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 ドアを開く音を聞いて私は顔を上げた。
遠くドアの端から漏れている蛍光灯の光が異様に明るく感じられて少し眼を細める。
「うわ、なんで真っ暗なんですか!?」
 松田の少し焦るような声が聞こえる。カチッと言う小さな音がして部屋中の明かりが灯った。その眩しさに少し眼が痛くなった。
「竜崎、暗いところでパソコンなんてしちゃ駄目ですよ〜」
 パソコンの前に座っていた私を子供を叱る親の様に松田が諭した。私は「はぁ……」という気のない返事でそれに答えた。
「大丈夫だったんですか?竜崎」
 松田の後ろから相沢が顔を出す。彼らには先程、あの寂れた退廃的な界隈を取り締まろうとしている警察官達を指揮してもらっていた。夜神と共に囲まれた時に他の者達にはベルトとして渡している発信機を使って応援を呼んだのだ。突然のそれと発信源の場所に緊急事態と悟ったのか、相沢たちは私が予想したとおり人をこちらにやってくれた。
「問題ありません。適切な判断でした」
 私がそう言うと二人は良かったと安堵したように頷いた。
「竜崎一人であんなところへ行ったんですか?」
 相沢の問いには疑惑の目が含まれていた。私があんな性質の悪い界隈を除くなど一人でするはずがないと。用があっても使いをやるだろうと確信しているのだ。事実、もしそんな場所に用事があればよっぽどの事がない限り人をやる。
「竜崎が誰かと一緒に行くなんて月くんしか思いつけませんよ!それに月くんなら尚更いく分けないし」
 松田が弾んだ声で言う。彼は夜神があんな界隈に行く事など思いつきも出来ないらしい。いや、私でさえ彼はそうだろうと考えていたのだから当然ともいえる思考だった。
「夜神くんが向かったので」
 だからその思考を否定する言葉を吐くと彼は呆然とした表情でこちらを見た。
「月くんが?」
「はい」
 私がそう答えたとたん彼はそわそわとし始める。夜神月のイメージから外れるその行為が気になってるのだろうか。
「松田、気になるならさっさと言っちまえよ」
「う、うん」
 相沢に促されて松田が恐る恐る私に向かう。何かを恐れているようだった。
「あの、そういうところに出入りしてると……キラ容疑が深まるって事ないですか?」
 どうやら松田は夜神を心配していたらしい。人の良すぎる彼らしい反応だった。
「キラは気位が高いので……そんな場所に言っているのなら普通に考えれば確率は低くなります」
 私は正直に答えた。
キラという犯罪者は罪を憎み自らを神と気取る存在だ。だから普通に考えればそのような界隈に出る事を嫌っているだろう事は容易に想像できる。故にそういう界隈に出入りするという事はキラという事から離れる。
だがそれは普通に考えればという事だ。
 確かに私はキラならそんな場所に出入りし、あまつさえ身体を売るような真似をしているなど考えられなかった。
だからこそ最もキラに近い夜神月がそんな事をしていたと私は失望した。失望し、彼の美しさは偽りだと嘆いた。
 しかし今は違う。今の私は彼を未だ美しいと思っているし、彼が完璧な存在であると信じている。
そしてそんな人間は私以外にも意外と多く存在していた。
それは例えば寺椅。あの忌まわしい男は私と同じ結論にたどり着いてしまった。だからこそあの男は夜神を憎んだのだろう。通常で考えれば蔑まれる夜神の行為を知りながら、寺椅はそれでも夜神は完璧だと評した。
 彼がその結論を見出したのは夜神と付き合ったという人間達の態度からだろう。私もそこから答えを導き出した。
