ダンサー1-7
ここは立位で勝負だ。
スローな動きのまま、まずはお互いの愛撫テクニックを競い合わせよう。それならばこっちにも自信がある。両手の愛撫だけで女をイかせた人数も数知れず。弱体化したといっても、百戦錬磨のテクニックまでは衰えていない。スローな動きだけで絶頂させる方法も心得ている。
問題は、立位で挿入した後だ。
相手もそれほど強くはないだろうけれども、その肉体は極上なまでに強化されている。まともにやれば、大人の男性でさえもあっさりと精を抜き取られてしまう。ましてやそのテの好みを持つ男性ならなおさら瞬殺だろう。そんな相手が、弱体化したペニスをくわえ込んだらどうなるか…
併用される愛撫攻撃が、勝利の鍵を握る。決して手をゆるめることなく、ダンサーのオンナに耐え、勢力を温存させながらこいつを倒すんだ。
僕は彼女と向き合ったまま、ハワイアンなゆったりしたウクレレの音楽に身を任せて、しっとりとした動きで両手で彼女の全身を撫でさすった。
僕たちにはもう、言葉はいらない。ただ、呼吸が乱れていく。そして、上気した顔で見つめ合うことで、共有された快楽の度合いを確かめることができる。
ダンサーもしっとりとした動きで、僕の全身を撫でさすってくる。肩から腕、おなかと、すべすべの手がゆったり滑っていく。そのふにふにした柔らかい手の感触が、何とも安心感を醸し出していて心地よい。
だが、これは戦いだ。愛し合っているわけではない。愛し合っているのだけれど、本質はイクかイかされるかの真っ向勝負だ。気を緩めたり、魅了されたりなどもってのほかである。僕は気を引き締めて、さらに敏感な乳房へと手を動かしていく。全体をまさぐり、ややふくらんでいる部分を中心に丹念にかわいがり、揉み、さすり、くすぐっていく。あくまでゆっくりと、しかし確実に性感神経にダメージを与えていった。
呼吸が相当に乱れている。小さなお胸は、僕の手と、自分の肋骨のダブルパンチで、両側から性感帯を責められているのだ。まして、変幻自在な指の動きで、揉みとさすりとマッサージと、くすぐりと乳首集中攻撃を同時に繰り出しているのだ。半端なダメージではないはず。
ダンサーも負けじと、ペニスを片手でつかみ、腰をゆったりとくねらせながら、ちゅっくちゅっくとゆっくりしごいてきた。
柔らかい手だ。包み込むように、僕の小さなペニスをつかみ、ゆっくり優しく、音楽のリズムに合わせて根本から先端へと、じっくり手を動かしてくる。
きめの細かい手のひらの肌触りが、ペニスを優しくしごき続けると、僕は天にも昇る安心感に包まれてしまう。素早くしごく刺激も強烈だが、こうしたスローな動きも心地いい。かんで含めるような優しい手つきに、つい僕も彼女の腰と同じ方向に腰をくねらせてしまう。
乳房を中心に、僕も彼女の全身をかわいがる。時折手を下にのばして、オンナ表面をくすぐり、クリトリスをいじくっては、じらすように別の場所に手を動かしていく。ここを刺激しないでおくのは、挿入時の相手のダメージを倍加させるためである。むしろ背中やお尻、内股といった場所を丹念にかわいがって充血させておくことで、挿入後に短期決戦できるんだ。
じりじりと女の子が近づいてくる。僕たちはキスを交わした。もう、いつでも挿入できる体制だ。いつまでも愛撫攻防だけで済まされるとは、はじめから思っちゃいない。挿入をあくまでも拒否しようものなら、彼女は反撃して、無理矢理ペニスをねじ込んでくるか、意表を突いてランバダダンスの激しい動きに切り替えてこないとも限らない。やはり、ちょうどいいタイミングで、立位で結合してしまうしかない。
