◇ 2011残暑見舞いSS/双魔とシェキルの逆襲編 ◇



※2011神シェキ本の後日談/最終回以降はこんな泥沼の日々。
ある朝神無が目覚めると、両隣に双魔とシェキルが寝ていた。全裸で。
「‥‥‥‥‥‥」
昨夜は珍しく早寝したので身に覚えは全く無かったが、その時脳裏をよぎったのは、

1.理由はさておき、とりあえず両方やる。
2.双魔を叩き起こして締め上げる。<双魔の嫌がらせに違いない(断定)
3.見なかったことにしてこのまま出掛ける。

の三択だった。
どうせ双魔には何を言っても無駄なので、早々に2は除外。
それで脳裏の選択ボタンが、1と3の間をピコピコと行き来した数秒後、
「‥‥ん」
「うー‥‥あ、神無おはよう」
双魔とシェキルが同時に目覚めた。
‥‥どういう仕込みだ。と突っ込む間もなく、
「なるほど、『川の字』とはこういうものか」
「うんそう。面白いでしょ、人間界の風習」
「‥‥そのために人の部屋に紛れ込んだのか。寝てる間に」
「その話になったのが結構遅い時間だったから、神無もう寝ちゃってたんだよね」
「‥‥待て。いつ、何で、お前のところにコイツが来ていたんだ」
「予定外の余暇でこちらに来てみたら、もうお前は寝ているということだったので」
「だから僕の部屋でお茶してました」
「‥‥‥‥‥‥」
‥‥あのせせこましいゴミ部屋の隙間で大天使に茶。<しかもイメージは何故か正座。
という、いまいちずれたポイントで神無が目眩を堪えていると、
「起きた早々だが、そろそろ天界に出勤しなければならん。すまないが洗面所を貸してもらえないか」
「いいよー。何ならシャワー浴びてく?」
とか何とか話しながら、双魔とシェキルは床に散らばっていた部屋着を羽織り、和気藹々と部屋を出て行った。
「‥‥‥‥‥‥」
「あの‥‥大丈夫ですか?」
呆然としている神無の中から、ぴょこりと魂イオスが現れて聞いた。
「‥‥何がだ」
「ドラマでよくある、本妻と愛人が結託するいたたまれなさってこんな感じかと思いまして」
「‥‥そんな状況か?」
ていうかそんなドラマ見てるのか、イオス‥‥と、突っ込む気力も既にない神無であった。





「‥‥で、これの何がどう残暑見舞いなんだ」
「神無さんの肝が冷える話、ということでしょうか‥‥」
「‥‥‥‥‥‥」
(2011/08/18 内輪用暑中見舞い)

(何で双魔がシェキルの存在を容認しているのかという訳はちゃんとあるのですが、まだ書いてない本のバレにつながるのでまだ明かせない)