別れた相手に対してなら酷い言葉を投げかける物もいるかも知れない。しかし彼らはそんな事は一切しなかった。それどころか知れたら夜神の立場を悪くすると考えたのか、決して付き合った事があるなど言わなかった。その為彼らと夜神が付き合っていたというのは状況証拠しかない。
 彼らはきっと気付いたのだ。夜神が決して性交渉のそれ自体を楽しんでいるわけではないと。
それでも何かを求めて自分達の前に現れたんだと理解している。
だからこそ夜神に一時の失望を受けても、何かのためにそういう振る舞いをする夜神を汚いとは思わない。


彼は美しさを損なわない。だからキラである確立も下がらない。


 突然目の前のパソコンがメールの受信を知らせた。
相手はワタリで中にはキラの新たな犠牲者が出たという。場所を見て思わず小さなため息をついた。
そこは夜神のいたあの小さな雑居ビルでキラの疑いは強まってしまった。
松田の心配が水の泡だ。
「どうしました?」
「いえ……」
 松田の問いに私は答えるのをよした。せっかく安心しているのだから暫くはその余韻に浸らせようと思った。
この事実を知った松田が夜神のキラ疑惑と結び付けるかは疑問だったが、どうせなら自分自身で知った方がいいだろう。
そう思った。
「でも……本当に良かった」
 松田はそうして安堵を伝える。彼は夜神がキラではないと思っているのだろう。それが私には不思議だった。
松田は夜神と会った事があるという。その彼にキラとしての要素をまったく感じてはいなかったのだろうか。
「松田さんは夜神くんがキラでないと信じてるんですね」
「勿論ですよ。だっていい子ですから」
 いい子だからキラは犯罪を犯しているのだろうに。
松田の見解に私は少し呆れた。やはり悪意ある犯罪者とない犯罪者では、よっぽど後者の方が性質が悪いということを改めて思った。




 その日はあまり天気が良くなかった。雲の隙間から漏れる光が周囲を照らすだけで明るいとは言い難い。湿った空気に不快を感じながら大学の校舎へと向かう大通りを歩いていると、斑にある人影の中に紅茶色の髪が揺れているのを見つけた。
「こんにちは、夜神くん」
 大体いつも合流している位置で呼びかけると彼はこちらを振り向き、私を確認するとそのまま眼を前に戻した。
それに不自然を感じる。いつもの夜神なら天気とは対照的な無駄にさわやかな笑顔でも振りまいて挨拶を返すだろう。
「夜神くん、新たなキラの犠牲者が出たんです」
「そうなのか?」
「はい」
 キラの犠牲者が出た朝の定番の会話だった。ここで彼はいつも犠牲者への弔いとキラへの怒りを示す。
いつもはそんな白々しいやり取りを行っていたのだが、今日は違った。
「そうか。犯罪者なのだから仕方ないかな」
「どうしたんですか?いきなり」
 彼はキラのやり方を内心はどうあれ私の前では否定していた。それなのに何故かキラへの理解の態度を示す。
理解し難い行動だ。
「流河は僕がキラであることを望んでいるのだから、キラの擁護意見は嬉しいんじゃないのか?」
「はい。でも私としては内心擁護していても口では否定している方がよりキラっぽいです」
「じゃあ僕はお前のキラから遠ざかったか?」
「わかっててやってちゃ意味ないですよ」
 どうも妙だ。夜神らしくない行動に顔を歪めてしまう。
そう、考えてみれば昨日の夜から変だった様に思える。妙に避けられていた。
あの時の夜神は何を考えていたのだろうか。
 もし彼が仮にキラだとすれば例の心臓麻痺が起こった犯罪者に何か関係があるのかもしれない。周辺を洗えば被害者は取引をすると言ってあの雑居ビルに来たらしい事からも、その可能性はある。
 ではもしキラではなかったら?
