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くるくると表情を変える極彩色のスポットライトがステージを照らす。 ホールが身震いしたと錯覚するような歓声の中、2回目のアンコールを終えて舞台袖へ滑り込む。 去り際のウィンクと投げキッスは忘れずに。 「まだレディたちの歓声が聞こえて来るね」 暗幕の隙間から、オレンジと青のペンライトが揺れるのを見ながらレンが呟く。 熱狂の渦に飛び込んで出せる全ての力で歌いきって、こうして演目が全て終わってもまだ興奮は冷めない。 頬を伝う汗を拭った腕にかかる吐息が熱く湿っている。 隣でずっと同じように歌い踊っていた聖川も全力疾走した後のように肩で息をしていた。 シャイニング早乙女の鶴の一声でユニットとしてデビューしてから数ヶ月。 二大財閥の御曹司ユニットはその特性から親元絡みの取材や撮影が多かったが、 今日は久しぶりにアイドルとして歌って踊るライブの仕事。 「どうした真斗、これくらいで疲れたのか?」 傍を通り過ぎるスタッフたちに会釈をしながら、未だに口を開かない聖川に声をかける。 二人を包み込むようにホールを満たしてた歓声は終了のアナウンスとともに引いていき、 今は機材を撤収するスタッフたちが動き回る遠い音だけ。 聖川はレンの軽口に乗ることもなく、何かに耐えるように床をじっと見つめて荒く呼吸をしていた。 具合が悪いのか、と差し伸べたレンの手がじっとりと汗ばんだ聖川の手に絡め取られる。 「ッ…真斗、おい」 「…分かっているんだろう、付き合ってもらうぞ」 ぐい、と力任せに引っ張られて至近距離から覗き込まれる。 自分の感情を持て余して少し苛ついた聖川の声が耳に届くのと同時に、噛み付かれた。 歯列を強引に割って滑り込んできた舌は吐息と同様に酷く熱い。 ライブの興奮がそのまま下半身に流れ込んで、聖川を突き動かしていた。 普段の聖川からは想像しがたい軽率な行動だ、と思いながらも突き放せない。 自分も同じように熱に浮かされて、腰の奥がどうしようも無く疼いていた。 暗幕の影に聖川を引きずりこんで、汗でぺたりとしてる髪に手を差し込んで逃げられないように固定する。 仕返しとばかりに舌をきつく吸い上げて上あごを舐めると、聖川も負けじと舌を絡めてくる。 顎を伝って首筋を、鎖骨をなぞっていくのがどちらの汗なのか、それとも唾液なのか分からない。 二人暗がりで発情した獣のようにお互いの口内を貪り合う。 「んぁっ…ふ、引き分け、かな」 「それでいい、終わりが見えん」 べろ、と聖川がレンの唇を舐めてその場に膝をつく。 ぼんやりした頭がはっきりする前に硬くなりはじめた陰茎が熱い粘膜に包まれて、ひゅっと息を飲んだ。 「おま、え…何して…」 レンの言葉など聞くつもりは無いのか、聖川は黙々と陰茎に舌を這わせ、時折吸い上げる。 聖川が自分から口淫をした事など数えるほどしか無い。 性に関しては潔癖すぎるところがあるのは分かりきっていたからわざわざ頼むことも無かった。 なのに今は自ら頬を寄せ、何時の間に覚えたのかレンが好きなポイントを上手く突きながらしゃぶっている。 ぞく、と嗜虐心が湧きあがった。 心の疼きは下半身に直接流れ込み、口の中で急に膨らんだ陰茎に抗議するように聖川が顔を上げる。 「しゃぶるのも、結構…いいもんだろ?」 「何を偉そうに…んむ」 「頬の内側と、か…喉の手前とか…口内にも性感帯はあるんだぜ」 「ふん…俺はあいにくお前のような色魔では無いのでな」 ぎろ、と聖川がレンを睨みつける。 熟しきった果実のようにとろけた瞳で見つめられても逆効果なんだけどな、 と思ったが声には出さなかった。正直な分身はしっかり反応して聖川に心の内を伝えたけれど。 唾液と先端からでた先走りでどろどろになった陰茎を、聖川の細く長い指が扱く。 