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円堂×風丸[ゲーム設定]
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土門×秋
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二階堂×豪炎寺+夕香
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二豪前提の半田&豪炎寺
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霧隠×風丸×霧隠[ゲーム設定アニメ性格]
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二階堂×豪炎寺、半田×染岡
円堂×風丸
本日、円堂のクラスの体育は隣のクラスと合同であった。
せっかくなのでリレーを行う事になったのだが、厄介な事になった。
「よお、円堂」
風丸が得意そうな顔で円堂に歩み寄る。
そう、隣のクラスは元陸上部・風丸がいたのだった。
「負けないからな。リレーは皆で勝利を勝ち取るものさ」
胸を張る円堂。手を後ろにいた豪炎寺の方へ向ける。
「こっちには豪炎寺もいるし」
豪炎寺本人は勝手に名前を出されて、僅かに驚いた素振りを見せていた。
「円堂。忘れてないか」
ふふん。鼻を鳴らす風丸に、宮坂がやって来る。
「ウチのクラスには現役陸上部の宮坂もいるんだぜ」
「お互い頑張りましょうね」
爽やかに言う宮坂。周りでは“風丸と宮坂がいれば絶対勝てる”と風丸のクラスの連中が噂をしていた。
だがそこで円堂は諦めるような男では無い。
「そうだ」
何かを思いついたらしく、手を合わせる。
「どうせなら、何か賭けをしよう」
「賭け?」
この圧倒的戦力差において、賭けを持ち込むとは。自らハードルを上げる円堂に、風丸の口の端が上がった。
「例えばだな……俺のクラスが負けたら、俺が風丸を負ぶって校内一周してやるよ」
「はは、上等だ円堂」
笑う風丸。横にいた宮坂は風丸が話に乗ってきたのに動揺する。
「じゃあ……俺たちが負けたら、俺は一日円堂の言う事なーんでも聞いてやる」
「本気ですか、風丸センパイ」
「宮坂、お前もやらないか」
「ええ……オレは……誰かが手話の練習に付き合ってくれれば……」
ぼそぼそと聞き取り辛い声で言う宮坂の願いを円堂は聞き届けた。
「よーし、ならそれは豪炎寺が引き受けるぞ」
「おい巻き込むなよ」
大股でやって来て意見する豪炎寺。
「豪炎寺もやろうぜ」
「俺?俺は……特訓に付き合うっていうのなら……」
「よし、決まり!絶対勝つからな!」
「賭けに出た事、後悔させてやる」
円堂と風丸の間に微弱な電流が走った。
かくしてリレーは始まったのだが、結果はやはり誰もが予想した通り、風丸のクラスの圧勝に終わったのだ――――。
「言わんこっちゃない……」
風丸の呟きが、円堂の耳元のやや斜め上で聞こえる。
約束した通り円堂は風丸を負ぶって校内を回っていた。円堂の姿を見た知り合いは、風丸が怪我をしたのかと心配したが、理由を説明すると大笑いする。そこまで笑う事も無いのに、大げさに笑われるのだ。
「円堂……俺、ちょっと恥ずかしいよ……」
円堂の首元に腕を絡め、風丸は彼の後ろ頭に顔を伏せる。
「降りるなよ。これは俺の罰ゲームなんだから」
「はいはい……」
呆れたように言うが、どこか声は笑っているように聞こえた。
そんな二人の様子を屋上からフェンスに寄りかかって眺める影がある。宮坂と豪炎寺だ。
「よくやるな、二人とも」
「豪炎寺さーん、余所見しないでください」
「わかってる……」
宮坂の声に彼の方へ視線を戻し、豪炎寺は正座で“手話講座”を受けていた。
土門×秋
夏が過ぎると青々とした草木は色付き、秋の息吹がやってくる。
雷門中に植えられた木々は紅く染まり、美しい紅葉が包んだ。だが、そこで生活を送る者は美しさだけに目を奪われてばかりはいられない。
サッカー部の部室の前で、マネージャーの木野は落ち葉をほうきで掃除をしていた。
掃いても掃いても、木から葉っぱが落ちてくる。
「アキ」
