◇ シバとソードの衣装攻防編◇



※既刊「Brilliant World」以降の、シバソード改変旧世界です。
外出する日の朝、シバが言った。
「王城に行く。これに着替えろ」
そうしてシバが渡してきた衣服は、やや装飾的な高価そうなもので、正直ソードには苦手な型のものだった。
が、
「魔王との謁見があるからな‥‥こちらにもそれなりの格式が要求される」
「あー‥‥(めんどくせえけどしょうがねーな‥‥)」

そしてまた別の日。
「公務の面談だ。お前にも同席してもらう。これに着替えろ」
そうして渡されたその服は、王城に行った時ほどではないが、それなりに凝った作りからして、やはり高価なものと解る服だった。
「しかも長袖かよ‥‥邪魔くせえなあ」
「公務だからな‥‥色々と―――」
「解ったよ着ればいーんだろ!」

さらにまた別の日。
「村の視察に行くぞ。これを―――」
「麓の村なら普段着でいいだろうが!」
渡された服を投げ返して、さすがに今度こそソードはキレた。
「大体てめえはいつも同じ鎧じゃねーか! 何でオレ様だけ毎度着せ替えられなきゃならねーんだ!! たまにはてめえも違う服に着替えろよ!」
怒りの勢いそのままに、ソードはシバの背後にあったクローゼットの扉を乱暴に開けた。
が―――
扉の向こうの衣装部屋には、いつも見慣れた同じ鎧がどう見ても軽く十着以上、ずらりと並んで立てられていた。
「‥‥‥‥‥‥‥‥」
「ちなみに手前のものは耐火炎攻撃用の素材で、その次のものは氷結耐性だ。その向こうのものは稀少な竜の鱗を素材に使ったもので、魔王に謁見するような格式の時にはこれを―――」
「そんなこと訊いてねーよ!」
(2014/01/22日記)

(破門された時の回想を見るに、シバは実際には普段着っぽいものは普通に持っているようですが、鎧は全部あの型の素材違いだったら‥‥という妄想)