以前自分がそうしたように、睾丸をもう一方の手で柔らかく揉みながら。 熱を吐き出しそうになって腰を引こうとした瞬間、ちゅっと先端を吸われた。 「あ"ッ!」 咄嗟に声を抑えることも出来ずに、膝をがくがくと震わせながら精を吐き出す。 想定外だったのか避けきれずに鼻先に白濁をかけられて、聖川がふっと笑った。 文句を言いたいのに全身を巡る甘ったるい吐精の感覚が邪魔をする。 「ほら、舐め取れ」 「、この…」 立ち上がった聖川にずい、と距離を詰められた。 砕けた腰を抱えられ、悪態をつこうと開いた口が吸い寄せられるように白い頬に触れる。 すっと通った鼻梁にべたりと張り付いている白濁を毛づくろいをする動物のように舐めとる。 鼻につく青臭い臭いに顔を顰めているレンの足の間にするりと聖川の手が滑り込んだ。 当たり前のように体内に侵入してきた指に感触に、びくりと体が揺れる。 衝動に突き動かされているせいか、いつもより中をかき回す動きが乱暴だ。 抗議の代わりに舐め終わった鼻をがぶりと噛んでやると、くるりと体を反転させられた。 「もう我慢出来なくなったのか?」 「うるさい…お前こそ、今やめられて我慢出来るのか」 「はんっ。そうなったら俺がお前を抱いてやるから気にするな」 「抜かせ」 くっ、と聖川が楽しそうに笑う。 首だけを捻って振り返った先で、聖川が尻を割り開いて熱を埋め込んでいた。 粘膜が擦れあう待ち望んだ感覚に全身が打ち震える。 腰を叩きつけられて、中と思考を一緒に掻き回される。 目の前の小道具を奥小さな棚に手を突きながら、はぁはぁと短く荒い息を繰り返す。 混濁した意識の中で貫かれる快感だけがはっきりとしていた。 「はぁッ、は…ん"ぅうっ!」 「涎を、垂らすな…ばかもの」 言われてる間にも聖川の動きは緩まるどころか激しさを増し、 それに呼応するようにレンの半開きの口から零れる唾液がぼたぼたと散って壁を汚す。 たまらなくなってレンが後ろを締め付けると、中で聖川のものが質量を増した。 レンが勝ち誇ったように笑い、唇を舐めながら振り返る。 聖川はむっとしながらも無言で腰の動きを止め、レンの胸元に手を差し入れた。 「んひぃッ!!」 布地を押し上げていた胸の突起が乱暴に捻られる。 鈍い痛みを易々と包み隠すほどの快楽がレンの体を突き抜けた。 体内で荒れ狂う甘い濁流に押し流されるように、勢い良く精を吐き出す。 壁に飛び散った粘ついた液体を見てようやく自分が達してしまった事に気付く。 「くそッ…!」 「乳首で達したくらいで悪態をつくな」 「原因のお前が偉そうに…」 「俺はまだ何だ、まだ付き合ってもらうぞ」 「、ぅぐッ」 ぱん、と肉がぶつかり合う音が響く。 一度出してクリアになった脳内に、余計な思考がぽこぽこと湧き出す。 遠くでスタッフが談笑している声が微かにしている。 楽屋に戻っていない二人を心配して探しに来るかもしれない。 そもそも隠れたこの場所は本当に死角になっていたのだろうか。 悪い想像が心に広がる前に、敏感な粘膜を抉られて思考がまた濁る。 「くぅ…ッ」 「、あ」 尻を掴む手に力がこもって身構えた瞬間、奥に熱を吐き出される。 ゆるゆると名残惜しそうに奥を突いた陰茎がずる、と引き出されていく。 中で出されたものが零れないようにきゅっと穴を締めながら素早く身支度を整える。 聖川の瞳に宿る光もすっかり落ち着いて、いつもの鋭さを取り戻していた。 しばらく視線を絡めて、どちらからともなく外す。 遠くでスタッフが自分たちを探す声が聞こえて来て、ぴりっと緊張が走った。 素早くレンが余所行きの表情を貼り付けて、声がする方へと歩き出す。 ホールを包んでいた熱気もいつの間にかすっかり消え去っていた。 |
余裕が無いのに余裕ぶってる財閥可愛いよ財閥ぺろぺろ リクエストありがとうございましたー! |