◇ 神双とイオソと+α、日々のドタバタ・その3。 ◇(↑new old↓)
◇ 神双必殺技編 ◇
学校の帰り。ソードと入れ替わって出てきた双魔が、同じく入れ替わった神無に言った。
「僕、今日ソードさんと神社に寄ってから帰るから」
「神社?」
「うん。ちょっと裏暗黒魔闘術の修行しようと思って」
「お前がやる気出すとか珍しいな‥‥」
普段はなるべく戦闘を避けようとするくせに‥‥と神無が怪訝に思っていると、案の定。
「言っとくけど戦う練習じゃないよ」
「? じゃあ何だ」
「魂を使う時の、集中に必要な時間を極力減らしたいんだよね。それでタイムラグ無しに、ボールくらいのものをポンと出せるようになりたいんだ」
「ボール?」
「そう。それを出した勢いで相手を吹き飛ばして、その間に逃げるっていうのが今は一番無難かなーって」
「結局後ろ向きなのか‥‥」
「でも、普通の人間相手にあんまり強力なものは出せないし。だからって絡まれる度にソードさんに任せてたら、いつか前科ついちゃいそうだし」
「‥‥‥‥(まあ、自分で何とかしようって気になっただけマシか)」
「予備動作とか集中時間を極力ゼロにして、無造作にポンと出せるようになるのが理想なんだよね。でも力加減とか大きさの調整がなかなか難しくて――」
と、両手で何かを押し出すような仕草を試している双魔に、神無が一言。
「‥‥それ、相手に『かめはめ波出した』と思われないか?」
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
いかにもオタクとか嫌いそうな金髪ヤンキーから、そんな台詞がサラッと出ちゃうドラゴンボールってすごいよね‥‥と、思わず遠い目になってしまう双魔であった。
(どうせならサンデー漫画で例えられないか!と思ったが、「同種のバトルもので」「オタクじゃなくても誰もが知ってるレベルのサンデー作品」をどうしても思いつけなかった‥‥)
(2012/04/30日記)03-10
◇ 神双逆流編 ◇
日曜日。何やら慌てた風情で出掛けようとしてる双魔を、神無が玄関で呼び止めた。
「出掛けるのか」
「うん、ちょっとマンガ喫茶行ってくる!」
「何かあるのか?」
「ほら、ここしばらくはソードさんが身体使ってたじゃない」
「? ああ」
「それで原作のマンガを読む暇が無いうちに、ノベライズのスピンオフが好きな作家の新刊として発売されちゃって‥‥」
「スピンオフ作家のために原作読むって邪道だな‥‥」
「えー、映画もアニメも必ず原作を読む主義のどこが邪道?」
「スピンオフが無けりゃ一生興味なかった原作なんだろうが」
「そんなこと言われたら、ダーレス派生がなかったらラヴクラフト本編に行き着かなかった人なんかどうしたらいいのさ。国書刊行会の本って高いんだよ。新紀元社のつまみ食い本から入るのもやむなしだよ! そもそも聖書や魔導書だってほぼ後世の編纂だから、まずそこから入って未収録の偽典や外典なんかに当たるのはごく当たり前の――」
「‥‥待て、何の話だそれは」
「‥‥ともかく、僕は派生から入っても必ず原典に当たる主義だから。ってことで」
「(‥‥訳の解らない理論武装で煙に巻こうとしてるな‥‥)」
「神無だって、レッドウィングに合うかどうかでバイクとメット選んでたじゃん。靴優先ってバイク乗り的には邪道じゃないんだ?」
「‥‥解った行け」
「じゃ、行ってきまーす」
そうして双魔が出掛けた後、魂サイズのイオスが出てきて、挫折気味の神無にぼそりと一言。
「‥‥よく解りませんけど、それ本当に同レベルの問題なんですか?」
(2012/03/31日記)03-09
◇ 頑丈とひ弱の境目編 ◇
ソードと神無のある日の会話。「‥‥言っておくが」
「? 何だよ」
「双魔が弱気で非力なのは確かだが、微塵もひ弱じゃない。むしろ頑丈な方だ」
「あァ?」
「お前、ローパー騒ぎの時、屋上から落ちて入院しただろう」
「それが何だ」
「イオスは『中身が悪魔の魂だから助かった』と思ってたようだが、元々だ」
「へ?」
「すぐ転ぶし事故るのは昔っからだ。‥‥が、死んでも不思議じゃない状況でも、いつも擦り傷や捻挫止まりなんだ、あいつは」
「‥‥待て、どういうこった?」
「小学生の頃、双魔が頭から流血して帰ってきたことがあってな‥‥『また苛められたのか』って聞いたんだが」
「それで」
「あいつ、平気な顔で『車にぶつかった。今日のおやつ何?』って冷蔵庫を開けようと――」
「食い意地張りすぎだろ!」
「勿論おやつどころじゃなく、血相変えた親父が病院に連れてったんだがな‥‥」
「‥‥それ、転んだ拍子に止まってた車にぶつかっただけ、ってオチじゃねえだろうな」
