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紫陽華の霧
発情期
悟空の口から手を離すと、入れていた金蝉の指は唾液で濡れそぼっていた。
発情期だと、全く加減と言うものがない。
羞恥心が殆ど消えてしまっているから、こうなるのだろう。
「あ…やーぁ……」
何が嫌なのか判らないが、悟空の小さな手が金蝉の手を追い駆ける。
まだしゃぶっていたかったのかも知れない。
が、金蝉は構わずに、悟空の足を大きく開かせる。
赤ん坊におしっこを促すような格好である。
露にされた悟空の小さな穴に、金蝉は濡れた指を埋めた。
「はっあ……!」
金蝉の節ばった長い指を、幼い秘所がきゅうきゅうと締め付ける。
ようやくやってきたソレを離すまいと必至で食いついてくるようだ。
一本をゆっくりと埋めて、もう一本を入れる。
緩やかに与えられる快楽に、悟空は躯を震わせて、意味の成さない鳴き声を上げる。
にゃあにゃあ鳴いて、もっと欲しい、と言っているのだと金蝉は思う。
実際、それは外れていない。
悟空はようやく与えられた満ちる感覚に酔っていた。
けれども全てが満ち足りるにはやはり足りなくて、もっともっと埋めて欲しいと思ってしまう。
「にゃあぁ…ふぁんっ!あっ…あっ、も、もっと、もっと奥……!」
だから、普段は言わないこんな台詞もすんなり口を突く。
「がっつくなよ…」
「だってぇえ……あっあん!あにゃっ、はうっ!」
つぷん、つぷん、と出入りを繰り返す金蝉の指。
さしたる痛みはなくて、これならもっと出来るのに、と思う悟空だ。
「ねー、ねぇっ!」
「あ?」
「もっと…ぐちゃぐちゃがいぃい……!」
「……ったく……知らねぇぞ、明日どうなっても」
「んっ……あぅっん!にゃ、にゃ、あっあっあぁ!」
悟空が望む通りに、金蝉は子供の秘所に埋めた指を動かした。
ビクビクと躯を震わせて、悟空は鳴き声を上げる。
「いっ…きもちっ……いぃっ……あぁぅ!」
「猫の発情期ってのは、どれもこんななのか?」
「知らないっ…ふにゃあぁん!」
今度天蓬辺りに聞いてみるか、いや、どう思われるか。
そんな事を考えていると、悟空が高い声で鳴いた。
ぴちゃっという音がして手を見てみると、白濁の液。
我慢できずに悟空が吐き出したものだ。
「っとに……実際どうなんだ?まぁ此処まで堪え性がないのは、お前だけだと思うが」
艶の篭った呼吸を繰り返している悟空を見下ろしながら、金蝉は言う。
最も、返事が帰って来ることなど期待していないが。
悟空の額の汗を舐めると、その柔らかく暖かい感触に、悟空の躯が震えた。
きっと今は、何をされても快楽に繋がってしまうに違いない。
こんな状態で外に出したら、絶対にヤバい連中の餌食になる。
そう思いつつ、自分もそのヤバい連中の一人になるのだろうかと金蝉関係ない事を考えた。
もぞもぞと悟空が起き上がった。
ベッドに座っている状態の金蝉の前で、悟空は伏せの姿勢になった。
金蝉のズボンのジッパーを下げて、下着から金蝉の一物を取り出す。
「……限界か?」
返事はなく、代わりに悟空は金蝉の雄を口に咥えた。
顔に出ていないが、金蝉だって悟空の痴態には煽られっぱなしだったのだ。
自身のそれは既に大きく怒張しており、悟空の小さな口には入りきらない。
それでも、悟空は必死に濡らそうとする。
「にゃっ…ぅ…ふ……んぐ…」
一所懸命に舐める悟空の大地色の髪を梳く。
頭についている獣の耳がぴくぴくと動いていた。
「ふむっ……!」
獣の耳を指先で擽ると、悟空の舌の動きが一瞬止まった。