聞き慣れた声が聞こえて木野は振り返る。けれども、誰も見当たらない。
「アーキ」
もう一度聞こえて見回すと、近くの木から良く知った銀髪が覗いた。
「土門くん」
「正解」
名前を呼べば木の後ろから土門が姿を現す。
「精が出るね、アキ」
「出るね、じゃないよ。土門くんも手伝って」
言っている傍から土門は背を屈め、落ち葉を一枚拾った。
「もうすっかり秋だ。アキの季節がやって来た」
「そうだね。涼しくなってきた」
「俺はさ、秋が来る度に思っていた事がある」
落ち葉を踏みながら土門が木野の前に立つ。
拾った葉を木野の髪留めにあてて見せて、一言言う。
「きっと似合う」
首を左右前後ろに動かす。まるでカメラの位置を確かめるような素振りだ。
「…………………………」
木野は土門の顔を見上げ、数回瞬かせる。そうして土門と同じように落ち葉を拾ったかと思うと、彼女も土門に葉をあてて見せた。
「これでお揃いだわ」
「そうだな」
土門が笑い、木野も続いて笑う。
「ね、一緒にお掃除しましょう」
「わかったよ」
木野からほうきを受け取り、彼女は部室へ塵取りを取りに行った。
二階堂×豪炎寺+夕香
木戸川の地にも、稲妻町のような河川敷グラウンドがある。
木戸川清修がそこで練習をしていると、突然豪炎寺の携帯が鳴った。
「なんだって」
普段、冷静で落ち着いた豪炎寺の穏やかではない声に、監督の二階堂と数名の選手が振り向く。
「どうしたんだ、豪炎寺」
「実は……」
珍しく困り、人を頼るような表情をする豪炎寺。
彼が言うには妹の夕香が、兄が河川敷グラウンドで練習していると知って一人で勝手に行ってしまったらしいのだ。
「それは、どれくらい前の話だ」
「聞き忘れました。ちゃんと道を間違えていなければ、そろそろ来ても良い筈なのですが……」
豪炎寺は二階堂に頭を下げ、妹を探しに行ってしまった。
聞いていた数名の選手も協力をしてくれた。何事かと集る部員に、全員で行っても仕方が無いと待機させ、二階堂も探しに行く。
「……ん?」
歩道に上がり、部員とは反対の方を向くと、小さな女の子が何度もグラウンドばかりを見て、落ち着かなさそうな不安な動きをしていた。
二階堂は小走りで近付き、背を屈めて優しく言う。
「豪炎寺さんかな?」
女の子は二階堂の方を向き、無言で頷いた。
こうして見つかった豪炎寺の妹・夕香。一人では帰せない、ここまで来たのだから、という理由からベンチで木戸川の練習を見学する事になった。
「二階堂監督、本当にすみません……。夕香、練習が終わったらお兄ちゃんと帰るぞ。それまで良い子にしていろよ」
豪炎寺は二階堂には申し訳ない顔、夕香には少々怒った顔をする。
「まあまあ。えーと、夕香ちゃんは良い子に出来るよな」
「うんっ」
二階堂はというと豪炎寺をなだめ、夕香に笑いかける。二倍の疲労が溜まった。しかし豪炎寺には夕香が反省していないように見えて、不機嫌そうな表情が直らない。
「ほら、豪炎寺」
二階堂が豪炎寺の頭に軽く手を乗せ、髪をふわふわさせるように叩く。
ふー。息を吐き、豪炎寺は元の落ち着きを取り戻し、グラウンドへ走っていった。
ベンチでは夕香がどこかに行かないように、隣に二階堂が座って部員に指示を送る。
「あれ、誰?」
事情を知らない部員が、ベンチの方を見て問う。
「豪炎寺の妹さんだって」
「へえ、監督の子供かと思った」
二階堂と目が合えば、彼は笑顔を引き攣らせていた。
「す〜みーまーせーんー」
わざとらしく詫びる。
練習が終わると、豪炎寺は妹を連れて一足先に帰ってしまう。
兄妹がいなくなった後で、複数の部員が二階堂に“あれは親子に見えた”とはやした。
「まあ、あれくらいの子供がいてもおかしくない年だがな」
認めながらも“こら”と窘める二階堂。豪炎寺の妹が見つかり、何事もなく練習が済んだ事を皆で喜んだ。
次の日、登校の支度を整えて玄関で靴を履く豪炎寺に夕香がやって来る。
「お兄ちゃん、行ってらっしゃい」
「夕香。もう練習中に来ちゃ駄目だからな」
「わかったよ。お兄ちゃん怒ってばっかり」
夕香は豪炎寺に屈むように合図を送った。
「ん?」
背を屈め、目線を合わせる。すると、夕香の手が豪炎寺の頭に乗った。
「昨日、カントクがこうしたら、お兄ちゃん笑った」
「…………………………」