ダンサーが腰をくねらせながら足を開いた。僕はやや腰を落としながら、下から突き上げるようにして、小さなペニスをオンナ表面にあてがった。すると、彼女がゆっくりと腰を落としてくる。僕もタイミングを合わせて、少し折り曲げていた膝を元に戻し、立ち上がりながら腰を突き上げていった。あくまで、ゆっくりと…
ぐにゅにゅ…
ペニスが根本からダンサーの中に入っていった。「ふうっ…」悩ましいため息をついたのは、やはり僕の方だった。
入れたとたんに、とろけるような熱いオンナがまんべんなくペニスを包み込んで離さない。直情的な締まりが呼吸の度に蠕動して、ペニス中のすべての性感神経を圧迫して射精に導こうとしてくる。奥行きはないものの、とろっとろにあふれる愛液が、小さく未熟なペニスを根本から先端まで愛してやまない。あまりに甘美で優しい感触に、入れっぱなしなだけで快楽の種を吐き出してしまいそうだった。
ハワイアンのゆったりした曲調に合わせて、数秒に一回の割合で、僕は腰をゆっくり動かし、ペニスを出し入れする。根本までしっかりおさめてから、ゆっくりと腰を引いて、先端まで引っ張ると、またゆったりと腰を突き上げて根本までねじ込んでいく。
感じやすい部位やクリトリス周辺には丹念に肉棒をこすり、内部をしっかりかき回し、相手に気づかれないように瞬間だけスピードを上げて女筒を快楽にさらしつつ、根本まで入れた時には先端が敏感なところを突っつくようにしっかり力んでやる。ゆっくりスローな動きながら、女体へのダメージは相当なものになっているはずだ。
愛撫攻撃の併用も忘れず、乳房を中心に、吸い付くような肌触りのあらゆる部位をかわいがりながら、特に敏感な部分を指先の魔術でくすぐってあげる。激しい動きではないものの、じっくり追い詰めるようなテクニックで、確実に敵精力を大幅に削り取っていった。
相手も負けてはいない。
リズムに合わせてゆっくりと、腰をひねりながら大きくグラインドする少女。僕の動きに合わせながらも、しっかりと腰を回転させて、適度に締め上げながら優しくペニスを揉みしだく。彼女が腰をくねらせる度に、オンナの形状が少しずつ変わるみたいで、僕が突き上げる度に違う味わいを股間に送り込んでくれる。
大きく股を開いた状態で、上半身は僕にしっかり抱きつき、腰だけを音楽に合わせてくねらせるスローな動きは、僕に安心感を与え、その優しい腰使いは、直情的な少女の締まりを、急に色気に満ちたレディの甘美な蠕動に変えてくれる。
上半身は密着しており、なまのきめ細かい肌触りが、じかに僕の上半身に張り付いて離れない。僕は彼女の背中に手を回し、背中を愛撫しながら、自分の胸板で彼女の胸をぐりぐりこすり、前後から快楽を送り込んでやる。そして焦らずに腰を前後させて、ペニスで彼女を悦ばせ続けた。
ダンサーも、ペニス先端を中心に全体をゆっくり優しく揉むように締めながら、腰のひねりで変幻自在な膣の感触を送り込んでくる。お互いのほおずりが、すべすべで心地よかった。
体の力が抜けていく。全身を包み込むようなじわじわした快感が、僕の精神まで浸食して、心地よい安心感とともにどこまでも広がっていくみたいだ。
僕の耳元でこだまする彼女の息づかいは、ダンサー自身の精力が残りわずかであることを示していた。抱き合ったまま、ゆったりと全身を揺り動かすスローなセックスは、彼女にも全身を貫く脱力感をもたらしているに違いない。
このゆったりした動きで、急激に精力が削られることなく、むしろ女体の方がじわじわと高められていて、その包まれる快楽に精神がとろけきっているのがわかる。このまましばらく続けていれば、彼女の方がへなへなと崩れ落ち、大量の愛液を放出させて果ててくれることだろう。テクニックの勝利ということになりそうだ。完全に正気はこっち側にあった。
おぴゅ。
「…え?」
「んんっ…来てる…いいきもち…」
「んああ!」急激な快楽が僕の股間をおそった!
