恋の足音 since 2011.11.05 ※TOPへ戻る際は←のサイト名をクリックして下さい。


獣じみた荒く短い息が、喉の奥から乱暴に吐き出される。
俺の意思などではなく、後ろから押さえ込まれ乱暴に貫かれているせいだ。
決して快楽に溺れて畜生に堕ちたわけでは無い。
「ぐぅッ、ぉあっ…」
「カミュの嬌声は可愛くない。もっと甘く啼いて下さい」
「戯言、を…んぃい"ッ!!」
俺を貪る荒々しさとは対照的な、甘ったれた子供の声。
腰を掴むその両手も、中を穿つその技巧もまだまだ拙いのに凶器だけが一人前な事が癪に障る。
小さな子供の腕程もある熱の塊が体内を行き来するたびに、内臓ごと持っていかれそうだ。
「ぎ、あ"ぁあッ!!」
「むぅ…これじゃあムリヤリみたいです」
その通りだろうが、と言おうと開いた口からは思い通りの言葉は出ず、
腰を叩きつけられ奥を強引に割り開かれ、掠れた悲鳴が出るだけだった。
目の前のシーツにぽたぽたと水滴が落ちる。汗か生理的に零れた涙か、それとも唾液か。
ムリヤリみたいだとこの馬鹿王子は言うが、事実この行為は無理矢理に進められたものだ。
切欠は何だったか、お互いの国での性行為の仕方が随分と違うと知って喧嘩になった。
寒さが厳しいシルクパレスでは情熱的に、お互いの熱を奪い合うように交わるが、
奴の住むアグナパレスでは穏やかに時間を掛けて熱を分け合うように交わると。
あくまでステレオタイプの話であってそれが常識というわけでは無いのだが、
馬鹿王子はどうやらお気に召さなかったようで売り言葉に買い言葉、お互いの国での性行為を実際に試す事になってしまった。
俺が女役というのはどうにも解せんが、アイドルとしての仕事が全く関係の無い行為には先輩後輩の立場を持ち込めず。
血筋の優劣によってあれよと言う間に俺がシーツに縫い付けられてしまった。
「やはりこの方法はワタシには合わない…」
「ふ、ん…貴様が下手なだけだろうが、ばかおう、じ…ッ」
珍しく俺の挑発に乗ってこなかった馬鹿王子は俺をパン生地か何かと勘違いでもしているのか、
奥に潜り込ませた熱の切っ先でぐりぐりと腸壁を捏ねている。
「カミュ、ワタシのやり方に変えていいですか?」
「何を勝手な、んぁ、ッ」
俺の抗議は聞き入れられず、開いた唇をそのまま塞がれた。
別の生き物のように器用に動き回る舌で口内を優しく掻き回される。
息を吸うため、文句を言う為に首を捻って逃げ口を開こうとする度すぐに追いつかれさらに深く貪られる。
ぴったりと押し付けられたままの腰が動くことは無かったが、擦られなくなったせいで腸壁がみっちりと
奴の形に吸い付いていてしまっているのが感じられた。
「分かりますか?今、カミュの中はワタシの形になってる…」
心の内を見透かされたような言葉が、耳元で囁かれる。
ミルクを強請る仔猫のようなあざとさを含んだ声に混じる雄の色が、気付かない振りをしていた疼きに火を付けた。
「っはぁ…ッ」
「ん?」
きゅう、と奥が締まった。
これだけ肌と肌を密着させているのだから奴も俺が欲情した事に気付いたのだろう。
くすりと嬉しそうな笑い声が振ってくる。
「ふふ、カミュの声が甘くなってきました」
「誰、が…ひんッ」
「男性でも、ここが気持ちいいヒトが居るのワタシ知ってます」
得意げに言いながら、奴の指先が胸に伸びてきて突起をぐに、と摘んだ。
花を摘むような優しげな仕草なのにそこから湧き上がった痺れは酷く刺激が強かった。
