恋の足音 since 2011.11.05 ※TOPへ戻る際は←のサイト名をクリックして下さい。


切欠はほんの些細な、頭の片隅にすら引っかからない口論だった。
レンが持っていた露出の高い女性が掲載されている雑誌に聖川が眉を顰めたところから。
あれだけ女性たちを弄んでおいてまだ足りないのか、俗物め。
と聖川が吐き捨てれば
どこかのじじむさい奴と違ってまだまだ枯れて無いんでね、それにレディへの気配りはお前より出来ているさ。
と負けじと挑発する。
そうして気付けば小学生のような口論はお互いに引けないところまで熱くなり、
ついには自慰の回数ややり方にまでの難癖をつけるようになった。
お互いすっかり頭に血が昇ってしまっている。

「口ではどうとでも言えるよさ。そうだろ?」
「ふん。ならば直接見せてやる」
売り言葉に買い言葉。
聖川は自分が言った言葉の異常性に少しも気付かず、畳の上にどかりと座ってズボンの前をくつろげ始めた。
レンもその行動を咎めることも笑うこともせず、聖川の前に腰を下ろす。
視線は興奮の兆しすら見せていない聖川の股間に注がれている。
「お前も脱げ」
「何だよ一緒じゃないと出来ないのか?」
「貴様は信用ならんからな。俺だけ急所をさらすのは不公平だ」
「仕方無い、そんなに見たいならやってやるよ」
舌戦を繰り広げながらレンもズボンのチャックを下ろす。
萎えたままの陰茎をやわやわと刺激しながら、レンの股間を凝視する。
お互いが陰茎を握りこんだのを確認すると、自然に視線が絡まった。
「おい…目は合わせなくてもいいだろ」
「お前こそ…」
レンの頬にさっと朱が走ったのを聖川は見逃さなかった。
目をこらさないと分からないくらいの微かな変化。あえて気付かない振りをしていると、
レンがホッとしたように手を動かし始めた。
事務的に包み込んで上下するだけの聖川と違って、レンの触れ方は扇情的だった。
長い指が蛇のように陰茎に絡まり、舌で舐め上げるように裏筋を辿っていく。
刺す様な聖川の視線の中でもレンの陰茎は萎えることなく勃ち上がっていた。
「お、前…いつもそんなつまらないやり方してるのか…?」
吐息交じりに発せられたレンの低音に、びくりと聖川の背が跳ねた。
無意識のうちに、レンの痴態を見ながら自慰にふけっていた。
気付かれただろうかとレンの表情を盗み見るが、生ぬるい快感でぼやけた瞳に睨まれただけ。
その眼光にいつもの鋭さも刺々しさも無い。
どく、と手の中の陰茎が脈打つ。
自分にだけ分かる変化だったが、焦った様子で聡いレンには伝わってしまったらしい。
「んっ…」
どんな嫌味を言われるのかと身構えた聖川の耳に届いたのは、切なげな吐息と微かな声。
粘ついた体液に塗れたレンの指が陰茎に巻きつき、卑猥な水音を立てて上下される。
空いた手がプチプチのシャツのボタンを外していく。
何もかも見透かしているような瞳が挑発的な光を帯びて聖川を捕らえる。
かちりと視線が重なった瞬間、レンが赤くぬめった舌で唇をなぞった。
「……ッ!!」
襲い掛かりたい衝動をなんとか堪える。
全身が炎に身を投げ出したように熱く燃え盛っている。
ごくりと生唾を飲み込んだ聖川に満足そうに笑みを与えながら、レンはシャツの中に手を差し入れた。
「あぅッ」
「、…神宮、寺」
「触るなよ?オナニーを見せ合ってる、だけなんだからな…」
レンの手がシャツを波打たせる。
中がどうなっているのかはレンの上気した頬を荒くなった息で容易に想像出来た。
盛り上がる布の形で、どんな風に弄っているのかさえ分かってしまう。
自分が、レンにした時の記憶がまざまざと脳裏に蘇る。
「んひっぁ、ぅあ…ッ」
「……ッはぁ……はぁ………」
レンが背を丸めて眉根を寄せる。大きく開いたシャツの胸元から、中の動きが良く見えた。
自分がした時とは少し違う指の運び方。
「ッ…なんだ、摘んで捏ねる方がお好みか…」
返事の変わりに、聖川の言葉通りに指が胸の突起に絡みついた。
ぎゅっと目を閉じたまま動きを止めないレンの口からだらりと唾液が漏れる。
