SWEET for my SUITE/03





(注)フランス×イギリス(女体化)です。苦手な方はご注意下さい。











そんな瞳で睨まれても、いつもの鋭さも凄みも感じられなかった。
イギリスにとってセックスはさして意味のある行為ではないのだろうか、フランスに対してこうして誘うような言動を見せるということは、相手がどうあれそれなりに楽しませてくれればそれでいいという考えらしい。
意外だなぁ、と思いながら見下ろしていると、彼は胸を掴んでいるフランスの手にそっと自分の手のひらを重ねて、念を押すように言った。

「おいっ、お前の言う通りにしてやってもいいけど、このことは誰にも言うんじゃねーぞ。あとさっきの写メもすぐ消せよ!」

イギリスとは顔を合わせるたびにケンカばかりしているので、二人の仲が悪いことは今や知らない国はいないと言っても過言ではない。
普段フランスに対して散々文句や愚痴を言っている手前、経緯はともかく自分と身体の関係を持つことを、他国には知られたくないのだろうということくらいは簡単に想像がつく。

「わかってるよ、お兄さんもそこまで悪趣味じゃないぜ?」

イギリスの考えを察してそう言ってやると、それをフランスに見透かされていたことがおもしろくなかったのか、彼は不満そうに小さく舌打ちをする。
直後、さりげない仕返しのつもりかいきなりイギリスの唇が喉元に触れて、そのまま軽く吸い付かれた。
僅かに位置を変え何度も皮膚に歯を立てられるのがくすぐったくて、フランスは思わず小さく身を震わせた。
胸を揉んでいた手でイギリスのシャツのボタンを外して前を開くと、そこに窮屈そうに収まっていた張りのある乳房が零れ落ちる。
両手で直に肌に触れ、二つの膨らみを下から持ち上げるようにして揉みしだくと、手のひらにちょうど収まるくらいの大きさの柔らかいイギリスの乳房が、フランスの指の形に合わせて歪む様は酷くいやらしく映った。

「ぁ、…」

「なんか…変な感じだな。いや、触り心地はすっごいいいんだけど、さ…」

大きさも感触も申し分ないのだが、これが あの イギリスについているものかと思うと、なんとも奇妙な感じがする。
言うなら違和感なのだが、そのフランスの言葉にあまりいい気はしなかったのだろう、イギリスが少しだけ顔を顰めたので、そのわかりやすい反応につい苦笑してしまう。

「悪い意味じゃないから、そんな顔するなって」

「……、っあ……ぁう、…」

宥めるように耳元にキスをして、乳輪ごと乳首を摘み指先でくにゅくにゅと弄ってやると、すぐに堪えきれずに甘い声が上がり、そこはあっという間に芯が通ったように硬く膨らんでいく。
指の腹で押し潰すように転がすと、イギリスの肌は全身がざわざわとあわ立って徐々に汗ばんでいった。
時間を惜しまず丁寧に愛撫し、それによって少しずつ彼の皮膚が過敏になっていくのを触れた指先から実感する。
イギリスが身につけていた服は必要な部分だけ剥かれてすっかり皺だらけになっていたが、もはやそんなことを気にする余裕はないようで、シーツに身を沈ませてはぁはぁと乱れた呼吸を吐き出している。
舌先で尖った乳首を舐め、軽く歯を立てて吸い上げながら指をイギリスの下肢に滑らせ下着を脱がせた。
胸から伝わる直接的な刺激で、もうぬめった蜜を溢れさせている襞の奥に指を差し込み、そこをゆるゆると掻き回した。
触れた肌は全身が熱を帯びていて、フランスの指を咥え込んだ箇所は指だけでは物足りないとばかりに忙しなく収縮を繰り返している。
その中を擦る緩慢な指の動きは身体の熱を煽るだけで、達するには至らないのがもどかしいらしく、イギリスは堪えきれずに腰を揺らした。