けれど直ぐに再開されて、耳から感じるものを我慢しようとぎゅっと眼を閉じた。
「どうした?」
「に…んうぅ……むぅっ……」
咥えたままで涙目で睨まれても、覇気なんて感じられない。
悟空は悔しそうに金蝉を見上げるが、耳を弄られるとそれも引っ込んでしまった。
とにかく今は熱が欲しいのか。
咥えた一物を、再度必死に舐めるのを再開させる。
飲み込みきれなかった唾液が隙間から零れ、ベッドシーツを汚していた。
耳を弄るのをやめて、ツゥっと背筋をなぞって見た。
悟空は面白いほどに反応する。
悶えるように身を捩じらせて、けれどもそれから逃げるなんて出来る訳がない。
「むぁ…お……んぇえ……」
咥えたソレを放さずに名前を呼ぶ。
背中を擦るのとは別の手で、金蝉は悟空の頬を撫でた。
それが嬉しかったのか、悟空はまた一物を舐める。
舐めて、しゃぶって、吸って、全く羞恥と言うものがない。
普段は奉仕どころか金蝉の雄を見るだけで、顔を真っ赤にさせるのに。
「にっにゃっ…にぅ……」
ふと、ゆらゆらと揺れている尻尾が金蝉の目に付いた。
手を伸ばして、その根元に近い場所を握る。
悟空の躯がビクリと跳ねて、拍子に金蝉の雄を離してしまった。
「あっにゃっ…あぁっ……!」
「なんだ、もう終わりか?」
「だっ…あっ……それ、はなしてぇえ……!」
金蝉に縋り付いて、悟空は懇願する。
しかし金蝉は宥めるようにキスをしただけで、尻尾を放さない。
強弱をつけて尻尾を握ると、びくびくと悟空の躯が跳ねる。
「それだめっ…だめぇ……!」
「弱いよな、尻尾」
「はにゃぁんっ……」
「ほら、欲しいんだろ。まだそんなに濡れてねぇぞ」
金蝉の言葉に、悟空はのろのろと頭を上げた。
最初よりもまた大きくなったような気がする雄を、再び口に加える。
今度は口だけではなく、手も使って奉仕を始めた。
金蝉の方は尻尾を握って、尻を撫でて、時折悟空の穴を掠める。
穴を掠めると、悟空の躯はまた反応を返した。
「ふぁうっ…!ん、んん……!」
金蝉の指を自身の穴に当てようと、悟空は尻を振る。
尻尾は金蝉の腕に擦り寄って、もっともっとと誘っている。
「ほしっほしぃぃ……!」
「まだ我慢だ。痛いの嫌だろう?」
「や…やぁ、けおぉ……」
「なら良い子で頑張れよ」
「んぁっ!」
悟空の穴に指を埋めると、やはり食いついてくる。
それをどうにか振り切りつつ、金蝉は悟空の中を掻き回す。
「ん、んぅーっ!むぅ、むにゅ、にゅあ……んんんっ!!」
舌の動きを止めて、悟空は咥えたままで鳴いた。
悟空の手が片方、金蝉の一物から離れた。
自由になった手は自身の秘所へと移動し、穴の近くをもどかしそうに弄っている。
「自分で弄るか?さっきみたいに」
言いながら金蝉は指を抜いて、悟空に手を取る。
少々辛い体勢になるが、悟空は素直に金蝉に従った。
つぷん、とまだ幼い指が穴に潜り込む。
「ん……にゅ…んぅ……」
「どうだ?自分がどうなってるのか判るか?」
「む、う、うぅ……」
言うまでもなく、悟空は自身の指を出し入れし始めた。
金蝉の雄を咥えたままで、自分のアナルを弄って。
此処まで発情しているのは、今回が初めてじゃないかと金蝉は思った。
「ん、むぅ、うぅっ!んっ!!」
自身の弱いところを見つけたらしく、悟空の声が上擦った。
「其処、もっと弄ってみろ」
「んっうっ!むぅ、んんっ、ふぅうんっ……!」
促せば言われるままに、悟空は自分で奥を弄る。
「指二本に増やして、バラバラに動かしてみろ。お前のならすぐ入るだろ」
人差し指と一緒に、中指が入った。
やはり金蝉が入れるよりも、スムーズに運ぶ。