「お前はいつも涎を垂らしながら自慰をするのか」
屈辱的な言葉を投げかけてもレンは顔を上げなかった。
扱く手が腹にごつごつと当たる程背中を丸めながら、聖川に見せ付けるように両手を動かし続ける。
陰茎に血管が浮くほど張り詰め、先走りをだらだらと溢れさせるレンが限界が近いのは明白だ。
すでに聖川が得ている快感のほとんどは触覚から視覚に切り替わっていた。
明るい髪を汗で頬に貼り付けながら、自慰にふけるレンを見ているだけで暴発してしまいそうだ。
「…レン」
「あっ」
漏れた声は情欲にまみれて掠れている。
名を呼ばれたレンは腰を跳ねさせ、陰茎を握る手に力を込めた。
発情期の獣のような声を出して何かをこらえているレンの股間を覗き込む。
「何だ…もう達したのか」
「ちが、う…ッ!」
「ふん。だが漏らしたんだろう?俺に名を呼ばれただけで」
「………………ッくそ」
レンが必死に締め付けている陰茎の先から、白く濁った体液が垂れている。
触る代わりに視線でたっぷり舐めると陰茎がぶるりと震えた。
衝動に抗うことを諦めた聖川が陰茎に絡まる指を引き剥がす。
「やめっ…!」
指を離した途端に射精、という事にはならなかったが触れた竿から伝わる熱さで
レンがギリギリのところで我慢しているのが分かる。
「見せ合う、だけだろ…ッ」
「散々挑発しておいて良く言う」
距離をぐっと詰めて、自らのものをレンと重ねて一緒に握りこむ。
敏感な箇所が弾力のある肉に押し返され、扱くたびに微妙に位置がずれて擦れあう。
「あ、やめっ…ひぃッあぁあ!!」
「天邪鬼め」
悪態をつきながら、腰を揺らす。
固定しているわけではないので、同じ角度で何度も擦れあうことは無い。
思わぬところから快楽の波が押し寄せて、気を抜くとすぐにでも出してしまいそうだ。
「も、真斗…ッうぁ、あ"ッ!!」
ちょうど亀頭を擦っていた指に力がこもる。
唐突に訪れた強い刺激にレンは耐え切れずに、背をぐっ、と反らして達した。
粘液が迸る音が聞こそうなくらい激しい射精をしてぐたりと後ろに倒れこんだレンにのしかかる。
びくびくと脈打つ陰茎を眼前に突きつけると、何をされるか理解したレンが反射的に目を閉じた。
「ぅく…ッ」
「あ………」
すっと通った鼻筋から厚めの唇にかけて、びちゃびちゃと白濁が撒き散らされる。
口内に広がった青臭さで、舌の上にまで注がれたことに気付いた。
レンの上からどいた聖川が一瞬で戻ってきて、真新しい手ぬぐいで顔をそっと拭かれる。
自らの精液で酷い惨状になっている腹を拭かれながら、無言の時間が続いた。
「っおい、そこは…ッ」
だらりと萎えていた陰茎を恭しく手に取られ、慌ててレンが起き上がる。
聖川はレンの制止を無視して壊れ物を扱うように優しく拭き、
残った精液まで吸い取ろうと布に包まれた指で尿道を突いた。
「ひぃいッ!」
達したばかりで敏感になっている体には過ぎた快楽が電流のように走る。
聖川は無言のまま、手ぬぐいで包んだレンの陰茎をゆるゆると扱き始めた。
「おい、もういいだろ…ッ」
ざらついた木綿の感触がレンを混乱させていた。
慣れていないせいで不快感も潜んでいるが、気持ちいいことに変わりは無い。
「自慰の見せ合いは確かに終わったな」
「分かってるなら離せよ…ッ」
ひょい、と聖川がレンを抱き上げる。
状況の変化に戸惑っているうちに自分のベッドに投げ出されて、レンは聖川を睨みつけた。
「おい」
「随分とサービスをしてくれた礼がまだ済んで無い」
そう告げる聖川を、レンはきょとんと見上げる。
シャツを脱がそうとする聖川はさも当然といった様子で残ったボタンを外していた。
「超過分は俺の性行為の仕方を見せる事で支払おう」
「なっ!」
「あくまで超過分だからな、お前の性行為の仕方は教えてもらわなくとも結構だ」
ゆらゆらと揺れて収まる気配の無い情欲の炎が、聖川の瞳の奥に揺れている。
胸板に触れた聖川の手の熱さに、戸惑いながら抵抗をやめた。
07/21はオナニーの日ですね!音トキはオナニーせずにえっちするだろうからマサレンにしました( ´ ▽ ` )