CONFUSION

「わざわざ来てくれてありがとう」。

 それだけを言うつもりだった。なのに窓の外の光景には、二人の姿はなかなか現れなかった。
 あいつと、あいつ。康介と、裕未。
 
自分が寝ている病室のベッドの前には、さっきまで二人が座っていた丸椅子がある。
 
そこに残る夏の制服の残像と、かすかな柑橘系の香り。
 
夏になると裕未が好んでつけてた、コロン。
 つい半年前まではそれを一番近くで感じていたはずなのだ。

元気そうだから、安心しちゃった。

もっと早く来とけばよかったね。

また、来るから。

じゃあ。

突然だったから、二人の顔もまともに見られずに生返事してしまった。
 けど、彼女の短い言葉が思い出されて、いても立ってもいられなくなる。
 
礼を、言わなきゃ。悪友の康介はともかく、裕未に。心配かけてしまっている、裕未に。
 
残念ながら、今の俺には走って追いつく自信はない。
 そして、見つかればきっと看護婦に止められる。
 
残された道は、屋上だ。無理して1階分上れば、病院の玄関から長く外を見渡せる。
 
俺は、急いでスリッパを履き、まだ重い足取りで立ち上がった。
 
屋上からあいつらを見つけたら、恥ずかしげもなく叫んでやるんだ。
「わざわざ来てくれてありがとう」って。
 
ままならぬ自分の足に腹を立てながら、屋上へと続く階段を上る。鉄のドアが見えた。
そこを開ければ、ここのところ浴びた事のないまぶしい陽光が、俺を待っているはずだった。

「……んなこと、いわないで」

 耳がかすかに捉えた、聞き覚えのある声。

「でもさあ、さっきあいつの顔色見たろ?退院して、学校に戻ってくるのは、まだずっと先だよ」
「そんな」
「そんなもなにも、それが現実。俺だって、あんなにひどいなんて思わなかったさ」

 
待ち侘びていた声だったはずなのに、俺はドアノブに手をかける事ができなくなっていた。

「……それでも、あいつを待つの?」

 男の問いかけに、女は返事を躊躇している。5秒、10秒、15秒。
 のどが、急激に乾いてくる。

「なあ、そういうのやめない?いつ戻って来るか分からないあいつのために暗くなってんの、
裕未らしくないよ」


 ハッとした。
 
いつから、こいつは裕未の事を呼び捨てにし始めたんだろう。

「そんなことよりさぁ」

 ささやき声がはっきりと聞こえる、ドア1枚越しの距離。
 聞きたくない音、布と布が擦れ合う音すら、俺の耳は拾ってしまった。


「やっ、やあ……っ」
「いいじゃん、こんなとこ誰も来ないしさ……な?」
「だ、ダメだよ。あ、やあっ」

 化繊が擦れる音が続く。
 先ほど見たシャツと、ちいさなリボンのついた夏の制服が、密着しているのだろうか。


「あん……ん、ふっ」

 その瞬間、声が篭る。何かが、彼女の口を塞いだのだ。
 ドアノブに手をかけようか迷う、俺の手は硬直してしまっていた。


「ん、んふ……ん、うんっ」
「んー、んふー」

 
聞きたくもない、男の声まで聞こえた。
 女は必死に口をつぐみ、男はその強く結ばれた唇を奪い続けているのだろう。


 なぜ、この手は小刻みに震えるだけで、目の前のドアを勢いよく開けようとしないのだろう?
 
なぜ、唇を吸い合う男女に向かって、怒りの言葉ひとつも投げかけようとしないのだろう?
 
