no enough


それなりに悟空が落ち着いたのを見届けてから、三蔵は悟空のズボンに手をかけた。



「さ、さんぞ……」
「なんだ?」
「まだ…す、る…の……?」



何を今更な事を言うのか、と思ったが。
悟空の方は既に二度も達してしまっているのだ。
気怠さは半端ではないだろう。

しかしそれに対して、三蔵はまだまだ余裕なのだ。



「当たり前だ。さっさと脱げ」
「ちょっ……!?」



言うや否や、悟空が抗議を上げる間もなく、ズボンを下ろした。
片足を上げさせて、下着も取り去り、床に落とす。



「後ろ向いて、壁に手つけろ」
「う……」
「さっさとやれ。それとも、このまま放置がいいか?」



下肢を曝け出したままで、放置。
それは悟空も嫌だったから、言われた通りに背を向けた。

壁に手をつけたのを確認してから、三蔵は悟空の腰を引き寄せる。
尻を突き出す格好になって、悟空は顔を紅くして俯いた。




「挿れるぞ……」




己の怒張した雄を宛がって耳元で囁く。
悟空が小さく頷いたのを見て、先端を悟空の穴へと埋める。

ぶるりと悟空の躯が震えたのが判った。
まざまざと絡み付いてくる肉壁は、三蔵の雄の形をダイレクトに悟空に伝える。
知らず上がる悟空の呼吸は、その所為だけと言えるかどうか。


ゆっくりと埋め込まれる三蔵の雄が、半ば頃まで入った頃。
三蔵が一旦動きを止めたのを不思議に思って、悟空が空ろな瞳で三蔵を見遣った。

直後に、深く貫かれる。




「ひっあぁぁああん!!!」




高い声と、締め付ける内壁。
三蔵の顔も一瞬苦悶に歪んだが、すぐに律動が始まった。



「さ、んぞぉっ、あっあっ!あぁん!」



限界まで引き抜いては、最奥を突く。
ずぷ、ぐちゅ、と卑猥な音が響いて、悟空の口からだ漏れた唾液が床に溜まりを作る。

久方ぶりに与えられる三蔵の熱。
内部を擦る怒張した雄は、ぐいぐいと悟空の中を割り開く。



「だめ、はっ、あっ……あっん、あはっ…!」
「出っ放しだぞ、だらしがねぇ」
「きゃうっ……!」



揺さぶる度に、悟空の幼い剣から漏れる白濁の液。
片腕で悟空の腰を支え、空いた手で三蔵は悟空の肉剣を握った。



「さ、さんぞ、やっ…や、はなしてぇえ……!」



そのまま律動も続けられるから、悟空は堪ったものじゃない。
哀願する悟空の表情に、三蔵は喉で笑う。

そういう顔が、三蔵のサドな部分をくすぐるなんて判っていない。
限界まで此処を戒めたら、どんな顔で、どんな風に縋ってくるのか。
苛めて苛めて、苛め抜いてみたくて。



「ちゃんと突っ張ってろよ」
「無理だよぉ…無理、あっ!」



悟空自身を戒めたままで、三蔵はまた奥を突く。
壁に張った悟空の指の爪が、何もない壁を引っ掻いた。



「だめ…三蔵、もう……ほんと…立ってらんなぃい…」



実際、がくがくと震えている膝には、もう殆ど力は残されていない。
三蔵が腰を抱え上げて貫いているから、それで保たれているようなものだ。

だからベッドが良かったのに、と悔し紛れのように呟く悟空。
それも三蔵は構わずに、また最奥を突くことをやめない。
貫かれる度に正直な反応を返す背中を、三蔵は舌でつっと舐めた。



「ね、さ、んぞ…ほんと…っもう……っ」
「今日は立ったままでヤるっつっただろ。前言は撤回しねぇ」
「はぅんっ!あ、んあ、っや…!」



鬼畜、とか、最低、とか。
もう聞き慣れたぐらいの罵声しか、悟空から出来る攻撃はない。
それさえ奥を突かれた瞬間、喉で詰まって喘ぎに変わってしまう。

屑折れそうになる躯を支えようとしている所為なのだろう、妙な所に力が入っている悟空だ。
お陰でさっきから三蔵の雄は、まるで食い千切られるのではないかと言うほど圧力がかかっている。



