キレイになる薬! 1
ある製薬会社が画期的な薬を開発し、販売を開始した。その名もずばり「キレイになる薬」。会社の説明によると、この薬を飲み続けるとDNAに徐々に作用し始め、自分の理想の顔立ち、肌、髪の性質、体形や背の高さに至るまで、何でも思う通りに作り変えられるのだという。そして、美形の顔、例え老人でも20代と変わらないような若々しくてきれいな肌、美しいプロポーション、きめ細かいキューティクル、こういった「キレイ」を望まない女性はない。それ故この薬はキレイになる薬という訳である。
朝昼晩に一日3錠、一ヶ月程飲み続ければ効果があらわれるという。一瓶100錠入りで10万円也。
制作方法は秘密。どうやって遺伝子に作用し、またどのように作用して行くのか、そのメカニズムも企業秘密。本当に効くのかという事や安全性についても、詳しい事は一切公表せずに「安全です!効果も保障します!」を繰り返すばかり。
こんな怪しげな薬、誰が飲むものかと笑う者が圧倒的だった。また詳しい情報がまるで公開されていないし、DNAに作用するなんて、非人道的で危険だと批判し、未知の副作用だってありうると警告する団体も多かった。最初の数ヶ月は、売り上げは絶不調。開発費を中心とした諸経費ばかりかかって来る。開発した新薬が失敗すると、それが元で倒産する薬品企業も少なくない。ここの会社も長くはないだろうと誰もが揶揄していた。
しかしそれでも、ひそかにこの薬を購入する女性もない訳ではなかった。一瓶100錠入りなら、つまり一瓶で一か月分あるという事。そして一ヶ月で効果があると広告されている。10万円を払っても、できうるならキレイになりたい、効果はないかも知れないけど、もしうまく行くのなら10万円は安いもの。これに賭けてみたい。そういう思いを抱く女性も多かったのである。実際に購入する勇気を見せたのは、その内のほんの一部である。この薬を買った事が周りの人にばれて、しかもキレイにもならなかったら、いい笑いものにされるからだ。薬を飲む人は、人に隠れてこっそり服用するのだった。
そして一ヵ月後。子雪栄子は勇気を出した側だった。発売されてすぐに、通信販売郵便局止め、絶対ばれないようにして、親にも内緒で、この薬を購入したのだった。10万円分の月賦はバイトで賄わなければならず、それがちょっとキツかった。が、キレイになれるのなら、と期待を膨らませつつ、薬を飲み続けたのだった。最初の1〜2週間は、なんら変化がない。3週目に体がだるくなり、疲れやすくなり、また異常に熱っぽくなって眠れない事もあった。やめようか、とも思ったが、これも体質改善の一部かも知れないし、ちょっと怖いけど後一週間、がんばってみようと言い聞かせながら、結局やめなかった。
それから数日、体調の異常はなくなった。朝鏡を見て、栄子は目を見張った。梳かしてもいないのに、普段ボサボサの髪がキレイに整えられている。いつの間にか、顔のあちこちにできていたニキビも消え、スベスベで張りもある、みずみずしい肌になっていた。鼻も気持ち高くなっている気がする。体調も頗るいい。
次の日にも変化があった。一重まぶただったのに、いつの間にか二重でパッチリした目に変わっている。顔のみずみずしさも増し、油っぽさが完全に消えていた。顔の形全体が、少しずつ変わって行ったのだ。一ヶ月前の写真を取り出してみても、まるで別人のようである。
さらに次の日。体重が50キロを切った。もともと太り過ぎとは言えない、普通の体形だったが、それでもやっぱり痩せると嬉しかった。特におなかの辺りがへこんでいる。所謂「くびれ」ができていた。
その次の日には、体重は変わらなかったが、バストが膨らんでいた。ヒップも一層丸みを帯び、それでいてキュッと引き締まっていた。足も細くなりながら、ふくらみとスベスベ感は失わず、ふくらはぎも細く伸びていた。
