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死の舞踏(L)


私の誘いの手を差し出せば、お前は優雅にその手をとった。
お前が手を引けば私はそれを追った。
私が手をかかげれば、お前はその中でくるりと回った。
お前がしなだれかかれば、私はお前の腰を抱いた。

先のみえた駆け引き。お互いがお互いの手の中で優雅に踊る。
お前は踊りながら死をばらまく。
私はお前を手にするため、さらにダンスを踊らせる。
パーティーフロアは屍体の山だ。

お前は死神。
これは死の舞踏。


だが忘れるな。
『死は誰にでも等しく訪れる』ものだ。
お前だって逃れられない。
私はお前の死神だ。


今日もまた死体が増える。
私達はダンスを踊る。
互いが息絶えるその時まで、屍体の上で永遠に踊り続ける。




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死の舞踏というモチーフは美しい。
たくさんの芸術家達が惹かれたのも当然と言えるかも。






欠落要素(ミサ)


私は今、とても幸せ。

仕事は上手くいっていて、とても楽しい。
東京に出て新しい友達も出来て、とても素敵なカレシも出来た。
彼の名前は月というの。
綺麗な名前。
頭が良くて、格好良くて
ちょっと素っ気無いけれど、優しい所もあって……
とにかく私は大好きなの。

私は今、とても幸せ。

でも何故かしら?
なにかとっても大切な事を忘れている気がするの。
それは私の根源にも繋がるような……
とにかく大切なものだったはずなの。
なんだったのかしら?
思い出せないわ。
そもそも『それ』が本当にあったかどうかも怪しいし。

でも、もし『それ』があったとして
それをなくしてしまった私は私なのかしら。


私は今、本当に幸せなのかしら?


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自分を救ってくれた人達を忘れたミサは可哀想だと思う。






絶対者(夜神 月)



幼いころに一度だけ、僕は教会に入った。
うちは別にキリスト教徒ではなかったから、教会など身近な存在じゃなかった。
幼いころの気紛れな行動。
今思えば、中々に大きな教会だった。
その時の自分はそんな事考えてもいなかったけれど。



思い出す。

至る所にかかげられた宗教画。

キャンドルは幻惑的な明かりを灯していて、

パイプオルガンは巨大だった。

その中心に掲げられた十字架は、窓から射し込まれた光を受け威圧感を放っていた。

静謐で荘厳なその世界を壊してはならないと幼心に感じ、僕はずっと口を閉ざしていた。




これから僕は『それ』になるのだ。
そう思うと、どうしようもなく可笑しくてたまらなかった。



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月の言う神はどうしても一神教のイメージ。





神の教え(キラ)



心を正しく持ちましょう。

何ごとにも一生懸命取り組み

弱きものには優しく

自分を律し

他人を律し

自分を愛し

隣人を愛し

神を愛しましょう。


正しくないものは殺しましょう。

弱者を虐げる、強きものは殺しましょう。

堕落し、他者を堕落に落とす。そんなものも殺しましょう。

自分を愛せないものは自ら死になさい。

出来ないのなら隣人を殺しなさい。そうしたら殺してあげましょう。

神を愛せないものは神を畏れなさい。

出来ないのなら死になさい。


愚かな人々。
その言葉を胸に秘めて、この混沌を生きなさい。
そうすれば混沌の先にある、新世界の住人にしてあげるから。





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今の本誌の展開だと、キラと月は分離して行くのかも知れないと思ったり。



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