■これはなに?

「包装はしてないけど、そんな日だから買ってきた」
「ありがとう〜! ぼくからはねー」
 マフラー編んじゃいました、と貰った物体は一巻きしても相当余った。
「ろくろ首用か?」
「そんなことないよん」
 ソレでいいんだって、と嬉しそうなルナ。
「あー……変身してから使うのか?」
「あっソレでもいいけど、でもブッブー」
「……何だよ。……! まさかお前っ……お前……」
 赤面してうろたえるユイ。
「お前ね、大概にしとかんとバレンタインさんにバチ当てられるぞ!」
 まあ、過去の聖人にそんな気があるなら、製菓業界の一角で、とっくに何か起こっているはずだが。ソレはソレとして。
 そんなユイの疑いのまなざしに、ルナはチョット呆れた。
「ちーがーうーよー」
 でも、ソレもいいかも。
 だけど、元々は、そんな不純な動機じゃない。
「もー、ひどいなあ。ぼくを何だと思ってるの?」
 ただのエロスライムです、と思ったけど黙っておく。
「恋人に贈る長〜いマフラーなんて、使い道はヒトツしかないでしょ」
 縛ってアレなコトしちゃうとかじゃなくて。
「こうやって、二人で並んで巻くんだよ」
 エヘヘ、とルナが幸せそうに笑うので、ユイは怒るのをやめておいた。

 (1stup→080214thu)


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