■ソレは別腹です

「もーっ!! 駐在さんのばかー!」
「何だ何のハナシだ」
「ぼくというものがありながら! 普通にエロゲーやらないでよ!」
「普通じゃない遊び方ってあるのか」
 あるとしたら、あまり知りたくは無いが。
「茶化さないで! そうじゃなくてね、ぼくが言いたいのは」
 ──そんなに、
「そんなに欲求不満ならぼくにたべさせてよー」
「嫌じゃ」
「なんでよー」
「別にそんなコトやりたくてゲームしてるワケじゃないからな」
「えー? ナニソレ」
 そんなのわからないよー。
「だってさー、可愛い女の子のえっちな絵がいっぱいあるゲームなんでしょ。ハァハァみたいな」
「まあそう言うとミもフタもないがエロゲは概ね絵が命です」
「じゃあさじゃあさ、やっぱりそういうシーンでえーと」
 モニタ見ながら、えーと……。
 あんなコトとかしちゃうのかなー……。
 駐在さん、イケナイよそんなコトー……。
 ダメだよー……。
 カーテンも閉め切って真っ暗な部屋で、パソコンの光だけが浮かび上がる中で……こんなセイソで可愛い人が、そんなコト……そんなこと。
 ……えーと。


 ──えっちなのもわるくないとおもいます。


「……」
「……いいから帰って来い」
「そ、そうだよ、やっぱりダメだよソンナコト」
「いいんだよ萌えは別腹だから」
「そんなのダメー! やっぱり駐在さん変だよー」
「まあソレは認めるけど、普通に漫画とか本読んでるつもりで遊んでるユーザーの方が多いと思うぞ」
「そうなの?」
「多分。セーブデータ残ってるし、お前もやってみ」
 別に変な気おこらないから、と、ノートパソコンを向けられる。
「うーん……」
 ルナはちょっと考える。そう言われると、おもしろそうかなー。
 かわいいものは好きだし。
 ──いいかもー……。
「って、やっぱりダメー!」
「何故いきなりキレる」
「そ、そんなワナにはかからないから〜! ぼくがハァハァしちゃったりしたら、駐在さんソノ隙を突いて変なコトするつもりでしょ、そんな恥ずかしいコト、ダメだから!」
「お前ね……人を自分のモノサシで測ろうとするな」
 ていうか自分がされてイヤなコト、なんでやりたがるのか、その方がおかしいだろ、とユイはコッソリため息をついた。

 (1stup→071214fri)


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