ」
「……なんか…へんだ…よ……」




火照った躯。
艶の篭った呼吸。
潤んだ金瞳。

全て、三蔵が欲しかったもの。


今までは欲しくても、抑えてきた。
どうせ自分に届かないものだろうからと。

この子供は、大地の恩恵を受けて生まれた。
人間程度には、過ぎた存在。
けれど、どうだろう。

こんなに簡単に、手に入る。


持て余す小さな躯の熱。
収める術など、子供は持っていない。
だから、目の前の男に縋り付いて。

けれど、敢えて突き放す。




「自分でやってみろ」




三蔵の言葉の意味を、汲み取る事は出来ずに。
悟空はぼんやりとした瞳で、見つめ返す。

そんな悟空の身体を起こして。
三蔵の目の前に座らせ、脚を開かせ、秘所を露にして。
そこに悟空の右手を、当てた。




「このまま扱け」
「……え……?」
「判らねえなら教えてやる。こうすんだよ」




言って、肉剣を握らせると。
短い喘ぎが、悟空の口から漏れる。

悟空の手に、三蔵の手を添える。


最初は緩く、肉剣を扱いていって。
徐々に、勢いを早めていった。




「や…あ、やぁっ……!」
「やめたら仕置きだぞ」
「ひぁあっ! あっあっ、はぁんっ!」




徐々に、悟空も自分で手を動かして。
開きっぱなしだった口から、だらしなく唾液が落ちる。
虚ろな金瞳からは、理由の判らない涙が零れた。

それから三蔵は、悟空の左手を掴んで。
左足を浮かせて、下から触れさせる。




「こっちからもヤれ」
「あっ、あぅんっ!! ひ、あぁあっ!!」
「……いい子だな」




言って、三蔵がキスを落としても。
卑猥な音が止む事は無かった。
それどころか、尚も強くなる一方で。


三蔵が手を離しても、動きは止まらない。
やめたら仕置き、と言っている所為もあるか。
悟空の理性はほとんど無くて。

ただ、三蔵の言われるがままに。




「あっ、ああぁっ! あぅ、ひぁあ……、や、ああっ」
「初めての割には、気持ち良さそうだな……誰かとヤったか?」
「しらなっ……あ、い……っ! ひ、はぁっ…!」
「まあ、どうでもいい話だな」