「……ふ、らんす…、そんなに、…ゆっくりしなくていいっ…」

「なんで? …恥ずかしい?」

「そ、んなんじゃ、……ねえ、…」

イギリスの言葉にいつもの覇気はない。
自分から誘うような真似をしたくせに、触れられることが恥ずかしいなんて可愛いところもあるんだな、と唇に軽く口付けると、彼はそのことに驚いたように んん、 と小さく声を漏らす。
静かに指を引き抜くと、フランスの指が埋まっていたことで塞き止められていた粘液が、トロリとシーツに零れ落ちた。
両脚を持ち上げ開かせてその間に身体を割り込ませると、イギリスの秘所はすでに蜜を溢れさせていて、指の腹で割れ目をなぞってやると小さな粒が露わになる。
桃色の襞を左右に捲りヒクヒクと蠢く入口に舌を捻り込んで、柔らかな肉芽を舌先で捏ね回すように優しく転がした。
敏感な皮膚を丁寧に舐って、止めどなく溢れる蜜を啜り中に唾液を流し込む。

「っん…、く……」

声を出すまいとして、イギリスはぎり、と歯を食いしばり枕に顔を埋めた。
きっと感じてしまっているのを隠せない声を聞かれたくないからなのだろう、とフランスにはすぐに理解出来たが、別にどうしても声を聞きたいというわけではないので放っておいた。
そんな意地を張っても、どうせいつまでも我慢出来るものでもないのだ。
ひくつく入口にぐり、と舌先を押し当てるとそこからはじわりと透明の蜜が滲み出て、何度も弄ってやると流れ落ちそうなほど溢れ出たそれを吸い上げた。
開かされた内股が細かく震え、イギリスの吐く呼吸がますます荒く乱れていく。

「ひ…、や、ぁっ、あ…っだめ、…!」

舌での愛撫を繰り返すと、やがて短い悲鳴のような喘ぎとともにイギリスの身体がびくん、と大きく跳ね、あっけなく達した。
フランスは少しだけ上体を起こして、はぁ…、と甘ったるい吐息を吐いてぐったりとしたイギリスの様子を見下ろしていると、その視線に気付いた彼は耳まで赤くして顔を背ける。

「…おい、……そんなに見んな……」

「え、見るよ。だってイギリスがいくとこ初めて見た」

くく…、と声を抑えるように笑うと、イギリスは足を引いてフランスの顔に蹴りを入れようとしたが、達したばかりで力が入らないのかいつものスピードもキレもない。
蹴られる前にあっさりと足首を掴んで、そのまま膝がシーツにくっつくくらい彼の足を折り曲げると、自然と腰が浮いて剥き出しにされた下肢が晒される。

「………あ…っ!」

部屋の明かりも点いたままだったので、自分がどんな格好をしているのかも嫌でも目に入ってきて、羞恥のあまりもともと赤かったイギリスの顔がますます紅潮していく。
フランスは掴んでいた足首から手を放し、顔を背けたまま目を固く瞑ったイギリスの耳元に唇を寄せて、小さな声で囁いた。

「足、自分で押さえてて?」

鼓膜を震わせるやけに艶を含んだフランスの声に抗うこともせず、言われるままにイギリスは膝の裏に腕を通して両足を開き、自らの手で太腿を押さえた。
自分の言うことに素直に従うイギリスなんて何世紀ぶりで見ただろう。
その従順な様子にフランスは満足気な笑みを浮かべると、再びあかく色づいた胸の突起を親指と人差し指で摘んで擦り上げる。
もう片方も舌先で転がし甘く歯を立てて舐め上げると、イギリスは腕の中で小さく反応を返した。
例えイギリスが相手でも、肌を重ねるのならお互いちゃんと気持ち良くなれるように、甘く優しく触れてやりたかった。
何より終わってから愛の国とかぬかすわりには大したことなかった、なんて思われるのは癪だ。
空いている手で脇腹や下腹部を撫でながら徐々に下まで下りていき、汗とぬめった粘液で濡れた薄い茂みを掻き分け、熱く熟れた襞に今度は最奥まで指を差し入れる。
内壁を擦るように何度もゆっくりと抜き差しを繰り返すと、じわじわと全身を襲う快感を堪えるように、自らの足を抱えていたイギリスの指が太股に食い込んだ。
二本に増やされた指でイギリスの内部を馴らすように広げ、掻き回してやるとフランスの指を咥え込んだそこは、すっかり蕩けた柔肉が波打つように締め付けてくる。
中で指をぐるりと回し、尖った乳首を舌で刺激してやるたびに熱い息を吐くイギリスの瞳は、劣情と快楽の混じった色で揺らめいていた。
だいぶ時間をかけたためか、フランスの方もそろそろ限界が来ている。
イギリスの中に突き立てていた指をすべて抜き取り、とろとろになって蜜を溢れさせている肉襞を指で広げて硬く張り詰めた尖端を押し当てると、彼は薄く微笑って可笑しそうに言った。

