※この主人公の名前は男主は真壁海之(まかべみゆき)、女主は真壁七海(まかべななみ)と言いますが小話を読む際に全く知識としては必要ありません。
 あしからず。
※あと台詞などは全く整合しておりません。その場のノリとウロ覚えの萌えで構成された小話です。勢いのまま読みきってください。

■マーボー
「げ」
「……ん?」
「ははは、いらっしゃいませ」
そのいい声はやめてほしいと思う。心底そう思う。ていうか、なんで前作ではモブっぽかった店員さんが今作ではこんなに個性バリバリな神父に!?
「BBの仕業だ」
「くっそう、BBめ……!」
違いますセンパイ、ここだけはわたしの仕事じゃないです!とか、かなり必死に訴える声がしたがやかましい。本人が言うのならBBの仕業なんだろう。ていうか。そんなの関係ないのである。
「アーチャーと俺との平穏を乱しやがって……!」
「聞こえているぞ、少年及び来世では少女よ。いや、君は少年である道を選択することも出来る」
秘密の花園の最後のひとつは少女ではないと暴けないがな。
「えっ」
アーチャーの驚きふためく声。やっぱり。やっぱりか。
男尊女卑ならぬ男卑女尊かァ!!
ダァン!とクラシカルな床を殴って悲しみに悶える俺を、アーチャーがおろおろと心配そうに眺めている。おいおい。無関係そうな顔をしているが、アーチャーさん?
「なんで」
「え」
「なんで女だけなんだ! なんで男には秘密の花園を暴かせてくれないんだよぉ!!」
「マスター、その言い方はいかがわしい! 大変いかがわしいのでやめてくれ、マスター!」
「女装か!? 女装すればいいのか!? スカート履いて口紅塗って髪を伸ばして、ってげふぅ!?」
みぞおちに一発。
「……済まない店主。回復薬をひとつ」
「申し訳ないがマスター用のHP回復薬は取り扱っておりません」
笑顔だった。

■パニッシュ!
「マンネリだと思う」
「え?」
「最近お仕置きもマンネリだと思うんだ」
「あ、ああ……え?」
怪訝そうな顔をするアーチャーに詰め寄る。だって、毎日の暮らしには潤いが大事だってばっちゃも言ってた!
「ばっちゃ!?」
というか君、記憶が戻ったのか!?
目を丸くして驚くアーチャー、ソーキュート。
それはともかく。
「させて」
「え?」
「アーチャーに。お仕置き」
「……え?」
「SGも全部獲得したことだし。今の俺……いや。わたしになら、出来ると思うんだ!」
「すっかり男主人公だと思って話してたが、君は女主人公だったのか――――!?」
(例のBGM)
「ああっ、何故か例のお仕置きモードに!?」
「うふふアーチャー、あなたの秘密……暴いてやらァ!」
「最後で全部台無しだ――――!!」
>道具マニア
パリーン!
「!?」
「ちょ、ま、本当にこのまま続行するつもりかマスター!」
「モチ」
>奉仕体質
パリーン!
「ああっ!」
「ほぉら、どんどんどんどん暴かれていっちゃうよ? 今の気分はどう? アーチャー」
「さ、さいてい……っ」
>女難の相
パリーン!
「そんなこと言って……体は正直だなァ!」
「君は全くレディの要素すら持ち合わせていないな!?」
さて。
「コーティングが全部剥がされました」
「く……っ」
「いやー。やらしいなー。アーチャーのパニッシュ絵、やらしいなー」
「私は全く見えないのだが、私にもそんなものが!?」
「あるよ。ヒロインだもん」
「何の迷いもなく!?」
むしろ君が、と言いかけてアーチャーは言葉を飲み込んだ。うん、それでいいよ。
だって下手な反論なんてしたら、俺……いえ、わたしの心に余計な火が点っちゃうから!
凛に“もしかしてあんたってサド……いいえ、何でもないわ”と言わせた女よ?わたし。
「さて」
「う……ううっ」
「これから全部剥いていっちゃうわけですが」
「う、うっ」
「聞いておこうか。……恥ずかしい? アー……」
「ちょっと、待った――――ッ!」
ばたん!
「嘘!?」
なんで、どうして!?ここはわたしとアーチャーしか入れない……秘密のマイルームなのに!
なのにどうして、他の誰かが入ってこれるの!?
「それは俺が男主人公だからです」
「ちぃっ! その可能性を除外していた!」
だって、わたし=俺前提で話は進んでいたのに。
まさか、半身である男主人公がここで現れるなんて!
「何、邪魔する気!? それならいくらわたしの半身でも、容赦は……」
「みゆ、」
「いや」
ビスッ、と。
彼は、手を突き出して。
真顔で手を突き出して。
「俺も混ぜてください」
「海之!?」
「応とも!!」
「七海!?」
「名前で呼んでくれて……嬉しいな、アーチャー」
「えっ、え」
「本当……すっごく嬉しい」
「今は、そういう反応をするところでは……ああ……っ……!」
赤い花が。
散った。

