◇ 世界観覚え書き ◇
(このネーミング自体の元ネタはメガテンから)
しかし魔貨とは基本的に金貨なので、一枚あたりの貨幣価値がむっちゃ高い。
それでは流通が大変なので、公式には、金の含有率を下げた「半マッカ」「四分の一マッカ」という 切り下げ通貨が公式にはあって、非公式(庶民の流通用)には、それ以下の銀魔貨・銅魔貨がある。
(兌換というのとはまた違うのかな。あれは紙幣に使う言葉らしいので)
とはいえ、辺境とか、あまりにも下等な種族の間では、では「通貨」とか「流通」という概念自体があんまりなかったりするので、 物々交換が結構普通にあったりする。
(それもある程度平和というか、友好的・理性的な地域&種族相手にしか通じないけど)
でもって、通貨とか流通というのは、労働対価が保証されてないと一向に発展しない訳なので、 影サタン様並びに領地預かりの諸侯は、農工産業の保護には結構尽力していたりするのではないかと思われる。
元々魔族というのは、あまり勤勉に働いたりとかはしない、チカラ馬鹿というか頭に血の上りやすい連中が多いっぽいのだが、 そういうのは主に魔界軍に入れる。
で、戦闘には向かない非力な種族は、その分繊細な仕事が苦でなかったりするので、 そういうのを領地で保護してやる代わりに、農業だの工業だのという、地道な仕事に従事させる訳だ。
大体、魔界にいる連中だって、そこら辺の魔獣を狩って食ってりゃいいような種族ばかりではない。
例えば原作外伝のソードは、捕虜になった時、天界製のパンを全然普通に食っていた。
ということは、パンは魔界でも、ソードくらいの下層民(だよね、どう見ても)にとっても、 さほど珍しいもんじゃないということだと思われるし、麦、もしくは類似の穀物を育てて、それをパンにする奴がいることになる。
(ただソードの場合、パン、及びいいメシはシバの所で食い慣れてた、という可能性もある)
同様に、ソードが二話の回想で酒を飲んでたが、あの酒は何の酒だったのか。
仮に葡萄酒だとすると、葡萄を育てる農業従事者、あるいは野生の葡萄採集者と、ワインを作る職人が必要だし、 また、葡萄酒があるなら芋づる式に、それから作る蒸留酒がある可能性もある。
文明レベル的に中世っぽい書かれ方をしてる魔界だから、発泡性の酒(いわゆるビールとかエールのたぐい)が ポピュラーな酒である可能性もあるが、ソードの持ってた顔の付いた酒瓶は、形が不均等で発泡の圧力に 耐えられる容器ではないっぽいので、あれは違う種類の酒だろうと推測したり。
で、その各種の酒を入れる瓶は、陶製なのかガラス製なのか。
同じシーンでは、ソードの傍らに中身の透けるグラスがあったから、ガラス製食器があるのは間違いない。 ソウルガーディアンでも、七海とガーベラが出掛けた店(酒場兼食堂?)があり、色んな形の酒瓶があった。 瓶の素材は不明だが、どっちにしろ、食器を作る職人は存在するということだろうし、 店があったということは、商業流通と対価というのが成立してるということだろう。現金払いなのか物々交換かまでは不明だが。
服も皆、人間界から持ってきたとは到底思えない、魔界独自の中世っぽい衣装を着ているから、 そうなると、仕立屋と、機織りと、麻だの綿だの、繊維性の植物を作る栽培者は採集者が存在するということになる。
シルクみたいな生物製繊維なら、やっぱりそれも育てなきゃならない。生えっぱなしの植物繊維と違って、 虫の餌の管理まで必要になる。
魔界軍の鎧だの剣だのも、皮革職人と細工職人、鍛冶屋と鉱石掘りが必要だ。騎獣の世話係や捕獲、 繁殖業者だって要るだろうし、大砲や箱船、空中戦艦の造船技術者もいる。
双魔がジル・ハーブの塔で本の山に狂喜乱舞していたが、ということは魔界には、手書きの写本か活版か、 はたまた手彫りの木版か、ともかくそういう「本」の文化が確立されている訳で、同様に、紙、もしくは獣皮紙があり、 その生産者もいるということだ。
余談だがあの時「ソードの魂が入ってるから」という理由で、双魔が魔界文字を読めていたし、 ソードも薬味温泉で、ガーベラの伝言をちゃんと読んでいた。
ということは、どう考えても教育程度の高くなさそうなソードが文盲でない辺り、 魔界は意外と識字率が高いということかも知れない。
(しかしそれも疑わしいので、うちのソードはシバに読み書きを教わったということになっているが)
で、それらの文化的産物を、全部人間界から強奪してくる訳にも行かないし、強制労働だとやがて人手が絶えるから、 間違いなく魔界にも、労働→対価という、ある程度秩序だった生産過程は存在しているはずなのである。
が―――
問題は、そういうあれこれが「どのレベルまで」存在しているのか、ということ。
例えばソードが作中で「薬って何だ」とか言ってたりするが、あれだって、例えばシバや影様といった上流では、 普通に薬を知ってて使ってて、下層民っぽい「ソードだけが」知らない、という可能性もある訳で。
(悪魔は夢を見ない、というソード証言も、それと同じで「ソードだけ」説もあり得る)
とりあえず、自分がデビ小説書く時は、上記くらいの感じで勝手に解釈してるのだが、 原作になさそうなものまで作りすぎるのは興を削ぐし、 しかし「考えてなさすぎ」が一目で分かる取ってつけ設定もやっぱり浮く。
同人やる以上、原作にない部分は自分なりに基準を決めとかないといけないんだけど、その見極めはなかなかに難しい。
(2004/07/21)