それは彼が客を取るためにあのビルに入ったという事になる。あそこはさまざまな用途に使われているようだったが、明らかに一番多く使われているのは性交のためだった。
それは否定したい。私は夜神に穢れがあるとは考えなかったが自らを貶める行為を許容したわけではない。
せっかくの完全性を殺してしまう必要性を感じていなかった。
だからこそ二重の意味で月がキラであると考えたい。
「昨日からご機嫌斜めのご様子ですが、どうしてですか?」
「機嫌なんて悪くないよ」
「いえ、悪いでしょう?昨日邪魔したからですか」
 あえて何をとは言わなかった。
聡い彼は私の思考を瞬時にトレースして呆れたようにため息をついた。
「また僕がキラである確立が上がったと考えているな」
「正直言っていつも思ってますよ。しかしいつも証拠がありません」
 軽口に彼は苦笑いを零した。
本当に様子が可笑しくないだろうか。苦笑してみせるなど、妙に疲れているように感じさせる。
「本当にどうしたんですか?調子が悪いとか?」
「お前のせいかもね」
 私は黙った。どう対応すればいいのか想像がつかなかった。弱った夜神月に遭遇するなど想定の範疇外だった。
「少し、話し合いましょう。腹を割って」
「僕達が?」
 彼は皮肉気に笑って見せる。当然だろう。私たちが腹を割って話し合うなど笑い話にしかならない。
だが私は本気だった。今の夜神は少しだけだが明らかにキラである事を放棄している。
それは夜神という人間にとって珍しい隙と呼ばれるものかもしれない。
しかし私にそれを追求する気はなかった。
このまま彼を追い詰めたりして『完璧な彼』を殺すつもりはなかった。私個人の感情として夜神は理想なのだから。
「喫茶店……ではなくてホテルにしましょう。完全な一対一です」
「本気なんだな」
「えぇ」
 彼は少し考えるようにしていた。
私の意図を考えているのだろう。Lとして何を考えているか。
「……そうだな。君の言うとおり話す必要があるのかもしれない」
 それを了承の言葉ととって私は放課後に話そうとホテルの名前を言った。
もちろんまだ部屋など取っていないが、空きがなければ作らせるまでだ。
ホテル自体も現在捜査本部の置かれているホテルの近くを適当にたまたま名を覚えていた物にした。
「お前……性格悪過ぎないか?」
 私の言葉を聞いて夜神が呆れたように答える。
言われてからやっと自分の言ったホテル名が夜神と身体を繋ぎ合わせた場所だと気付く。
だから普段興味の対象にしない物は絶対に覚えていられない自分が覚えていたのだと内心で己を罵った。
「済みません。場所を変えます」
 素直に謝ると彼は不快に苦虫を潰したような表情をしてから、ふっと笑った。
「お前でも物忘れはあるんだな」
 呆れたと笑う姿が少し嬉しそうだった。
それを不思議に思いながら私たちは講義を受けるために校舎へと歩いていった。






 結局、落ち合う場所は何故か私が最初に指定したホテルになってしまった。
彼がここで良いと言ってしまったからなのだが私には心臓に悪すぎる場所だ。
もちろん以前とは異なる部屋だが同じホテルだ。構造、調度品、あらゆる物が似通っている。
ベッドの真新しそうな白さが眼に痛かった。あの朝、彼はここで少しだけ背を丸めて眠っていた。
しがみつく、子供のように。
 もはや単純な嫌な思い出とは異なってしまったその出来事を思い出していると、控えめなノックの音が私の耳を揺らした。
「流河、入ってもいいか?」という夜神の声がドア向こうから聞こえる。私はその声に答える前にドアを開いた。
いきなり視界に現れた私に驚いたのか、夜神が眼を見開いてこちらを見る。
「あぁ、来たよ。流河」
「はい。いらっしゃい夜神くん」
 私に促されて彼は動揺する事もなく部屋に入って来た。あの時と同じホテルだと先に指摘したのは彼であるのに特に気にしないらしい。彼のここで良いという言葉は負けず嫌いである彼の多少意地の入った見栄だと思っていたのに。
私ばかりが何か思うところがあるのは面白くない。
「夜神くん、どうしました?」
 彼が少しきょろきょろと周囲を見回したのに反応して、私が問いかける。