女ほど摘みやすくは無いだろう小さい突起の先端を捏ねられるたび、背がびくびくと跳ねる。
「ぃあッあ"ぅうっ」
「ああ、その声ステキです…もっと啼いて…」
「んひぃいッ!!」
カリ、と爪先で先端を引っかかれた。
そこから湧き上がる痺れが、僅かに残っていた凍った理性をぐずぐずに溶かしていく。
首筋につむじに、キスを繰り返しながら執拗に胸への愛撫はやめない。
腰の奥に溜まった甘い衝動にもどかしくなって身を捩ると、パッと手が離された。
「っふ…」
支えを失って、腰だけを高く突き上げた形でシーツに突っ伏す。
貫かれたままの中で奴の熱が位置を変えて、湧き上がった快感にぶるりと震えた。
腰を両手で掴まれ、ああまた中を使われるのかと身構えたが予想に反して俺を蹂躙していた熱はあっさりと出ていった。
「さぁカミュ、仰向けになって下さい」
考えるのも面倒になって、大人しくシーツに背中を預ける。
体温の高い馬鹿王子にずっと抱きしめられていたせいか、随分とひんやり感じられた。
ふと自分の股間を見ると、虚勢を張っていたのが恥ずかしくなるくらいにいきり立っているのが見えた。
「ああ、気持ちよくなってくれたんですね。嬉しい」
「………………………」
俺の熱に手を絡ませて上下に擦る奴の顔がうっとりと歪んでいる。
そのまま出すまでやるつもりか、と思った手はそのままするすると奥へ進み、弄ばれて綻んだままの秘部へと到達した。
「ほらカミュ、見ててください」
「何を…」
「指を入れます」
にこりと純粋無垢のお手本の様な笑顔で奴が言う。
呆れて気を抜いた瞬間に、宣言通りに指が1本ぬるりと滑り込んだ。
「んっ…」
奴は何も言わず、中の形を確かめるように少しずつ進み、ぐるりと円を描いては戻り、また進む。
知識があるのか無いのか、前立腺を時折掠められびくびくと腰が跳ねる。
「ひッ」
「見つけた」
ぐぅ、と前立腺を押し潰される。
チェシャ猫のように三日月形に目を細めた馬鹿王子は楽しそうに指を皿に増やす。
「はあ"ッあ、や、やめッ…」
俺の呼吸に合わせて強弱をつけて前立腺を捏ねられる。
息を吸ったら指を離し、吐いたら指の腹を使って刺激で膨らんだ前立腺を潰される。
「吸って、吐いて、吸って…」
「…はッはッはッ…ぁあああああ…」
荒くなる息の中、深く息を吐いたのに合わせてゆっくりと前立腺が潰されていく。
背が弓なりに反って、腰の奥から熱がぐんぐんとせり上がってきた。
ちかちかと目の前で閃光が散って、迫る快楽に身を委ねようとぎゅっと目を閉じた。
「駄目」
「!?ッぅあ"…」
根元にしっかり絡み付いている、奴の指。
出口を見失った熱は逆流して全身を駆け巡り、蝕んでいく。
自然に腰が揺れだしてどうにか拘束を逃れて快楽への階段を駆け上ろうともがいた。
「くそ、離せッ…」
「NON.ワタシより先に射精する事は許しません」
「な…ッ」
「貴方に種付けをしても世継ぎは生まれ無いけど…」
寂しそうに言いながら、俺の中に納まっていた指を引き抜いて熱く脈打つ熱の塊を押し付けてきた。
「ッくひぃい…」
粘着質な音を立てながら侵入してくる熱の塊に、前立腺をごりごりと押し潰される。
ゆっくりと三分の一ほど挿し入れ、さらにゆっくり抜いていき、また同じだけ挿し入れる。
乱暴に抜き差しされている時は痛みの方が強かったが、今は体内を捏ねられる愉悦だけが脳に響いておかしくなりそうだ。
いや、もうおかしくなっているか。