その答えを、混乱する俺の思考は見つけ出せていなかった。

「い、やあっ!」
「なんだよ、いいじゃん」
「だ、め……っ。お願い、キスだけでがまんし……」
「暑いだろ?だから脱がすんだよ。それだけじゃん」
「あんっ、もう」

 
布の擦れる音の、トーンが変わる。

「動くなって、うまく外せねえだろ」
「やあっ……康介くん、もう、しないで」

 いつも俺の名前を明るく呼んでいた、少し鼻にかかった声が今は、さらに高く変化して俺の鼓膜を揺する。
それは小さい音なのだけれども、どうしようもなく心掻き乱す。

「ほーら、出た」

 
腹立たしい。前なら同調してバカ笑いできていた軽口が、限りなく腹立たしい。

「もう、やめて……お願い、こんなとこじゃ」
「うそだぁ。裕未、こうされるの好きなくせに。ハハッ」

 こうされる?

「このおっきいおっぱい、乱暴にされるのが好きなくせに。初めてのとき、そうだっただろ?」

 見えない俺の疑問に答えるかのように、康介は腕の中にいる女に囁きかけている。
 
背後から添い、白く薄い夏の制服からあの魅力的な乳房をまろび出させた男の姿が脳裏に浮かぶ。
 
多分きっと、その想像どおりだろう。

「やっ、も、揉まないで……っ、あん!」
「やだね、揉むよ」
「あっ、くっ、や、やあっ!」

 
艶を帯びていく裕未の声を聞きながら、なぜか俺は横にあるすりガラスの明るさに目が行った。
 
病室とは比べ物にならないほど明るい日差し。
 
二人の初めての夜。二人が交わした、たった一度だけの夜。
 肌を少しでも見せるのを嫌がって、全ての灯りを消した夜。なのに。
 
今、裕未は、裕未と康介は夏の光の真下で、素肌を晒し始めている。
 
親友の病室の上で、そして一瞬でも恋人同士だった男のすぐ上で。

「下も、触ってやろうか?こっちも汗かいてるんじゃないの、なんて」
「そんな……あ、ふうっ!」

 
返事を待たずに、康介は強引にスカートの中に手を差し入れたようだ。

「ハハハッ、いった通りじゃん」

 カーッと、身体中が熱くなる。しかしやはり手は動かないまま。汗が頬を一筋流れた時、気づく。
 
俺は、あろうことか、勃起している。

「……ここじゃ態勢がキツいから、あっちいこうぜ」
「ああ……んっ」

 声が、ドアの直前から移動した。
 そして、さっき眺めたすりガラスの外を、男に引っ張られた女の姿が通った。

 小さな赤い紐リボン、ボタンを外され風にはだける制服の白いブラウス。
 その場所に肌色が見えた気がするのは、俺の妄想だろうか。
 
瞬間、俺はドアノブを掴み、回した。運良く、鉄のドアは音を立てなかった。
 
音が出ても、それを止めなかったかも知れない。それほど、俺は追いたかった。二人の姿を。
 
