※この主人公の名前は男主は真壁海之(まかべみゆき)、女主は真壁七海(まかべななみ)と言いますが小話を読む際に全く知識としては必要ありません。
 あしからず。
※あと台詞などは全く整合しておりません。その場のノリとウロ覚えの萌えで構成された小話です。勢いのまま読みきってください。

■ほのぼの擬似家族
「カルナって何だかジナコのお父さんみたいだな」
「なんで!」
思わずキャラ設定が崩れるくらいジナコさんが焦った。ちなみになんでさはアーチャーの口癖。
「だって、世話焼きだし。なんかいい人だし」
「人じゃない! 英霊だもん!」
だもんと来たか。このニート!
「そんなこと言ったらそっちのサーヴァントなんてオカン! オカンじゃない!」
えっ。
「そうか。なら」
ちょっと待て。この展開には。
この展開には選んではならないフラグがびんびんと!
「カル――――」
「オレとアーチャーは夫婦ということか」
ほら!
カルナさん、とさん付けまでして呼ぼうと思ったのに間に合わなかった。ていうかなんでいつも一言足りないとか言われてるくせにこんな時だけ口早いんだよ!
ていうかアーチャーは俺のだよ!
「えっ、BL?」
「この腐女子」
腐ってやがる、早すぎたんだ。
「……だとすると、うちのマスターが長男でそちらのマスターが長女かな?」
「はい?」
待ちなさい。
どうしてノリノリなんだ、俺のアーチャーはっ!
「両親を亡くしてジナコも心細いことだろう。どうだ。擬似とはいえ、家族を演じてみるのは」
恐ろしいのはこの英雄、天然で、素で言ってることである。
なんかアーチャーもうんうん頷いてるし。
うん。
このサーヴァント人情に弱いんですよね知ってた――――!!
でも息子の座から母を寝取るとかちょっと萌えるなって思った。

■濃縮エーテル
です。
「さあアーチャー飲み干して! 一気に飲み干して! 回復のためだから!」
「じゃあどうして野獣のような瞳で私を見ているのだ!」
「何ならエリクサーでもいいよ!」
「だからどうして獣のような……ッ、この、ケダモノ……ッ……」
恥らうアーチャー超かわいかったです。

■マイルーム
なんでアーチャー、背中に定規突っ込まれたみたいな格好で寝てるんだろう……。
なんでアーチャー、靴履いたままで寝てるんだろう……。
疲れは取れるのか。せめて靴は脱ごう。見てる方が落ち着かない。
そう思ってそっと手を伸ばしてみると、
「う、ん……」
うわ。
起こしたかと思ってびっくりして手を引いてみたら。
「マスター……違う……そっちは……ああ……」
叩き起こして何が違うのか小一時間ほど問い詰めたかったけど、寝姿がかわいかったのでやめときました。

■侵入再び
「イヤッフー! またアーチャーの中に侵・入! しかもアーチャーナビとか最高じゃないかな? え? なんか声がする? 聞こえない。絶対にだ」
『いや、反応してあげなさい』
「はぁい」

■SG3
「え……え?」
なんで?
何度も何度も何度も見直しても。
「……何故私の顔をじっと見るのだね、マスター」
「……アーチャー?」
にっこり笑顔で口にする。あ、ちょっとアーチャー引いた。
「なんで俺に最後のSG開示してくれないの?」
「あ、うん、それは、だな、」
「そ・れ・は?」
逃がさない。
壁ドンして追い詰めて、さあ解答はと責め立てる。しばらく視線をさ迷わせていたアーチャーは意を決したように、
「済まない。それは女性専用なんだ」
「完璧に男女差別ですよねこんちくしょう!?」
詰みましたありがとうございました。