ニッと微笑む夕香に豪炎寺ははにかみ、笑みを返した。
二豪前提の半田&豪炎寺
昼休み。半田はズボンのポケットに手を突っ込み、本校舎昇降口を出て裏へ回る。
すると、聞き慣れた声がした。
「…………まない」
壁に身を隠して覗き見れば、豪炎寺と女生徒が話している。状況から察するに、豪炎寺が告白を受けて断っているようだ。
「おい」
女生徒が泣き出してしまったらしい。半田はもっとよく探ろうと、身を乗り出して耳を澄ます。
慰めようと豪炎寺は手を伸ばすが、突き放されて女生徒は去ってしまった。
手を下ろす豪炎寺に半田が歩み寄って茶化す。
「泣かしたー」
「…………………………」
「あの娘、よく俺たちの練習見ていたな」
「知っているのか」
「可愛かったから」
「…………………………」
息を吐き、頭を振るう豪炎寺。呆れた、と言わんばかりだ。
歩き出す豪炎寺の背に半田が放つ。
「もったいねーの。俺に回してくれれば……なんでもない」
「ロクに知りもしない相手を可愛いからと言って付き合えるか」
「恋よりサッカー?」
「そうとは……言わない」
「えっ?言わないの?」
きっぱり断言されるかと思い込んでいた予想は外れ、半田のニヤリと笑う。豪炎寺についていき、背を叩いて隣に並ぶ。豪炎寺の横顔はいかにも選択を誤った、間違いを犯した表情を浮かべていた。
「好きな人でもいるのか」
「い……」
「あー、いるって顔してる」
言葉を遮り、指を差す。
「ひょっとして、もうラブラブ?」
あくまで冗談交じりに言ってやった、はずなのだが――――
「…………………………」
豪炎寺の耳が目に見えて赤く染まるのがわかった。彼は歩調を速め、半田を抜かす。
「マジで……?」
半田の足は思わず止まってしまう。
あんなにサッカー一筋そうな豪炎寺に“ラブラブ”という単語が合うような相手がいるとは。
「想像できん……」
自然と呟く。その疑問を半田は放課後に持ちかけた。
「豪炎寺。なあ、豪炎寺」
部室で着替えている豪炎寺を横から小突いて囁く。
「なあ、誰なんだよ」
「…………………………」
対して豪炎寺は、ものっすごい嫌そうな顔をした。
「ちょっとだけで良いからさ、聞かせろって」
声をさらに窄めて言う。
「…………………………」
「ウチの学校の生徒?」
「…………………………」
「年上?年下?」
「…………年上」
低く、聞き取り辛い呟きのような答え。半田はなぜだかドギマギした。
「じ、じゃあさ」
治まらない心臓を高鳴らせ、そっと顔を寄せて問う。
「どこまで行ってる?」
「…………………………」
豪炎寺が半田の胸を押して距離を取る。
上着の袖を素早く通し、ロッカーからジャージを出して羽織る。
その仕種は行為を結んだ肌を慌てて隠しているように映ってしまい、半田は一歩後ろに下がった。
「…………………………」
手早く脱いだ衣服を畳んで仕舞い、部室を出て行ってしまう。
「ますます想像できん……」
半開きになった部室のドアを見据え、半田は呟いた。
霧隠×風丸×霧隠
霧隠の提案はいつも唐突であった。休み時間に来たと思えばいきなり言ってきたのだ。
「なあ風丸。ジャンケンしようぜ」
「ああ、良いとも」
特に断る理由も無いので了承する風丸。
「ジャンケン」
「ポン」
霧隠が勝つ。すると彼はニッと笑って人差し指を突き立てた。
「あっち向いて……ホイ!」
「…………………………」
見事にひっかかってしまい、風丸はこめかみを痙攣させる。
「もう一回だ」
今度は風丸が勝つが“あっち向いてホイ”は外れてしまった。
「風丸。言っておくが、忍者に指差した方を向かせるなんて一億万年早いんだぞ」
「やってみなきゃわからないだろ」
闘志を燃やす風丸。負けず嫌いというより、一度やると決めたものを諦めない性格であった。
「ホイ!」
上を指せば左を向かれ。
「ホイ!」
左を指せば右を向かれ。
「ホイッ!」
下を指せば右を向かれる。
もう十回以上はやっているのに、一回もあたらない。さすが忍者というべきだろうか。
「畜生……」
「だから無駄だって。そろそろ休み時間は終わるし、諦めな」
「今度リベンジしてやるからな。……他の奴とやって腕を上げるか…………」
「駄目」
風丸の呟きを即答で拒否する霧隠。
「他の奴とはしちゃ駄目だ」
「なんでだよ」
