「四葉のクローバーを見つけたら幸せになれるんだぞ」
そう言って目の前に広がる野原に這いつくばってもう数十分。
ウソップとチョッパーは幸せをみつけるのに夢中になっている。
そこへその緑の向こう、小高い丘を越えた先にある街へ朝から買い出しに出ていたルフィたちが戻ってきた。
+ クローバー +
「ナミすぅわ〜んvv貴方のコックサンジ、ただいま戻りました〜〜v」
「ウソップたちなにやってんだー?」
「四葉のクローバーを探してるのよ」
荷物のほとんどをゾロとサンジくんに持たせて、モグモグとポップコーンを食べながらやってきた船長に答える。
食べ物を手にしているところを見ると、また街でサンジくんを困らせたのだろう。
何しに街へ行ったんだかと呆れた私の思考を裏付けるように、一緒に戻ってきたロビンがクスリと笑った。
「みつけたら幸せになれるんだゾ!」
「ほらルフィ、おまえの足元にもこーいう三つ葉のがいっぱい生えてんだろ。
それの、四つはっぱがついてるやつが幸運のクローバーなのさ」
「なんか聞いたことあるな・・・あ、あった」
くるりと一瞥するとルフィは足もとのはっぱをひょいと摘み取ってみせた。
ルフィが手にしていたのは、間違いなく四葉のクローバー。
・・・あら、こんな近くにあったのね。
「・・!! んなっ!」
「ルフィ すげぇ!」
「すぐココにあったぞ」
かれこれ一時間近く探しても手に出来なかった幸せを、目の前であっさり手にされてウソップは深い溜息をつく。
チョッパーは初めて見たらしい実物に目をキラキラさせていた。
そんなチョッパーにクローバーを手渡すと、ルフィはまたポップコーンを口にする。
(コイツにとっては四葉のクローバーより食べ物の方がよほど幸運の使者よね)
再度呆れて紅茶を飲み干せば、淹れ直した紅茶をサンジくんが丁度運んできてくれたところだった。
ルフィにもドリンクを手渡して、目をキラキラさせているチョッパーを横目に肩をすくめる。
「しかしありゃあ滅多にみつからねェから意味があんだろ?
アッサリみつけられたんじゃありがたみもクソもねェよな」
「しょーがねぇじゃん、あったんだから」
ししし と彼特有の笑顔を見せて、強運の持ち主は不遜に笑った。
ある島での昼下がり。船長、強運っぷりを発揮するの巻。