「ん…、ぁっ……、…ははっ…、ほんとに、俺で勃ってやがる、……やっぱお前って…、…変態、だな…!」

こんな状態でもまだそんなかわいげのない科白を吐く余裕があるとは、さすがはイギリスだ。
フランスも笑みを返して正面から目線を合わせて言った。

「えー…? …俺に弄られてこんなに濡らしてる奴が言う台詞かぁ、それ?」

ぐい、と腰を押し付けゆっくりと押し進めていくと、イギリスは途切れ途切れに短く息を吐きながらも、フランスの熱を受け入れようと自ら両脚を開いて身じろぐ。
その反応に、 ほんとにこういうの慣れてるんだな、なんか俺の知らないイギリスだなぁ…、 とこれだけ長い年月を隣で過ごしてきたのに、今まで自分の知らなかった彼の一面になぜか少し寂しいような、複雑な気分になった。
腰を揺すりながら結合を深めていくと、淫猥な湿った音がして散々注がれた唾液と溢れた粘液の滑りで、容易に奥まで飲み込まれていく。
中を貫き体内を灼く己の熱はイギリスの体温と少しずつ溶け合っていき、全身がじっとりと汗ばんだ。
根元まで挿入が済むとぐずぐずに蕩けた内部がヒクヒクとうねり、肉襞が絡みつくように締め付けてくる。
緩やかな抽送を始めると、フランス自身を咥え込んでいた柔肉がさらにきつく絞られた。

「あん、はぁっ、ん…、ァ、あ…っ」

「すっごい締まるね、…そんなに、きもちいい…?」

奥まで貫かれるのがよほどいいのか、ただ与えられる快感を追うばかりのイギリスに、フランスは耳朶を甘く噛んで熱い吐息を吹きかけるように囁く。
フランスの言葉に悪態を吐くいつもの強気な態度はなりを潜め、与えられる刺激に素直に意識も身体も委ねているらしい。
そうして耳の皮膚をくすぐられることにさえ感じてしまうらしく、快感に染まりねだるように潤んだ瞳を向けられて、彼の唇を塞いで深く口付け舌と舌を擦り合わせた。
腰を支えていた手で、イギリスの尻の肉を広げるようにして掴み一旦腰を引くと、一気に最奥まで突き入れる。
いきなり激しく腰を打ち付けられて、その摩擦で肉襞が捲れ溢れた蜜が飛び散り、イギリスは抑えられずに泣きそうな可愛い声で喘いだ。
繋がったところがどうしようもなく熱くて、突き上げるたびにもたらされる感覚に、すぐにでも達してしまいそうになるのを堪えて抽挿を繰り返す。
そこからは確実に強烈な快感の波が押し寄せてきて、恐らく無意識なのだろう、フランスの律動に合わせて腰が揺れていた。

「…っ、ぁ…フランス…、もう、…、…っ」

ヒクつく肉襞の奥までフランス自身を咥え込んだまま、イギリスはびくん、と大きく身体を震わせ達してしまった。
少し遅れてフランスもイギリスの耳元で小さく名を呼び、彼の中に思い切り白濁を散らす。
やがて絶頂の余韻が引くと、イギリスが背に腕を回して縋り付いてきたので、何度もキスをして未だ熱の引かない身体を抱き締めた。


**********


(うーん……あれはかわいかったよなー……)

こんな関係が始まることになった三ヶ月前の出来事を思い出しながら、柔らかな髪や耳に口付けて乱れた呼吸を零すイギリスが落ち着くのを待つ。
するとふいに背に回されていた腕に力が込められ、肩口に顔を埋めてぼそぼそとなにやら呟くのが聞こえた。