眩しい。半年振りに浴びる直射日光。
 
ペントハウスの裏側は病院の洗濯物を干すスペースがあり、今も数多くのタオルが真っ青な空の下舞っている。
 
高鳴る鼓動を感じながら、だがあくまでも慎重に、俺はその洗濯物を迂回した。
 
二人のいる場所が、なんとなくわかったからだ。
 
そして、その予感は当たった。ついに、二人の姿を見てしまった。
 
俺が潜む洗濯物の幕から10メートル先。
 背後に自分たちが住んでいる街を望む、金網の前のくたびれたベンチ。

 そこに、裕未と康介は座っていた。
 
康介の上に、裕未が。
 
眩しかった。眉をひそめて口をつぐみ耐える横顔が。白い肌が。
 
はだけられた夏の制服に沿って垂れる真白いブラが。そして、乳房が。

「ん……んふ、んっ」
「なあ裕未、気持ちよくなってきたんだろ、な?」

 
右手でスカートの中を、左手でたわわな乳房を弄んでいる康介が、奇妙な笑顔を浮かべて尋ねる。

「ん、くっ……ふ、あっ」

 
言葉では、答えはなかった。しかし、裕未のきれいな首が、その言葉と同時に上に反った。
 
康介の手のひらによって歪められた乳が、それに同調して少し、揺れる。

「ハッハッハ。まあ、何でもいいけど」

 腰の上の裕未に囁きかける声。勝ち誇った、声。

「じゃあ、ここにもうちょい汗かかせてあげるよ」
「ひ、い……っ!ひ、あ、あんっ!」

 短いチェックのスカートが、小刻みに上下する。
 差し込まれている指先の動きが、変わったのだ。風のそよぎとは、違う。


「あー、いい感じだよ裕未。裕未のここ、どんどんヤラしくなってく」
「いや、あん……っ、く、うんっ!」

 ますますスカートの動きが激しくなる。いや、違う。裕未が動いているのだ。
 侵入して来る康介の指先に向かって、裕未のどちらかといえば小柄な身体が、ゆっくりとくねっている。
 こんな状況で、こんな場所で、今さらになって思う。
 もう少し、その小さな身体を抱きしめてあげればよかったと。


「あ、あんっ!もう、ダメぇ……」
何がダメなの?おっぱいが気持ちよすぎて?それともオマ○コが?」
「やあ、んっ……ヘンな事、いわな……あうんっ!」

 裕未の言葉を待たずに、康介はぐいぐいと強く揉む。
 
遠慮なく健康的な脚と脚の間をまさぐる。
 
途切れる裕未の声がさらに甘く、艶っぽくなる。
 
そして、俺の物はさらに遠慮なく。

「あー、気づいてる?俺のもすげー大変になってるんだけど?」
「んんっ……そんなの、知らない……っ、はあんっ!」
「ウソ言えよ。お尻に当たってるだろ?俺のチ○ポ。な、言ってみ?」
「いや、言わない……っ」
「なんだよ、外でやってるから恥ずかしいの?昨日も言ってくれたじゃん」

