記事一覧

シン・仮面ライダー

 シン・仮面ライダーを見てきた!ので感想書く。

※自分の現在ステータス
・公式サイトすら見ていない予備知識ゼロで本編見た。
・パンフまだ読んでない。
・ネタバレ感想一切見てない。
・伏せられてないレベルの呟きはリツイートされてきた分だけ見た。
・古いオタクではあるが庵野マニアではない。
・昭和ライダーは子供の頃に漫然と見ていた程度で、大人の視点で改めて見返したことはない。youtube配信すら避けてる。

 こういう人間の漫然とした&大雑把な私感であって、さほどちゃんとした感想ではないです。
 とはいえネタバレはあります注意。あと多大なる自分語りを含有しています。

続き

 シン・仮面ライダー、自分的にはめっちゃ良かったです!
 見る前に流れてきたバレ無し範囲での感想&お勧めツイで「庵野ー!!」「全裸」「パンツ」「シンウルこれに比べたら全然マニアックじゃなかった」とか言ってた人達に対しては「お前ら営業妨害だからちょっと黙ってろ」としか言いようがないくらい好きなノリでした。
 マニアックがどうか解るのはどマニアだけだよ。それほど詳しくない人間だけど十分面白かったよ!

 冒頭のトラックの迫力でまず鷲掴みにされたし、最初の戦闘時のBGMで主題歌のイントロが流れた時にはやっぱ血が煮えた。何せ昭和サウンドの仰々しいイントロ大好きなので。
 とはいえこれは私が若くないせいだけではないと思う。ウルトラマンで例えると、「オーブの祈り」の高見沢サウンド爆発のあのイントロは絶対要るでしょ? アレいきなり歌から入られてもなんか違えってなるだろ? 「帰ってきたウルトラマン」のイントロの「パァ~~~パララッラッタター」もなきゃ駄目だろ?? そういう感じですよ。

 でもって池松壮亮演じる本郷猛もよかった。原作のパワフルな藤岡弘。とは全然違うんだけど、あの世界観ならなるほどああなるよなあ。
(あのもっさりおどおどしたビジュアルを最初に見た瞬間「実験人形ダミー・オスカー」の渡胸俊介に似てるな……と思ってしまったのは内緒だ)
 本郷がなんか小刻みに震えてる点に関してはちいかわ呼ばわりされてたのを見たり、真面目な考察では「暴力に慣れない緊張性の震えなのかな」みたいなのも見た気がするが、個人的にはあれはプラーナの力を制御出来てない状態の表現じゃないのかなと思った。
 何でって言うと、電波全開状態の自分があんなだからです。
 私普段の安静時脈拍は一分間98くらい。それが電波ってると安静時140くらいになる。その状態で外歩いてると多分160は軽く越えてる。で、安静時120くらいからああいう震えが出るのが常なんだ。
 頻脈で酸素の供給が過多になると頭がめっちゃ回って身体も早く動ける代わりに身体的負担が大きくて、使い切れない余ったエネルギーが震えとして発散されてる感があるんだよね(あと脳内物質の過剰分泌で、震えと共に吐き気も止まらないし過負荷で頻繁に鼻血が出る)。
 作中で本郷が「プラーナの練りが足りない」みたいなこと言われてなかった?あれはつまり制御がまだ下手で無駄に洩れてる分があるってことなんじゃないかと。
 物語が進むにつれ覚悟も決まり震えも目立たなくなっていくので、メンタル連動である可能性は否定しない。でもそれ以上に上記の物理的な理由のように見えた。私には。

 でもって割と冒頭の方でいきなりロボット刑事Kがいたのでちょっと驚いた。とはいえKの内容全然知らんので特に何の問題もなかった。
 ただKの存在だけは知ってたおかげで「一郎さん」って聞いた瞬間「キカイダー01か?」と思ってしまったが関係なかった。むしろチョウオーグだったのでイナズマンかも知れない(多分違う)
 チョウオーグはあの謎めいた動きは優雅で良かったなあ。立ち上がると背中からプラーナ?の糸がフワァ~っと出るのも何か好き。
 最初あのシーン見た時は、なんかナディアのネオ皇帝みたいだな……と思った。そしたら後のシーンであの椅子と背後の板?柱?がプラーナの急速充電器と明かされたので「やっぱネオじゃん!」ってなった。ネオ皇帝、意に染まぬサイボーグ延命で思考を制御されてて、玉座から立ち上がったら背中にぶっといコンセントのコードが刺さってたんだよね……