「いや、親父と双魔が出てった後、『さっきの子供はここの子か』って車の持ち主らしきおっさんが泡食って駆け込んできたからな‥‥本当に人身事故だったらしい」
「‥‥‥‥」
「今までだって、お前がどれだけ無茶しても、骨折したり手術したりは無かっただろう」
「あー‥‥そういやそうだな‥‥」
「幼稚園の時に二階の屋根から落ちた時も、尻と脚に痣作っただけだったしな。‥‥まあ、素で屋上から落ちたら流石に骨折くらいはしたかも知れんが」
「‥‥‥‥‥‥(←そういや双魔、フェンネルにもタフだと言われてたな‥‥と思い出している)」
「‥‥そんな訳だからな。お前抜きでも、双魔は元から相当に打たれ強い方なんだ」
「‥‥‥‥‥‥‥‥(←神無だけが特別バケモノじみてた訳じゃなかったのかよ‥‥とショックを受けている)」
「今にして思うに、俺の腕力に当たる領分が、双魔には頑丈さとか打たれ強さとして配分されたんだろうな‥‥」
「‥‥‥‥‥‥‥‥(←「魔族=人間より強い」というアイデンティティが一気に揺らいでさらにショックを略)」
なお、神無がどこまで話を盛っているのかは、定かではない‥‥
(盛っていないかも知れない)
(2012/03/11日記)03-08
◇ 風邪引きソード編 ◇
というか、イオソ神双まとめて四人が風邪っ引き。ソード&双魔は、耐久力の高いソードの方が本体を引き受けて寝込んでいる。
(イオス&神無は、例の如くイオスが闘病を押しつけられている模様)
「うー、頭痛てー、死ぬー‥‥」
とかベッドで唸っているソードの元へ、がちゃりとドアを開けて現れたのは、何故かコウモリネコ(人型)であった。
「――ソード、風邪薬持ってきたニャー」
「あ? なんでテメーが薬とか持ってくるんだよ」
「イオスと神無に頼まれたニャ。これを飲むと治るからと言ってたニャ」
「ていうかイオスなら天使パワーで風邪くらい直せるんじゃねーのかよ‥‥」
「風邪は治せないって言ってたニャ」
「あー‥‥あいつも雪山行ってきた時は、オレと一緒に風邪引いてたしな‥‥」
「‥‥(でもそういえば魔界では、ものすごい大怪我も神無と入れ替わったら治っていたニャ‥‥なのにニャんで二人とも風邪は治せないニャ‥‥)」
双方共が釈然としないながらも、ソードがどうにか薬を飲み、再び寝床にもそもそと潜ると、
「あとはアンセイにしているニャ」
と、ネコが額に掌を乗せた。
「うお冷てッ!」
一瞬飛び上がってからよく見れば、変身後でも手足だけ猫(巨大)なので、そこにはひやりもにりとした肉球が。
「よく冷えるニャ」
「うーん‥‥」
まあネコなりの恩返しのつもりなんだろうなー‥‥と思うことにして、肉球氷嚢(?)に冷やされておくソードであった。
「‥‥でもぬるくなるの早ぇな、これ‥‥」
(イオス・神無編に続く、かも知れない)
(続かないかも知れない)
(↑とか言ってたら、2012年の夏コミ本「SICKS」に続きました)
(続かないかも知れない)
(↑とか言ってたら、2012年の夏コミ本「SICKS」に続きました)
(2012/01/19日記)03-07
◇ イオスの暗黒料理術編 ◇
人間界に来て以来、すっかり料理にはまったイオスが、今日も何やら制作中。しかし、それを食卓の上から見ている魂サイズ神無は、どうしてかやや渋い顔。
香ばしい揚げ物の匂いに釣られ、ソード&手乗り双魔がふらふらとキッチンにやってきた。
「イオスさん、今日は何作ってるの?」
「揚げワンタンですよ」
「揚げワンタンって何だ」
「ワンタンを揚げたものに決まってるだろう」
「そのまんまじゃねーか!」
「でも他に説明のしようがないよね、確かに‥‥」
などと言い合っているうちにワンタンが揚げ上がり、大皿に山と積み上げられる。
「おお、美味そうじゃねーか!」
「イオスさん、中身は何?」
「中身は、チーズのものと、挽肉ダネのものと、レバーパテと――」
「よーし、食うぜ!」
「――その中に、四つばかりモンプチが隠れています」
「ナニ?!」
「あー‥‥久し振りだね、イオスさんのロシアンお総菜ネタ‥‥(だから神無渋い顔してたんだ‥‥)」
「‥‥気にせず食ったらどうだ、ソード」
「うー‥‥~~~~~!」
と、苦悩しているソードの前に、コウモリネコがひょいと現れ、
「――これニャ!」
さくっとモンプチワンタンを選び出し、パリパリと食べながら去っていった。
「おお、でかしたぜネコ!」
「さすが猫の嗅覚は侮れませんね‥‥」
「ていうか何でやたらとこのネタ好きかな、イオスさん‥‥」
「‥‥‥‥(←もう何を言う気力も食欲もない)」
(最近すっかり忘れられがちですが、コメディにおける当方のイオスは嘘つきまくりの餌付けキャラです)
(前には苺をくり貫いてアーモンドを仕込み、「品種改良前の苺には種があるんですよ」などとソードを騙していたよ!)