 昨日、裕未が、どうした?
 激しい頭痛が、俺を襲う。それは、直射日光のせいじゃなかった。

「そっか。やっぱあいつの近くじゃ言えないか。ハハハッ」

 勝ち誇った声。俺がすぐそばにいる場所で、裕未を抱く。
 
たとえ、裕未が何かを許さなくても、その大部分は康介の手の中にあるのだ。

「じゃあ代わりにさ、舐めてくれる?」
「い、やっ」
「あーあ。裕未の口、おいしいんだけどなぁ」

 心臓の鼓動が早くなる。激しい運動をしてるわけじゃない。どこかに、血がどっと流れ込んでいる。だから。

「まあいいや。じゃあ、やっちゃいますか」
「……っ」

 その言葉が耳に届いた時、俺は自分のモノをしっかりと握っていた。
 
二人がつながろうとしている瞬間、手のひらに感じる自分の鼓動。

「じゃあ、裕未ちょっと手伝ってね……ほら」
「やあっ……は、あんっ!」

 裕未の腰が浮いた。腰を浮かした。
 そして、今までその裕未の中心を弄り倒していた右手が、裕未の右手を掴む。

 それはまるで、そうする事が当たり前のように、沿う。

「はーい、いっしょに俺のチャックを下ろしてくださーい」

 バカ声。だから、その聞きなれた金属音を聞かずにすんだ。

「出てきたよ。ほら、裕未の好きな奴……」

 今度は一転して、低い囁き。

「あ、やっ、ああっ……」

 裕未は、何かに嘆息した声。裕未はその指先で、俺はしっかりとこの目で、それを感じた。

「俺、やっぱいつもより興奮してるかも。わかるだろ、裕未」
「あ、う、うっ……」
「何でかなあ、こんなになっちゃってる。やっぱ……あいつのすぐ近くだからかな」

 続く笑い声。こんなになっちゃってる物を、裕未の指先は、離さない。
 
高まる敗北感と、高鳴る興奮。
 
なのに俺は、裕未のこれからの姿を、見たかった。見たかった。

「じゃあ、入れちゃうよ。裕未のだーい好きなこれ、入れちゃうよ」
「やっ……あ、あ、あ、あっ」

 浮いた腰を、右手一本で見事に沈ませていく。まだ左手は、胸を揉み続けているままだ。
 
稚拙な、余りに稚拙だった自分と裕未のつながりを一瞬思い浮かべて、すぐに忘れた。

「やあっ、はいって、くるぅ……」
「そうだよ。俺のチ○ポがどんどん入っちゃってるよ。裕未のオマ○コにね。へへ」
「や、あんっ……!」

 短い喘ぎと同時に、瞳を閉じた裕未の首が左右に振られた。
 
でもそれは、きっと拒否のジェスチャーじゃない。

「あー、きもちい。裕未ん中、すっげえ気持ちいいよ。なんか、じくじくしてる」
「あ、は、あっ……じくじく、ってヘン、だよ……はあ、んっ」
「いいじゃん。他に言いようがねえもん。あー、いい」

 やっと静止した腰の下降運動。代わりに、俺が見たことのない二人の表情がしばらく続く。
 悔しくて、悔しくて、自分のを握る力が、擦る力が、強くなる。

「ね、裕未。動いていい?動いていい?」
「……」
「言わなきゃわかんないよ。動いていい?早くしないとあいつが、来ちゃうかもよ」
「そんなこと、言わない、で……っ」
「やっぱ、ヤバい?あいつに見られると、ヤバいの?ヘヘヘッ」

 見てるんだよ、俺は。
 好きだった女の子が、親友とセックスしてる所を。

「ま、冗談だけど。俺4時から塾だから、動くね」
「動く、の?あ、くう……!」

 それは明らかに、喘ぎ声。俺の聞いたことのない裕未の声。

「すご……イイよ裕未。裕未の中、すごくイイ。あー」

 康介の右手はスカートを纏った裕未の腰をしっかり持って、激しく揺さぶる。
 左手はみずみずしい裕未の乳房を、あらん限りの力で歪める。
 どれも裕未に似合わない激しい動き。でも、それをしっかりと受け止めているのは裕未自身。
 小さい、可愛い、俺だけのものだったはずの、裕未。

「いっ、は、ああ……こんなのっ、あ、うんっ!」

 ベンチの上。康介の上。裕未は身体をくねらせて、康介の激しい攻撃に耐える。
 不安定な態勢で縋っているのは、ベンチの背。そして、肌に這う男の両手。

「うわー、なんでかなぁ。裕未の中、いつもより全然いいよぉ。熱いし、締めてくるし」
「やあっ、うそ……そんなこと、ないっ……あ、は」

 振り返って、康介の顔を覗き込む顔。初めて見たとき、胸がマジできゅんとなった、裕未の顔じゃない。
 それはオンナの顔。だから俺は、またチ○ポを握る。そうする事が最善だと思った、裕未の表情。

「うん、うんっ……!ああ、こ、こうす、け……くんっ」

 名前を呼んだ。甘えまくった声で、俺の名前とまるで違う名前を。

「裕未ぃ……すげえ、すげえやらしいよ。うわ、あっ、気持ちイイ……っ!」
「やん、やあん……っ、そんなに、しない、でっ」
「やだ、する。裕未、すげえやらしいんだもん……うわあ、おおうっ」
「あっあっ……くう、うんっ、ダメ……ダメぇ……っ」

 左手に捉えられていない右の乳房が、はだけられた白い制服に隠れ切れずに跳ねる。
 態勢が崩れ、前のめりになる白い身体。乳房も、顔も、髪も、歪んで俺の目に映る。
 どうしたいとか、どうしようという結論が出ない混乱の中、その歪んだ裕未の姿を、ただ熱く見つめる。
 たまらなく、美しい姿。高まってくる、熱い液体。