「駄目ったら駄目」
風丸と霧隠はしばし視線を交差させ、同時にそっぽを向いた。
「わっかんない奴!」
「わっかんなくて結構!」
霧隠は大股で教室を出て行ってしまう。
「あ、あの。風丸……」
影野がそっと声を掛ける。
ずっと傍にいたのだが、いまいちタイミングがわからずに話しかけられないでいた。
「これ、借りていた教科書」
「あ、どうも」
風丸は爽やかに微笑む。切り替えの早さに、髪で隠れた影野の目が瞬きされる。
「喧嘩したの?」
「別に」
「珍しいね、風丸があんな態度取るの」
「そうかな」
「うん」
頬杖を突き、風丸は唇を尖らせて息を吐いた。
自分でもわからない。霧隠といると調子が狂ってしまうのだ。それが嫌かと問われればそうでもない。けれども好きかと問われたら嫌だと言ってしまいそうだった。
二階堂×豪炎寺、半田×染岡
あいつは仲間。
それ以上でもそれ以下でもない。
特に話しかけないし、話しかけられもしない。
けれど、あいつが何を思っているのかは少しわかる気がする。
とある日。雷門と木戸川は合同練習を行う事になった。
たまたま一之瀬と西垣が電話をして意気投合した後、各監督に話を持ちかけたら決まったのだ。
染岡は二階堂にフォームを見てもらう。
前々から二階堂には興味があった。
豪炎寺が前に所属していた監督だったからだ。あのエースストライカーの元監督。豪炎寺をライバル視している身としては、どんな具合なのか確かめてみたかった。
「染岡くん」
二階堂は的確なアドバイスをくれる。染岡の顔の筋肉が自然と緩み、笑みが浮かんだ。
今度は染岡が二階堂に質問をし、話の流れから基礎運動のストレッチを受ける。
ベンチに座る染岡の後ろに二階堂が立ち、抱き込むようにしてフォームを教えた。
「ここを、こうして」
「はい」
腕を横へ伸ばし、二階堂が手で支えて形を整える。
「君のシュートを見たが、筋が良いな」
「有難うございます」
例を言い、視線を前に向けると豪炎寺がこちらを見ているのを知った。その先を見ると、半田もこちらを見ていた。どちらも視線はチクッとした、刺さるようなものを感じる。
体勢を変えながら、染岡は前々から疑問に思っていた事をふと口にした。
「二階堂監督。豪炎寺ってどんな奴でした」
「うーん……見たまんまだが、あれで結構怒りっぽいな」
「えっ?」
つい声を大きくして聞き返してしまう。
すると豪炎寺が微かに目を吊り上げて大股でやって来た。
「二階堂監督。余計な事を言わないでください」
口調が速く、怒っているのだと悟った。二階堂の言う通りだと思ってしまった。
「すまんすまん」
「それに監督が直にストレッチはしないじゃないですか」
「今日は合同練習で響木監督もいるから、こうして個人個人に指導しているだけだぞ」
尤もな理由なのだが、豪炎寺は納得できない様子であった。
ひょっとしたら、あの豪炎寺に妬かれているのか。染岡はついからかいたくなって口を挟む。
「豪炎寺、羨ましいのか」
「なにを」
言葉とは裏腹に、豪炎寺の頬が正直に上気した。
「困った奴だな。次、やってやるから」
二階堂が豪炎寺の頭を撫でる。それはまるで子供をあやす大人そのもので、つい染岡は噴出した。
「笑うなっ」
「豪炎寺、背が伸びたな」
「……………………っ…」
豪炎寺は二階堂の手から逃れ、小走りで行ってしまう。
「あー……怒らせてしまった」
「二階堂監督が悪いと思いますよ」
苦笑する二階堂に、笑いを堪えながら染岡は言う。
ストレッチを終えると、半田がムスッとしながら寄ってきて無言で肘を突いてくる。
「なんだよ」
「べっつに。随分とご機嫌だったじゃん」
「そうか?」
言われて見れば確かに、よく笑っていたかもしれない。
「ところで半田」
染岡は半田の持つペットボトルを指差す。
「それ、俺のじゃないか」
「そうだよ」
ペットボトルの中身はもうほんの少ししかない。
その残りも半田が何食わぬ顔で飲み干してしまう。
「なにやってんだよ」
肩を揺らせばそっぽを向かれ、今度は脇をくすぐる。
「返せ!」
「いーやーだー」
くすぐり返す半田。
遠くで見ていた少林が、やれやれと肩を竦めて両手を上げた。
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