「あ"ひッき、きさ…ぉう"ぅ…ッ」
「ああ、どんどん中が蕩けていきます…あんなに硬かった中がこんなりねっとり絡み付いてくる」
「んぁああ"ッ…!――、ッ」
体中で行き場を失った熱が弾けて、何が善いいのかもう分からなくなってくる。
少しでも快楽を逃そうと頭を振っても何の意味を成さずそれどころか動いたせいで抉られる角度が変わって悶える羽目になった。
繋がったところから溶け出して、奴に掻き回されるだけの肉の塊になったようだ。
「く…そ…はな、きひッ」
緩やかな動きが唐突に終わり、奥の奥まで熱が侵入してくる。
耐え切れずに目尻からぼろぼろと涙が零れ、口の端からは理由の分からない唾液がだらだらと溢れてきた。
「あ"…あ"…」
「?おかしいです、カミュは精液を出していないのに…中が絶頂を迎えた時の様」
言われて、思い至る。
外へ向かって散るはずの熱が体内に全て散らばって、全身が燃え上がったまま収まらない。
「これなら、もっと奥を味わっても大丈夫そう」
「あ、待てッぎ」
パン、と肌がぶつかる音。
硬く閉ざされたままだった奥の奥、いくら柔らかくなっているとは言え受け入れる為の器官は無いという事を分かっていないのか。
どんなに奥に進んでも子を宿す場所など無いと言うのに、奴はぴたりと肌を合わせ、ほとんど真上から突くように中を味わっている。
体に響くのが痛みなのか快楽なのか、境目が曖昧になって溶け合って、茹った頭では判別出来ない。
「ひぃい"ッあぁあ"あッ…ッ!!」
見も世も無く泣き叫んでも、馬鹿王子の腰の動きは止まる事は無い。
アグナパレスでは熱を分け合うのでは無かったのか。これでは余りに一方的すぎる。
かと言って手加減しろ等というのはプライドが許さないし、そんな事を考えている理性ももう擦り切れてしまいそうだ。
「あぅ"ッんひぃい"・・・」
「くぅ…カミュ、出しますから、ね…」
「ッ!嫌、嫌だぁ…ッ」
種付け、という単語が脳裏に蘇る。
あくまでこれは性交を試すだけで、女役も流れやっただけで、と自分を納得させていたのに。
本当に女の代用に使われるとなると途端に得体の知れない恐怖に襲われる。
孕む心配など無い、すでに貫かれているし純潔を汚されるなどと生娘のような事を考えていたつもりも無い。
「んぁ…」
「ッ!!!」
鼻にかかった甘ったるい声が聞こえたかと思った瞬間、腹の奥でじわじわと熱が広がった。
中で熱がびくびくと跳ねて子種を勢いよく吐き出しているのがありありと感じられる。
注ぎ込まれる音すら聞こえてきそうなくらいに。
「ッん…あぁ…たくさん出ました」
「あ…あ…」
ぐにゃりと硬さを失うはずの熱は未だみっちりと奥に収まったまま、動こうとしない。
「カミュ、どうかした?」
「ッんぅ!!」
体を起こした奴のせいで、奥で出された子種がぐちゃりと音を立てる。
ずるずると抜け出そうとする動きのせいで、注ぎ込まれた子種が塗り広げられていった。
「く、そ…ッ」
「?ああ、Sorry.カミュはまだ出していませんでしたね」
「は?何を…あ"ッ!!?」
俺すら忘れていた指の拘束を解かれ、気を抜いたその一瞬に腰を叩きつけられる。
かと思えば前立腺付近の浅いところを滅茶苦茶に掻き回され、身を委ねるのすら恐ろしい大きな疼きが込み上げて来て。
それが弾けて股間から噴水のように自分の子種が噴出すのを見て、俺は意識を手放した。
まさにやってるだけの。セシルのはズッキーニサイズ推しです☆ミ