恋の足音 since 2011.11.05 ※TOPへ戻る際は←のサイト名をクリックして下さい。


ゆさゆさと、誰かに肩を揺さぶられている感覚。同時に、俺の名前を呼ぶ声が切れ切れに耳に届く。
襲い掛かる眠気を必死に振り払って薄く目を開けると、想像通りの顔が覗き込んでいた。
電気が点いていない部屋はまだ薄暗く、それでも夜は明けているのかカーテンの隙間から光が漏れている。
おかしいな、この時間ならトキヤは部屋に居ないはずだ。
だっておはやっほーニュースの時間だし。
本人は隠したがっているから言わないけど、毎朝HAYATOとしての仕事のために部屋を空けるのを
俺は随分前から気付いている。
どうしたの、と言おうとした口は開いてくれなかった。
それどころか瞼も開いてくれない。昨日マサと那月と一緒にDVD見て深夜まで盛り上がったせいかな。
目玉が飴みたいにどろどろに溶けて、ぴったりくっついてるみたいだ。

「…音也」
起きてるよトキヤ、体は言う事聞いてくれないけどね。
心の中で返事をしても勿論トキヤに届くわけは無い。
トキヤは揺さぶっていた俺の肩から手を離し、何故かベッドに乗り上がって来た。
暴力的な起こし方でもされるのだろうかと意識だけ身構えていたら、トキヤは衣擦れの音すら聞こえないくらい
ゆっくり丁寧に俺のジャージの…下を、脱がせ始めた。
いやいやいやいや。
さっき俺に呼びかけていたのは起こすためじゃなくて、寝てるのを確認するためだったのか。
別にトキヤとこういう事をするのは初めてじゃない。
何度か学園のトイレとか空き教室とかで発情したトキヤに襲われた事があるからこの状況も納得できる範囲ではあるけど。
いくら何でも寝てるのを襲うのは反則じゃないかな!早く目覚めて俺の体!
嫌なんじゃなくてせっかくならじっくり味わいたい。
「音也…」
トキヤの声がうっとりと俺の名前を呼ぶ。熱っぽい吐息のサービス付きだ。
細い指が俺の股間を愛おしげに擦っている。さすがに眠気も吹き飛んだ。
「ちょっと、トキヤっ」
「ああ音也、おはようございます」
暗さに慣れていない目ではちゃんと確認出来ないけど、声の感じからして嬉しそうに笑ってる気がする。
その間に俺のパンツは素早くずり下ろされ、ぱんぱんに張った熱が飛び出した。
違う、朝立ちだから仕方無いんだよ!ああもうトキヤが生唾飲み込んだの聞こえちゃった…
「今日も元気そうで何よりです」
「あっ!もうトキヤ、ッ」
ジュースのストローを咥えるような気軽さで口に含まれてうっかり声を上げた。
トキヤのすべすべした唇に柔らかく締め付けられながら、根元を指で擦られる。
俺が気持ち良くなるための動きが段々、口内を犯す肉の感触を追う動きに変わる。
いつもツンと顎を上げて偉そうに俺を叱るトキヤを知ってる奴らがこの光景見たら絶句するだろうなあ。
俺も初めてトキヤに襲われた時は世界が終わるのかと思ったもんな。