これらの事は、日々少しずつ変化して来たものであるが、人間は少しずつの変化には気づきにくい。鏡をよく見て、いつの間にか自分が変わっている事に改めて気づかされたのである。
栄子は飛び上がらんばかりに喜び、今まで薬を飲んでいた事を周りの人に伝えた。周りの人も、一瞬ゾッとしたが、それでも実際にキレイに生まれ変わった栄子を見て、何も文句が言えなかった。只両親だけは、彼女の副作用が何か出て来るのではと心配した。
栄子のクラスメートの女子が変わり始めるのに、もう一ヶ月かかった。彼女達は、変身した栄子を腹立たしく思う反面、うらやましくもあり、結局友達に内緒で薬を飲むようになったのである。只その友達もみんな隠れて薬を飲んだから、みんな一斉に変わったという訳だ。
口コミは徐々に広がって行く。会社側も、栄子を呼び、写真を撮り、「実際にこんなに変われる」と広告の材料にした。もちろん栄子の元には大金が転がり込んで来る。人々は、段々この薬が本当にキレイになれる薬である事を認めるようになって行った。自分の周りの女性達が、見る見る内に美しく変身しているという現実を前にして、「効くものか」とは言えなくなった。
人道がどうとか騒いでいた環境団体や消費者団体も、一応警告は発し続けたが、そういう運動をしている女性達も隠れて薬を飲む有様である。40代であれ70代であれ、薬を飲み続ければみな20代の美女に若返る。これを世のオバサマ達が傍観している筈はなかった。瞬く間に、「キレイになる薬」は女性達の愛用品になって行ったのである。新薬は大成功、会社の利益も相当なものになった。
だがどういう訳かこの薬、男性にはまったく効き目がなかった。会社側は原因を究明し、男性にも効くように改良しますと発表したが、どんなに工夫しても、改良薬はできなかった。男性にも効けば、若返りの薬として、世の男性達を虜にできる筈だが、男が飲んでもなんら変化がないので、そっちの方向はあきらめざるを得なりかずき。
こうして町には、あっちもこっちも若い美女だらけになった。「キレイになる薬」ブームは絶頂を極めた。ほとんどの人が「あらゆる薬には副作用がある」という事を忘れていた。この薬にももちろん、副作用があった。だがそれは、服用後3週間程で襲って来る体調不良であると思われた。誰だって運動したり食事制限したり、筋肉をつけたりとダイエットにいそしむ場合や、体質の改善の為に食生活に気を配る場合などは、それなりの努力を強いられる。その努力の一環に過ぎないこの状況を、人々は副作用だと思い込んでいた。本当は、恐らく開発者自身も気づかなかったような、もっと恐ろしい副作用が、この薬には秘められていたのに。
ある日、子雪栄子は入院する事になった。こともあろうに、自転車で登校中にバナナの皮で滑って転倒、そのまま複雑骨折。足にギブスをはめ、暫く固定しなければならなくなった。情けなくて泣きそうだった。自動車が通りかからなかったのが、不幸中の幸いであった。
次の日、昼下がりに父親が見舞いに来た。彼女の家は電気屋で、父はサラリーマンではなかった。母は仕事だった。
「調子はどうだ。」父が尋ねながら個室に入る。だが栄子は静かに寝息を立てていた。おっとしまった、と思い、静かに花と果物をベッドの脇に置き、栄子の掛け布団を直してやると、そのまま病室を出ようとした。
「あ、お父さん来てたの?」栄子が目を覚ましてしまった。
「ああ、起こしちゃったか。どうだい、体調の方は。」「退屈。」「まあ、おとなしくしていなさい。」「ああ、あの最後の一枚の木の葉が散るとき、私も死ぬのね。」と、窓を指差したが、窓の外に木はなかった。「あ…」「バカな事言ってんじゃない。」父に怒られてしまった。
ほのぼのとした家族の光景が、不幸の中でもきらめいていた。父も娘も、幸せだった。この時までは。
「うぐっ…」「どうした?」「く、苦しい!」突然栄子が苦しみだした。まともに呼吸ができず、喉をかきむしる!