ペニスは律動し続け、体液がさらに勢いを増して放出されていく! どぼぼぼぼ! 「うわあああ!」快楽はさらに強まり、精液が早い律動とともに大量にあふれ出ていった。快感がどんどん強まり、脈打ちと射精スピードが速まっていく。
何が起こったのか、全くわからなかった。
彼女のゆったりいやらしい腰つき、ひしゃげるおなかの肉、変幻自在なオンナ…それが確かに、僕の精力をじわじわ削り、少しずつ高めていたのは認める。だが、残り精力はまだたっぷりあって、ダンサーの方がイキそうになっていたはずなのである。
しかし、スローな動きの中、何の前触れもなく、いきなり精液がペニスから吹き出し始めたのである。
通常なら、イク直前に多幸感に包まれ、その後に脈打ちが始まる。当然、そうなるまでには精力がゼロに近づくピンチな状態に陥り、自分自身でその兆候を認識できる。だから、直前になれば、イクまいと踏ん張ることもできた。だが、今回は、その兆候が全くなかったのである。
出し抜けに射精が始まってしまった。自分の意識とは関係なく、つい漏らしてしまったという方が真実に近い。
出始めたとたんに、何が起こったかわからずに、急激に多幸感が広がり、イク快楽が高まって、通常の脈打ちよりも遙かに速いスピードで、そしてかなりの長時間、勝手に精液が出て行く。どんどん出て行く。その時には快感がピークに達し、自分でもどうすることもできなくなってしまっているのだ。
やっと快感が収まり、精液もすべて出し尽くした。そのとたん、ずーんと強い脱力感に包まれ、体が重くなる。立っていられなくなり、「はふう…」僕はその場に崩れ落ちてしまった。
「やったね☆ 私の勝ち!」「あうあ…」いったいどうなってやがるんだ。
精力は残っていたはず。いきなりイかされてしまった? 何か強烈な攻撃があったわけでもないのに、たっぷりあった精力が急になくなってしまうなんてことがあるというのか?
「スローなセックスのおもしろいところだよね。おちんちんが急激な刺激に悦ばなくても、水面下でじわじわと充血してて、限界点を超えたところで、一気に急に高まるから、イク前の感じも分からないんだよ。すごいでしょ?」
「ああ…」そういうことだったのか。迂闊だった。ターンごとのダメージは小さく、安心しきっていた。だが、水面下で、全身の興奮が高まり、包み込まれるスローな安心感で脱力していて、防御力も地に落ち、射精するまいと踏ん張るタガも外されてしまっていた。全身の充血がすべて性感神経の刺激になるようなところまで来ると、急激に快感が高まり、射精が自動的に始まってしまうんだ。
スローな動きの中で、イク直前の認識ができない。意識できないほど短い時間の中で射精感が高まってしまうからだ。仮に意識したとしても、時すでに遅く、我慢しようとする力みはすべて解除されてしまっている。0.2秒くらいで多幸感が始まってすぐに出してしまう状態だ。だから、実際には「射精してから」気づくのである。
たっぷりあった精力も、急激にすべて失われ、射精が始まってから、脈打ってから気づく状態だ。その後に精神が追いつき、射精時の快感が始まる。その快感は、押さえられていただけに、堰を切ったように強くなり、脈打ち速度もかなり速く、体内の精子はすべて出し尽くされてしまう。その強烈な快楽が数分も続き、我を忘れてしまったというわけである。
どんな形であれ、射精は射精だ。つまり、僕の方が完全に敗北したというわけである。
「ああ…」急激に玉袋に精子が溜め込まれていくのが分かる。体の奥がじわりとくすぐったくなる。出し尽くしたはずなのに、ペニスが再び強く隆起し、性欲が頭をもたげる。しかしその一方で、頭の中は混濁し、訳の分からない状態が理性を奪っていく。体の脱力と、ずんとした重さも全身を包み込んでいて、身動きがとれない。
「スローなセックスの虜みたいだね。じゃあ、これからしばらく、みんなでゆっくりとかわいがってあげるね?」
