劇場版フザケンジャー! 恐怖のイマドキスクール!! ~その6~


 インキュバスのユルゲンに生まれ変わった僕は、残ったイマドキスクールの生徒らを連れ、人里離れた山奥の孤児院にやってきた。ここは我が主メアリィ女王陛下の治められる土地で、無責任な大人に捨てられた不幸な迷い子たちが集められている。

 ここで僕たちはマミー義姉上に招かれ、今日からスクヴス救済教の信徒として生きる事を申し付けられた。しばらくは、ここで神父様と共に、孤児たちの面倒を見る仕事が続いた。義務教育分の学校教育は、教団の先生方が請け負う事になった。中学校までの教育が修了すれば、僕たちは養成所という場所に通わされるのだと言う。

 とある日の朝。みはるちゃんなどの女子生徒たちや、孤児院の子供たちと、いつものようにリビングで朝食を取っていると、テレビのニュース画面で見覚えのある顔を見つけた。それは、みはるちゃんのお母さんだった。見ると、他にも彼女と同年代ほどの中高年の女性たちが大勢いて、プラカードや旗を振り上げたまま、何やら物々しく騒いでいた。デモ集会のようだった。

『お願いです、私たちの子供を返してください。保育所の方々を信用して我が子を預けたのに、これじゃあまりにも私たちが浮かばれないじゃないですか!』

 悲痛な面持ちで叫びながら、みはるちゃんのお母さんは画面上で嗚咽を鳴らす。『警察や児童相談所は何やってんのよ!』『政治家がふがいないせいで、日本の母親たちはおちおち女子会にもいけないわよ!』『女性を大事にしない国なんて潰れちゃえ!』あちこちから抗議や避難の声が上がった。

 ここで、幹部のマミー義姉上が僕らを訪ねに来た。

「皆さん、よく見ておきなさい。これは『粗大ごみ』です。自分たちの怠慢が招いた責任を国に押し付ける。ふふ、彼らは自分たちを守ってくれている存在を、自らの手で刈り取ろうとしているのです。こんな粗大ごみ共はできるだけ速やかに処理しなければなりません」

「はい、お義姉様。大人になったら、是非私に粗大ごみの始末をやらせてください」

 みはるちゃんが積極的に申し出る。「うふふ、いい子ね」義姉上は満面の笑みで彼女の頭を撫でてくれた。「みなさんも、こうしたゴミはきちんとくずかごに捨てるのですよ」僕たちにもありがたいお言葉をかけてくれた。

 やがて、僕たちは朝食を片付け、自由時間になった。

「ユルゲン様」みはるちゃん、まなみちゃん、エレナのボルテージ3人娘が、妖しい笑みを浮かべながら僕ににじり寄った。「僕たちだけでいる時は関口くんでいいよ」僕は彼女たちに言った。

「うん。関口くん、今日は体操着を着てみたの。下はもちろんブルマ。ふふ・・・」

「それじゃあ、皆でムカデ競争をやろう。もちろん、僕が真ん中だよ」

 僕一人だけは、彼女たちとは別の仕事があった。それは、やがて教団の信徒として生きる彼女たちに対して、ありったけの精エネルギーを注ぐ事だった。僕はインキュバス化した事で、人間の時とは比べ物にならないほど膨大な精力に満ちあふれていた。実は朝食を食べている時でさえ、玉袋が張り詰めてとても苦しかった。だから、孤児院の仕事をしている時以外の時間は、こうして彼女たちに喜んで精を提供するのだ。時には外から女性の信徒が訪ねてきたり、マミー義姉上が直接僕を抱いてくださる事もあった。

 下界の息苦しい生活から切り離された僕は、この至福の人生を与えてくれたメアリィ女王陛下に心から感謝していた。

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