「おい栄子!大丈夫か!しっかりしろ、栄子!栄子!」医者を呼ぶ間もなく、彼女は仰向けに倒れてしまった。そしてそのまま絶命した。
「誰か!だれかー!」父は病室のドアから大声を出した。だが、どういう訳か駆けつける者はなかった。ナースコールをしても反応がない。「ちくしょう!どうなってんだ!栄子お!」
父は栄子をゆするが、もう彼女の息はなかった。彼も慌てていた。パニックに陥り、どうしたらいいか分からなくなっていた。
これが、「キレイになる薬」の副作用だった。単にキレイになるというだけでも、体には相当の負担だった。その上余分な脂肪を削ったり、体形を無理に短期間で変えれば、結局急激な変化に耐え切れずに、命を落としてしまう。強過ぎる薬、効き過ぎる薬は、同時に毒でもある。栄子は哀れにも、17歳の短い生涯を閉じる事となってしまったのである。
10分の時間が、あっという間に過ぎて行った。父はまだ、何が起こったのかを掴み切れずに、呆然としていた。母に連絡する事さえ忘れた。
ここに来て、キレイになる薬の恐ろしい副作用をまだ説明しなければならない。この副作用は、単に個体の命を奪うに留まらなかったのだ。DNAがいつまでも若い細胞ばかりを再生産しようとした為、誰もが若返る。その代わり肉体に過度の負担を与え、死に至る手伝いをする。しかしそればかりではなかった。永遠に若いままでいられるようにと工夫された遺伝子操作が、思わぬ方向に暴走し始めたのである。
それは人間のバイオメカニズムを急激に変化させ、人間とは違う生き物へと、薬を飲み続けた個体を作り変えて行ったのだ。それは、心臓が止まりながらも、血液が流れずとも、酸素を吸わずとも、別のエネルギー源から生きて行ける生物、ゾンビである。しかも若くてきれいな肉体を永遠に保持し続けられる女ゾンビである。
彼女らは酸素も血液循環も、通常の食事も必要としない。それでいて脳を働かせ、体を動かし、言葉を話し、生き続ける事ができる。かれらは腐敗しない。どんどん若い細胞を増殖させ、新陳代謝してもいる。怪我をしても体の一部を失っても、すぐに元通りに再生できる。栄子もまさに、この悪魔の薬によってゾンビに改造されてしまったのだ!怪我をして歩けなかった足も、既に治っていた。
栄子は目を開けた。父は一早くそれに気づいた。
「栄子!お前…」
父は自分で合点させた。娘が死んだと思ったのは見間違いで、一時気を失っていただけなのだと。とたんに、安堵の感情が胸一杯に広がる。
「お父さん…」
「あぁ!よかった!死んだかと思ったぞ!」
ともかくよかった。そう思い父は、娘に近づいて行った。目がうつろな娘を抱きしめた。涙もこみ上げて来る。
栄子は父に抱かれながら、自らの両手を父の背中に回した。父は急に気恥ずかしくなった。年頃の娘を抱き締めているのと、さっきまで自分が取り乱していた事が、今更のように恥ずかしくなって来た。そろそろ離れようか、と思った。
「お父さん…」
だが栄子は、キュッと背中の手に力を込める。そのまま父の胸をほお擦りした。
「おいおい栄子、いくら何でも…」
栄子は背中に回していた手を下へシフトさせ、父のお尻を撫で始めた。
「何だ!ふざけるんじゃない!」父は栄子を引き離そうとした。
だが栄子は父を離そうとしなかった。胸に顔をうずめていたが、急に上を向き、父の顔めがけて息をはいた。「はあああああっ」
その息は薄いピンク色をしていた。父はそれを吸い込んでしまった。
「うぐっ、げほっ!」
少し父から離れ、娘は父の股間をズボン越しにまさぐった。男のズボンの股間部分は、きれいな三角形を描きながら膨らんでいた。ピンクの息は、即効性の男性向け催淫剤である。栄子の柔らかい手が、実の父の股間をズボン越しに愛撫している!こんな倒錯した状況なのに、父の方は、ほとんど動けなかった。
「う…、はうっ!や、やめろ…。実の親子…」
「お父さん…」娘は父のズボンのベルトに手をかける。いけない、実の娘を相手に、と自分に言い聞かせていながら、体は言うことを聞かなかった。ヤリタイ…。何者かに命令されているかのように、体の方は欲望で満ち溢れてしまっている。そのまま栄子とセックスしようというのか、だめだそんな事…。理性の声は繰り返し「自分」を説得しようとするが、ピンクの息の魔力には太刀打ちできない。分別の声は徐々に小さくなって行く。
「好きだよ、お父さん…。おなかすいたから、お父さんの、…ちょうだい?」ついに栄子は、父のズボンとパンツをずり下ろし、自分のパジャマと下着を脱ぎ捨て、ギブスを素早く取り外した。ゾンビに服は要らない。もう父は抵抗できなかった。