悟空の事だから、行為はこれが初めてで。
悟浄が手を出すなら、八戒もいるし。
八戒も、この子供の前では良い保父だから。

ついさっきまで、純潔のまま。
それを何度も、汚したいと思っていた。




「あぅ、はあぁっ……ひぅ…んっ!!」




右手で肉剣を扱いて。
後ろは、左手の指を埋め込んで。
脚を開いて、全てを曝け出す。

白濁の液は、シーツを汚して。
伝う秘所も、同じように白が光る。




「あっ、あっ…! あぅっ!! はぁ、ひあぁぅっ!」




悟空の指の動きは、激しくなっていく。
昂ぶりを収める事の無いままに。




「やぁ……はぅ、ひぁあん…っ! あ、
あっあうっ!!」




快楽に従順に。
三蔵が言った通りに。

悟空の躯が一際、戦慄いた。




「あっ、ふあぁああっ!!」




慣れない快楽は、躯の中で暴れて。
ついには、耐え切れずに吐き出される。

細い腕から、力が抜ける。




「誰がやめていいって言った?」
「あっ……」




三蔵に、腕を引っ張られて。
気付けば、抱き寄せられる形で。
脚は閉じられないままだった。

三蔵が膝で秘部を押し当てると。
それだけで、悟空の躯は震える。




「あっぅ……!」
「まだ欲しいんだろう?」




三蔵の右手が秘部に添えられて。
そこは達したばかりなのに、もう反応していた。




「はっ……ぁあ……」
「どうせ仕置きもやるんだ…覚悟しろ」
「ん……ふぅん……っ」




深く深く口付けて。
離れる事など出来ないようにと。




三蔵は胡座をかいて座って。
それを跨がせ、悟空に膝立ちさせた。




「ここに……」
「あっ…!」
「こいつを挿れるんだよ」




悟空の腰を掴んで。
己の雄の先端を、秘部に宛てる。

悟空が、おずおずと視線を落とす。
僅かに見えた、三蔵の凶器。
それは大きく怒張していて。




「そん…なの……」
「やるんだよ。じゃねえと、お前はこのままだ」
「…あ……」




先端が触れただけで反応した、悟空。
湧き上がる熱は、自分では諌められずに。
三蔵の言葉に、逆らう事は赦されない。

金色の瞳で、三蔵を見つめる。


また、責め苦が告げられた。




「自分で挿れてみろ」




いつまでこの行為は続くのかと、悟空は思った。
それでも、強い紫闇を向けられて。
悟空の躯は、従順に動いてしまう。

宛てられたままの先端。
そこから、少しずつ腰を落として。




「あっ……あぅ…っ……」
「まだ少ししか入ってねぇぞ」
「おっきぃ……やっぱり…むり…」




そんな事が聞き入れられる筈も無い。
三蔵は無言のまま、悟空を追い詰める。

ゆっくりと侵入する、凶器。
内臓にまで当たっているような気がして。
けれど行為を止めることは望めないから。

全てが収まりきっても。
悟空の喘ぎは、収まる事は無くて。

ただ、躯の中に入った存在を考えるだけで。
震えるその身を、抑えられなくて。




「動くぞ」
「え…? ───ひぁあっ!!」




告げた直後に、穿つ。
座っていた悟空を、ベッドに倒して。
腰を浮かせ、脚を限界まで開かせて。

繋がりが尚、深くなる。




「いっ……いやぁあ…っ!!」




圧迫感は、恐らく相当なもので。
それでも、三蔵は止めるつもりはない。
焦がれ続けて、ようやく捕らえたのだから。




「あっあーっ!! や、いたっ……ああぁあっ!!」
「今更痛い、だ? 遅いんだよ」




三蔵が貫くたびに、声が上がる。
もう、快楽よりも痛みが強くて。

悟空は秘部の奥に痛みを感じた。
それは、悟空には理由は判らないけれど。
滴り落ちる赤に、裂けてしまっているのだと。




「あぁあっ! あ、いやぁっ!!」
「嫌? ヨガってるじゃねえか」
「やだ、さんぞ…おねが……っやめ…!」




どれだけ言っても、三蔵は行為を押し進めて。
その度、三蔵の雄は悟空を昂ぶらせて。
悟空の痴態は、三蔵を昂ぶらせていく。



最後に、三蔵は深く口付けて。
声にならない声を上げ、悟空は果てた。












揺れるジープの上で、悟浄が言った。
珍しいほどに大人しい悟空に。




「拾い喰いでもしたのか、お前」




揶揄の言葉の裏は、ちゃんと判るから。
バックミラー越しに、八戒の視線もあったけれど。
眠いだけだと、悟空は言った。


別に、何か変わったわけでもない。
昨晩の事があったからと、四人の中で何が変わることも無い。

三蔵との会話も、変化は無い。
纏う空気や面持ちや、接し方が変わることも無い。
何か変わったわけも無いのだ。





悟空がいつも何処か……脅えた表情を見せる以外は。




















ほら、こんなに簡単に手が届く

ほら、こんなに簡単に捕まえられる






どれだけ拒否の言葉を連ねても

どれだけ拒絶の行為を繋げても


もう離すつもりなどないのだから






────獣の牙に、堕ちてイケ













FIN.



後書。


タイトルがやべえ(slave=奴隷(爆))。
三蔵様鬼畜全開。
悟空がほぼ言い成り…
痛系闇エロ(は?)。

だからなんで久々アップでこういうもん書くよ。


これ書く時に、ずっとボーカルアルバム【GAME】聞いてました。
電車の中で聞いてるときに思いついたんですよ……(爆)
未だに【GAME】の第一声にニヤつく私。
関さん……三蔵、この歌詞凄いよ、何度見ても…




「いい子だ」なんて言ってる三蔵ですが。
危ないと思った私、液晶画面の前でしばし撃沈しました(何故)。


2003/04/25