「んむっ…ん、ん…っぅん」
両目をぎゅっと閉じて口内の感覚に意識を集中しているトキヤ。
唇の端から涎が次から次へと零れて俺のシーツにぼたぼたと落ちて染みを作る。
溢れるような量の唾液を使ってしゃぶられているのだから当然そこから生まれる音も大きくてやらしい。
ぐぽぐぽなんてエロ漫画だけの表現かと思ってた。トキヤとするようになるまでは。
「んー…」
頭を揺すって上から下まで味わうのに疲れたのか、トキヤは喉の奥まで俺を咥え込んだまま舌だけを絡めている。
限界が近い俺のが脈打ってトキヤの頬や歯を打つたびに、じわりと唾液が染み出す。
幹を伝って零れた分はトキヤがご丁寧にその指で掬い取ってそのまま擦ってくれる。
「もーほんと変態…」
「んぐッ!」
白々しく溜息を吐いて、トキヤの頭を掴んで腰を深く押し込む。
急に喉を塞がれて目を見開いたトキヤはそれでも抵抗の気配すら見せず、苦しさに涙を浮かべてながら
俺の動きに合わせて頭を振っている。
トキヤはきっとこのまま口内に出すか、顔にかけるかするのを望んでるんだろうけど。
その証拠に、乱暴に頭を引き剥がすと期待するようにトキヤが目を閉じた。
「こっちにはあげない」
「え…」
心の底から残念そうな声を漏らすトキヤの体を引き寄せ、そのままシーツに押し倒す。
軋むスプリングが大人しくなるのを待って、トキヤが腰を高く上げて膝を開いた。
俺がしたい事をすぐ理解してくれるのは嬉しいけど、正直複雑。
体を起こして腰を擦り合わせる初めて分かる。すっごい入れやすい位置にあるトキヤのお尻。
ほんと複雑。
「ちゃんと洗った?」
「貴方を起こす前に準備済みですよ」
目の前の窄まりを両手の親指で広げて、ふっと息を吹きかけるとトキヤの背がびくりと跳ねる。
早く入れてくれと言うように、穴がびくびく震えた。
中指を口に含んで濡らして、待ちきれないようにひくついてる穴へと差し込む。
簡単に根元まで飲み込まれた指をゆっくりと中の襞を押しながら引き抜き、また奥へと滑り込ませる。
前立腺を掠めるたびにトキヤが甲高い声をあげて枕に突っ伏す。
「音也っも、もう入れてください…ッ」
「えーちゃんと慣らさないと駄目だよ」
がくがく震えながら振り返って俺に懇願するトキヤににっこり笑って返す。
両側から指をひっかけて穴を押し広げても平気なんだから駄目なわけ無いんだけど。
変な時間に起こされたささやかな仕返し。
指を増やしたら悦ぶのは目に見えてるから、これ以上刺激を増やす事もしない。
トキヤが欲しがっているヤツじゃなきゃ届かない奥の性感帯は、中指だとぎりぎり届かない。
だから根元まで埋めて先端だけを引っ掻くように動かしても、トキヤはただ焦れるだけ。

「ぁあ…やだ…音也ぁ…」
頭を振り乱しながら吐息に混ぜるように喘いでいるトキヤ。
いつもは望まれるままに入れちゃって、ボリューム調整すらせずに善がるトキヤの声ばっか聴いてたからなんか新鮮。
息も絶え絶えになりながら震えるトキヤを見てると、じわりと快楽が走る。
「音也…ッ!」
トキヤの切羽詰った声に視線をずらすと、枕元の携帯がけたたましく鳴っていた。
アラームを設定したのは少なくとも1時間後。鳴り続ける呼び出し音はメールではなく誰かからの電話だ。
「取って」
手短に頼むと素早く携帯が手のひらに渡される。開いた画面には翔の文字。
「もしもし、翔?」
『おー悪いな朝早く。起きてるならバスケやらねぇ?』
「んー…」
言葉を適当に濁しながら、ベッドから這い出ようとしているトキヤの腰を片手で掴む。
びくりと驚いて見開いた目はすぐに俺のしたい事を察して伏せられ、元の位置へ体を戻す。
そして、力を抜くように息を細く深く吐く。
「俺まだカーテン開けて無いんだよね。天気どう?」
言いながら、トキヤへの体内へ侵入する。
携帯へ余計な音が漏れないようにそっと、でも時間は無いので手早く。
耳元で翔が雲ひとつ無いし風も無いから寒くないぞ、と笑っている。
目の前には肉棒をくわえ込んで嬉しそうに震えるトキヤのお尻。
トキヤの事変態だなんて言えないな。
大して慣らしてないのにあっさり入ったのは、俺のが我慢汁でべたべただったおかげでもある。
「じゃあTシャツだけで良いかな、どうせ熱くなるしね…」
トキヤが枕を口元に引き寄せたのを確認して、腰を強く叩きつける。
結合部の粘液が混ぜられた水音と、枕へと吸い込まれたトキヤの喘ぎ声。
どちらが聞こえたのかは分からないけど翔が何か変な音しなかったか、と訝しげに聞いてきた。
「部屋散らかってるからなあ何か落ちたのかも…」
『まーたトキヤに怒られるぞ』
「そうだねッ…」
『?音也、お前なんか息荒くねぇ?風邪かぁ?』
息が荒いのは確かだけど、トキヤとSEXしてるから仕方無いんだよ。
と言える筈も無く、余計な心配を掛けた事に罪悪感を覚えつつ曖昧に誤魔化す。
息を整えながら大きなストロークでトキヤを揺さぶった。
隠しきれなかった声がくぐもった音で枕元に溢れて霧散している。
静かに息を殺しながら深く抉って、トキヤの背にぴたりと張り付くように抱きつく。
「…っや、ばか…ッ」
『ん?トキヤも起きてんのか』
頬を摺り寄せるように密着したおかげでトキヤの漏らした声はしっかり翔に届いた。
言葉の内容までは理解していなかったが、今のトキヤに正常な判断力はほとんど無い。
真っ青にならずに真っ赤になって腰をもじもじさせる程度に頭が茹ってるんだから。
誰かに聞かれてると思うと興奮するんでしょ?
「そうだ、俺トキヤと勉強するんだった」
『おいおい、んじゃバスケどこじゃねーな』
苦笑する翔の声が耳元で震える。
俺も苦笑してごめんね、と返してから腰を浮かして、中の凹凸を確かめるように時間をかけて侵入。
唾液にまみれた枕は床に落ちて、トキヤは両手で口を覆ってびくびく痙攣しながら必死に耐えている。
鼻だけの呼吸に苦しくなって口元の手が少しだけ開いた瞬間を見計らって、
指じゃ届かない奥にあるトキヤの良い所に引っかかるように腰を叩きいれる。
「ぅあ"ぁッ!!」
『うぉっ!?おい今のトキヤの声じゃ…』
咄嗟の声が防げるはずもなく、トキヤの喉から情欲にまみれた叫び声があがる。
別にバレちゃっても良いかな、と思ったんだけど翔には今のがどういう声なのかまでは分からないみたいで
ちょっとだけ残念。
待ちわびた刺激にもっともっとと強請って動き始めた中の感触にうっかり出してしまいそうになる。
焦っている翔にはトキヤが勉強に使う辞典を足に落としちゃったんだよ、と苦しい言い訳。
その間も腰の動きは止めないまま、さっき焦らした分良い所だけを攻め立てる。
翔は不思議そうにしてたけど、特に追求するわけでもなく電話を切った。
追求されたらトキヤと電話変わってあげようかと思ったんだけどな。