女ゾンビは、通常の食事ではない、別のエネルギー源から活動の糧を得る。それは男性の精液である。より正確には、精子と生体エネルギーである。通常の射精では精子しか出ないが、女ゾンビとのセックスにおいては、睾丸で精子が作られる際、男性の体の養分を濃縮したもの(ここで「生体エネルギー」と呼ぶもの)も一緒に集められ、それを精液として相手の口か子宮に放出される。彼女達にとって「食事」とは、この特殊な精液の事である。
通常生物は、食料を捕らえ、また効率よく食べる為に、さまざまな機能が工夫されている。ハエを捕らえる植物は、ハエの好む香りを放出してこれを引き寄せ、捉えたらできるだけ効率よく栄養を吸収する為に虫を溶かす液に素早くこれを放り込む、という具合に。女ゾンビの場合も同様であった。
強烈な催淫効果を持つ「ピンクの息」で相手の抵抗力を殺ぎ、毒を持った唾液と膣液、汗等の体液が、相手を徹底的に絞るのだ。この毒は、一つには生体エネルギーを睾丸に寄せるように男性の機能を作り変える効果があり、また一つには、連続して射精できるようにする効果がある。
通常男性は、連続して射精する事はできない。数回も抜かれれば、痛くて動けなくなる。だが、女ゾンビの毒は体から「痛み」と「疲れ」の感覚を麻痺させる。その上この毒は、ピンクの息の素になっているもので、息以上に強烈な催淫効果がある。だから「食べられている」男性は、疲れる事もなく、痛がる事も嫌がる事もなく、快楽の中で精液をどんどんゾンビに提供するのだ。
そして彼女達のセックスは、通常の人間の女のものではない。若くてピチピチした、スベスベしっとりの肌、この上なく美しい外観、ゾンビになったとたんに自然に身につく、さまざまな至高のテクニックの数々、そして自在に動きながら強烈に締め付ける事もできる名器。すべて男から精液を搾り取る為に、つまり生きる為に自動的に備わっている生物としての機能である。これに捕らわれた「エサ」は、とめどなく射精させられ、食べつくされてしまうのである。
彼女達は、一回の射精分の精液で一日生きられる。そして最大約100日分の食料を溜め込む事が可能である。そして丁度よい事に、一人の男性が生体エネルギー付きで連続して射精できる最大回数は約100回である。それは、100回で男の方が生体エネルギーのすべてを絞り尽くされ、絶命するという意味である。そして女ゾンビは大抵空腹である。いつでも食料を求めている。ましてやゾンビになりたての時は、食欲が強烈である。あっという間に数回から10数回射精させる事も可能だ。
もちろん人間とは違う生物なので、それまでの社会的なしがらみなどなくなってしまう。相手は射精可能な男性なら誰でもよい。例えそれが、さっきまで自分の「父だった人物」であっても、である。栄子は、もはや目の前の物体をエサとしか見ていなかった。
しかし、エサの方には、まだ人間としての分別もあった。最後の理性、近親相姦への人類共通の憎悪、彼はこれを振り絞った。
「や、やめてくれ…。やめるんだ、栄子!」
必死に抵抗したので、何とかむき出しのペニスに触れていた栄子を引き離す事ができた。ピンクの息のせいで、頭がくらくらする。ここにいては危険だ。本能的にそう察知した父は、何が起こっているのか訳の分からないまま、個室を逃げ出そうとした。
「うぐっ!苦しいよぉ、お父さん!」
栄子は胸を押さえて悶え始めた。父はまだ娘を娘として愛していた。逃げようとした意思は、苦しむ娘の声でかき消された。
「栄子、どうした、だいじょう…むぐっ!」
振り返って近づいて来た父の唇を奪った。苦しんでいたのは彼女の演技だったのだ。瞬間、彼女の唾液が父の口の中に流れ込む。さっきとは比べ物にならない催淫効果を持つ、甘い体液だ。もちろんこの毒は超即効性である。あっという間に毒が全身に回り、力が抜けて行く。触れられてもいないのに、我慢汁がとろりと垂れて来た。
足に力が入らない。父はその場にぺたんと、腰を抜かしてしまった。
「そうそう、食べる前にはいただきますって言いなさいって、お父さんよく言ってたものね。折角の親の言いつけだもん、守らなくちゃね。…いただきまーす♪」
栄子は、地べたに足を開いて座っているエサの足の間に入ると、動く意志も殺がれた父の、いきり立ったペニスに口を近づけた。そのままゆっくりと、ペニスを咥え込んで行く。
「うっ!」
半分程咥えた所で、父は栄子の口に精液を放った。それでも彼女はペニスを離さない。そのまま奥へ奥へと咥えて行き、彼女の口にすっぽりと包み込む。そのままモゴモゴと口と舌を動かした。
