■三本の矢

「お前たち、三本の矢とは知っておるかの」
 この矢一本、手折るのは容易いが、と折った矢を傍らへ。
「だが、このように束ねればどうだろう」
 三本の矢を束ねる父。
「なるほど、これはなかなか、強靭でございますな」
 と、促されるまま次男へ矢を廻す三男。
「むむぅ、ソレガシの力にても叶いませぬ」
 苦笑しながら兄へ。
 黙って矢を見つめる長男。
「はんぬー!」
 目が黒くなってハイパー化、折れるというより粉砕される矢。
「流石で、兄者!」
「やはり兄者は違いますな!」
「いやー見事な!」
「兄者日本一!」
「いやいやまあソレほどでもあるかなナンチャッテ」
「またまた兄者は〜」
「はっはっは」
「ところで父上、先程の三本の矢とは如何様な話だったのですか?」
「イヤ……もういいよキミたち仲いいから」
「??」
 でもバカだから父ちゃん心配でス。

 (1stup→20080212tue)


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