「切れちゃった。トキヤも翔と話したかったよね」
「…………いいえ結構です……………」
「うっそだぁ、翔と電話しながら俺に犯されるーとかトキヤ好きそうじゃん」
携帯を足元に置いてトキヤの体をひっくり返そうとして、今朝初めての抵抗にあう。
耳まで真っ赤になったトキヤが嫌々するように頭を振って、両手でシーツを握り締めて踏ん張る。
「どうしたの…あ」
聞きながら思い当たり、トキヤの股間へ手を伸ばす。
どのタイミングか正確にはわからないけどすでに射精したそこはどろどろになっていて、
好奇心に負けて無理矢理仰向けにするとトキヤの顎先にまでかかっていた。
「うわートキヤえっろ!」
ニヤニヤ笑いながら顎に付着した精液を拭ってトキヤの目の前へ持っていく。
一度出してスイッチが切れてしまったのか恥ずかしそうに視線を逸らしてしまったトキヤの
唇のその指でなぞると、俺を睨みつける目の奥に怒っている色が見えた。
「あ、やっべ…」
貫かれたまま自分の精液まみれになりながら、それでも俺を叱ろうとするトキヤ。
マゾじゃないはずなんだけど、それに酷く興奮してしまう。
トキヤは勝手にイっちゃったけど、俺まだなんだからね。
ずる、と埋め込んでいた熱を引き抜くとトキヤが身を起こそうとベッドに肘をつく。
素早く両肩を押さえ込んでベッドに逆戻りさせて、綺麗になっている顎を掴んで正面を向かせる。
「音也、何、ッ!」
咎めるように細められた眼にはかけないように注意して、鼻先から唇にかけてたっぷり射精した。
ぽかん、と開いたままのトキヤの口の中にも搾り出すようにして出してから一息つく。
SEXの最中に顔にかけたのは何度かあるけど、一度スイッチが切れて普段のトキヤに戻った状態で
かけたのはこれが初めてだ。
結構、いやかなり良い。
自分の身に起こった事を理解したトキヤがわなわなと怒りに震え、ぎゅうと眉間に皺を寄せて
俺を睨みつける。俺を怒鳴りつける時の顔だ。
でも、今は俺の精液でどろどろに汚れてしまっている。
「トキヤかわいい」
ぽっと心に生まれた感情をそのまま声にすると、怒りに顔を赤くしていたトキヤが更に顔を赤くする。
それ以上顔に血集めてたら血管切れちゃうんじゃないの。
そう思ったけど、こっちは口に出さなかった。
翔にどんな顔をして会えば、とブツブツ言っているトキヤにその前に顔拭いたら、と助言。
途端に額に浮く青筋。やばい、こっちも口に出しちゃいけない事だった。
「音也ァ!!」
部屋を揺らすような大きな怒鳴り声にひっと身を竦ませる。
合意の上のSEX中の事なんだから多めに見てよ!とはさすがに言えなかった。
これ、今一番口に出しちゃいけない事だよね。
トキヤは基本的に淫乱だけどスイッチON/OFF時のふり幅が大きいと良いよね☆ 『視線の先に悪夢』で翔ちゃんが電話した時のトキヤがしてた事。