「くっ!え、栄子…」
この動きは彼にとって強烈だった。催淫毒がペニスからも染み込んで行く。男が感じるコツを知り尽くした舌が、ペニスのあちこちを這い回る。舌を丸めて亀頭に触れたと思いきや、丸めた舌を元に戻すように根元へと這わせて行く。根元をちろちろと左右に愛撫し、また舌を持ち上げてペニスの上側まで舐めて行く。その間ずっと、口をすぼめたり離したりを繰り返す。この連続攻撃に男はひとたまりもなく、何度も何度も射精した。
しかし何度射精しても痛みもなければ苦痛もない。只、この異常な事態に恐怖を覚えるだけである。しかし体は動かない。恐怖心すらも、絶えず与えられる快感によって薄れて行くようだ。通常の射精とは明らかに違う事が、父にも分かった。段々エネルギーを吸い取られて行くような感覚。高められて射精、というのではなく、常に最高度の状態に保たれ、連続して射精させられているという感覚。射精寸前の全身を包むくすぐったいような快感がずっと続き、ドピュッと発射するのではなく水道の蛇口のように出し続けているという感じ。素早く連続して射精させられている。だが毒で脳を犯された父は、もう死んでもいい、このまま快楽に身を任せていたいと思うようになっていた。
ゴクッゴクッ
栄子は、まるで哺乳瓶からミルクを飲むように、栄養たっぷりの精液をどんどん飲み干して行く。が、段々ミルクも途切れ始めるようになった。エサが快感に慣れ始めた証拠だ。そこで栄子は、亀頭をさらに喉の奥に押し込み、すぐに離すようにし始めた。動きは段々早くなって来る。ある時は柔らかい唇でペニス全体をしごくようにし、またある時は口腔内でしごく。喉の奥で亀頭をくすぐるのも忘れない。その過程のすべてを通して、舌があちこちを舐め回す。唇でしごきながら亀頭を舌で、また口腔でしごきながら真ん中あたりを舌で、という風に、しごきと舌との組み合わせを猛スピードでランダムに組み合わせて行く事で、常に新鮮な快感をペニスに与え続ける。
また水道水のように、ミルクがこぼれ始めた。
父も娘も、一言も口を聞かなかった。
「さて、そろそろいいかな。」栄子は口を離すと、エサにしなだれかかり、そのまま押し倒した。上着を一枚ずつ剥ぎ取って行く。ペニスはまだ反り返ったままだった。
その上に跨り、一気に腰を落とした。
「ぎゃ!」
フェラだけでも、これまでにない快感だった。が、栄子のオンナは、口とは比べ物にならない位優しかった!腰を動かさなくてもきつく閉じたり開いたりし、ウネウネと動いて来る。あっという間にまた、精液を垂れ流して行く。それも、水道の蛇口全開状態である。
栄子は腰を上下に動かしたり、前後左右に動かしたり、それらを組み合わせて斜めになってみたり、グラインドさせたりしている。それが名器との相乗効果で、父に更なる快感を与えて行く!さらに栄子は、自分の体の位置を横向きにしたり後ろ向きにしたりして、新鮮な刺激を送るようにした。ぐるりと回ってねじる事も忘れない。
100回の射精で死ぬと言ったが、一回一回を数える事ができない程の猛スピードの連続射精であった。
「ねえお父さん、まだ出せる?」大体80回位にはなっているだろうか、栄子は父の顔を覗き込んで微笑んだ。父はもう意識朦朧の状態であり、口は利けなかった。思考は完全に停止し、ペニスだけが「生きている」事を証しした。
「そろそろあたしもおなか一杯になって来たから、最後はデザートっぽく行くね。」
栄子は咥え込んでいたペニスを、腰を浮かせて半分離した。亀頭よりちょっと深い所までが、オンナの中に入っている格好だ。
「んっ!」
そのまま栄子は、ブルブルと小刻みに震えた。ゾンビは体をバイブのように震わせる事もできるのだ。根元まで入っていたら、また水道水のように連続射精していたに違いない。しかし後20回で終わり、どうせならできるだけ長く楽しもうという栄子の意思により、連続射精には至らず、20秒に一回程度の割合にまで射精頻度を落としての攻撃だった。
栄子がゾンビになってから20分程しか経っていない。実際に食事を始めてからは、14,5分といった所である(もちろんその内の半分以上の時間が、「デザート」に当てられたのだが)。しかしもうこの個室には、栄子の姿はなかった。只エネルギーを吸い尽くされ、干からび、変わり果てた栄子の父の死体だけが、無残に転がっているだけであった。
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