恋の足音 since 2011.11.05 ※TOPへ戻る際は←のサイト名をクリックして下さい。


異様に大きな作り物の月が浮かぶ空で、無数の星がちかちかと忙しなく瞬いてる。
このセカイの"神様"であるフェイスレスがどうせなら夜も楽しく、と夜空に余計な演出を加えたのは此処へ来て何日目の事だったか。
床から天井までをそのままくり抜いたような大きな窓の側、もう何度読んだか分からない古書のページをめくって
ジークフリートは溜息を吐いた。

俯いた表紙にさらさらと流れ落ちた銀色の髪が視界を覆う。
取り払おうと上げかけた手は背後から伸びてきた太い腕に掴まれ、振り向こうとした体もそのままに抱きすくめられた。
ジークフリートの頭上から響く、低く掠れた笑い声。
「…バロン」
名前を呼ぶと、笑い声がぴたりと止まる。漂う空気からバロンが上機嫌である事は窺い知れた。
すっぽりとバロンに包まれている感触に居心地が悪くなり、ジークフリートは体勢を変えようとごそごそと動く。
バロンはその意思を無視するかのように片腕で彼を腕の中に押しとどめ、ジークフリートが持ったままの古書を取り上げて
乱暴に放り投げた。
「バロン、本は大切に扱ってください」
「もう飽きる程見たんだから良いじゃねぇか」

そう、もうこの城の蔵書は瞼の裏に字が躍るほど見ている。
気まぐれな神様のゲームに参加させられて、途方も無い時間を消費する方法はそうあるわけではなかった。
幸い読書をしていて頭痛を引き起こすような性質では無かったジークフリートは、一日のほぼ全てをこの書庫で過ごしていた。
1日と言っても、完璧な紛い物であるこのセカイは空さえ作り物だ。
時計に合わせてキャンバスを塗りつぶすように唐突に景色が変わる。
朝焼けと、昼、夕焼け、そして夜の闇。
天井までそびえ立っている大仰な本棚に囲まれながら過ごすのがジークフリートの毎日だ。

「ジーク」
そして、夜にこの男の相手をする事もすでに日常化してしまっている。
立ったままのジークフリートの腰に、すでに熱く芯を持ったバロンの股間がごりごりと押し付けられるた。
これから与えられる快楽を思い出したジークフリートの腰がぶるりと震えるのを感じて、バロンは最中の動きを再現するかのように擦り付ける。
人口的な月明かりに照らされてきらきらと輝く髪の隙間から見える耳が、赤い。
「思い出してんだろ?ジーク。俺に揺さぶられてひぃひぃ善がってんのをよ」
「…はい…」
そのまま空気に溶けて消えてしまいそうな声音で、ジークフリートが呟く。
このセカイでは嘘は吐けない。例えフェイスレスがその場に居なかったとしても、全ては当然のように筒抜けだ。
「だよなぁ」
言葉の端に情欲を滲ませながらバロンが耳元で囁く。わざと息を吹きかける様にすると、ジークフリートは小さく震えて押し黙った。
そう、こうして黙れば恥ずかしい言葉を吐かなくても良いと彼は何故か気付いていない。
バロンもわざわざ指摘するような勿体無い真似をする気は無かった。

