触れた手



ぐるぐるぐるぐる
回るばっかでちゃんと動かなかった思考回路
判んなくなるばっかりで

なのに急に
ぽんって頭に乗ったてのひら



「らしくもねぇことしてんじゃねえよ」



顔上げようとしたけど優しい力で押さえられて
それは「今はこっちを見なくていい」って

てのひらから感じる温もりだけは昔とちっとも変わってなくて



「考えるなら、ゆっくりだ。
泣きそうになるまで切羽詰るのは、お前がやることじゃねえだろう」




顔は、見えない
声しか聞こえない

すぐ隣にいる、けど
触れているのはてのひらだけ


……そのてのひらが死ぬほど大好きだって、思った



直感だけで言えば、答えは簡単。
だけど珍しく考えてるなら、自分でけじめが着くまで悩んで悩んで悩めばいい。
その先にあるのが、望んだ結果であっても、そうでないとしても。

誰でもきっと最初は、何処かで見切り発車をしてる。


“手”関係のお題で最初に浮かんでくるのは、頭を撫でる手でした。
次が手繋ぎ、それから涙を拭うとか(それは指では?)……

手の形がどうも上手く描けなくて、4、5回消しました。
しかし毎回の事ながら、なんで悟空は大人と並べるとやたらとちっこくなってしまうのか。


2006/11/09