私の言葉に彼は肩をすくめて見た。
「いや、流石に同じホテルなだけあって内装はそっくりだと思って」
 どうやら彼も私と同じことを考えたらしい。しかしその表情に動揺は見て取れなかった。
彼は表情を余り出さない方だが、それでも訓練した人間ではないので鉄仮面という訳でもなかった。
本当に何も思うところがないのだろう。
「私達は……何も変わらないと確信していました。だからこそ身体を重ねてもみました」
「変わったかな?僕達は」
 私の過去形の言葉に、少なくとも関係は変わっていないけど。そんな事を彼は口走った。
確かに私達の『大学の友人同士』という大まかな関係は未だ崩れていない。
しかし細かく見れば変化は伴っている。例えば私が、夜神を助けようと考えるようになった事とか。
夜神が私に対して明らかな弱みを見せる様になってしまった事とか。
「君は昨日、私に怒っていたでしょう?それは間違いないと確信しています。理由を教えてください」
「探偵なら推理して当てて見せなよ」
「私は合理主義なので目の前に答えがあるのならそこから引き出したいと考えるんです」
 考える事を放棄している私に彼は渋面を作った。軽い音を立ててソファに座り込む。
何か緊張しているのか、私は喉に渇きを覚えていた。前回来た時は夜神が茶を用意してくれていたと反射的に思い出す。
「流河、君はキラが理想といっていたね」
 夜神が口を開いた。その声音には非難するような響きが混じっている。
「はい。そして夜神くんはキラの体現者です」
 キラ。私の理想の人。その体現者である夜神。私の理想の人物だ。
「Lとして、それは許されないと思わないのか?」
 彼はきっぱりと軽蔑すらこもってそうな声で言った。
彼は非常に潔癖症の嫌いがあると感じていた。それは実際の行動ではなく精神的な話だ。だからこそ彼は無闇に他人と寝ることを良しとせず、それを持って自分を汚そうとしている。潔癖でなく堕落した人間はそれを汚れとも思わない物だ。
「Lはそんな事をしちゃいけないだろ…」
「どうしてです?」
 愚痴るような夜神の物言いに私は反論した。
Lとして許されない。キラを賞賛する行為は確かにそうかもしれない。しかし個人として理想を抱く事までも辞めろとは酷い話だ。私はLである前に一人の人間なのだから。Lなど所詮役職名にすぎない。
 しかし夜神は私の存在すら無視したかの様な一種恍惚とした表情でその艶やかな口を開いた。


「Lは僕にとって理想だ」


 それは私の耳に不思議な音として残った。
始めは理解すら出来ない、夜神の声をした心地よい音だった。
やがてそれが単語であると理解して、一句一句を頭の中で反芻した。
そんな作業を行うくらい、私には予想しない言葉だった。
私は彼をキラだと疑っている。だから私は彼にとって不快な存在なのだと思っていた。
 彼は更に言葉を紡いだ。
Lは清い存在だ。潔癖で厳格な存在。穢れを許さない。
完璧で尊い。自分とは違う存在。
 それは私の台詞だと語る夜神に私は内心呟いた。
夜神月が表すLは私の中のキラと対して変わらない存在。そんな事を言われても納得しがたい物がある。
それに……
「夜神くんは、私が道を踏み外すのを楽しそうに見ていませんでしたか?」
 彼は私に堕落するよう働きかけていた。
自分が堕落を行うのにわざわざ理想とする相手まで引き込むだろうか。私なら絶対にしない。
理解できないと訴える私に彼は人差し指を私に向けて悠然と笑って答えた。
「Lは完璧な存在。でもLの体現であるお前は完璧じゃない。それは僕の完全性の否定にはなりえないかな?」
「なり得ませんよ、私と貴方はまったく違う」
「どこが?寺椅だって言ってたじゃないか。僕と君は表面的にしか違わないんだ」
「それは能力の話でしょう?」
 反射的に私は答えた。能力の話である事は事実だがそれは寺椅の中でだけの話だ。
私たちは自分達が似ている事を理解していた。だからこそ表面にだけ囚われて夜神だけを逆恨みにした寺椅に呆れる事ができたのだから。
「流河、否定しないでくれよ。僕らは似ているだろう?」
 だから完璧だと言うなと、彼は言いたいのだろうか?