「っは、あ、あ、っ……ぁあっ…!」



いつもの元気な声など、微塵もない。
男に貫かれ、力の抜けた躯は、蹂躙されるままだ。

自分の躯を好き勝手に貪る三蔵に対して、悟空は何も抵抗できない。



「ぐちょぐちょだな。痛みなんてねぇだろ?」
「あっん、あっ、はふっ、うぅ……」
「テメェのがどうなってるのか、見てみろよ」
「や、だって、ばぁ……!」



口先だけの抵抗など、赤子を黙らせるより頼りないものだ。


三蔵は何を告げることもなく、貫いたままで悟空の躯を反転させた。
内部に入ったままで動かされたものだから、三蔵自身の形をそっくりそのまま悟空に伝える。

突然変わった視界に、悟空が目を白黒させている。
真正面から見据える紫闇と、見上げて来る金瞳が交じり合った。
汗と涙と唾液で濡れたその顔は、熱に浮かされて何処か妖艶だ。



「この方がよく見えるだろ?」



何処が、とは言わなかった。

悟空がおそるおそる、己の下肢に目をやった。
三蔵の怒張したそれを加えて、白濁は最早自身のものかそうでないのか判らない。



「やっや!三蔵、やだぁ!」
「動くと感じるぞ」
「あっ……!」



羞恥心から暴れようとした悟空だったが、擦れた内壁に甘い声が漏れる。

悟空の背を再び壁に押し付けて、三蔵は自分の体と壁とで挟み込んだ。
逃げ場を失った悟空の片足を上げさせると、不安定になった躯が重力に従う。
己の体重と相俟って更に深く繋がると、悟空はぶるりと身を震わせた。


殆ど浮いた姿勢になっている悟空。
三蔵はそれによってかかる体重も利用して、悟空を下から突き上げる。



「もうだめっだめえ!さんぞぉ!」
「なんだよ」
「イく、イっちゃうのぉ!出るよぉお……!」



三蔵に縋り付いて、悟空は解放をせがむ。
悟空の幼い肉剣は、未だに三蔵が戒めたままだ。



「俺がまだだ」
「や、だめ、おかし、なる、からぁあ!」
「良いじゃねえか、なっちまえ」



音を立てて、三蔵は悟空の耳朶を舐め上げる。
鼓膜から直接届く卑猥な水音に、悟空は肩を縮めて身を震わせる。

最初に貫かれてから随分経つ下肢は、自ら腰を振って三蔵を奥へと誘い込もうとする。
これが無自覚だから、余計に性質が悪いんだろうなと三蔵は思う。


びくん、と悟空の躯が一度、大きく跳ねた。



「あ、あ……さんぞぉ……」
「いいトコ、だろ?」



三蔵の亀頭が擦れた一箇所。
其処が悟空の弱い部分だと、三蔵はよく知っている。

其処を集中して攻めると、悟空の口からはあられもない声が漏れるばかり。



「あん、あんあっあっあっ!あうっ、あはぁんっ!」
「此処、こうして欲しかったんだろ?ずっと」
「はぅ、も、もっと、もっとぉお……!」
「ほら、やっぱりな」



ようやく悟空の口から出た誘う言葉に、三蔵は機嫌良く笑った。


三蔵も性欲は薄いが、悟空の方は更に薄いと言っていい。
その手の知識が殆どない所為もあるのだろう。

それでも、三蔵に対してだけは違う。
悟空は三蔵に触れられた時だけ感じて、絶頂を向かえ、達する。
三蔵だけを求めて、三蔵だけを自分の内に招き入れる。



「てめぇは素直に感じてりゃ良いんだ」



激しくなる律動に、悟空の躯は揺さぶられるまま。




あ、と悟空が呟いた後、二、三度小さな躯が痙攣した。




くたりと弛緩した躯。
三蔵は少しの間眉を顰めたが、ああ、とすぐに合点が行った。



「……出さないでイったみてぇだな……」



耳元で小さな声で囁けば、真っ赤になる子供。
その子供の幼い剣はやはり戒められたままだ。

立ったままで、煌々とした蛍光灯の下に己の痴態を曝け出されて。
自身を戒められたまま、吐き出す事無く絶頂に上り詰めてしまった。
其処までされても、悟空は逃れる術を持たない。



