拍手ありがとうございました! ジャムは赤い。そして甘い。 「君が甘党とはな」 それも苺を好むとは、アーチャーは何だか不思議そうに言う。その前でトーストに真っ赤なジャムをこれでもかと 親の敵のように塗りながらランサーは、 「なんだ、そんなに意外か」 「割とな」 「割とな、って」 男が、それもランサーのようなタイプが甘党とは大分珍しい。アーチャーにしてみれば。 甲斐甲斐しく朝食の準備をしながらアーチャーはたずねる。 「ああ、なら君、ロシアンティーも好みなのではないかね?」 「そうだな、嫌いじゃないぜ。でもなあ……」 「でも、何だと言うのだね」 「オレは紅茶はストレートが好きだ」 でもって告白もストレートがいい。 ついでに珈琲もだ。 ジャムを塗り塗り言われたその言葉に。 サラダをテーブルに置いていたアーチャーは目をきょとん、と丸くしてから。 「……何の関係性が?」 「おまえに愛してるっていつでも言いてえってことさね」 「それとこれとは関係ないと思うのだが!?」 「馬鹿野郎、あるに決まってんだろ。……ん、まだ今朝は言ってなかったな?」 さく、とトーストを齧ってから。 ランサーはウインクをひとつ。 「愛してるぜアーチャー。……今日もな」 当然のように言われたその言葉に、アーチャーがどんな反応を返したかは、また別の機会にということで。 * ランサー×アーチャー:真っ赤なジャムのおはなし *
- PatiPati (Ver 4.3)- |