それは認めたくない。やっと見つけたと私は思っているのだから。
「君は私の理想です」
「僕の理想も君だよ。僕達は似ている」
「違う。私は汚れていて、君は綺麗です」
「君はとても清い存在だ。それでも汚れた部分もある。だから僕にもあるんだ」
 認めて。認めて。と彼は主張する。
しかし前提が納得できない私にその主張は受け入れられない。
「汚れようとして汚れる君は真に汚れてなどいません」
 それが私の主張。寺椅の主張。夜神月と触れ合った人間達の主張。
自分達とは異なる生き物が同じ物になろうとわざと同じ様な行為をしている。それはますます彼の特異性を浮き立たせるだけだった。
「私の目的は情欲、君の目的は穢れ。その時点で私たちには明確に違いがあります」
 私は夜神の主張を頑なに拒否した。
私は夜神に言いたかった。これ以上否定しないでくれと。
それは私の心の中にほんの僅かだがずっと存在していた理想の存在を崩す要因になる。絶対に現れないと思っていた理想的な人間。
それを崩そうとしないで欲しかった。胸が痛い。
「じゃあ僕はどうすればいいんだ?」
 ぼそりと彼が呟くのを私は黙ってみていた。
「普通にしていても、悪い事をしてみても皆僕を汚れてないだなんて……可笑しいだろ?
どうすれば僕は皆と同じになれるんだ?」
 嘆いて下を向く彼の顎に手を添えて私は眼を向き合わせた。彼の透明感のある瞳が私をまっすぐに見つめている。
私はゆっくりと自分でも驚くほど穏やかに諭すように話した。
「普通にしてください。貴方はそれで良いんです」
 彼を大事にしたい。彼はまさに生まれながらに自然とあらゆる物を持っている。
美しい容姿、並外れた能力。正義感。博愛的な精神。
失ってしまった理想を体現する存在。だから皆彼を大事に思っている。或いは妬んだ。寺椅のように。
 その希少性を私は強く夜神に訴えたつもりだった。
だからそのまま美しい存在である事を受け入れそれを大事にすべきだと。
しかし夜神は首を振って、私の言葉を否定した。
「お前はお前の理想を大事にしているだけだろう?それは僕じゃない」
 悲痛な叫びというよりも諦念の響きがあった。
それは度々私が眼にした人間らしい夜神月だった。理想とは違う、しかし穢れとも違う。ただの人間。
そんな存在ではないはずだと考えて私はやっと気付いた。
 夜神の人間性を殺しているのは自分だと。
私だけじゃない。夜神に好意を抱く者、賞賛する者、嫉妬する者。
大抵の人間が彼を興味の対象にする一番の理由が『理想を絵に描いたような人物』だから、だろう。
美しさ、優しさ、強さ。
それらは夜神の物でありながら夜神の物ではない。他人の心にある他人の理想の姿だ。
そして重ねあわされた夜神は誰にとってもただの理想的な人物にしかなりえない。
 そのループから逃れようとして夜神月はこうしているのだ。
自分は自分という人間なのだと藻掻いている夜神。それすらも理想的な人物の一要因に変えられてしまう夜神。
生まれて落ちた時から常に否定されてきたのだろう。
「すみません、月くん」
 自然とその言葉が出た。酷い話だろう。
私達は誰も夜神月を守ろうだなんて思っていなかった。守りたかったのは自分の中にある自分の理想だけだ。
理想に重なるのなら誰でも良かった。
「すみません」
 それでも夜神を理想の人としか見れない自分がいて、私は夜神に同情した。

支離滅裂再臨。
あと少しだけど、本当にくっつけられるのかな?
さすが見切り発車。



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