「…お前って…」

「んー…? なに?」

「……むかつくしバカで変態でどうしようもねえ奴だと思ってたけど、……やってるときのお前はエロくて、きもちいいこといっぱいしてくれるから、すげえ好き…」

そこまで言って顔を上げたイギリスは、とろんと蕩けた双眸でこちらを見つめ、甘えるように擦り寄ってくる様はなんともかわいかった。
これが本当にイギリスなのかと思うくらいデレすぎている気もするが、そんなふうに言われるのは当然悪い気はしない。
恋人としてきちんと付き合っているなら、やってるときだけかよ、と逆にむなしくなったかもしれないが、そんな甘い関係でもないし、こうして触れ合うことだってお互いが楽しめればそれでいいのだ。

(……でもこんなかわいい反応されたら、お兄さんちょっと本気になりそうなんだけど)

イギリスはかわいい。
顔や性格の話ではなく、存在自体が、だ。
そう思うから昔から彼を放っておけなくて、なにかと世話を焼いたり構ったりしているのだ。

(まぁ口ではいろいろ言ってるけど、俺結構こいつのこと好…)

ふとそんなことを考えて、 いやいやいやそれはない、だってイギリスだよ? 性格最悪の元ヤンだよ? ありえないありえない、絶対にありえない…! と言い聞かせるように、慌てて頭の中で否定する言葉を繰り返す。
けれどいくら頭で否定しても、自分の本当の気持ちがなんなのか、うっかり気が付いてしまったかもしれない。
イギリスだけはこの世が終わってもありえないと思っていたのに、どうして今さら彼に対してこんな気持ちになってしまっているのだろう。
純粋な恋情なのか単にセックスして情が湧いただけなのか、明確に分類することは今は難しいけれど、彼に本気になってみるのも案外悪くないんじゃないかと思えた。
するとイギリスはフランスの反応を窺うようにぽつりと問う。

「…なぁ、お前俺が元に戻っても、…その…今までみたいに抱けるか…?」

唐突で意外な問いに、思わずフランスは彼を見つめる。
イギリスはフランスが自分にだけは手を出さなかったことを、身をもって知っているはずだ。
それが身体の関係を持つようになったのは、妖精の悪戯とやらで女性の身体になってしまったことを誰にも言わない代わりに、彼の方から対価として差し出されたからだ。
イギリスはこの身体になったから、フランスが手を出したとでも思っているのかもしれないが、それは少し違う。
彼の顔は昔から好みだったし、フランスにとって抱き合う相手の性別はあまり重要ではないからだ。
例えイギリスの身体が元のままでも、あんなふうに誘われたら遠慮なくいただいていただろう。
顔を合わせるたびにケンカばかりしていて、こいつだけは絶対相容れないとお互いに思っていたはずなのに、それとは真逆にベッドでのイギリスはフランスも驚くくらい大胆で奔放で、身体の相性は最高に良かった。
これだけ身体の相性が良ければ男だろうが女だろうが同じことだろうし、何より後ろを使うセックスもすでに何度かしているので問題はない。

「…あー…、それはまぁ、全然平気だけど」

「ふーん、……それならいい」

小さく答えたイギリスは耳まで赤く染めて、酷く嬉しそうに表情を緩ませた。
身体が元に戻ったらこんな関係を続ける理由はなくなるのに、これからも抱き合うことを望むようなことを聞いてくるなんて、フランスには彼の言葉は少し想定外だった。
この関係が始まるきっかけになった写メはイギリスの目の前でとっくに削除したのに、未だ続いているのはきっと彼も自分と同じように考えているからなのだろう。
これって十分勝算のある勝負なんじゃないの、とフランスは密かに微笑った。
身体から始まる関係が悪いことだとは思わないし、本気を出してみるのも悪くないのかもしれない。
とりあえず俺以外の奴としたいと思わないようにしてやろうかな、と再びイギリスの身体をソファに縫いつけ、柔らかな唇を塞いでキスをした。





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女体化はこれが最初で最後と思いますが、なにか書きたい話が思いついたらまた書くかもしれません。