「ほら、しゃぶってくれよ」
「んッ…」
耳の穴に舌をねじ込ませながら、ジークフリートの震える唇を割り開き指を差し込む。
たっぷりと唾液を絡ませながら唇を閉じたのを確認して、ゆっくりと指を抜き差しする。
普段陰茎をそうさせているのを思い出させるように、頬の滑らかな粘膜を突き、ざらついた上あごを擦ると
ジークフリートは更に指を奥へくわえ込もうと頭を動かした。
そうしながら下半身を覆う邪魔な衣服をずり下ろすと、一瞬ジークフリートが動きを止めバロンを振り返る。
彼の纏う衣装と同じ雪のように真っ白な尻に爪を立てるように掴むと、その瞳に怯えと期待が入り混じった。
「っあ、バロン…」
咥えさせていた指を引き抜き、柔らかな尻を両手で無理矢理押し広げる。
固く閉じられたまま、ひくひくと動く蕾に唾液で粘ついた指を擦り付けるとジークフリートの体がびくりと跳ねた。
「そこ…」
「すぐに解してやっからな、ジーク。早く欲しいだろ…?」
「…うん…欲し、ッ」
言い終わる前に指を突き入れる。
声を上げる寸前で唇をかみ締めたジークフリートに小さく笑みを浮かべ、バロンは指を奥へと押し進めた。
「ひっ…いやぁあ…」
根元まで埋まった指を小刻みに揺さぶってやると、ジークフリートが甘ったるい声をあげる。
ゆっくりと指を引き抜いていけば内股がぴくぴくと痙攣し、動きを追うように腰が揺れた。
浅いところの前立腺を押しつぶしてやると、びくっと大げさに背が跳ねて指をきゅうきゅうと締め付ける
「あぅッや、バロン…ッ」
「なんだよ…嘘は吐けないからな」
「違い、ます…もっと強く擦って…」
言いながら腰を押し付けて自ら指を奥に誘い込むジークフリートの体を押さえつけ、指を増やして望みとおりに
強めに刺激すると中がびくびくと震える。
がくりと膝を折ったジークフリートを慌てる様子も無く抱え、バロンはそのまま絨毯の上に座りこんだ。
内部を捏ねるように刺激しながら、だらしなく蜜を零しているジークフリートの尿道を親指でぐりぐりと擦ると
そこから更に粘ついた体液があふれ出してくる。
「ぁああ…もっと、もっと…」
「もっと指が欲しいのか?」
「はい、指、指で奥を触ってください…ッんひ」
蜜を流し続ける尿道を爪で抉るように刺激され、ジークフリートの体が弓なりに反った。
射精寸前まで張り詰めた陰茎の根元をバロンが締め上げると、ジークフリートが獣じみた声をあげて大きく頭を左右に振る。
「やだっやだっバロン、お願いですからイかせてください…!」
「駄目だ。お前は尻だけでイけるだろ?」
「な、なら早く貴方のを挿れてくださいッ」
叫ぶように懇願され、ジークフリートの体を持ち上げる。
硬く反り返った陰茎をひくつく口に当て、ぬるぬると滑るようにしてバロンが遊んでいると
ジークフリートが焦れたように腕を掴んできた。
「バロン、お願いだから…」
「はいはい」
ぬちゃ、と粘ついた音を立てながらバロンの陰茎が沈んでいく。
ゆっくり肉を割り開くように挿入する間も、ジークフリートは我慢が出来ないのか腰を小刻みに揺らし、
早く奥まで咥え込もうとしていた。
それでもバロンは時間をかけて事を運び、ジークフリートが諦めてふっと力を抜いた瞬間に一気に奥に叩き込んだ。
「ひあ"ッぁああああッ!!!」
急な刺激に跳ね上がるジークフリートの体を抱え込み、投げ出された白く細い足を支えて乱暴に奥を貪る。
がくがくと揺さぶられながら、拘束されたままの陰茎を擦ろうと伸びてきた手はバロンに呆気なく遮られる。
強い射精感に苛まれ、ついに泣き出したジークフリートの様子に気付いてもバロンの手は解かれない。
「ぅえッう…ひぃ…」
ぐずぐずと鼻を啜るジークフリートを気遣う事無く、バロンは思うがままに腰を動かす。
時折前立腺や、これまでに探し当てたジークフリートが感じる場所を掠めるように刺激しながら出し入れを
繰り返していると中が大きく痙攣し、それが全身に広がっていく。
「ジーク?」
「はぁッ…あッ…ぁー…」
覗き込んだジークフリートの瞳は熱に浮かされてとろけきっている。
泣きながら喘ぎ声をあげているせいで普段は澄ました顔も今は涙と鼻水で酷い様相だ。
締め付けが甘くて出してしまったのか、と視線を落とした先には苦しげに張り詰めたままの陰茎。
「ああなんだ…出さずにイっちまったのか」
詳しい条件は知らないが、時折射精無しで絶頂感を得る事があるのは聞いた事がある。
ジークフリートは壊れた人形のようにぐったりと体をバロンに預けている。
中を確かめるように腰を打ち付けると、ジークフリートが叫ぶように声を絞り出す。
その様子にバロンはにやりと笑い、再び中を味わい始めた。
「あ"ぁッま、待って、ぃぎッ」
「何で」
「おっおかしくな、ひっぃいッ」
「みたいだな、中が熱くてどうにかなりそうだ」
捏ねるように奥を探ると、ジークフリートはひぃひぃと涎を垂らしながら必死に快楽を散らそうと体を捩らせた。
一突きするたびに、射精した時のように中が蠢いてバロンの雄に絡みつく。
「んひッぁ、ぅん"あっ…!!」
すでにジークフリートは人の言葉を発していなかった。
鼻から抜けたような甘ったるい声ですら無く、発情期の獣のようにだらしなく声を張り上げている。
この城の壁がどこまで騒音を吸収するかは分からないが、書庫の外に別の人間が居たら確実にその声が届いてしまうような大きさだ。
硝子のように透き通った静かな声の持ち主は今、自分よりも大きな雄に貫かれて善がり泣いている。
その事実がバロンの雄をさらに硬く膨らませ、それを感じたジークフリートがたまらないと言った様子で中を締め上げる。
「そろそろ出したいか?」
「ッはい、出したいッです、ん"ぁッ」
「んじゃ、俺が中で出したらイけよ」
勝手に出すなよ、と耳元に吹き込んで手を離しても、ジークフリートの陰茎は一度ぶるりと震えた。
バロンは空いた両手でジークフリートの細い腰をがしりと掴み、真下から強く何度も突き上げる。
叫ぶジークフリートの銀糸がばさばさと舞い、バロンの鼻先をくすぐる。
粘膜の動きに誘われるまま奥に叩きこんで種を注ぎ込んだ瞬間、律儀にジークフリートも射精した。
勢いは無く、だらだらと涎のように陰茎を伝って落ちていく精液を指で掬い取り、だらしなく開いた口元へ持っていく。
「なに、かな…」
「出し過ぎた分、舐めろよ」
「…んん」
素直に舌を絡ませるジークフリートに笑って、そのまま体を絨毯へと密着させるように押し倒す。
ぼんやりしながら視線を寄越すジークフリートの中に入れたままの陰茎を揺らすと、ぐちゃりと淫猥な水音が立った。
「まだ夜は始まったばかりだ…だろ?」
にやりと意地の悪そうな笑みを浮かべるバロンに、ジークフリートはもごもごと言いよどんだあと
結局彼が挿れやすいように腰を高く上げてしまった。

ジークフリートみたいな清楚キャラが獣じみた喘ぎ声をあげてよがるってのが凄い萌えツボ…設定が出揃ったら下げるかも