◇ 蟹にまつわるエトセトラ編 ◇
※パフィーの歌とは別に関係ありません。
※既刊「LIVING TIME」でちょっと書いた「サイクロプスは蟹の味」関連のネタです。
「前に食った蟹、旨かったよなー‥‥」※既刊「LIVING TIME」でちょっと書いた「サイクロプスは蟹の味」関連のネタです。
以前にとある漁港で食べた「蟹の味噌汁定食」を思い出し、ソード(魂)がしみじみと呟いた。
「あの時は濡れ鼠で冷え切ってたからな‥‥」
台風を追うソードに付き添い、千葉の海岸まで行く羽目になった神無も、確かに旨かった、と思い出して頷く。
「味噌汁になってない蟹だけでも美味しかったですよ」
「サイクロプスが蟹の味、っていうのはあんまり知りたくなかった情報だったけどね‥‥」
翌朝食べた土産の茹で蟹を思い出してほのぼのするイオスと、逆にげんなりした双魔をよそに、
「よし、サイクロプス狩りに行くぞ!」
と、ソードが突然宣言し、双魔は思わず飛び上がった。
「何故サイクロプス?!」
「思い立ったが百年目だ! 今夜のメシはサイクロプスの鍋にしようぜ」
「というかそれ、正しくは『思い立ったが吉日』じゃなかったですか?」
「いや、問題はそこじゃないだろう‥‥」
「そうだよ違うよ! そこは蟹でしょ?! 蟹を食べに行こうって言うところでしょ?!」
「サイクロプスの方が蟹より食いごたえがあるしタダだ」
「そんな無茶な!」
「無茶でも何でもやるんだよ!」
いつか見たようなやりとりに、流石に神無が助け船を出した。
「このイノシシ悪魔は言い出したら止まらないからな‥‥まあ、何なら俺がついていってやるから安心しろ」
「お兄ちゃん‥‥!」
うわー頼もしい!とキラキラした目を向けられて「やめろキモい」と素っ気ない神無は、しかしまんざらでもなさそうだ。
が、
「いやしかし、現状そう簡単に魔界には行けないでしょう。ひとまずは蟹でいいじゃないですか。お父さんに相談してから、私が買い物に行きますから」
現実を鑑みてそう取りなしたイオスに、双魔がうるうるとした目を向けた。
「優しいお兄ちゃん‥‥!」
「‥‥待て、俺の時との微妙な違いは何だ‥‥」
(2015/04/10日記)
(この後、「イオスは優しい兄貴で、神無は凶暴な兄貴だろ」とソードが突っ込んで神無に殴られます)