 あと、例の政府の男二人が出てきた時「これ神永じゃないよな違うよな……!」ってしばらくドキドキしたけど、割と早い段階で瞬きを確認して「あ、違うよかった!」とほっとした。
 これは何つーかこう、ライダー大戦とかでクウガとブレイドと555が他ライダーに混ざって闘ってるのを見るにつけ「やめろ白倉! 五代くんと剣崎と巧はもう戦いに駆り出さないでくれ……!!!」ってなるのと多分同じ気持ち。

 でもってプラーナをライダーのヘルメットに保存とかあの辺に関してはまあ、「庵野!」って言いたくなる人の気持ちはちょっとだけ解った。だが見ようかどうしようか迷ってる人を無駄に尻込みさせるだけだからやめろ!とやはり言わざるを得ないのだが。
 どうも庵野作品には「死を受け入れられない人(ゲンドウ)」と「そのまま死なすべき命を無理矢理延命保存する(ネオ皇帝)」「延々と複製し続ける(綾波)」「魂の在処を模索し続ける(シンウルもちょっとそういうとこある)」みたいなのが妙に多い。これは服が臭うと指摘される例のシーン以上になんかトラウマを感じるのは確か。
 まあ何かっちゃーキャラを永遠させたがるのが癖の私が言えた義理じゃないのだが、それでもヘルメットのあの辺関連はやっぱりなんかこう、来るものがあったよな……
(私はハーロックのアルカディア号にトチローの魂が宿ってるって設定も大好きなので。とはいえそこで魂は機械に宿るのか否か、それは本当に本人と言えるのか、そもそも魂の有無をどうやって証明するのだ問題でぐるぐるし始めてしまうのも業なのだがな……)

 あとこれは完全に偶然なんですが。
 私しばらく前から別のところで「青年と幼女の逃避行ロードムービーが好き」って話を延々としてたんだよね。
 で、その青年と幼女コンビっていう業の根幹はこれなんだけど↓

「ブラッドジャケット」古橋秀之
https://www.amazon.co.jp/dp/4073064088/
「くくり姫」佐々木禎子
https://www.amazon.co.jp/dp/489456940X/

 今回の本郷とルリ子は正にこのパターンだったので茫然とした。水子の魂百まで踊り忘れず!
 いやルリ子全然幼女じゃないけどさ、知恵はあるけど肉体的な耐久性は低い女の子と、爆発的なパワーを秘めてはいるけどそれを制御出来ない青年(大人しさとコミュ障で力を発揮出来ない系がブラジャケで、詐欺師並みのコミュ力はあるけど行動がヤバい方に全振りされてるのがくくり姫)って、本郷とルリ子は正にブラジャケのパターンじゃん!っていう……

 大体こんな感じで、シン仮面ライダーはめちゃめちゃ好きな方向でした。
 一文字もハチオーグも良かったけど、今は咄嗟にそこまでは語りきれぬ……でもラスト戦い終わった2号の腕のラインが二本になってるとこはおおっ!ってなった。
 血肉が飛び散るのは全然平気だったなあ。よく引き合いに出されてるゾンズでも、一番辛かったシーンはバイオレンスじゃなく、フクさんのお母さんが感染するとこだったし……

 そんな訳で、DVD出たら絶対買う。余力があったらもう一回見に行きたいなあ……!!


追記:なんか世間の人は新仮面ライダー見て「結局エヴァで人類補完計画なのかよ!」って思ったっぽいけど、私にとっては人類補完計画自体が全然目新しいものではなかったせいか、そこら辺は全然思い出さなかった。
 何で目新しくなかったかというと、それより前には「伝説巨人イデオン」があって、それ以前には諸星大二郎の「生物都市」が(略)まあそういう訳です。