「うー。俺、なんかやばいよ……裕未すげえし……あ、あっ、あー」
「い、いい……んっ、こう、すけ、くうんっ……あ、はあっ!」
「裕未もイクの……?ハハッ、あいつのすぐ上で、イッちゃうんだ……あーっ」
「ひっ、あっ、イイの……ここでするの、がっ……気持ち、イイ……っ!」

 裕未の衝撃的な言葉。しかし、もうどうでもよかった。
 俺も必死に、裕未と康介に追いつこうとしていた。

「あ、あーっ……裕未、イクよ。俺、イク……な、中で出しても、いいっ?」
「だ、ダメぇ……それだけ、はっ……そ、外にぃ、出し、てっ!」
「外なの!?くうーっ、しかたないかあ!」
「あ、あんっ!絶対、外、だからねっ!い、い……っ!」

 一瞬だけ、また甦ったあの日の記憶。冬の寒い日、暗い部屋、稚拙な交わり。
 ただ一つ。あの夜の裕未は、俺のほとばしりを身体の奥で受け止めた。
 それにささやかな、しかしすごく奥深い喜びを感じた。
 しかし、そんな喜びは今ここで消え去った。
 俺の知らない夜、康介が何度裕未に注いだか分からない。
 
康介の精液は、俺のくだらない幸せを帯びた精液を洗い流し、裕未を汚し切ったに違いないのだ。
 たった今、裕未が中出しを拒否したからといって、それには何の価値もない。
 だからこそ、俺は二人をこんなにも乱れた視線で見つめる事ができるのだから。

「イクよ裕未、あー、あーっ!」
「あんっ!康介くんっ……外に、外にぃ……あ、ひ、いいいっ!」

 追いつくことが、できた。
 
康介の両手が離れたことで完全に前のめりになった裕未の小さな身体。
 
まくれたスカート。はだけた夏の制服。そのすぐ後ろに、赤黒い康介の。康介の。

「いっ、ひっ、あっ、はっ……」

 白いものが飛ぶ。空中を見事に飛んで、裕未の制服を汚す。
 こちらは、情けないことに、ぽたぽたという音しか拾えない。自分の足元を濡らす、しずく。

「はあっ、あ、はあ……っ」

 きっと自分の服が汚れる音を、裕未は聞いたに違いない。
 
しかし裕未は、ベンチの前で四肢をぶざまに突っ張り、荒い息を吐くだけ。

「よかったよ、裕未。すげえ、最高だった……」
「ん、ん……っ」

 そんな裕未の身体を強く引き寄せた康介。小さな顔を両手で抱えて、口づけ。
 それを合図に、俺はその場を離れた。でも、病室に戻る気力もなかった。
 眩しい陽光の下。二人からも、ペントハウスからも離れ、やせ細った自分の体を隠す機械室の陰。
 目を閉じ、荒い息を整えているとしばらくして、あの鉄製のドアが閉じる音がした。


 医者から「あと3ヶ月の命」と言われてもう2ヶ月。
 
俺は自分の住んでいた、そしてもう戻ることのない町を屋上から眺めている。
 
きれいだったよ、裕未。
 
康介に抱かれてるお前、すごくきれいだった。
 
俺が好きだったお前よりも、ずっと。
 
もう2度と抱きあうことも、手をつなぐことすらできないから。
 
康介が裕未につけた、制服の染みみたいに。


 見つけた。康介が先に出てくる。その1mあとをゆっくりついていく、裕未。
 
ここからなら。
 
言えなかった「来てくれてありがとう」の代わりに。
 俺は最後の力を振り絞って、鉄柵から体を躍らせた。
 風が気持ちいい。
 あ、裕未が気づいた。近づいて来る、裕未の恐怖にこわばった顔。
 裕未、そんな顔しないでよ。
 俺はただ、君に覚えていて欲しいだけなんだから。
 康介の染みと一緒に、俺の染みも。その眩しい、夏の制服に。

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