「さ、さんぞぉ、が…」
「俺が、なんだ?」
「は、はげし、んだも……」



達した直後の気怠さで、眠気もあるのだろう。
とろんと半開きになった瞳で見上げて来る悟空は、まるで誘っているようだ。

三蔵は、まだ内部にいれたままの自身の雄が膨れ上がるのを感じた。
当然、それは自分の中に招き入れている悟空にも伝わる。



「さ、さんぞ……」
「あ?」
「…お…オレ、今日は…もう……」



悟空は今の出していないのを数えて、三度目だった。
三蔵の手加減のない行為では、流石に限界にもなろうと言うもの。

しかし。





「あっはん!」





悟空の言いたい事が判らない三蔵ではない。
野宿続きで疲れているのも同じだし、さっさと寝たい気がしないでもない。

けれどそれよりも、目の前にぶら下がっている餌の上等さと言ったら。
眠るなんて勿体無い、それよりも腹を満たさなければならない。
この極上の餌を食い尽くすまで、睡魔などやって来る訳がない。


悟空も貫かれていれば、嫌でも感じてしまう。
そういう風に、三蔵が躾上げたのだから。



「もう、もう無理だってばぁあ……!」
「無理じゃねぇ。俺がイくまで付き合え」



遅漏ではないが、三蔵はまだまだ行為を止めるつもりはなかった。



「ダメ、ダメ、だって、……はぁぅっ!」
「駄目って言う割には……」
「あっ…!」



達したばかりなのに、悟空の若いそれはまた天を突いている。



「躯の方は正直だな」



二人の腹の間で擦れ合う、悟空の幼い剣。

誰のものかも判らない白濁の液は、悟空の太腿を流れて、床に落ちる。
床は既に液に汚されていて、部屋の中はその匂いで充満していた。




「言えよ。欲しいんだろう?」




悟空の顎を捉えて上向かせれば、真っ赤に濡れた唇。
それを舌でゆったりとなぞって、空いている手で悟空の腰を引き寄せた。
繋がった状態から更に深くなり、悟空の躯がぶるりと震える。

三蔵の胸に当てられた悟空の手は、最早抵抗する力を奪われている。
それよりも、ゆったりと三蔵の筋肉を辿る手付きは、やはり誘い込んでいるようだ。


それまで酸素を求める魚のように開閉を繰り返していた、悟空の唇。
やや間を置いてから、それはようやく音を紡いだ。




「もっと……さんぞ…おく……ついてぇ……」




見上げて来るその瞳に、三蔵の口角が上がった。
その表情に、悟空は自分の身が歓喜に震えるのが判った。






全てを貪りつくされるまで、この乱交は終わらない。


















ベッドで寝息を立てる悟空は、ちょっとやそっとでは起きないだろう。


互いを貪りつくして、それでも足りないとまた貪って。
それこそ精も根も尽き果てて、だるい体を引き摺って、ようやく処理を終えて。
泥沼のように眠ってから、恐らくまだそれ程の時間は経っていない筈だ。

けれども何故か、三蔵はふと目が覚めたのだ。
そのまま睡魔が再来する事はなく、暇を持て余す結果、いつものように煙草を吹かしている。



「間抜け面だな……」



寝相の悪さは何処へやら、大人しく丸くなって眠っている子供。
もぞもぞと身動ぎはするものの、それだけで、後は至って大人しい。

ふわふわと触り心地の良い、大地色の髪。
丸い頬は幼さを残していて、突くと大福のように少し沈む。



「しかし……間が空くのは良くねぇな」



此処しばらく、情交していなかった結果。
まだ自分の中で燻っている熱に、三蔵は煙を吐き出してぼやく。

幾ら暴いても曝け出しても、貫いても、足りない。
今こうやって隣で眠っている事を考えるだけでも、再び欲は頭を擡げる。



「やっぱり外でもやるか」



我慢が利かなくなるまで耐えるのは、もう止めだ。
どうせ自分は其処まで忍耐強くない。

今までは悟空が嫌だと言うから強くは出なかったが、次からは自分が押し通す。
誰かにあの痴態を見せる気はないが、延々と待たされるのも御免だ。
青姦も慣れてしまえば良いだろう、などととんでもない事を考える。






眠る子供は、自分に迫る危険など、知る由もない。















触れた場所から


伝わるネツ




何度もそれを貪って













いつになったら、満たされる?













FIN.




後書き