悟空の指までは最奥までは届かないだろうが、負担は軽いだろう。
金蝉の言う通りに、悟空はバラバラに指を動かした。
すると金蝉にされるのとは違う、けれども確かに気持ちが良かった。
「にゃっうっ、んっ、んっ…うにゅっ……」
「こっちもサボるなよ」
頭を掴まれて、雄で口の中を突かれた。
咽る事はなかったが、一瞬、呼吸を奪われる。
青臭いに匂いがする筈なのに、何故だろう。
今だけはそれさえも躯の疼きを煽る。
そして余計に、自身で自身を苛めたくなってしまう。
「んっう、んぐ、む、ぅ、んんっ!!」
指を入れて、金蝉の雄を咥えて。
そんな悟空を見下ろしていれば、金蝉も我慢の限界というものがある。
悟空の形のいい桃尻を撫でると、埋め込まれたままの悟空の手を撫でた。
その優しい触れ方に、悟空はほんのりと笑う。
しかし。
「んーっ!!!」
突然の異物の挿入感に、悟空は言葉を奪われたままで鳴いた。
悟空の指が入ったままで、金蝉の指までもが穴を支配している。
しかも金蝉の手が悟空の手を覆っているから、悟空は自分のソレを抜く事も出来ない。
「ほら、一緒がいいだろ?」
「んうっ!む、んんぅ、んっうっんっ!」
ぐちゅぐちゅと卑猥な音が室内に鳴り響く。
既に悟空の其処は白濁の液で濡れそぼっている。
前も後ろも離すことが出来ずに、悟空は快楽に身を捩る。
けれども下手に躯を動かせば、自分で指を擦り当ててしまう。
咥えているものを放そうにも、頭には金蝉の片手があって、逃れられない。
「一回出すか。限界だろう?」
「んっ、う、っんん!むぅ、んー、うっ!」
掻きまわされながら言われても、悟空はまともな返答など出来やしない。
だから金蝉は勝手に解釈して、更に強く悟空のナカを掻き回した。
「んっうぅっふっうっ!む、うぅっ!!ん、はっ!」
少々強引に頭を引っ張って、金蝉は己の雄から悟空のを放した。
ようやくまともな呼吸を許された悟空だが、呼吸する暇は殆どなかった。
「あっあっあっ、やっで、でるっ!あっあ─────!!」
高い鳴き声を上げて、悟空は果てた。
くったりとベッドにうつ伏せになった子供を抱き上げて、また膝上に乗せる。
今度は最初と違って、正面から向き合った状態だ。
悟空は閉じかけていた瞳をのろのろと持ち上げて、目の前の金糸を確認した。
「も…もぉ…ほしいぃ……」
「ああ、よく我慢したな」
くしゃくしゃと頭を撫でてやる。
悟空は気持ち良さそうに目を細めて、小さく頷いた。
その傍らで秘所に雄を宛がった。
待ち侘びたその快楽を思ってか、悟空の躯が震え上がる。
「一気に入れていいな?」
問えば引っ切り無しに頷いて、もう我慢なんか出来ない、と呟く。
今日は随分我慢した方だ。
だからあんな、自分で自分の穴を弄るなんてしたのかも知れない。
先端を埋め込んで、一番太い亀頭部分だけはゆっくり入れる。
悟空は待ちきれないと金蝉の首に腕を回した。
やはり穴は入れていくだけで強く締め付けてくる。
明日は絶対に立てないんだろうな、と金蝉は思った。
まぁ、その面倒を見るのも随分慣れてしまったような気がするけれど。
「行くぞ……っ……!」
「んっあぁああああっっ!!!」
甲高い鳴き声。
けれど、それで終わりではない。
「はっはあっああっ!あにゃ、うぅんっ…ひにゃぁん!」
全く、発情期につき合わされるのも楽ではない。
面倒だと思わないから、尚更。
可愛い可愛い我が家の猫は
ちょっと腕白すぎる所があります
可愛い可愛い我が家の猫は
ちょっと我慢出来ない所があります
まぁ、一番ダメなのは
それを可愛いと思ってしまう事なのかも。
FIN.
後書き