(前には苺をくり貫いてアーモンドを仕込み、「品種改良前の苺には種があるんですよ」などとソードを騙していたよ!)
(2011/11/30日記)03-06
◇ 飼い主は誰だ編 ◇
双魔ちょっと苦悩する。いつかソードさんが悪魔に戻ったら、ナナちゃんを連れて行っちゃうのかな、と。
そしたらお父さんには何て言おう‥‥と悩んでいたら。
「その頃にはいい加減、オレ達のことも親父にバレてるだろ」
「え?」
「だから堂々とオレがネコ連れてくって言うから安心しろ」
「いや、そういう問題だけじゃなくて‥‥」
「ま、こっちにもたまにはネコ連れて遊びに来てやるからよ」
「ほんと?!」
「でもまあシバが復活したら、あいつのところに返す予定だけどな」
「え!」
「だって元々あいつの使い魔だしなあ」
「ああああ‥‥!」
「泣くな!‥‥しょうがねえな、そん時ゃたまにどうでもいい手紙とか届けて、こっちに顔出させるようにシバに頼んでやるから」
「‥‥‥‥(それ何てリアルポストペット‥‥)」
(デビ連載中はポスペ全盛期でした)
(2011/11/18日記)03-05
◇ 双魔の悪魔文字研究編 ◇
何やら一心不乱にPCを操作している双魔。そこへ手乗りサイズソード(魂)が、ひょこりと顔を出して聞く。
「お前、この前から何やってんだ?」
「悪魔文字の編纂だよ」
「へ?」
「ほら、ソードさんの魂のおかげで、今は僕も悪魔文字読めるじゃん? でもソードさんが身体を取り戻して僕から出て行った後、文字読めなくなってたら嫌だなあと思って」
「あー‥‥(てことはもしかしてオレも、双魔の身体離れたら日本語読めなくなるのか?)」
「だから今のうちに悪魔文字のフォント作って、解る範囲で文字解説とか言語体系とかまとめておいたらいいんじゃないかなって」
「辞書みたいなもんか?」
「そうだね、和英ならぬ日魔⇔魔日辞書いいかも!」
「じゃあいつかオレが日本語読めなくなっても安心だな!」
「あ、でも紙媒体は大変そうだから、出来れば簡易変換ソフトとか作りたいなあ。グロンギ語変換みたいなやつ」
「ナニ、お前そんなものも作れるのかよ?!」
「すごーく簡単なやつならね」
でもモバイル持って変換ソフトをピコピコ操作してるソードさんは想像出来ないなあ‥‥そもそもその時には、キーが日本語・アルファベット表示の機械を使いこなせない気も‥‥
などと双魔が苦悩していると、ソードがにわかに目を輝かせ、
「じゃあもしかして、いつか悪魔召喚プログラムが送りつけられてきても、間違ってるとこなんかをその場で修正して、もっとすごいのに作り直したりも出来るのか?」
「‥‥ソードさん、それ何て真・女神転生でガンダムシード‥‥(何でそんなもの知ってるんだろう‥‥)」
(双魔は大ネタ「真・魔王転生」に向けて、悪魔文字フォント・
簡易辞書・データベースっぽいものをちまちま作成中です)
(2011/09/28日記)03-04
◇ 神双パンツ編 ◇
「何故か女子のパンツは横縞で、男物は縦縞だよね」「ていうか縞パンツ履いてる女なんて実在するのか?」
「遭遇したことないんだ?」
「無いな」
「‥‥(断言するソースは何人分なのさと問い詰めたい気持ちをひとまず抑える)‥‥でも、縞ガラは普段用で、神無が遭遇したのは全部勝負パンツって可能性も」
「勝負パンツとか言って風俗みたいな悪趣味なパンツ履いてくる女はお断りだ‥‥」
「聞いてない! そんなこと聞いてないから!(どんだけ遭遇したのさと問い詰めたいくらい、本気でげんなりしてるなあ‥‥)」
「そもそも何でオタクは縞パンツにこだわるんだ」