■ガールズトーク
(……マス……おっと。凛たちと会話中か。これは邪魔してはいけないな)
「凛たちは、伴侶に求めるものって何?」
「そうね……恥ずかしい……けど、やっぱり支配してくれる相手かしら」
(ん?)
「ラニは?」
「わたしは管理したい願望がありますからね。こう、鎖でぐいっと」
(……ん?)
「桜は?」
「やっ、やだ、わたしですかっ!? わたしは……その、…………きゃっ、やだ、言えませんっ!」
「何よー! 桜ったら、やーらしーっ!」
「速やかに情報の開示を求めます」
「いっ、いけません! そんなの……そんなのっ!」
(…………んん?)
「で、七海は?」
「アーチャー一択」
「あー。そうよ、そうよね、聞いたわたしが馬鹿だったわ」
「ええ、ミス遠坂の失策でした」
「いいなあ……好きな人がいつも傍にいてくれるなんて。……憧れちゃうなあ」
「桜だって頑張れば出来るわよっ!」
「そうです。鎖で繋いで監禁してしまえばいいのです」
「マイルームを改造してさ……」
「ふ……ふむふむ?」
「君たち、物騒な猥談をしているものではないっ!」
「きゃっ! 聞いてたのっ!? アーチャーのえっち!」
「えっちー!」
「えっちですね」
「え、えっちです……っ!」
「そろってどの口がそれを言うかっ!!」

■赤原猟犬・耐力低下
「こいつは少しばかりしつこいぞ?」
もじもじ。
「よし、敵は倒したぞマスター。……マスター?」
「アーチャー!」
「な!」
「俺は? 俺はしつこい? しつこくても嫌じゃないか?」
「そ、そ! そ、んな、の……」
「なあ、なあ、なあ、なあ!」
「ふんっ!」
「あいたぁ!?」
ごすっ、と一発肘打ちです。
背中を向けたアーチャーから一言。
「しつこいが、嫌では……ないぞ」
「アーチャー……!」
はいはいバカップルバカップル。

■赤原猟犬・腕力低下
「匂いは覚えたな? ……行け!」
「…………」
もじもじ。
「よし、敵は倒したぞマスター。……マスター?」
「俺のは?」
「は?」
「俺の匂いは覚えてるのかって! 聞いたんだよ!」
「なっ」
アーチャーの顔が、見る見るうちにクール&ワイルドのジャケットのように真っ赤に、
「そっ、そんなもの……言わせるものではないっ!」
「えっ!」
「とっくに……覚えている」
「アーチャー……!」
ちなみに、シーツなどの洗濯の時に覚えたようです。

■ぶらっくすいまー
「この肉体を恐れないとは……いや、逆に惹かれたというのはどうか!?」
……すす。
「ん?」
……すすす。
「んん……?」
首を傾げるアーチャーに、
「惹かれた」
「うん」
「……真顔で言うのは止めてほしかったな」
僅差でアーチャーが常識人だった。

■赤セイバーの例のアレ。
ちらっちらっ。
「マスター」
ちらっちらっ。
「……マスター?」
「赤セイバーはやらせてくれたよ?」
「……何をだね」
「押し倒させてくれた!」
「実家に戻らせていただきます」
「傷付かれた!?」
「だって心は硝子だもの」
「遠坂さんが〆た!」


ありがとうございました。



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