■ED
暑い。
日差しが照りつけて、燦々と体を焦がす。
ああ、駄目だなあ。
立ち上がれない自分に笑う。
一度座ってしまったら立ち上がれないって知ってたのに。
走り続けないと。
本当にどこまでもどこまでも、走り抜けていかないとって。
未だ己のことを理解出来ない自分だけど、それだけは本当だった。駆け抜けて、駆け抜けて、その果てに。
――――何が、待っていたとしても。
それは、真壁海之の選択だ。
はあ。
でも、疲れたな。
ため息をつく。そんな目の前に、ふと手が差し出された。
顔を上げる。
そこには。
……そこには。
とても。懐かしい、ひとが。
怪訝そうな顔をして。
「……あのさ」
「何だ」
「俺、次の人生で女に転生してくるからその時こそ最後のSG見せてね」
「は?」
「だから今生では男の俺と結婚しよう!」
「おまわりさんこの人です!」

■リインカーネーション
まず初めに。
わたしは俺であり。
俺はわたしだ。
つまりはそういうことだ。
「マス、…………?」
何だか不思議そうな顔をしている目の前の彼に、真顔で立ちはだかり。
「うわっ!?」
スカートまくり上げた。
ちなみにはいてない。
いわゆるキャストオフだ。
「じ、女性が何をしている! すぐさま下着を付けて、スカートを下ろしなさい!」
「お……わたし、ちゃんと生やしてきたんだからね! 大変だったんだから!」
「生やす!? 何を!?」
「ナニを」
「女性が下品な単語を使ってはいけない!」
「厳密には女性ではなくふたなりだがな!」
「何故あの英雄王のような口調になっている!?」
「我もキャストオフするぞ!」
「誰が呼んだんだこいつ!?」

■隠しボス
「えっ」
アーチャーが。
目の前と、隣に……?
「えっ、えっ」
これは。
これはRECだ!
ていうか絡ませたい!
いちゃいちゃさせたい!それで百合展開を見守りたい!
大丈夫、ラストには俺が両方いただくから!
「アーチャーあれやって。あいあむざぼーんまいそうど」
「了解した」
「即座に!?」

■隠しボス2
購買部の店員が出た!
「おいオレは無視か坊主」
「青いタイツの人とはお話しないって決めてるんで」
恋敵だし。
「まあいいか。……おい、そこの尻軽。新しいマスターの前で土下座させてやるからな、覚悟しとけよ」
ちょっと待て。
今なんて言ったこの青タイツ。
「アーチャーの尻は軽くなんてない! むしろ重い! その重さが心地良い! 特に上に乗られた時など」
「なあ、サーヴァント倒す前にあの坊主殺してもいいか。イラッときた」

■隠しボス3
うっわ。
ごめん。
マジで。
今の俺と眼鏡と手袋とあと微妙に髪型とか、かぶってる人が出てきちゃった。
しかも何?ケモミミ少女連れてるんですけど?なんかダウナーなんですけどケモミミ?なんで?
記憶ではもっとアッパーだった気がする。
ていうか、病んでるぞこのケモミミ!
「マスター、口から全部垂れ流しになっているぞ……」
「てへぺろ」

■好みのタイプ
「アーチャーが好き」
「ははは。まったく世辞が上手くなったことだ」
「本当に。マジ好き。生やして転生した甲斐があった。これでSG3も開示。わたしも嬉しい。前世の俺も嬉しい。さあ早く俺……じゃなかった、わたしの熱愛に応えてアーチャー!」
「……チェンジで」

■ひらひら
「あのな。……君、その、あまり無防備にジャンプするのはやめたまえ」
「ん? なんで」
「その。スカートが、めくれて、だな。中が」
「やだーアーチャーのえっち! ……とでも言うと思ったか!」
「何!?」
「見せてんのよ!!」
「女性に転生してもセクハラ魔人だな君は!」
「ありがとう!」
「褒めてない!」

■変態マッチョ
「助けてお父様ー! 変態マッチョがー!」
言いながらエセアイドルが逃げていく。その背中に間違いを正すように言葉を放った。
「失礼な! アーチャーは変態マッチョじゃない! 淫乱マッチョだ!」
「……そろそろ契約を切ってもいいかな、マスター」


ありがとうございました。



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