「えーと‥‥理由は不明だけど、何故か伝統的なフォーマットなんだよね、アレ」
「そんなに好きならコウモリネコにでも履かせとけ」
「(いや、僕がそのガラ好きな訳じゃないけど‥‥)ナナちゃんはパンツ履いてないよ、猫だから」
「変身後に履かせればいいだろうが」
「でも、猫だから‥‥地毛が既に縞模様だし」
「‥‥(変身して服着てもノーパンなのかよ)」
「ところでシェキルさんってどんなパンツ履いてた?」
「‥‥何だいきなり」
「天界のパンツってどんなのだかちょっと気になって」
「そんなこと後でイオスに聞けよ‥‥」
「リアルな目撃例を聞きたいです」
「‥‥覚えてねえ」
「何で!」
「そんなもんにチェック入れるような属性持ってねえよ‥‥今度確認してやるから勘弁しろ」
「あああそう言われると何だか聞きたくないような‥‥!」
(外伝に出てきた女の子の天使は、褌というか下帯というか、そういう感じのものを履いていたので、多分天界では男女兼用でそんなのだと思いますが。<十字架のキリスト像が履いてるアレですね)
(2011/09/20日記)03-03
◇ エロ本の謎編 ◇
双魔の部屋の混沌の中。貧乳ロリだのネコ耳だのの薄い本の山を蹴散らして、ある日突然ソードがキレた。
「てめえのエロ本は趣味悪ィんだよ!」
「えー、そんなこと言われてもー‥‥」
「くそ、なんかムカつくから神無の部屋も探しに行ってやる!」
「あ、でも神無の部屋ってエロ本ないよ」
「何でねーんだよ!」
「いや、それは神無に聞いてよ‥‥」
「‥‥ていうか既に探したことあんのか、お前」
という訳で、ぴよぴよ浮いている手乗り双魔(魂)を引っ張り、神無の部屋に押しかけると、中から出てきたのはイオスだった。
「よし、エロ本を出せ!」
「な、何ですかいきなり。‥‥ところでエロ本ってどういうものですか」
「え、そこからなんだ‥‥」
「あー‥‥女の裸とか載ってるような本ねえか?」
「えーと‥‥水着的な半裸くらいの表紙の本ならあったような気がしますが」
「えっ(前は探し尽くしても無かったのに!)」
「よし、出せ!」
「確かこの山の中に―――」
と、イオスが持ってきた雑誌はしかし。
「何かあんまりエロくねえな‥‥」
「‥‥イオスさん、これ筋トレ雑誌」
―――
「‥‥つーかほんとにねえのかよ、エロ本」
「ほんとに無いんだよね、これが‥‥」
「何でだ」
「それはちょっと秘密ということで‥‥」
「‥‥(てめえの秘密じゃねえだろうがよ)」
(筋トレ雑誌「Tarzan」は、美しい骨格と筋肉を誇るアスリート系の女性モデルが、露出の多いトレーニングウェアや水着姿で表紙を飾っています)
(2011/09/01日記)03-02
◇ 男のロマンって何ですか編 ◇
「そりゃーやっぱり美人のねーちゃん千人侍らせてだな(略)」「バイクでふらっと北海道まで行ってみたいもんではあるな‥‥」
「脳がパンクしない程度にヨグ=ソトースにアクセスして、ありとあらゆる知識を蓄えたい‥‥!」
「‥‥‥‥強敵と戦い尽くして死ぬことですね」
「‥‥え」「‥‥‥‥」「‥‥既に一回死んだだろ、お前」
‥‥そして沈黙が広がってしまった、天野家の居間の昼下がり。
余談。
「―――ロマンと言ったら世界征服だろう?‥‥その後の大破壊も捨てがたいが」
「‥‥テメエにゃ聞いてねえ」
「何でいつもうちの会話にアンテナ貼ってるんだ‥‥」
「サタン様、新世界作ったのにまだそんなこと考えてたんだ‥‥」
「いらっしゃい。アイス食べますか?」
「さらっともてなすんじゃねー!」「‥‥‥‥(溜息)」「(イオスさんって‥‥)」
(2011/08/04日記)03-01