僕の周りを大勢の女性が取り囲む。五重塔の外側に集まっていた、顔見知りの女の子たちが、僕の敗北を知ってどっとなだれ込んできたのだ。
小中高のクラスメートたち、テレビに出ているアイドルやポスターの少女、同じ電車に乗ったことがある女性やすれ違った女性、近所のレストランで働く女子大生など、ほんのわずかの縁しかない女性たちまでかり出されていた。
「くすっ…魔法をかけてあげる。」ぐにゃ…視界がわずかに歪む。いったい…なにが…おこって…いるのだ……
「キミの時間軸を変えたよ。…正確には、認識の時間力だけどね。一秒をとても長く感じる魔法だよ。ほら…わたし…いま…とっても早口で…しゃべってるんだけど…キミには…ゆっくりしゃべっているように、き…こ…え…る…で……しょ……」
ああ…本当だ…
ダンサーの話す言葉もとってもゆったりに聞こえる。周囲の女性たちの動きがとてもスローになる。
彼女たちも、僕自身も、普通に動いているだけだ。だが、一秒を数秒以上に感じることができる精神に変えられたために、彼女たちの動きがとてもゆっくりに思える。細かい動きまでが手に取るように分かり、相当早く動いているはずの女子たちの動きが、スロー再生のようにゆっくりとしか動いていないように見えている。
自分の体の動きも相当に鈍いし、感覚も鈍っている。小学時代のクラスメートが、ペニスをいきなり握りしめると、超高速でしごきたてたのだが、僕の主観では、3秒くらいでひとコスリという超スロースピードにしか感じられない。
肉体は改造され、すぐにでも、いくらでも射精できる体になっている。しかし、肉体の反応までスローなために、あっという間に射精するという感じがない。
同じくらいの年のぺったんこな少女が、柔らかい手で一気に精液を絞りにかかっているのだが、そのスローな動きにじわじわと高められ、快楽に脱力しているようにしか感じられないのである。
びゅる!
精液が出始めてから、また、さっきのような多幸感に襲われ、20分ほど時間をかけて、早い脈打ちで精液が出続ける。その間中、イク快楽が全身を包み込んだ。客観的には、手コキして10秒弱で射精しただけなのだが、僕の主観では、数分間じわじわ高められて、20分間ずっと射精し続けていたように感じられる。射精時の脈打ちが、僕の主観でも早く感じられるというのは、肉体改造の結果射精の快感が強烈に狂わんばかりに跳ね上がったことを意味している。それさえもスロー化して、普通の射精に感じられるというわけだ。
通常の精神であれば、一気に狂い果て、理性を失って、快楽だけをむさぼる動物になるのだろう。しかし、周囲がスローになり、精神がスローになっている中での持続する快楽であれば、理性を失うこともしばらくはなく、このスローセックスを存分に楽しめるというわけである。もっとも、それも数ヶ月持つかどうかだ。さらに快楽は強まり、決して飽きさせない天国になっているのだから、そのうちに人間としての主体的精神は失われて、スローであっても容赦なく快感が強くなって、やがて自己意識は崩壊するのだろう。
高校時代のクラスメートが、惜しげもない裸体で飛びついてきた。スローなので、ゆっくり抱きつかれたように感じる。ゆっくり、時間をかけて、ペニスを挿入していく。彼女にとっては一気に挿入したのだが、僕にとっては、先端を入れ、ゆっくりゆっくり、腰を落としてペニスを真ん中くらいにまで入れ、さらに少しずつ少しずつ、膣内にペニスを飲み込んでいくように感じる。
すっぽり収まる頃には自動的に脈打ちが始まり、その後にイク直前のあの快楽が追いついていく。
ああ…このスローセックスの愉しみを、これからしばらくの間続けていくことができるんだな。僕はなんて幸せなんだろう。
ゆったり、交代で、僕の体を快楽に満たし、精を抜き取っていく少女たち、お姉さんたち。いつまでも飽きることなく、この音もないスローセックスを、存分に味わい続けることにしよう。
###ゲームオーバー###